【原作小説】斜線堂有紀が描いた恋愛と狂気の物語とは?

目次

映画の出発点となったのは、斜線堂有紀による小説『恋に至る病』です。

KADOKAWAの公式書誌情報によると、原作は2020年3月25日発売、304ページの文庫作品。レーベルはメディアワークス文庫で、ISBNは9784049130829です。


『恋に至る病』原作小説

- 著者:斜線堂有紀
- 出版社:KADOKAWA
- レーベル:メディアワークス文庫
- 発売日:2020年3月25日
- ページ数:304ページ
- ジャンル:恋愛・サスペンス

原作のあらすじと物語の核心

恋に至る病映画

物語の中心にいるのは、女子高生の寄河景と、彼女を愛する幼なじみの少年・宮嶺望です。

景は誰からも好かれる魅力的な少女。しかし、彼女には恐ろしい秘密が隠されています。

やがて日本中を震撼させることになるのが、150人以上の被害者を出す自殺教唆ゲーム「青い蝶」です。その主催者は、意外にも周囲から善良な人物として見られていた景でした。

宮嶺は、彼女が変わっていくことに気づきながらも、愛する気持ちを捨てられません。

この作品が読者に突きつけるのは、単純な善悪の判断ではありません。

「愛する人が犯罪に関わっていたら、その人をどこまで受け入れられるのか」という、非常に難しい問いです。

斜線堂有紀とはどんな作家?


1993年秋田県生まれ、埼玉県育ち。第23回電撃小説大賞のメディアワークス文庫賞を受賞し、『キネマ探偵カレイドミステリー』で作家デビューしました。

斜線堂作品の魅力の一つは、恋愛や人間関係を題材にしながら、そこにミステリーや心理的な不安を組み込む構成です。

『恋に至る病』でも、恋愛小説として読み始めた読者が、物語の進行とともに登場人物の言動を疑い始める仕掛けが用意されています。

映画化に際しても、この独特の世界観が企画の大きな魅力になりました。

【映画のあらすじ・キャスト】長尾謙杜と山田杏奈が演じる危険な初恋

映画『恋に至る病』は、2025年10月24日公開、上映時間109分、PG12指定の日本映画です。

監督は廣木隆一。長尾謙杜と山田杏奈がダブル主演を務め、恋愛とサスペンスが交差する物語を映像化しました。

映画版のあらすじ

主人公の宮嶺望は、他人と深く関わることを避けて生きてきた内気な男子高校生です。

転校先の学校で出会ったのが、明るく華やかで、クラスの人気者である寄河景でした。

対照的な性格の2人ですが、少しずつ距離を縮め、やがて互いを大切に思うようになります。

ところが、同級生の根津原あきらが遺体で発見されたことをきっかけに、学校の周辺で不審な出来事が続きます。

宮嶺は、愛する景が事件に関係しているのではないかと疑い始めます。

それでも彼は、景を好きだという気持ちを簡単には捨てられません。

映画の大きな見どころは、恋人を信じたい気持ちと、彼女に対する疑惑が同時に存在する宮嶺の葛藤です。

公式作品紹介では、終盤の「ラスト4分」で明かされる景の本心も重要な見どころとして紹介されています。

映画『恋に至る病』のキャスト一覧

映画版には、若手俳優を中心に実力派の出演者が集まっています。

役名 キャスト 役どころ
宮嶺望 長尾謙杜 内気な男子高校生・主人公
寄河景 山田杏奈 クラスの人気者
根津原あきら 醍醐虎汰朗 同級生
善名美玖利 中井友望 同級生
木村民雄 中川翼 同級生
緒野江美 上原あまね 同級生
氷山麻那 小林桃子 同級生
大関華 井本彩花 同級生
井出翔太 真弓孟之 同級生
宮嶺義彦 忍成修吾 宮嶺の父
宮嶺久美子 河井青葉 宮嶺の母
入見遠子 前田敦子 事件を捜査する刑事

特に注目したいのは、長尾謙杜と山田杏奈の組み合わせです。

宮嶺は、相手の言動を疑いながらも愛情を捨てられない人物。一方の景は、明るく親しみやすい表情の裏に、簡単には理解できない一面を抱えています。

2人の表情や視線の変化が、作品の緊張感を支えています。

映画の主題歌はSaucy Dog


主題歌:「奇跡を待ってたって」

配信リリース:2025年10月22日

主題歌は、Saucy Dogが映画のために書き下ろした「奇跡を待ってたって」です。

映画の切なさや登場人物の揺れる感情を彩る楽曲で、映画公開に先駆けて配信されました。

【映画化の経緯と原作比較】小説から映画へ何が変わった?

