【基本を理解】出場選手登録とは?プロ野球の一軍登録の仕組み
出場選手登録は、NPBのセントラル・リーグまたはパシフィック・リーグに所属する球団が、選手を公式戦に出場させるために行う手続きです。
一般的には「一軍登録」「一軍昇格」と呼ばれ、登録された選手は一軍公式戦に出場できる資格を得ます。
ただし、出場選手登録は選手の実力やチーム内での序列を直接認定する制度ではありません。監督や編成担当者が、選手のコンディション、対戦相手、試合日程、チームの戦力バランスなどを考慮して運用します。
出場選手登録は誰が決める?

登録を申請するのは各球団です。球団が所定の手続きを行い、所属するリーグに申請すると、日本野球機構(NPB)の公示によって登録内容が明らかになります。
登録申請が公示されると、原則としてその公示日から公式戦への出場が可能です。
一方、出場選手登録から抹消された場合は、通常の再登録制限が適用されます。
一軍登録されると何が変わる?

一軍登録によって得られるのは、公式戦への出場資格です。
例えば、二軍で調整していた若手選手が一軍登録されれば、監督の起用判断によって一軍の試合に出場できるようになります。
ただし、登録されたからといって必ずスタメンに選ばれるわけではありません。試合ごとのベンチ入り選手にも別の制限があるためです。
この点が、出場選手登録を理解するうえで最も重要なポイントです。
【2026年最新ルール】出場選手登録31人枠とベンチ入り26人の違い

2026年のプロ野球では、一軍の出場選手登録と試合当日のベンチ入り人数は別々に管理されています。
NPBが公表している2023年度シーズン特例事項では、出場選手登録31人、ベンチ入り選手26人という人数が明記されています。2026年のNPB公式公示でも、球団ごとの登録選手一覧は最大31人の枠で運用されています。
31人と26人はどう違う?
- 出場選手登録:最大31人
- 試合当日のベンチ入り:最大26人
- ベンチ入りしない登録選手:最大5人
つまり、31人の登録選手のうち、実際にその日の試合でベンチに入れるのは26人までです。
例えば、投手12人、捕手3人、内野手10人、外野手6人の合計31人を登録している球団があったとします。
この31人全員が試合に参加できるわけではありません。監督やコーチは、試合ごとに26人を選んでベンチ入りさせます。
ベンチ入りしなかった5人は、その試合では出場できません。ただし、一軍登録そのものが抹消されたわけではありません。
31人・26人・70人・外国人5人の比較表
制度ごとの違いを整理すると、次のようになります。
支配下登録70人と一軍登録31人は何が違う?
特に間違えやすいのが、支配下登録70人と一軍登録31人の関係です。
支配下登録70人は、球団が公式戦に出場可能な選手として契約・保有する人数の上限です。一軍にいる選手だけでなく、二軍で調整している選手も含まれます。
その70人の中から、一軍公式戦に出場させる選手を最大31人選ぶ仕組みです。
2026年7月31日付のNPB公式発表では、巨人、DeNA、中日、阪神、楽天、西武、ロッテ、オリックス、ソフトバンクの各球団が支配下登録70人に達していました。
また、2026年度の公式戦全日程終了時点では、NPB全12球団の支配下登録選手は合計835人と公表されています。
この数字からも、支配下登録と一軍登録が異なる制度であることが分かります。
外国人選手の登録枠は5人まで
2026年の外国人選手枠は、一軍登録が最大5人、試合当日のベンチ入りが最大4人です。
さらに、外国人選手を5人登録する場合、投手5人・野手0人、あるいは投手0人・野手5人という構成は認められていません。
ベンチ入りする4人についても、投手4人だけ、または野手4人だけという構成は不可です。
このルールは、外国人選手を多く抱える球団の編成に大きく影響します。
2026年5月25日付の日刊スポーツは、福岡ソフトバンクホークスの外国人選手を活用した先発ローテーションを取り上げています。
記事では、徐若熙(シュー・ルオシー)投手を先発登板させるためには、アルメンタ投手かスチュワート投手を登録抹消する必要があるという編成上の事情が紹介されました。
外国人選手の登録枠は、単に外国人選手を何人保有できるかという問題ではありません。投手と野手のバランス、登板予定、ベンチ入りの構成まで考えなければならない制度なのです。
なお、日本国籍の有無だけで外国人枠の対象が決まるわけではありません。日本の学校への在学歴やNPBでのフリーエージェント資格取得など、野球協約に定められた除外規定もあります。
【登録抹消の仕組み】10日間の再登録ルールと計算方法
一軍登録と同じくらい重要なのが、出場選手登録抹消のルールです。
選手が一度登録を抹消されると、原則として抹消公示の日を含めて10日間が経過するまで、再び出場選手登録を申請できません。
この規定は、日本プロフェッショナル野球協約第85条に定められています。
登録抹消後の10日間はどう数える?
