【2026年の監督はフェルハト・アクバシュ】女子日本代表初の外国人指揮官
2026年10月31日現在
2026年度の女子日本代表公式メンバー表で監督として登録されているのは、フェルハト・アクバシュです。
1986年4月15日生まれ、トルコ出身の指導者で、2025年から女子日本代表を率いています。
最大の特徴は、日本女子代表の歴史で初めて外国人監督に就任した人物という点です。
これまで日本代表は国内の指導者が中心となってチームを強化してきました。しかし、世界の女子バレーではトルコ、イタリア、ブラジル、アメリカなどが高い競争力を維持しています。
こうした国際環境のなかで、日本バレーボール協会(JVA)は2028年ロサンゼルス五輪を見据え、海外のトップレベルで経験を積んだアクバシュ氏を新監督に選びました。
2025年2月21日にJVAが就任内定を発表。2026年も引き続き指揮を執っています。
アクバシュ監督の基本プロフィール

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 氏名 | フェルハト・アクバシュ |
| 出身国 | トルコ |
| 生年月日 | 1986年4月15日 |
| 就任内定発表 | 2025年2月21日 |
| 代表監督就任 | 2025年 |
| 2026年の所属 | 女子日本代表監督 |
| 主な目標 | ロサンゼルス2028五輪 |
| 特徴 | 女子日本代表史上初の外国人監督 |
注目したいのは、アクバシュ監督が日本のバレーボール事情をまったく知らない状態で就任したわけではないことです。
実は、2017~2018年にも女子日本代表のコーチを務めていました。
つまり、今回の就任は海外から突然招かれた指導者による改革というだけではありません。以前から日本の選手や代表チームの環境を知っていた人物が、今度はトップとしてチームを率いることになったのです。
【アクバシュ監督の経歴】トルコ・欧州の強豪クラブで積んだ実績

アクバシュ監督の指導者としてのキャリアは、2004年に始まっています。
トルコ国内のクラブでコーチ経験を積み、中国やヨーロッパのチームにも活動の場を広げました。
特に注目されるのは、クラブチームだけでなく、複数の国の代表チームでも指導経験を持っている点です。
コーチ時代から監督就任まで

日本バレーボール協会が2025年2月に公表したプロフィール資料によると、主な経歴は次のとおりです。
| 時期 | 所属・役職 | 主な実績 |
|---|---|---|
| 2004~2006年 | ガラタサライ(コーチ) | トルコで指導者としてのキャリアを開始 |
| 2006~2009年 | トルコテレコム・アンカラ(コーチ) | 国内クラブで経験を蓄積 |
| 2010~2012年 | 広東恒大(コーチ) | 中国で指導経験を積む |
| 2012~2015年 | ワクフバンク(コーチ) | 国内リーグ、欧州CL、クラブ世界選手権などで優勝 |
| 2014~2016年 | トルコ女子代表(監督) | 2015年ヨーロッパ競技大会優勝 |
| 2017~2018年 | 日本女子代表(コーチ) | 2017年アジア選手権優勝、2018年世界選手権6位 |
| 2017~2019年 | CSMブカレスト(監督) | 国内カップ、国内リーグ優勝 |
| 2019~2020年 | ケミック・ポリツェ(監督) | ポーランド国内リーグ2連覇 |
| 2021年~ | エジザジュバシュ・ダイナビット(監督) | 2022年CEVカップ、2023年クラブ世界選手権優勝 |
| 2022~2023年 | クロアチア女子代表(監督) | 2022年VNLチャレンジカップ優勝 |
| 2025年~ | 女子日本代表(監督) | ロサンゼルス2028五輪を目指す |
特に評価される3つの実績
1.ワクフバンクでの欧州トップレベルの経験
トルコの強豪クラブ、ワクフバンクではコーチとして活動しました。
2013年には国内リーグ、国内カップ、欧州チャンピオンズリーグ、クラブ世界選手権で優勝。2014年にも国内リーグと国内カップを制しています。
世界のトップ選手が集まる環境で、勝つためのチームづくりを経験したことは大きな財産です。
2.クロアチア代表を国際大会優勝に導いた経験
2022~2023年にはクロアチア女子代表を指揮しました。
2022年のVNLチャレンジカップで優勝しており、クラブチームだけでなく代表チームでもタイトルを獲得しています。
3.日本代表の内情を理解していること
