独立国家共同体(CIS)とは?2026年の加盟9か国・設立経緯と現在の役割を徹底解説
独立国家共同体(CIS)は、1991年のソ連崩壊を背景に発足した、旧ソ連構成共和国を中心とする国家間協力の枠組みです。2026年10月31日現在、正式加盟国はロシア、ベラルーシ、アルメニア、アゼルバイジャン、カザフスタン、キルギス、タジキスタン、ウズベキスタン、モルドバの9か国です。トルクメニスタンは正式加盟国ではなく、準加盟国に当たる連合参加国として活動しています。
一方、ウクライナは創設時の協定に署名したものの、CIS憲章を批准しておらず、法的な正式加盟国ではありません。また、モルドバは2026年に正式脱退に向けた法的手続きを進め、2027年4月8日の脱退が予定されています。CISは単なる旧ソ連諸国の連合ではなく、各国の主権を維持したまま政治・経済・文化などの分野で協力する組織です。その設立背景、加盟国の関係、ミンスクの機構、ユーラシア経済連合との違いを整理します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 正式加盟国:2026年10月31日時点でロシアなど9か国。トルクメニスタンは準加盟国。
- 設立の経緯:1991年12月8日に創設協定が締結され、12月21日のアルマトイ宣言によって11共和国による協力枠組みが形成された。
- 組織の特徴:主権平等を基本とし、超国家的な統治権限を持たない。執行委員会の本部機能はベラルーシのミンスクにある。
- 現在の課題:ロシアとウクライナの戦争、モルドバの脱退、加盟国間の外交方針の違いによって、組織としての結束力が問われている。
- EAEUとの違い:CISは幅広い国家間協力、ユーラシア経済連合は市場統合を中心とする経済統合組織である。
【独立国家共同体(CIS)とは?2026年の正式加盟9か国一覧】

独立国家共同体は、英語の「Commonwealth of Independent States」の頭文字を取ってCISと呼ばれます。日本語では「独立国家共同体」のほか、「独連邦」などの表現が使われる場合もありますが、一般的にはCISまたは独立国家共同体という名称が定着しています。
その基本的な性格は、独立した国家同士が共通の課題について協議し、必要な分野で協力するための政府間組織です。加盟国が一つの国家に統合されたわけではなく、それぞれが独自の政府、憲法、外交政策、国境を維持しています。
2026年10月31日時点の正式加盟国9か国

- ロシア:旧ソ連の主要な継承国家であり、CISの中心的な参加国。
- ベラルーシ:ロシアとの政治・経済・軍事面での協力関係が深い。
- アルメニア:南コーカサス地域に位置する国家で、CISの正式加盟国。
- アゼルバイジャン:カスピ海西岸に位置する資源・エネルギー分野の重要国。
- カザフスタン:中央アジア最大級の領土を持ち、資源や物流の面で重要な国家。
- キルギス:中央アジアの山岳国家で、地域経済や労働移動の協力に関わる。
- タジキスタン:アフガニスタンと国境を接し、地域安全保障上の重要性を持つ。
- ウズベキスタン:中央アジアの人口・経済面で存在感の大きい国家。
- モルドバ:東ヨーロッパに位置し、2026年にCISからの正式脱退手続きを進めている。
この9か国という数字は、単純に現在の外交活動への参加状況だけを数えたものではありません。モルドバのように、組織の機関から離れる手続きを進めていても、国際法上の脱退が発効するまで正式加盟国として扱われるケースがあるためです。
2026年4月更新の中国外交部の独立国家共同体に関する組織概要でも、正式加盟国は9か国と整理されています。モルドバについては、2026年10月の同国国営通信MOLDPRESの報道で、正式脱退日が2027年4月8日になると説明されています。
正式加盟と準加盟は何が違うのか

特に混同されやすいのが、トルクメニスタンの位置付けです。同国は1991年の創設時からCIS形成に関わっていましたが、2005年8月26日のカザン首脳会議を経て、準加盟国に相当する連合参加国の地位を選択しました。
背景にあるのは、トルクメニスタンが重視する恒久中立政策です。1995年には国連総会決議によって同国の永世中立の地位が承認されました。政治・軍事的な一体化を避けながら、経済や交通、文化などの分野ではCISとの関係を維持するという立場です。
したがって、トルクメニスタンを9か国の正式加盟国に含めるのは正確ではありません。正式加盟国と準加盟国を区別することが、2026年の加盟国一覧を理解する第一歩です。
【1991年の設立経緯】ソ連崩壊と独立国家共同体の誕生