ポイントは、登録抹消の公示日を1日目として数えることです。
例えば、4月21日に登録抹消された選手の場合、NPBの公示には「5月1日以後でなければ出場選手の再登録はできません」と表示されます。
具体的には次のようになります。
- 4月21日:登録抹消の公示
- 4月22日〜4月30日:再登録できない期間
- 5月1日以降:再登録申請が可能
つまり、単純に10日間休めば自動的に一軍へ戻れるという制度ではありません。
10日間が経過した後、球団が改めて登録申請を行う必要があります。
2026年4月21日付のNPB公示でも、この再登録可能日が明示されていました。
なぜ10日間の再登録制限がある?
この制度は、選手の登録と抹消を短期間に何度も繰り返すことを制限します。
仮に10日間の制限がなければ、球団は選手を試合ごとに入れ替え、登録枠を極端に細かく運用できてしまいます。
一定期間の制限があることで、監督や編成担当者は、選手の状態や今後の試合日程を考慮して登録を判断する必要があります。
特に投手の起用では、この制限が重要です。
先発投手を一軍から抹消した場合、次の登板予定が10日以内であれば、通常のルールではそのタイミングで再登録できません。
そのため、先発ローテーションの調整、救援投手の補充、二軍での再調整などを総合的に判断することになります。
登録抹消される主な理由
登録抹消は、必ずしも選手の実力不足を意味しません。
主な理由は次のとおりです。
1. 故障やコンディション不良
打撲、肉離れ、肩や肘の違和感など、身体の状態に問題がある場合です。
無理に一軍で起用するよりも、二軍やリハビリ環境で回復を優先させることがあります。
2. 成績不振
打撃の調子が上がらない、制球が安定しない、守備でミスが続くなど、パフォーマンスの低下が理由になるケースです。
二軍で実戦経験を積み直し、フォームや技術を修正する目的があります。
3. 投手の登板間隔やローテーション調整
先発投手の登板予定や救援投手の疲労状況を考慮した入れ替えです。
チーム全体の投手運用を優先し、登録枠を調整する場合があります。
4. 戦術的な入れ替え
対戦相手の特徴や球場の条件に合わせ、守備力、代打、代走、長打力などを重視して選手を入れ替えます。
5. 外国人選手枠やチーム編成の調整
外国人選手の登録人数や投手・野手の構成を調整するために、登録抹消が必要になることもあります。
重要なのは、登録抹消という結果だけで選手の評価を決めつけないことです。故障、調整、戦術的な判断では、それぞれ意味が異なります。
【2026年の特例措置】10日間を待たずに再登録できるケース
通常は10日間の再登録制限がありますが、2026年のNPBでは特定の事情に対応する特例措置も運用されています。
代表的なのが、感染症特例、脳振盪特例措置、慶弔休暇特例です。
1. NPB感染症特例
感染症に関する特定の事情が生じた場合、通常の10日間を経過する前に再登録できる場合があります。
2026年4月21日付のNPB公示では、DeNAの深沢鳳介投手が感染症特例によって10日間を経ずに再登録されたことが記載されました。
また、9月27日付の公示では、中日の土田龍空選手について同様の特例適用が示されています。
2. 脳振盪特例措置
試合中の頭部への衝撃などによって脳振盪が疑われる場合に関係する特例です。
通常の選手登録とは異なる安全面への配慮が必要となるため、特例に基づいた登録・抹消が行われます。
2026年4月21日付のNPB公示では、巨人の泉口友汰選手が脳振盪特例措置の対象となり、石塚裕惺選手が代替指名選手として登録されました。
9月25日付の公示でも、DeNAの松尾汐恩選手について同特例の適用が記載されています。
3. 慶弔休暇特例
2026年から導入された慶弔休暇特例も、注目すべき制度です。
近親者の出産などの慶事や、通夜・葬儀などの弔事に対応するため、選手が一定期間チームを離れる必要がある場合に適用されます。
2026年5月15日には、オリックスの博志投手が同特例によって登録抹消されました。