2017~2018年には日本女子代表のコーチを務めています。
このときの日本代表は、2017年アジア選手権で優勝し、2018年世界選手権では6位に入りました。
日本人選手の特徴や代表活動の仕組みを理解していることは、外国人監督として活動するうえで有利な条件です。
【なぜ外国人監督を起用した?】歴代監督との違いとJVAの狙い
アクバシュ監督の就任は、日本女子バレーにとって大きな転換点でした。
これまでの代表監督には、日本国内で選手・指導者として実績を積んできた人物が多くいました。
そのなかでも、近年の代表を象徴するのが眞鍋政義氏と中田久美氏です。
日本女子バレーの歴代監督と近年の流れ
- 柳本晶一氏:2003~2008年に女子代表を指揮。2004年アテネ五輪、2008年北京五輪を経験。
- 眞鍋政義氏:2009~2016年に指揮。2010年世界選手権銅メダル、2012年ロンドン五輪銅メダルを獲得。
- 中田久美氏:2017年4月から2021年8月まで指揮。東京2020五輪までチームを率いた。
- 眞鍋政義氏:2021年に再び監督に就任し、パリ2024五輪を目指した。
- フェルハト・アクバシュ氏:2025年から就任。女子日本代表初の外国人監督。
眞鍋氏は2010年世界選手権で32年ぶりのメダルとなる銅メダルを獲得し、2012年ロンドン五輪でも銅メダルに導きました。
こうした日本独自の強化実績を引き継ぎながら、次の五輪に向けて新しい指導体制が選ばれたわけです。
アクバシュ監督の就任理由は何だったのか
2025年2月21日のJVA公式発表では、監督候補者選考委員会を設置して検討を重ねたことが説明されています。
選考の大きな目的は、ロサンゼルス2028五輪への出場と、その先を見据えたチーム強化です。
アクバシュ監督が選ばれた背景には、次のような要素があります。
- トルコやポーランドなど、欧州の強豪クラブでの指導経験
- トルコ、クロアチア、日本の代表チームでの経験
- 国内リーグや国際大会での優勝実績
- 日本代表のコーチを務めた経験
- 長期的な国際大会を見据えたチーム強化への対応力
ただし、JVAの発表は選考委員会による検討を伝えるもので、各候補者の評価点や選考順位までは公表していません。
そのため、特定の戦術や能力だけが決め手だったと断定することはできません。
注目すべきなのは、外国人監督を迎えたこと自体よりも、日本の伝統的な技術を残しながら、世界基準の戦術や選手育成を取り入れる方向へ転換したことです。
【2026年の成績を検証】VNL7位・アジア選手権3位・アジア大会銀メダル
アクバシュ監督の評価を考えるうえで欠かせないのが、2026年シーズンの国際大会です。
結果を整理すると、一定の競争力を示した一方、優勝を期待された大会で取りこぼしもありました。
1.バレーボールネーションズリーグ2026は7位
2026年のVNLで、日本女子代表はファイナルラウンドに進出しました。
準々決勝ではブラジルと対戦。第1セットを26-24で先取したものの、その後の3セットを落とし、セットカウント1-3で敗れました。
最終順位は7位です。
ここで押さえておきたいのが、「VNL8強」という表現の意味です。
日本は準々決勝に進出したため、ベスト8には入りました。しかし、最終順位は7位であり、ベスト4進出は果たしていません。
強豪国と戦える位置にいることは評価できますが、上位進出にはあと一歩届かなかった大会でした。
2.2026年アジア選手権は3位
2026年8月21~30日に中国・天津で開催された第23回アジア女子選手権。
日本は準々決勝でチャイニーズタイペイに3-0で勝利し、準決勝に進出しました。
しかし、8月29日のタイ戦では1-3で敗戦。
優勝決定戦への進出を逃し、翌30日の3位決定戦でイランと対戦しました。
この試合では日本が3-0で勝利し、最終順位は3位となりました。
注目したいのは、準決勝のタイ戦です。
タイの速いコンビネーション攻撃に対して、日本は十分な対応ができませんでした。この問題は、後にアクバシュ監督自身がシーズン総括で課題として挙げています。
3.第20回アジア競技大会は銀メダル
2026年9月16~22日に愛知・名古屋で開催された第20回アジア競技大会。
女子日本代表は順調に勝ち上がり、準決勝では韓国に3-0で勝利しました。
決勝の相手は中国です。
9月22日の決勝では、次のスコアで敗れました。
| セット | 日本 | 中国 |
|---|---|---|
| 第1セット | 19 | 25 |
| 第2セット | 20 | 25 |
| 第3セット | 23 | 25 |