CISが誕生した背景には、1991年に急速に進んだソビエト連邦の解体があります。ソ連は15の共和国から構成されていましたが、政治・経済体制の動揺や共和国ごとの独立運動によって、連邦としての統一を維持することが難しくなっていました。
ソ連解体後に問題となったのは、独立した共和国同士の関係をどう維持するかという点です。経済は旧ソ連時代から一体的に結び付いており、交通網、エネルギー供給、産業、軍事施設、人的交流などを一気に切り離すことは現実的ではありませんでした。
1991年12月8日:ベロヴェーシ合意
1991年12月8日、ベラルーシのベロヴェーシで、ロシア、ベラルーシ、ウクライナの3共和国の指導者が会談しました。
この会談で署名されたのが「独立国家共同体の創設に関する協定」です。3共和国はソ連の連邦体制に代わる新しい国家間関係を構築する方向を示しました。
この合意は、ソ連の政治体制が事実上終焉を迎える大きな転換点となりました。
1991年12月21日:アルマトイ宣言
続く12月21日には、カザフスタンのアルマトイで11の旧ソ連構成共和国の首脳が集まりました。
アゼルバイジャン、アルメニア、ベラルーシ、カザフスタン、キルギス、モルドバ、ロシア、タジキスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタン、ウクライナが参加し、創設協定の議定書とアルマトイ宣言を採択しました。
この宣言では、各共和国が平等な立場で協力することが確認され、旧ソ連諸国の新たな国際関係を形作る枠組みが整えられました。ソ連は同年12月26日に正式に解体されます。
1993年1月22日:CIS憲章の採択
設立後の組織運営を制度化したのが、1993年1月22日にミンスクで採択されたCIS憲章です。
憲章によって、加盟国の主権平等、協力の目的、機構の基本的な仕組みが定められました。CISは単なる政治宣言にとどまらず、継続的に協議や共同事業を行う国際組織として制度化されていきました。
ただし、設立当初からすべての旧ソ連共和国が同じ立場で参加していたわけではありません。バルト三国のエストニア、ラトビア、リトアニアはCISに参加せず、ジョージアは1993年に加盟した後、2009年に正式脱退しています。
【加盟国の関係と現在地】正式加盟・準加盟・脱退の違い
CISを理解するうえで重要なのは、旧ソ連という共通の歴史を持つ国々であっても、現在の外交政策や組織への関与は大きく異なるという点です。
同じ正式加盟国であっても、政治的な連携の強さ、経済協定への参加状況、安全保障上の立場は一様ではありません。2026年時点の関係を地域別に整理すると、次のようになります。
| 国・地域 | CISでの位置付け | 主な関係・注目点 |
|---|---|---|
| ロシア・ベラルーシ | 正式加盟国 | 政治・経済面で緊密な関係。1999年には別個の二国間条約による国家連合の創設にも合意。 |
| アルメニア・アゼルバイジャン | 正式加盟国 | ともに南コーカサスの加盟国。ただし両国間の安全保障問題がCISによって自動的に解決されるわけではない。 |
| カザフスタン・キルギス | 正式加盟国 | 中央アジアの協力関係を支える国々。経済・物流・労働移動などで地域連携に関わる。 |
| タジキスタン・ウズベキスタン | 正式加盟国 | 中央アジアの地域協力、交通、エネルギー、安全保障などの分野で関係を持つ。 |
| モルドバ | 正式加盟国(脱退手続き中) | 2026年4月に創設協定などの破棄を通知。法的な正式脱退は2027年4月8日予定。 |
| トルクメニスタン | 準加盟国 | 2005年8月26日から準加盟国として参加。恒久中立政策を重視。 |
| ウクライナ | 正式加盟国ではない | 1991年の創設協定には署名したが、CIS憲章を批准せず。2018年に法定機関への参加を終了。 |
| ジョージア | 旧加盟国 | 1993年に加盟し、2009年8月18日に正式脱退。 |
ロシアとベラルーシはCISの中でも特別な関係
ロシアとベラルーシはともにCISの正式加盟国ですが、両国の関係はCISだけで説明できません。
両国は1999年12月8日に「国家連合の創設に関する条約」に署名し、2000年に発効させています。これはCIS全体の枠組みとは別に設けられた、ロシアとベラルーシだけの二国間統合制度です。
つまり、ロシアとベラルーシの緊密な関係を、そのままCIS全体の統合度と考えるのは誤りです。CISには、それぞれ異なる外交方針を持つ9か国が参加しています。
アルメニアとアゼルバイジャンは同じ加盟国でも協調とは限らない
アルメニアとアゼルバイジャンは、ともにCISの正式加盟国です。しかし、南コーカサス地域には長年の領土・安全保障問題があり、両国の外交・軍事上の利害は必ずしも一致しません。
