【猛暑日・酷暑日の観測記録】40℃以上が5日連続!2026年の異常な暑さ
2026年夏を象徴する出来事が、最高気温40℃以上となる酷暑日の頻発です。
気象庁が9月1日に公表した観測記録によると、2026年6月から8月までに、全国914地点のうち22地点で40℃以上を観測しました。延べ観測数は36地点に達し、比較可能な2010年以降で最多となりました。
7月21日から25日まで国内初の5日連続酷暑日

特に大きな注目を集めたのが、7月下旬の記録です。
7月21日から25日まで、国内のいずれかの観測地点で毎日40℃以上を記録しました。国内で5日連続の酷暑日が観測されたのは初めてです。
7月23日には静岡県浜松市天竜区の佐久間で41.1℃を観測。愛知県豊田市や岐阜県美濃市、三重県桑名市などでも40℃を超えました。
さらに7月27日には大分県日田市で40.0℃を観測し、九州でも初めての酷暑日となりました。
2025年と2026年の猛暑日・酷暑日を比較

全国平均気温だけを比較すると、2026年は2025年より暑さが弱まったように見えます。しかし、極端な高温の観測記録は違った結果を示しています。
| 比較項目 | 2025年 | 2026年 |
|---|---|---|
| 夏の平均気温偏差 | +2.36℃ | +1.02℃ |
| 夏の平均気温順位 | 1位 | 5位 |
| 猛暑日の延べ地点数 | 9,385 | 約7,529 |
| 酷暑日の延べ観測数 | 30 | 36 |
出典:気象庁、日本気象協会などの公表データ。猛暑日は35℃以上、酷暑日は40℃以上。延べ地点数は同じ観測地点で複数日発生した場合も日ごとに加算する。
この比較から読み取れるのは、2026年は全国平均の暑さでは2025年を下回ったものの、局地的な極端高温では前年を上回ったという事実です。
猛暑日も延べ約7,529地点に達し、2010年以降で3番目に多い水準でした。
つまり、夏の暑さを評価する際には、平均気温だけでなく、35℃以上・40℃以上の観測回数や地域ごとの高温の持続期間も確認する必要があります。
【なぜ2026年の夏は暑かった?】偏西風の蛇行・エルニーニョ・地球温暖化を分析