球団の説明では親族に不幸があったことが理由とされ、代替選手として高島泰都投手が登録されました。
同年5月17日には、ソフトバンクの近藤健介選手にも同特例が適用されています。
慶弔休暇特例の大きな特徴は、通常の10日間を待たずに再登録できることです。代替指名選手についても、所定の特例条件に従って再登録が可能になります。
2026年の特例措置を整理
- 感染症特例:感染症に関する所定の条件に該当する場合。
- 脳振盪特例:脳振盪に関する特例措置の対象となる場合。
- 慶弔休暇特例:近親者の慶事・弔事などに対応する場合。
これらは通常ルールを無条件に解除するものではありません。対象となる事情や球団の申請手続きなど、各特例の適用条件に従う必要があります。
【一軍と二軍の違い】登録抹消後の選手はどうなる?
出場選手登録抹消のニュースを見て、「その選手はチームから外されたのか」と疑問に思う人もいるでしょう。
しかし、一軍登録の抹消と球団との契約解除はまったく異なります。
一軍登録と二軍登録の比較
一軍と二軍では、選手の役割や試合への参加資格が異なります。
一軍登録選手
- 一軍公式戦への出場資格を持つ。
- 最大31人まで登録できる。
- 試合ごとに最大26人がベンチ入りする。
- 監督の判断でスタメンや途中出場に起用される。
二軍で調整する選手
- 一軍の出場選手登録には入っていない。
- ファーム公式戦で実戦経験を積める。
- 故障からの復帰や技術的な修正を目的に調整することがある。
- 状態が改善すれば、一軍登録を目指せる。
なお、二軍に所属する選手がすべて支配下選手というわけではありません。育成選手もファームでプレーできます。
育成選手は、支配下登録を受けていない状態では一軍公式戦に出場できません。一軍でプレーするには、まず支配下選手として登録され、そのうえで出場選手登録される必要があります。
登録抹消されても戦力外ではない
ここは特に誤解されやすい部分です。
出場選手登録を抹消された選手は、一軍公式戦に出場できなくなりますが、通常はそのまま球団に所属しています。
二軍で調整を続けたり、故障からの復帰を目指したりすることもあります。
一方、自由契約や戦力外通告は、選手契約そのものに関わる別の問題です。
したがって、「一軍登録抹消=戦力外」「二軍降格=退団決定」という理解は間違いです。
【NPB公示の見方】2026年最新出場選手一覧はどこで確認できる?
一軍登録の最新状況を知りたい場合は、日本野球機構(NPB)の公式公示を確認するのが確実です。
NPBの公示では、セントラル・リーグとパシフィック・リーグが分けて掲載され、各球団の登録・抹消情報を日付ごとに確認できます。
NPB公示で確認できる情報
主に次の項目が掲載されています。
- 出場選手登録:新しく一軍登録された選手
- 出場選手登録抹消:一軍登録から外れた選手
- 選手の守備位置:投手、捕手、内野手、外野手
- 背番号と選手名
- 再登録可能日
- 特例措置や代替指名選手に関する注記
- 球団別の出場選手一覧
2026年10月17日付のNPB公示では、阪神タイガースの濱田太貴選手が出場選手登録され、才木浩人投手と前川右京選手が登録抹消されました。
同日の球団別出場選手一覧では、阪神が30人、横浜DeNAベイスターズが31人となっていました。
これは31人が必ず埋まっているわけではなく、球団が上限以内で登録人数を調整していることを示す例です。
公示を見るときの3つのポイント
ポイント1:登録と抹消をセットで確認する
新しい選手が登録されたとき、誰が抹消されたのかを見ると、球団の意図を読み取りやすくなります。
例えば、投手が登録されて投手が抹消された場合は、投手陣の入れ替えが考えられます。
ただし、登録内容だけで故障や不振などの具体的な理由まで断定することはできません。
ポイント2:再登録可能日を確認する
抹消された選手の再登録可能日は、公示に記載されます。