この事実は、CISの制度的な限界を示しています。加盟国であること自体が、相互防衛や紛争の自動調停を意味するわけではありません。国家間の対立を解消するには、CISとは別の外交交渉や合意形成が必要になります。
モルドバは2026年に脱退を決定、正式離脱は2027年
2026年のCIS加盟状況を考えるうえで、特に重要な動きがモルドバの脱退です。
モルドバ政府は2026年3月11日、CIS創設協定、関連議定書、1993年の憲章を破棄する手続きの開始を発表しました。4月2日には議会が最終的な承認を行い、4月8日にCIS事務局へ正式通知が送られています。
同国のミハイ・ポプショイ副首相兼外相は、通知から12か月が経過する2027年4月8日に法的な脱退が成立すると説明しました。
モルドバ政府は、ロシアによるウクライナ侵攻や領土保全の原則をめぐる問題を、脱退の重要な背景として挙げています。一方、CISの枠組みで締結した経済協定のすべてを一律に終了させるわけではなく、自国に利益のある協定や二国間関係は維持する方針です。
モルドバ政府によると、CIS関連協定283件のうち71件をすでに破棄し、約60件を見直し対象としています。これは、国際組織からの脱退と、実務的な経済関係の終了が必ずしも同時ではないことを示す事例です。
【CIS憲章とミンスクの機構】主権平等を基本とする組織の仕組み
CISの法的な基本文書は、1993年1月22日に採択されたCIS憲章です。憲章第1条では、加盟国の主権平等と、各国が国際法上独立した平等な主体であることが基本原則として示されています。
さらに重要なのは、CISが国家そのものではなく、超国家的な権限を持たない組織として設計されている点です。
主権平等の原則とは何か
主権平等とは、加盟国がそれぞれ独立した国家として対等な立場を持つという考え方です。大国であるロシアが加盟しているからといって、CISの制度上、他の加盟国の主権を自由に制限できるわけではありません。
CIS憲章が掲げる協力の基本分野は、次のとおりです。
- 政治・外交分野での国家間協力
- 経済・貿易・産業分野での連携
- 環境保護と資源利用に関する協力
- 人道・文化・教育分野での交流
- 国際平和と安全保障に関する協議
- 人権と基本的自由の尊重
- 国家間の紛争の平和的解決
このように、CISの目的は軍事や経済だけに限定されていません。旧ソ連時代から続く人的・社会的なつながりを維持しながら、各国が独立国家として共通課題に対応することが想定されています。
CIS本部はベラルーシのミンスク
CISの機構を実務面で支えるのが、執行委員会です。本部所在地はベラルーシの首都ミンスクで、モスクワにも執行委員会の支部が置かれています。
執行委員会は、各種会議の運営、行政事務、加盟国間の調整などを担当する常設の執行・調整機関です。加盟国の首脳会議や政府首脳会議などが円滑に開催されるよう、事務的な役割を担います。
CISの主な機関
- 国家元首評議会:加盟国の首脳が参加する最高レベルの協議機関。
- 政府首脳評議会:政府レベルで経済・社会問題などを協議する機関。
- 外相評議会:外交政策や国際協力に関する調整を行う機関。
- 経済評議会:加盟国間の経済協力を推進する機関。
- 防衛相評議会:防衛分野の協力や調整を扱う機関。
- 経済裁判所:CISの枠組みで生じる経済関連の法的問題を扱う機関。
- 執行委員会:組織全体の運営・行政・調整を担う常設機関。
これらの機関に加え、貿易、運輸、税関、教育、文化、移住、犯罪対策など、個別分野に対応する協力組織も設けられています。
ただし、機関が存在することと、各国の政策が一体化していることは別問題です。CISの機関は国家間の協議と調整を支える仕組みであり、加盟国の政府に代わって国内政策を決定する中央政府ではありません。
【CISの目的と現在の役割】旧ソ連諸国の協力は機能しているのか
CISが設立された大きな理由は、ソ連崩壊によって生じる経済・社会的な混乱を抑え、独立した共和国同士の関係を維持することでした。
ソ連時代には、共和国間で原材料の供給、工業製品の生産、エネルギー輸送、鉄道や道路の運営などが相互に依存していました。独立によって国境が生まれても、それまでの経済構造や人的交流がすぐに消滅するわけではありません。
現在も続く実務的な協力分野
2026年時点でも、CISの枠組みでは複数の分野で国家間協力が行われています。
1.経済・貿易
加盟国間の貿易条件や経済協力、企業活動、投資環境などについて協議する分野です。自由貿易に関する協定も存在しますが、CIS加盟国すべてに同じ協定が一律に適用されるわけではありません。実際の権利や義務は、個別協定への参加状況によって異なります。
