【給料の内訳】月給・装束補助費・年収・退職金はどう決まる?

目次

呼出の収入を考える際には、基本給に相当する本俸だけでなく、手当や装束補助費も区別する必要があります。

本俸と手当は別々に設定される

相撲呼び出し給料

平成8年11月現在の旧規程では、呼出の給与は本俸と手当で構成されていました。

手当については、次のような要素を考慮して理事長が決定するとされています。

- 個人の能力
- 成績
- 勤務状況
- 物価や社会情勢

つまり、階級別の本俸基準だけで、実際の月々の収入が決まる仕組みではありませんでした。

特に注目したいのが、旧規程に記載された初任給です。

項目 旧規程の金額
本俸 月1万4,000円
手当 月12万6,000円
合計 月14万円

これは平成8年当時の歴史的な金額です。2026年の新人呼出の初任給が14万円という意味ではありません。

本俸だけを見て、呼出の収入が極端に低いと判断するのは早計です。手当を含めた総額で考える必要があります。

装束補助費は給料に含まれる?

相撲呼び出し給料

日本相撲協会の2025年度事業報告書には、呼出全員に月給制の給与を支給することに加え、東京場所ごとに装束補助費を支給することが記載されています。

装束補助費とは、呼出が職務で着用する装束に関係する補助です。

呼出の装束といえば、独特の裁付袴(たっつけばかま)や着物姿が印象的です。土俵上で観客の目に触れる衣装も、職務を支えるための要素になっています。

ここで押さえておきたいのは、装束補助費が通常の月給とは別に記載されていることです。

ただし、次の情報は公表資料から確認できません。

- 1場所当たりの具体的な支給額
- 階級による支給額の違い
- 個人ごとの年間受給額

2026年度の本場所は年間6回で、そのうち東京開催は1月・5月・9月の3回です。協会の事業計画書でも、この開催日程が確認できます。

装束補助費は東京場所ごとの支給とされているため、6場所すべてで同じ金額が加算されると考えるのは誤りです。

相撲呼出の退職金はいくら?

相撲呼び出し給料

長く勤務する職業だけに、退職金も気になるところです。

平成8年11月現在の旧寄附行為施行細則には、第87条に退職金支給規定についての記載があります。

年寄、力士、行司、職員およびその他の協会所属員に対する退職金支給規定は、別に定めるという内容です。

呼出は日本相撲協会に所属する職種ですから、過去の制度において退職金に関する規定が別途設けられていたことは読み取れます。

一方、2026年現在の呼出に適用される退職金の計算方法や支給額は、一般公開された資料から確認できません。

2025年度事業報告書には、年寄の退職に伴う退職金・功労金の支給に関する理事会決議も記録されていますが、これは呼出の退職金額を示す資料ではありません。

長年勤めた呼出が退職時にいくら受け取るのかについては、現行の支給条件が分からないため、具体的な金額を算出できないのが実情です。

【仕事内容と昇格】呼び上げだけではない!呼出の知られざる仕事

呼出は、土俵上で力士の名前を呼ぶだけの職業ではありません。

日本相撲協会は、呼出の代表的な仕事として「呼び上げ」「太鼓」「土俵築」の3つを挙げています。

呼出の三大業務とは?

1.呼び上げ

観客に聞こえる声で、取組を行う力士の四股名を呼び上げます。

単に名前を読み上げるのではなく、独特の節回しや声の響きが求められます。呼出によって声質やテンポが異なり、相撲観戦の楽しみの一つにもなっています。

2.太鼓

本場所や巡業で太鼓を打ち、相撲興行の開始などを知らせます。

日本相撲協会の巡業案内によると、開場時間に合わせて呼出が会場の外で朝太鼓を打つ仕事もあります。

太鼓には興行を知らせる役割があり、相撲の伝統的な雰囲気をつくる大切な仕事です。

3.土俵築(どひょうつき)

土俵をつくり、維持管理する仕事です。

土俵は相撲競技の舞台であり、力士が安全に取り組める状態を維持しなければなりません。

土を固めて土俵を築く作業だけでなく、本場所中の土俵整備も担当します。

日本相撲協会の公式チャンネルが2025年1月25日に公開した「大相撲 呼出しの仕事紹介」でも、呼び上げ、太鼓、土俵整備などの仕事が紹介されています。

懸賞旗や取組進行の補助も担当

呼出の仕事は三大業務だけではありません。

- 懸賞旗を持って土俵上を回る
- 取組の進行を補助する
- 力士に力水やタオルを渡す
- 土俵周辺を整備する
- 審判や行司の仕事を補助する

日本相撲協会の懸賞案内でも、懸賞旗を土俵上で掲げる役割を呼出が担っていることが説明されています。

特に幕内の取組では、懸賞旗を持って土俵を回る姿がテレビ中継にも映ります。

こうした仕事を考えると、呼出は単なる場内アナウンス担当ではなく、相撲興行の運営を支える専門職です。

呼出の昇格条件は年功序列だけ?