映画化の経緯を理解するうえで重要なのが、企画プロデューサーの田辺圭吾氏による着目と、制作陣による脚本の再構成です。

映画公式サイトのプロダクションノートによると、田辺プロデューサーが原作を知ったきっかけは、TikTokで話題になっていたことでした。

実際に読んでみると、従来の恋愛小説とは異なるサスペンス性や、作品全体に漂うダークな雰囲気に魅力を感じたと紹介されています。

その後、制作プロダクションのダブに所属する宇田川寧プロデューサーを通じて廣木隆一監督に映画化を打診。監督の了承を経て、脚本制作が始まりました。

映画化にあたって行われた主な変更

特に大きな変更は、主人公2人の年齢設定です。

原作では宮嶺と景の小学生時代から物語が描かれますが、映画では最初から高校生として登場します。

また、映画では景の秘密を宮嶺が知るタイミングも再構成されました。

制作陣は、2人が早い段階で秘密を共有したうえで、それでも相手を好きでいられるのかという関係性を物語の軸に据えています。

脚本は加藤正人と加藤結子の2人体制。加藤正人氏が基本部分を担当し、加藤結子氏が若い世代の感覚に合う台詞表現などを調整したと、公式プロダクションノートで説明されています。

原作と映画の違いを比較

比較項目 原作小説 映画版
物語の開始 小学生時代から描写 高校生から開始
主人公 宮嶺望・寄河景 同じ2人
秘密の共有 小説独自の展開 早い段階で共有する構成
表現方法 心理描写や文章による伏線 表情・映像・演技による表現
景の秘密 小説の構成に沿って展開 映像向けに再構成
脚本 斜線堂有紀の原作 加藤正人・加藤結子

この違いは、単なる尺の都合による省略ではありません。

小説は宮嶺の回想や内面を通して、景という人物の変化を読者に追わせます。一方、映画は2人が秘密を共有した後の関係性に重点を置くことで、限られた上映時間の中に恋愛とサスペンスの緊張感を凝縮しています。

つまり、映画は原作の筋書きをそのまま再現するのではなく、秘密を抱えた2人の恋愛を、映像ならではの距離感で描き直した作品なのです。

【スピンオフ短編集】『病に至る恋』は続編?映画との関係を解説


『病に至る恋』

- 著者:斜線堂有紀
- 発売日:2025年9月25日
- レーベル:メディアワークス文庫
- ページ数:208ページ
- ISBN:9784049166262

映画公開の約1か月前に発売されたのが、スピンオフ短編集『病に至る恋』です。

2025年9月25日にKADOKAWAから刊行され、本編と同じメディアワークス文庫のシリーズ作品として位置づけられています。

『病に至る恋』に収録された4つの短編

公式書誌情報では、次の4作品が収録されています。

1. 病巣の繭

寄河景の幼少期を描き、彼女が現在の人物像に至るまでの背景を掘り下げる物語。

2. 病に至る恋

自殺教唆ゲーム「青い蝶」に囚われた少年少女を描く物語。

3. どこにでもある一日の話

景と宮嶺望のデートを描いたエピソード。

4. バタフライエフェクト・シンドローム

景が自分の異常性に気づき、小学校に通うのをやめていたらという別の可能性を描く物語。

『恋に至る病』と『病に至る恋』は何が違う?

2作品の関係を理解する際に大切なのは、単純な前編・後編ではないという点です。

『恋に至る病』は宮嶺と景を中心に、愛情と疑惑が交錯する本編です。

対して『病に至る恋』は、本編で描き切れなかった背景や周辺人物、別の可能性に焦点を当てた短編集です。

特に注目したいのは、景の幼少期を描く「病巣の繭」と、別の展開を扱う「バタフライエフェクト・シンドローム」です。

本編だけでは読み取りにくかった景という人物の形成過程や、物語の可能性を考える手がかりになります。

映画を観る前後にスピンオフを読むと、景の人物像を別の角度から捉えられるというのが、この短編集の大きな魅力です。

なお、『病に至る恋』は映画の続編ではなく、斜線堂有紀による小説シリーズの関連短編集です。映画の第2作が制作決定したという意味でもありません。

【映画の評判・2026年最新情報】評価と映像ソフトの発売状況

映画『恋に至る病』は、2025年10月24日の公開後、恋愛映画としての側面とサスペンスとしての側面の両方から評価されてきました。

映画の評判は?レビューサイトの評価

2026年10月時点で確認できる映画レビューサイトの掲載情報は次のとおりです。

レビューサイト 掲載評価 備考
Filmarks 3.2/5.0 約4,000件のレビュー
KINENOTE 61.1/100 64人の平均評点

この数字から読み取れるのは、作品への評価が一方向に集中しているわけではないということです。

Filmarksでは中間評価の投稿が比較的多く、高評価と低評価の双方が見られます。

作品の性質を踏まえると、評価が分かれる理由として考えられるのは次のポイントです。

- 恋愛映画として観る人: 2人の初恋や切ない関係性に注目する。
- サスペンスとして観る人: 景の秘密や事件の展開、終盤の真相に注目する。
- 原作ファン: 小説の心理描写や構成が映像でどう再現されたかを重視する。