2026年の異常高温は、一つの気象現象だけで説明できるものではありません。
気象庁の異常気象分析検討会が9月1日に公表した分析では、偏西風の蛇行、高気圧の発達、エルニーニョ現象、地球温暖化などが、それぞれ異なる形で夏の天候に関係していたことが示されています。
1. 偏西風が北側に蛇行して暖かい空気が流入
偏西風は、中緯度地域の上空を西から東へ吹く風です。
通常は日本付近の気圧配置や気温の変化に大きく関係しますが、2026年は日本付近で平年より北側を流れやすくなりました。
その結果、西日本付近では上層のチベット高気圧が強まり、上空から地表付近まで背の高い高気圧に覆われる状態が発生しました。
高気圧に覆われると下降気流が強まり、空気が上空から地表付近へ下降する過程で圧縮され、温度が上がります。これが断熱昇温です。
さらに、晴天による強い日射も加わり、地表付近の気温が一段と上昇しました。
2. 太平洋高気圧とチベット高気圧が重なった
2026年7月下旬から8月初めにかけては、上層のチベット高気圧と太平洋高気圧の影響が重なりました。
特に西日本では、太平洋高気圧の縁辺を回る暖かい空気が流れ込み、高温が続きやすい状態になりました。
また、晴れた日が続いたことで日射量が増え、地上付近の気温も上昇しました。
気象庁は、こうした大気の状態と地球温暖化の影響が重なって、記録的な高温につながったと分析しています。
3. エルニーニョ現象はどのように影響した?
2026年6月10日、気象庁は春からエルニーニョ現象が発生しているとみられると発表しました。
エルニーニョ現象とは、太平洋赤道域の中部から東部にかけて、海面水温が平年より高くなる現象です。
この現象は大気の循環にも影響し、日本を含む世界各地の気象条件を変化させます。
2026年7月には、太平洋赤道域東部の監視海域における海面水温の基準値との差が+2.5℃となりました。気象庁によると、7月として1997年と並ぶ過去最大級の顕著なエルニーニョ現象でした。
ただし、エルニーニョ現象がそのまま日本の猛暑を直接引き起こしたという単純な関係ではありません。
気象庁の分析では、今回のエルニーニョ現象は夏の台風発生数が多かった背景の一つとして、偏東風波動の活動が活発だったことに関係したとされています。
一方、日本の高温には偏西風の北への蛇行や高気圧の停滞が大きく関係していました。過去のエルニーニョ発生時とは異なる大気の流れも確認されています。
4. 地球温暖化によって猛暑が発生しやすくなっている
今回の高温を考えるうえで、特に重要なのが地球温暖化の影響です。
気象庁と文部科学省の気候変動予測先端研究プログラムの合同研究チームによるイベント・アトリビューション解析では、2026年7月中旬から8月上旬の西日本の高温は、地球温暖化がなかったと仮定すると、ほぼ発生し得なかったことが示されました。
イベント・アトリビューションとは、実際に発生した極端な気象現象について、地球温暖化の影響がなかった仮想的な気候条件と比較し、その発生確率や強度への影響を調べる手法です。
これは、偏西風や高気圧などの自然の気象変動だけでなく、長期的な気温上昇も極端な猛暑の背景にあることを示しています。
【2026年の猛暑から分かること】夏の平均気温は今後も上昇する?
2026年の夏だけを見ても、気温上昇の長期的な傾向を正確に把握することはできません。
重要なのは、1898年から続く気象庁の観測記録を通して、過去と現在を比較することです。
1898年以降の夏の気温ランキング
気象庁の統計によると、2026年夏の平均気温偏差は+1.02℃で、1898年以降5番目の高さでした。
上位の記録を整理すると、次のようになります。
- 1位:2025年(+2.36℃)
- 2位:2023年・2024年(+1.76℃)
- 4位:2010年(+1.08℃)
- 5位:2026年(+1.02℃)
特に注目したいのは、2023年から2026年にかけて、歴代上位の高温年が集中していることです。
夏の平均気温は変動を繰り返しながらも、長期的には100年あたり1.41℃の割合で上昇しています。
平年差+1.02℃は実際の気温が1.02℃という意味ではない
気温データを読むときに注意したいのが「平年差」という表現です。
平年差は、実際の平均気温と基準となる30年間の平均気温との差を示します。
2026年の+1.02℃は、2026年の夏の全国平均気温が1991~2020年の平均値より1.02℃高かったという意味です。
実際の気温が1.02℃だったという意味ではありません。
また、全国平均の偏差は地域ごとの気温差を平均化したものです。東京や大阪、札幌など個々の都市の気温と同じ数字になるわけではありません。
【プロの結論】2026年の夏は平均値よりも極端な高温に注目すべきだった
2026年の気温データから得られる最大の教訓は、全国平均と局地的な猛暑を分けて評価する必要があることです。
2025年は全国平均で史上最高の高温となりました。一方、2026年は全国平均では5位だったにもかかわらず、40℃以上の観測数は2010年以降で最多となりました。
これは、夏の暑さを一つの数値だけで判断することの難しさを示しています。
今後、夏の気温予想を確認するときは、次の3つを合わせて見ることが有効です。
1. 全国・地域別の平均気温予想: 夏全体の暑さの傾向を把握する。
2. 月別の気温予想: 7月や8月など、暑さが集中する時期を確認する。
3. 猛暑日・酷暑日の予想と高温情報: 実際の生活や健康に影響する極端な暑さを把握する。
特に、全国平均が平年並みでも、特定地域では危険な暑さになる可能性があります。気温の平均値だけで安心せず、地域別の予報や日々の高温情報を確認することが大切です。
【今年の夏の気温予想】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2026年の夏は過去何番目に暑かった?
2026年の夏は、全国平均気温の平年差が+1.02℃となり、1898年の統計開始以降5番目の高温でした。
Q2:2026年の夏で最も暑かった月は何月?
全国平均気温の平年差では7月が最も高く、+1.66℃でした。1898年以降4番目の高温です。
Q3:2026年は2025年より暑かった?
全国平均では2025年のほうが暑く、2025年は平年差+2.36℃で歴代1位、2026年は+1.02℃で歴代5位でした。ただし、40℃以上の酷暑日の延べ観測数は2026年の36地点が2025年の30地点を上回っています。
Q4:2026年に40℃以上を観測した地域は?
愛知県、岐阜県、静岡県、三重県、山梨県、大分県、高知県、和歌山県、香川県などです。気象庁の集計では、全国22地点で延べ36回の酷暑日が観測されました。
Q5:エルニーニョ現象が発生すると日本の夏は必ず暑くなる?
必ずしもそうではありません。エルニーニョ現象は海洋と大気の循環に影響しますが、日本の夏の気温は偏西風や太平洋高気圧など複数の要因によって決まります。2026年もエルニーニョ現象だけで猛暑を説明することはできません。
Q6:日本の夏の平均気温は今後も上がる?
気象庁の長期統計では、日本の夏の平均気温は100年あたり1.41℃の割合で上昇しています。年ごとの変動はありますが、長期的には上昇傾向が確認されています。
まとめ:2026年の夏は全国平均5位でも酷暑日の記録を更新
2026年の夏は、全国平均気温が平年差+1.02℃となり、1898年以降5番目の高温を記録しました。
5月の気象庁の3か月予報では全国的な高温が予想されており、その方向性は実際の観測結果とも一致しました。
しかし、7月下旬から8月にかけては、偏西風の北への蛇行や高気圧の発達などが重なり、40℃以上の酷暑日が延べ36地点で観測されました。これは2010年以降で最多です。
2025年の全国平均気温を下回ったからといって、2026年の暑さが軽かったわけではありません。地域によっては記録的な高温が続き、猛暑日や酷暑日の危険性が改めて浮き彫りになりました。
気象庁の長期統計が示す夏の平均気温の上昇傾向も踏まえると、今後の夏は全国平均だけでなく、地域別の高温予想や極端な暑さの発生にも目を向ける必要があります。
2026年の夏が残した最大の教訓は、平均気温の順位だけでは、本当の猛暑の厳しさは分からないということです。 今後も気象庁の季節予報や最新の気象データを確認し、地域ごとの暑さに応じた備えを続けることが求められます。