【富山1区はどこ?】区域は旧富山市域で、現在の富山市全域ではない
富山1区の範囲を理解するうえで、最初に押さえたいのが「旧富山市域」という区分です。現在の富山市は、2005年4月1日の市町村合併によって広い行政区域を持つようになりましたが、衆議院の小選挙区は現在の市域をそのまま一つの選挙区として扱っているわけではありません。
富山市が2026年の衆院選に関して公開した選挙情報でも、富山県第1区の該当区域は旧富山市と明記されています。したがって、富山市に住んでいるからといって、必ず富山1区の有権者になるわけではありません。
富山1区と富山2区の区域の違い

現在の区分を大まかに整理すると、次のようになります。
富山1区: 2005年の合併前の旧富山市域。
富山2区: 旧大沢野町、旧大山町、旧八尾町、旧婦中町、旧山田村、旧細入村の区域など。
特に注意したいのは、旧婦中町や旧八尾町など、現在は富山市に含まれている地域が富山1区ではなく富山2区に属することです。
このため、富山市内の住所から選挙区を判断する場合は、現在の町名だけでなく、合併前の自治体区域まで確認する必要があります。
2022年の区割り改定と現在の選挙区

衆議院の小選挙区は、人口の偏りや一票の格差を是正するため、定期的に区割りが見直されています。2022年には公職選挙法の改正による区割り変更が行われ、現在の区割りは2024年10月の第50回衆院選から適用されています。
富山1区については、2024年と2026年の選挙結果を比較する際、同じ2022年改定後の区割りを前提にできる点が重要です。選挙区の境界が異なる時代の得票数を比較すると、地域の有権者構成の違いまで混在する可能性があります。
【2026年最新】富山1区の衆院選は中田宏が当選!4候補の得票数と得票率

2026年2月8日投開票の第51回衆議院議員総選挙では、富山1区から4人が立候補しました。
小選挙区の定数は1人。結果は自民党の中田宏氏がトップとなり、81,875票を獲得して当選しました。得票率は63.4%で、2位の山としひろ氏を大きく引き離しています。
富山1区・2026年の開票結果一覧
出典:第51回衆議院議員総選挙の開票結果、選挙ドットコム掲載データ。得票率は公表値。
1位・中田宏氏:81,875票、得票率63.4%
今回の選挙で圧倒的な得票を集めたのが、自由民主党の中田宏氏です。
獲得票数は81,875票。2位の山としひろ氏との差は54,145票に達しました。得票率も63.4%となり、4候補の中で唯一、全体の6割を超えています。
中田氏は、横浜市長や衆議院議員、参議院議員を経験した政治家です。2026年1月の自民党公認決定を経て富山1区から立候補し、初めて同選挙区で議席を獲得しました。
富山県出身という地縁に加え、国政と地方行政の双方で経験を積んできたことが候補者としての特徴です。
2位・山としひろ氏:27,730票、得票率21.5%
山としひろ氏は中道改革連合から出馬し、27,730票を獲得しました。
山氏は2024年の第50回衆院選では立憲民主党の新人候補として富山1区に立候補し、45,179票を獲得しています。小選挙区では田畑裕明氏に738票差で敗れましたが、比例代表で復活当選しました。
2026年は所属政党が中道改革連合に変わり、得票数は前回より17,449票減少しています。候補者本人は同じでも、政党の構成や選挙環境が異なるため、数字だけで支持の変化を単純化することはできません。
3位・斉藤匠氏:14,207票、得票率11.0%
参政党から出馬した斉藤匠氏は、14,207票を獲得しました。
得票率は11.0%で、4候補のうち3位です。小選挙区での当選には届かなかったものの、1万票を超える得票を確保しました。
今回の富山1区では、自民党と中道改革連合の候補者による競争に加えて、参政党が独自の候補者を擁立したことも特徴です。従来の二大勢力を中心とした比較だけでは、選挙結果の全体像を把握できません。
4位・青山了介氏:5,323票、得票率4.1%
日本共産党の青山了介氏は5,323票、得票率4.1%でした。
青山氏は2024年の第50回衆院選にも日本共産党の候補として出馬しており、当時は6,903票を獲得しています。2026年は1,580票減少しました。
2回の選挙で同じ候補者が立候補しているため、今回の結果を比較する際の参考になります。ただし、投票率や他候補の構成も変わっているため、得票の増減だけで政党支持全体の変化を断定することはできません。
【投票率50.1%を検証】富山1区は前回選挙からどう変わった?