とりわけ、原作を読んでいるかどうかによって、登場人物の受け止め方や映画の展開に対する印象が変わる可能性があります。

2026年の最新情報:DVD・Blu-rayが発売

発売済み 2026年7月3日

2026年の大きな動きとして押さえておきたいのが、映画の映像ソフト発売です。

KADOKAWAの公式商品情報では、2026年7月3日にBlu-ray豪華版、DVD豪華版、DVD通常版が発売されています。

豪華版には、次のような特典が用意されています。

- 長尾謙杜・山田杏奈・廣木隆一監督によるビジュアルコメンタリー
- メイキング映像
- イベント映像集
- 予告編集
- 特製ブックレット
- ポストカード(数量限定封入特典)

本編の上映時間は約109分です。映画本編だけでなく、出演者や監督による制作時の解説も楽しみたい人には、豪華版が選択肢になります。

なお、動画配信サービスの取り扱いは契約や配信期間によって変わるため、視聴時点で各サービスの作品掲載状況を確認する必要があります。

これから観る人におすすめできる?

映画『恋に至る病』が向いているのは、次のような人です。

- 一般的な青春ラブストーリーとは違う作品を観たい人
- 恋愛と心理サスペンスが組み合わさった物語が好きな人
- 長尾謙杜や山田杏奈の演技に関心がある人
- 物語の伏線や登場人物の本心を考察するのが好きな人
- 原作小説と映画の違いを楽しみたい人

一方、明るく爽やかな学園恋愛映画を期待している人や、重いテーマのサスペンスが苦手な人には、作品の雰囲気が合わない可能性があります。

PG12指定作品であることも、視聴前に知っておきたいポイントです。

【恋に至る病映画】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:映画『恋に至る病』の原作は何ですか?

A1:斜線堂有紀による同名小説『恋に至る病』です。2020年3月25日にKADOKAWAのメディアワークス文庫から刊行されました。

Q2:映画『恋に至る病』の公開日はいつですか?

A2:2025年10月24日です。長尾謙杜と山田杏奈がダブル主演を務め、廣木隆一が監督を担当しました。

Q3:『病に至る恋』は映画の続編ですか?

A3:映画の続編ではありません。斜線堂有紀による原作シリーズのスピンオフ短編集で、2025年9月25日に発売されました。4つの短編を通して、景の過去や本編の周辺エピソード、別の可能性が描かれています。

Q4:映画と原作小説では内容が違いますか?

A4:違いがあります。原作は宮嶺と景の小学生時代から描かれますが、映画では2人を高校生として設定し、秘密を共有するタイミングなども変更されています。

Q5:映画『恋に至る病』は2026年現在も観られますか?

A5:2026年7月3日にBlu-ray・DVDが発売されています。動画配信については、各サービスの最新の配信状況を確認してください。

まとめ:映画・原作・スピンオフを知れば作品の奥行きが見えてくる

映画『恋に至る病』を理解するうえで押さえておきたいのは、2020年の原作小説、2025年の映画化、そして同年9月に刊行されたスピンオフ短編集という3つの展開です。

それぞれの基本情報を整理すると、次のようになります。

- 2020年3月25日: 斜線堂有紀の原作小説『恋に至る病』刊行。
- 2025年9月25日: スピンオフ短編集『病に至る恋』刊行。
- 2025年10月24日: 長尾謙杜・山田杏奈主演の実写映画公開。
- 2026年7月3日: 映画のBlu-ray・DVD発売。

【プロの結論】この作品を楽しむうえで重要なのは、原作と映画を単純に優劣で比較しないことです。

原作小説は宮嶺の視点や回想を通して、景の人物像と愛情の危うさを掘り下げています。一方、映画は高校生になった2人の関係性を中心に再構成し、秘密を共有した後の心理的な緊張を映像で表現しています。

さらに、スピンオフ『病に至る恋』は、本編の背景を補い、登場人物の別の側面を知るための作品です。

おすすめの楽しみ方は、映画を観てから原作小説を読み、最後にスピンオフ短編集へ進む順番です。 映像で受けた印象を原作で確かめ、短編集で人物の背景を掘り下げることで、『恋に至る病』という物語の持つ複雑さをより深く味わえます。

2026年現在も、映画・原作・スピンオフの3作品を通じて楽しめるシリーズとして、押さえておきたい作品です。