| 最終結果 | 0 | 3 |
日本はストレート負けとなり、銀メダルを獲得しました。
アジア選手権3位、アジア大会銀メダルという結果だけを見れば、アジアの上位を争える実力は維持しています。
一方で、アジアの頂点に立つ中国やタイに勝ち切ることが、次の大きな課題として浮かび上がりました。
2026年の主要大会成績一覧
| 大会 | 結果 | 注目点 |
|---|---|---|
| VNL2026 | 7位 | 準々決勝進出、ブラジルに1-3 |
| アジア選手権 | 3位 | 準決勝でタイに敗戦 |
| アジア競技大会 | 銀メダル | 決勝で中国に0-3 |
【アクバシュ監督の指導方針】本人が認めた強みと改善課題
アクバシュ監督の指導方針を知るうえで重要なのが、2026年10月20日にJVAが公表したシーズン総括です。
この会見では、VNL、アジア選手権などの結果を振り返り、今後のチーム強化について具体的な課題が語られました。
重視しているのは精神面と総合的な技術力
アクバシュ監督は、2026年シーズンについて、VNLではファイナルラウンドに進出できた一方、アジア選手権では主要目標を達成できなかったと説明しています。
さらに、改善点として挙げたのが次の3つです。
1.大事な試合でのメンタル強化
国際大会では、実力が拮抗した相手との試合で精神的なプレッシャーが大きくなります。
技術だけでなく、重要な場面で本来の力を発揮する精神力を高める必要があるという認識です。
2.個人スキルの総合的な向上
特定の技術だけを伸ばすのではなく、データを見直しながら、選手一人ひとりのあらゆる技術を改善する考え方です。
3.攻守の切り替えと速い攻撃への対応
特にアジア選手権では、守備から攻撃に切り替わった際のアタックが課題になりました。
タイの速いコンビネーションに対応できなかった点も、監督が具体的に挙げた反省材料です。
2026年10月のシーズン総括で語った課題
JVA公式発表に掲載された監督の説明には、次の一節があります。
アジア選手権においては、切り返しからのアタックが課題として多く見えた。
【検証資料 1】日本女子バレー 監督の当時の様子・関連報道写真(出典:中日スポーツ)
この発言から分かるのは、アクバシュ監督が大会の順位だけで評価を終わらせていないことです。
試合映像やデータを振り返り、どの場面で攻撃の精度が落ちたのか、相手の速い攻撃にどう対応できなかったのかを分析しています。
アクバシュ監督の評価は高い?それとも厳しい?
2026年の成績から評価すると、現段階では「一定の成果を残したが、優勝を争うチームとしての完成には課題が残る」という見方が妥当です。
評価できる点は、VNLでファイナルラウンドに進み、アジア競技大会でも決勝に進出したことです。
一方、アジア選手権では優勝できず、ロス五輪の最短出場権獲得を逃しました。
特に、タイや中国のようなアジアの強豪に対する戦術的な対応力は、今後の評価を左右するポイントです。
監督の実績を判断するときは、単純な勝敗だけでなく、次の3点を見る必要があります。
- 強豪国との対戦で攻撃・守備の差を縮められているか
- 若手選手の育成と代表チームの完成度を両立できているか
- 大会の終盤や接戦で勝ち切れるようになっているか
2026年は、チームの成長と課題の両方が明確になったシーズンだったといえます。
【続投方針とロサンゼルス2028五輪への道】残された出場権獲得のチャンス
2026年10月現在、アクバシュ監督の今後を考えるうえで大きなニュースとなったのが、JVAによる続投方針です。
アクバシュ監督は2027年も続投する?
2026年10月19日、日本バレーボール協会は理事会後にオンライン会見を開き、男女日本代表の今シーズンを総括しました。
この会見についてスポーツ報知が報じた内容によると、南部正司技術委員会委員長はアクバシュ監督について、来季も続投させる方向性を明らかにしています。
南部委員長は、アジア選手権3位という結果だけで監督の進退を判断する考えはないと説明しました。
ただし、報道時点では最終的な手続きが残っているとされています。
つまり、続投は協会の基本方針として示されているものの、正式な手続きの完了とは区別する必要があります。
この判断の背景には、2028年五輪までの強化期間を継続して確保したいという考えがあると読み取れます。
監督を短期間で交代させれば、戦術の再構築や選手選考の見直しが必要になります。
長期的なチームづくりを優先するなら、一定期間は同じ指導体制で成果を検証することにも合理性があります。
ロス五輪の出場権はどう決まる?