2.交通・物流・エネルギー
旧ソ連時代から形成された鉄道、道路、パイプラインなどのインフラは、現在も地域経済を支える重要な基盤です。国境を越えた輸送や物流の調整、エネルギー供給などは、加盟国間で協力する実益が大きい分野です。
3.労働移動・社会保障
旧ソ連諸国には、国境を越えて働く人々や家族・親族が複数の国に暮らすケースがあります。労働移動、社会保障、年金、医療などの制度を調整することは、住民の生活に直結する問題です。
モルドバ政府がCISからの脱退を進めながらも、利益のある経済協定や市民の移動に関する取り決めを維持する方針を示しているのも、こうした実務的な関係が組織への加盟とは別に重要だからです。
4.文化・教育・人道協力
ロシア語をはじめとする言語、教育制度、歴史的な人的交流など、旧ソ連諸国には共通する文化的基盤があります。教育機関の交流、文化事業、科学技術協力などもCISの協力対象です。
5.治安・国境管理
国境を越える犯罪、テロ対策、麻薬取引、人身取引などへの対応も協力分野です。国境を共有する国家同士が情報交換や実務協力を行うことには、現在も一定の意味があります。
なぜCISは強い政治統合に至らなかったのか
CISの限界を理解するには、加盟国が独立を維持することを最優先してきた点に注目する必要があります。
ソ連時代の共和国は、中央政府による政治・経済的な統制の下にありました。しかし、独立後の各国にとって、自国の主権を再び他の国家や中央機関に委ねることは容易ではありません。
その結果、CISは共通の政策を強制する統合機構ではなく、各国の合意や個別協定を基礎に協力する緩やかな組織となりました。
さらに、加盟国の外交方針にも違いがあります。ロシアとの関係を重視する国がある一方、欧州連合との関係強化や独自の中立政策を優先する国もあります。
ウクライナのCIS機関からの離脱、ジョージアの正式脱退、そしてモルドバの2026年の脱退決定は、旧ソ連諸国が必ずしも共通の政治的方向を選択していないことを示しています。
また、アルメニアとアゼルバイジャンのように、同じCISに所属していても地域紛争や安全保障上の利害が一致しないケースもあります。CISには、加盟国の対立を必ず解消できる強制的な紛争解決権限や、NATOのような自動的な相互防衛義務はありません。
したがって、CISの実態は、政治的な一体化を進める組織というより、旧ソ連諸国が必要な分野で協議や協定を維持するための共通基盤と捉えるのが適切です。
【CISとユーラシア経済連合の違い】加盟国・目的・統合度を比較
CISと混同されやすい組織に、ユーラシア経済連合(EAEU)があります。どちらも旧ソ連諸国を中心とする国際的な枠組みですが、設立目的と統合の深さは大きく異なります。
ユーラシア経済連合とは
ユーラシア経済連合は、2014年5月29日に条約が署名され、2015年1月1日に発足した地域経済統合組織です。
2026年時点の正式加盟国は、アルメニア、ベラルーシ、カザフスタン、キルギス、ロシアの5か国です。
その目的は、加盟国間で商品、サービス、資本、労働力の移動を促進し、経済政策を調整しながら共通市場の形成を進めることにあります。
CISとEAEUの比較
両組織の違いを整理すると、次のようになります。
- 加盟国数:CISは正式加盟9か国、EAEUは5か国。
- 主な目的:CISは政治・経済・文化など幅広い分野の国家間協力、EAEUは経済統合。
- 市場統合:EAEUは商品・サービス・資本・労働力の自由な移動を制度的に推進する。
- 組織の性格:CISは主権平等を基本とする政府間協力機構、EAEUは条約に基づく国際的な経済統合組織。
- 共通点:旧ソ連諸国を中心に形成され、加盟国の一部が重複している。
両組織に共通して参加するのは、ロシア、ベラルーシ、アルメニア、カザフスタン、キルギスです。一方、アゼルバイジャン、タジキスタン、ウズベキスタン、モルドバはCISの正式加盟国ですが、EAEUの正式加盟国ではありません。
重要なのは、CISに加盟しているからといって、EAEUの経済統合ルールに自動的に従うわけではないという点です。
例えば、CISは幅広い国際協力の場として機能しますが、EAEUは関税同盟や共通市場など、より具体的な経済制度を構築しています。両者は競合する同一組織ではなく、異なる目的を持つ別々の国際機構です。
日本の読者が両者を区別する場合は、「CISは旧ソ連諸国の幅広い協力枠組み」「EAEUは5か国を中心とした経済統合組織」と覚えると理解しやすくなります。
【独立国家共同体に関するよくある質問(FAQ)】
Q1:独立国家共同体(CIS)の正式加盟国は2026年に何か国ですか?