2026年の富山1区では、候補者の得票だけでなく、投票率と有権者数にも変化がありました。
今回の投票率は50.1%。有権者数は262,391人で、前回の2024年と比べると1,598人減少しています。
2024年と2026年の基本データ比較
| 比較項目 | 2024年 | 2026年 |
|---|---|---|
| 選挙 | 第50回 | 第51回 |
| 投票日 | 10月27日 | 2月8日 |
| 有権者数 | 263,989人 | 262,391人 |
| 投票率 | 51.66% | 50.1% |
| 候補者数 | 5人 | 4人 |
| 小選挙区当選者 | 田畑裕明 | 中田宏 |
| 当選者の得票数 | 45,917票 | 81,875票 |
| 当選者の得票率 | 35.1% | 63.4% |
投票率は1.56ポイント低下
2024年の投票率51.66%に対し、2026年は50.1%でした。差は約1.56ポイントの低下です。
有権者数も263,989人から262,391人へと減少しています。人口構成の変化や選挙時期など、投票行動に関わる要素は複数あります。
注目すべきなのは、投票率が下がった一方で、当選者の得票数は大幅に増加していることです。2024年の田畑氏は45,917票でしたが、2026年の中田氏は81,875票を獲得しました。
自民党の候補者という政党単位で比較すれば、得票は35,958票増えています。ただし、2024年と2026年では候補者本人が異なります。前回の田畑氏と今回の中田氏の個人支持を同じ条件で比較することはできません。
2024年の接戦から2026年の大差へ
2024年の富山1区は、田畑裕明氏と山としひろ氏による接戦でした。
両者の得票数は次のとおりです。
- 田畑裕明氏(自民党):45,917票
- 山としひろ氏(立憲民主党):45,179票
その差はわずか738票。小選挙区の勝敗を左右するほどの僅差でした。
これに対して2026年は、中田氏が2位に54,145票の差をつけています。前回のような接戦にはならず、選挙結果は大きく変わりました。
ただし、2024年と2026年の間には、自民党の候補者交代や野党側の政党再編もあります。得票差の拡大は、単純な現職評価だけでは説明できない選挙環境の変化を含んでいます。
【なぜ候補者が変わった?】中田宏の擁立と田畑裕明の比例転出
2026年の富山1区を理解するうえで見落とせないのが、自民党の候補者選考です。
2024年に小選挙区で当選した田畑裕明氏は、次の選挙でも富山1区からの出馬に意欲を示していました。しかし、自民党内では無断・架空の党員登録問題が浮上し、富山1区の公認候補をめぐる調整が続きました。
2026年1月16日、自民党富山市連は中田宏氏の擁立を決定。1月21日には自民党本部が中田氏を富山1区の公認候補として正式に発表しました。
田畑氏は最終的に小選挙区から比例代表へと出馬先を変更し、比例代表で当選しています。したがって、2026年の富山1区は、単に前回の当選者が敗れた選挙ではなく、自民党の公認候補そのものが交代した選挙でした。
中田宏氏が擁立された背景
中田氏は1964年生まれ。青山学院大学経済学部を卒業し、松下政経塾を経て1993年に衆議院議員に初当選しました。
その後、2002年に横浜市長に就任し、2006年に再選。2012年には衆議院議員として再び国政に復帰し、2022年には参議院議員に当選しています。
2026年の富山1区への擁立に際しては、こうした国政・地方行政の経験に加え、富山との地縁も評価されたと共同通信は報じています。
当選後は衆議院議員として活動し、2026年9月時点では文部科学副大臣を務めています。
2026年の選挙結果が示す政治的な変化
今回の結果には、少なくとも3つの注目点があります。
第一に、自民党は候補者を交代させたうえで、小選挙区の議席を確保しました。第二に、2024年に比例復活した山氏は、2026年も2位となり、小選挙区では当選に届きませんでした。第三に、参政党が1万票を超える得票を確保し、選挙の構図に新しい要素を加えています。
選挙結果は有権者が投じた票の集計です。一方で、候補者の交代や政党再編など、選挙に至る過程も含めて見なければ、地域政治の変化を正確に読み解くことはできません。
【富山1区の歴代当選者】長勢甚遠・村井宗明・田畑裕明から中田宏へ
富山1区の歴代当選者を振り返ると、自民党が長期間にわたり議席を確保してきたことが分かります。その間には、2009年の政権交代に伴う民主党候補の当選もありました。
小選挙区制導入後の主な当選者
- 1996年:長勢甚遠氏(自民党)
- 2000年:長勢甚遠氏(自民党)
- 2003年:長勢甚遠氏(自民党)
- 2005年:長勢甚遠氏(自民党)
- 2009年:村井宗明氏(民主党)
- 2012年:田畑裕明氏(自民党)
- 2014年:田畑裕明氏(自民党)
- 2017年:田畑裕明氏(自民党)
- 2021年:田畑裕明氏(自民党)
- 2024年:田畑裕明氏(自民党)
- 2026年:中田宏氏(自民党)
歴代当選者から見える3つの転換点
富山1区の政治史を大きく分けると、3つの転換点があります。
1つ目は、長勢甚遠氏の時代です。 1996年の小選挙区制導入後、2005年まで長勢氏が連続して議席を獲得しました。自民党の強固な地盤を示す時期でした。