10日間の制限がある選手と特例対象選手では、再登録のタイミングが異なるため、注記も確認しましょう。
ポイント3:出場選手一覧と支配下選手一覧を混同しない
NPBの公示には、出場選手登録だけでなく、支配下選手登録や育成選手登録に関する情報も掲載されています。
一軍の最新メンバーを知りたいなら「出場選手登録および登録抹消」、球団が保有する選手全体を知りたいなら「支配下登録選手一覧」を確認するのが適切です。
2026年度のNPB公式ページでは、公式戦全日程終了時点の支配下選手一覧835人、育成選手一覧232人も公表されています。
なお、日本シリーズには通常のレギュラーシーズンとは別に出場資格者名簿の規定があります。2026年の日本シリーズでは、出場資格者40人以内から各試合のベンチ入り26人を選ぶ方式でした。レギュラーシーズンの31人枠と混同しないことも大切です。
【プロの結論】出場選手登録で本当に注目すべきポイント
プロ野球の出場選手登録は、単に一軍と二軍を分ける制度ではありません。
31人の一軍登録枠、26人のベンチ入り枠、70人の支配下登録枠、そして外国人選手の人数制限が組み合わさり、球団の戦力運用を左右する仕組みになっています。
ニュースを見る際は、次の3つを意識すると、登録・抹消の意味を正しく理解できます。
1. 登録抹消だけで選手の評価を決めない
故障、成績不振、先発ローテーションの調整、戦術的な入れ替えなど、抹消には複数の理由があります。
登録抹消された選手が必ずしも戦力外候補というわけではありません。
2. 10日間の制限を踏まえてチーム編成を読む
一度抹消すると、原則10日間は再登録できません。
そのため、球団が誰を登録し、誰を抹消したかを追うことで、今後の投手起用や野手の補強方針を考える手掛かりになります。
3. 外国人枠とベンチ入り人数にも注目する
外国人選手が5人登録されていても、全員が同じ試合でベンチ入りできるわけではありません。
また、登録31人とベンチ入り26人の差も、試合ごとの選手起用に影響します。
こうした制限を理解しておくと、監督の選手起用や登録変更の背景が、より立体的に見えてきます。
【出場選手登録】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:出場選手登録31人とベンチ入り26人の違いは何ですか?
A1:出場選手登録31人は、一軍公式戦に出場する資格を持つ選手の登録上限です。ベンチ入り26人は、その中から各試合で実際にベンチに入れる選手の上限です。31人全員が同じ試合に出場できるわけではありません。
Q2:出場選手登録を抹消されたら、何日で一軍に戻れますか?
A2:原則として、抹消公示の日を含めて10日間が経過した後に再登録申請が可能です。例えば4月21日に抹消された選手は、5月1日以降に再登録できます。ただし、感染症・脳振盪・慶弔休暇などの特例対象者は例外となる場合があります。
Q3:外国人選手は一軍に何人まで登録できますか?
A3:2026年のルールでは最大5人まで登録でき、試合当日のベンチ入りは最大4人です。また、投手と野手の構成にも制限があり、5人全員を投手または野手として登録することはできません。
まとめ:2026年の出場選手登録は31人・26人・10日間が重要
2026年のプロ野球における出場選手登録は、一軍公式戦に出場する選手を管理する制度です。
押さえておきたい数字は、出場選手登録31人、ベンチ入り26人、支配下登録70人、外国人選手登録5人、再登録まで原則10日間の5つです。
特に重要なのは、登録抹消と戦力外を混同しないこと、そして10日間の再登録制限には特例が存在することです。
NPBの公式公示を確認すれば、セントラル・リーグとパシフィック・リーグの登録選手、登録抹消、再登録可能日、球団別の一軍メンバーを把握できます。
選手の登録変更は、球団の戦力構想や試合ごとの戦術を読み解く重要な情報です。31人と26人の違いを理解しておけば、毎日の公示や一軍昇格・二軍降格のニュースを、これまで以上に深く楽しめます。