A1:2026年10月31日時点では9か国です。ロシア、ベラルーシ、アルメニア、アゼルバイジャン、カザフスタン、キルギス、タジキスタン、ウズベキスタン、モルドバが該当します。
Q2:トルクメニスタンはCISの正式加盟国ですか?
A2:いいえ。トルクメニスタンは2005年8月26日から準加盟国に相当する連合参加国として活動しています。永世中立政策を背景に、正式加盟とは異なる参加形態を選んでいます。
Q3:ウクライナはCISから脱退したのですか?
A3:ウクライナは1991年の創設協定と議定書には署名しましたが、1993年のCIS憲章を批准していません。そのため法的には正式加盟国ではありません。2018年5月には法定機関への代表参加を終了し、その後もCIS関連協定の見直しを進めています。
Q4:モルドバは2026年時点ですでにCISを脱退していますか?
A4:法的にはまだ正式脱退していません。2026年4月8日に脱退通知が行われ、12か月の期間が満了する2027年4月8日に正式脱退する予定です。ただし、2026年にはCISの法定機関から離れるための手続きが進められています。
Q5:独立国家共同体の本部はどこにありますか?
A5:ベラルーシの首都ミンスクです。CISの執行委員会が置かれており、会議の運営や組織全体の事務・調整を担当しています。モスクワにも支部があります。
Q6:CISはソ連のような国家連合なのですか?
A6:いいえ。CISは独立した国家同士の協力を目的とする国際組織であり、共通政府や超国家的な統治権限を持ちません。各国は独自の主権と外交政策を維持しています。
まとめ:独立国家共同体の2026年の現状と今後の注目点
独立国家共同体(CIS)は、1991年のソ連崩壊を受けて誕生した、旧ソ連諸国の協力を支える国際組織です。2026年10月31日時点では、正式加盟国は9か国、トルクメニスタンは準加盟国という位置付けです。
設立当初は、ソ連時代に形成された経済・交通・人的交流を維持する役割が期待されていました。その後、1993年のCIS憲章によって主権平等を基本とする組織体制が整えられ、政治、経済、文化、人道、安全保障など幅広い分野で協力が進められてきました。
【プロの結論】CISを理解するための3つの判断基準
第一に、正式加盟と実際の参加状況を分けて考えること。モルドバのように、法的には加盟国でありながら組織からの離脱手続きを進める国があります。加盟国一覧を見る際は、法的な地位と政治的な参加状況を区別する必要があります。
第二に、CISを軍事同盟や統一国家と混同しないこと。加盟国同士の関係が深くても、相互防衛や共通外交政策が自動的に成立するわけではありません。ロシアとベラルーシの国家連合も、CIS全体とは別の制度です。
第三に、CISとEAEUを目的によって見分けること。幅広い外交・文化・社会協力を扱うのがCISであり、経済統合と市場の自由化を中心に進めるのがEAEUです。
今後の大きな焦点は、2027年4月に予定されるモルドバの正式脱退と、それに伴うCISの加盟国構成の変化です。さらに、ロシアとウクライナの関係、南コーカサスの安全保障、中央アジア諸国の外交的な自立志向も、組織の将来を左右する要素となります。
CISはソ連の復活を目指す国家連合ではありません。独立した旧ソ連諸国が、歴史的な結び付きを残しながら、それぞれの国益に応じて協力関係を選択するための枠組みです。この基本構造を理解すれば、2026年の国際情勢におけるCISの立ち位置も、より正確に把握できます。
主要な根拠資料:各国政府・外務省の公表資料、CIS執行委員会の組織情報、ユーラシア経済連合の公式資料、国連条約記録。