2つ目は、2009年の政権交代です。 民主党の村井宗明氏が小選挙区で当選し、自民党の長勢氏は比例代表で議席を確保しました。全国的な政権交代の流れが富山1区にも表れた選挙でした。
3つ目は、2012年以降の田畑氏の長期当選と2026年の交代です。 田畑氏は2012年から2024年まで5回連続で小選挙区の議席を獲得しました。2026年は自民党の公認候補が中田氏に交代し、新たな議員が選挙区の代表となりました。
なお、歴代当選者の比較では、過去の区割り改定や市町村合併も考慮する必要があります。選挙区名が同じでも、すべての選挙で対象地域が完全に同一だったわけではありません。
富山1区の現在の議員は中田宏氏
2026年11月1日時点で、富山1区選出の衆議院議員は中田宏氏です。
衆議院の議員プロフィールでは、富山県第1区選出の自由民主党議員として掲載されています。2026年9月時点では文部科学副大臣にも就任しており、国政での役職を担っています。
ここで注意したいのが、選挙区選出議員と比例代表選出議員の違いです。2026年の衆院選では、田畑裕明氏も比例代表で当選していますが、富山1区の小選挙区で選ばれた議員は中田氏です。
【プロの結論】富山1区の選挙結果は得票数・候補者交代・投票率の3点で読む
2026年の富山1区を正確に理解するには、当選者の名前だけを確認するのでは不十分です。得票率、前回との違い、候補者の選考過程を組み合わせることで、選挙結果の意味が見えてきます。
判断基準1:当選者の得票率と2位との差を見る
中田氏の得票率は63.4%。2位との差は54,145票です。2024年の738票差と比較すれば、勝敗の構図が大きく変わったことは明らかです。
ただし、得票率は小選挙区における有効投票を基準にした数字です。選挙区全体の有権者の63.4%が中田氏を支持したという意味ではありません。
判断基準2:投票率と有権者数をセットで確認する
投票率50.1%という数字は、約半数の有権者が投票に参加したことを示します。
選挙結果を評価するときは、投票率だけでなく、有権者数や実際の得票数も確認する必要があります。今回のように投票率が低下していても、特定候補の得票が大幅に増えることはあります。
判断基準3:政党の得票と候補者個人の得票を区別する
2024年は田畑氏、2026年は中田氏が自民党候補として出馬しました。両者の得票を比較することはできますが、その差をそのまま候補者個人の人気の変化とみなすことはできません。
山氏のように両選挙に立候補した人物についても、所属政党が変わっている点を踏まえる必要があります。
富山1区の民意を読み解く際に最も大切なのは、選挙結果を一つの数字だけで判断しないことです。 候補者、政党、投票率、選挙制度の変化を分けて見ることで、地域政治の実態に近づけます。
【富山1区に関するよくある質問(FAQ)】
Q1:富山1区はどこからどこまでですか?
A1:2005年の市町村合併前の旧富山市域が対象です。現在の富山市全域ではなく、旧大沢野町や旧八尾町などは富山2区に属します。
Q2:2026年の富山1区の衆院選で当選したのは誰ですか?
A2:自由民主党の中田宏氏です。81,875票、得票率63.4%を獲得し、2位の山としひろ氏に54,145票差をつけて当選しました。
Q3:2026年の富山1区の投票率と有権者数は?
A3:投票率は50.1%、有権者数は262,391人です。2024年の投票率51.66%と比べると約1.56ポイント低下しました。
Q4:山としひろ氏の2026年の選挙結果は?
A4:中道改革連合から出馬し、27,730票、得票率21.5%で2位でした。2024年は立憲民主党から45,179票を獲得し、小選挙区では2位ながら比例代表で復活当選しています。
Q5:富山1区の現在の議員は誰ですか?
A5:2026年11月1日時点では、中田宏氏です。2026年2月の第51回衆院選で小選挙区の議席を獲得しました。
Q6:2026年の富山1区で自民党の候補者が変わったのはなぜですか?
A6:前回当選者の田畑裕明氏をめぐる無断・架空の党員登録問題などを背景に、自民党が中田宏氏を公認しました。田畑氏は比例代表に転出し、当選しています。
Q7:富山1区の歴代当選者には誰がいますか?
A7:主な当選者には長勢甚遠氏、村井宗明氏、田畑裕明氏、中田宏氏がいます。長勢氏は1996年から2005年、村井氏は2009年、田畑氏は2012年から2024年、中田氏は2026年の小選挙区で当選しました。
まとめ:富山1区の2026年衆院選は中田宏の大差当選で新体制へ
2026年の富山1区は、旧富山市域を対象とする小選挙区で、第51回衆議院議員総選挙の結果、自由民主党の中田宏氏が81,875票、得票率63.4%で当選しました。
有権者数は262,391人、投票率は50.1%。山としひろ氏、斉藤匠氏、青山了介氏の3候補を抑えた結果となりました。
前回の2024年は田畑裕明氏と山氏が738票差で争った接戦でしたが、2026年は自民党の公認候補交代や野党側の政党再編など、選挙を取り巻く状況が変わっています。
歴代当選者を見ても、長勢甚遠氏、村井宗明氏、田畑裕明氏と続いた富山1区の議席は、2026年に中田氏へと引き継がれました。今後は、中田氏が選挙で示された支持をどのように地域政策や国政での活動につなげるかが焦点になります。
富山1区の選挙結果を調べる際は、まず自分の住所が旧富山市域に該当するかを確認し、そのうえで小選挙区の得票数、比例代表の当選状況、投票率を分けて見ることが、正確な理解につながります。