2028年ロサンゼルス五輪の女子バレーボールには、12チームが出場します。
FIVBが公表した出場権獲得の仕組みでは、開催国アメリカに加えて、主に次のルートが設けられています。
| 出場権獲得ルート | 内容 |
|---|---|
| 2026年大陸選手権 | 各大陸の優勝チームが出場権を獲得 |
| 2027年女子ワールドカップ | 未出場権獲得国の上位3チーム |
| 2028年FIVB世界ランキング | VNL予選ラウンド終了時点の未出場権獲得国上位3チーム |
| 開催国枠 | アメリカ |
日本は2026年のアジア選手権で3位だったため、大陸選手権優勝による最短ルートでの出場権獲得には届きませんでした。
優勝したタイがアジアの出場枠を獲得しています。
ただし、日本にはまだチャンスがあります。
2027年8月20日~9月5日に開催予定の女子ワールドカップでは、未出場権獲得国の上位3チームがロス五輪への切符を手にします。
また、2028年のVNL予選ラウンド終了時点での世界ランキングによる出場権獲得ルートも残されています。
2027年に問われるのは中国・タイへの対抗力
日本にとって、今後の最大の課題はアジアのライバルとの力関係です。
2026年の結果を見ると、タイにはアジア選手権準決勝で敗れ、中国にはアジア大会決勝で敗れています。
両チームとも、日本が五輪で上位を狙うために避けて通れない相手です。
特に中国との試合では、相手の高さや攻撃力に対して、日本がどのように攻守のバランスを取るかが重要になります。
また、タイのような速いコンビネーションを使うチームに対しては、ブロックとレシーブの連携だけでなく、守備から攻撃への切り替えを速くする必要があります。
アクバシュ監督が2026年10月の総括で精神面や攻撃の改善を強調したのも、こうした国際大会での経験が背景にあります。
2027年は、2026年に見つかった課題を実際の勝利につなげられるかが試されるシーズンです。
【日本女子バレーの監督に関するよくある質問(FAQ)】
Q1:2026年現在、日本女子バレーの監督は誰ですか?
A1:フェルハト・アクバシュです。トルコ出身で、2025年に女子日本代表の監督に就任しました。女子日本代表史上初の外国人監督です。
Q2:アクバシュ監督はどこの国の人ですか?
A2:トルコ出身です。1986年4月15日生まれで、トルコ、ポーランド、ルーマニア、中国などで指導経験を積んできました。
Q3:アクバシュ監督の前任者は誰ですか?
A3:前任者は眞鍋政義氏です。眞鍋氏は2021年に再び女子日本代表監督に就任し、パリ2024五輪を目指すチームを率いました。
Q4:アクバシュ監督は日本代表の指導経験がありますか?
A4:あります。2017~2018年に女子日本代表のコーチを務めていました。その後、トルコやクロアチアの代表監督、欧州の強豪クラブの監督を経験しています。
Q5:2026年の日本女子代表の成績は?
A5:VNLは7位で準々決勝進出、アジア選手権は3位、愛知・名古屋アジア競技大会では銀メダルを獲得しました。
Q6:アクバシュ監督は2027年も続投しますか?
A6:2026年10月19日の会見についての報道では、JVAは来季も続投させる方向性を示しています。ただし、報道時点では最終的な手続きが残っていました。
Q7:日本女子代表はロサンゼルス2028五輪に出場できますか?
A7:2026年10月31日時点では出場権を獲得していません。2027年女子ワールドカップの上位3チーム(未出場権獲得国)に入る方法や、2028年の世界ランキングによる出場権獲得ルートが残されています。
まとめ:アクバシュ監督の真価はロス五輪で問われる
2026年現在、日本女子バレーの監督はトルコ出身のフェルハト・アクバシュです。日本女子代表初の外国人監督として2025年に就任し、2028年ロサンゼルス五輪を目標にチームを強化しています。
2026年の主な成績は、VNL7位、アジア選手権3位、アジア競技大会銀メダルでした。決勝や準決勝まで進める競争力を示した一方、タイや中国といった強豪国に勝ち切る力には課題が残っています。
特に、本人がシーズン総括で挙げたメンタル面の強化、切り返しからの攻撃、速いコンビネーションへの対応は、2027年以降のチームづくりを左右する重要なポイントです。
また、JVAは2026年10月にアクバシュ監督の来季続投を基本方針として示しました。短期的な大会結果だけでなく、ロス五輪までの継続的な育成を重視した判断と考えられます。
【プロの結論】アクバシュ監督を評価する際に見るべきなのは、メダルの色や大会順位だけではありません。強豪国との対戦で何を改善できたか、若手選手が成長しているか、重要な試合で勝ち切る力が身についているかという3つの視点が欠かせません。
日本の伝統的な守備力と、世界のトップレベルで培われた戦術をどこまで融合できるのか。女子日本代表初の外国人監督が率いるチームの本当の評価は、2027年の国際大会、そして2028年ロサンゼルス五輪に向けた戦いのなかで明らかになっていくはずです。