呼出の階級は、力士の勝ち星によって決まる番付とは異なります。

日本相撲協会の2025年度事業報告書には、呼出の番付編成について、原則として毎年9月場所後の理事会で翌年度の階級順位を決定すると記載されています。

一方、平成8年11月現在の旧細則には、さらに詳しい仕組みが残されています。

当時の規定では、階級の昇降は年1回とされ、提出された考課表をもとに9月場所後の理事会で審議し、翌年度の番付編成を行う仕組みでした。

また、上位階級への昇進には勤続年数と成績に関する基準が設けられていました。

つまり、単純に勤務年数だけで自動的に最高位へ上がれるわけではありません。

現在の具体的な評価基準や昇格に必要な勤続年数は、公開されている最新資料では確認できませんが、少なくとも階級編成が毎年の理事会で審議される仕組みは2025年度の公式報告書でも確認できます。

【採用方法と比較】呼出になるには?行司・床山との給料の違い

呼出を職業として目指す場合、一般企業のような採用試験だけで完結するわけではありません。

相撲部屋に所属し、協会員として育成される職業です。

呼出になるための条件と入門方法

日本相撲協会の2026年度事業計画書では、力士、行司、呼出、床山を希望する人について、身長・体重・年齢などの一定基準を満たしたうえで、相撲部屋の所属員として登録し、協会員として育成すると説明されています。

また、2025年度事業報告書では、幕下以下の呼出の養成を所属部屋の師匠である年寄が担当し、専門的な実技指導を呼出会委員が行っていることが分かります。

入門から実務を学び、相撲界の伝統や礼儀作法を身につけていく仕組みです。

なお、平成8年の旧細則には、義務教育を修了した満19歳までの男子を採用対象とし、新規採用者には3年間の見習い期間を設けるという条件が記載されています。

これは当時の規定です。2026年の最新採用条件や募集年齢を示すものではありません。

現在の採用枠や具体的な応募手順については、協会や希望する相撲部屋への確認が必要です。

行司・床山と呼出の給料を比較

大相撲の裏方には、呼出以外にも行司や床山がいます。

それぞれ異なる専門技術を持ちますが、日本相撲協会の事業報告書を見ると、給与体系には共通点があります。

職種 主な仕事 2025年度事業報告書で確認できる給与体系
呼出 呼び上げ、太鼓、土俵築 月給制・東京場所ごとの装束補助費
行司 勝負の判定、取組の進行 月給制・場所ごとの装束補助費
床山 力士の髪を結う 月給制

3職種とも協会に所属する専門職であり、月給制が採用されています。

ただし、装束補助費の扱いには違いがあります。

呼出は東京場所ごと、行司は場所ごとに装束補助費が支給されると、2025年度事業報告書に記載されています。

床山については、同報告書に月給制による給与の支給が記されています。

なお、3職種とも現行の階級別給与額を比較できるだけの公式な給与表は公開されていません。

呼出に向いている人・向いていない人

呼出という仕事の特徴から考えると、次のような適性が求められます。

向いている人

- 声を使った表現や伝統文化に関心がある
- 長期間にわたり一つの技術を磨ける
- 体を動かす仕事や裏方の作業が苦にならない
- 周囲の状況を見ながら素早く行動できる
- 相撲界の礼儀や規律を大切にできる

慎重に考えたい人

- 短期間で収入を大幅に増やしたい
- 給与体系や昇進条件が完全公開された職場を希望する
- 土俵整備や太鼓などの身体的な作業を避けたい
- 相撲部屋に所属する生活や独特の職場環境に適応することが難しい

呼出は、テレビに映る華やかな瞬間だけでなく、見えないところでの準備や作業も多い仕事です。

声の魅力だけでなく、長期的に相撲文化を支える姿勢が求められます。

【相撲呼び出しの給料】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:相撲の呼出の給料は月いくらですか?

日本相撲協会の2025年度事業報告書では、呼出全員に月給制の給与が支給されていることが確認できます。ただし、2026年の階級別月給は公表されていません。過去の旧規程では本俸月1万4,000円から40万円までの基準がありましたが、現在の給与とは異なります。

Q2:立呼出になると年収はいくらですか?

2026年現在、立呼出の最新年収は公表されていません。旧規程では三役呼出以上の本俸が月36万〜40万円とされていましたが、約30年前の基準です。手当や装束補助費も別に考える必要があるため、現在の年収をこの数字から計算することはできません。

Q3:呼出には退職金がありますか?

過去の日本相撲協会寄附行為施行細則には、協会所属員に対する退職金支給規定を別に定めるという記載があります。ただし、2026年現在の呼出に適用される具体的な支給条件や金額は、一般公開資料から確認できません。

まとめ:相撲の呼出の給料は月給制だが、最新年収は非公表

2026年10月現在、相撲の呼出の給料について分かっていることを整理すると、次のようになります。

- 呼出全員に月給制の給与が支給されている
- 東京場所ごとに装束補助費が支給されている
- 階級は立呼出から序ノ口呼出までの9段階
- 2026年10月の公式名簿には45人が掲載されている
- 最新の階級別月給・年収は公表されていない
- 旧規程には本俸と手当を分けた給与体系が記載されている
- 昇格は原則として毎年9月場所後の理事会で翌年度の階級順位を決める
- 現行の退職金の具体的な支給額は確認できない

特に重要なのは、旧規程の金額と2026年の実際の給料を混同しないことです。

ネット上では、立呼出の月給を40万円前後と紹介する情報もあります。しかし、その根拠が平成8年の旧規程であれば、現在の給与を示す証拠にはなりません。

また、2025年には協会員の給与改定が理事会の議題に上がり、2026年7月には力士の給与・手当の改定も発表されました。相撲界の待遇改善という動きはありますが、呼出への具体的な適用額は別途確認が必要です。

呼出は、力士や行司とともに大相撲を支える欠かせない存在です。土俵上で聞こえる独特の声の裏側には、太鼓や土俵づくり、取組の進行を支える専門技術と長年の経験があります。

給料の数字だけでは見えない仕事の価値にも目を向けると、呼出という職業の奥深さがより鮮明になります。