糖尿病でもてんさい糖は使える?血糖値への影響と上白糖との違いを2026年最新データで徹底解説
糖尿病と診断された後も、料理やコーヒーに使う砂糖まで完全に諦めたくないと考える人は少なくありません。そこで候補に挙がるのが、北海道産のてん菜(ビート)を原料とする「てんさい糖」です。一般的な上白糖より自然で、オリゴ糖やミネラルを含むことから、血糖値への影響も穏やかなのではないかと期待されています。しかし、糖尿病の食事療法では、原料のイメージや色だけで甘味料の安全性を判断することはできません。
2026年11月時点で参照できる文部科学省の食品成分データベースと、日本糖尿病学会の診療ガイドライン2024を照らし合わせると、てんさい糖にもショ糖や利用可能炭水化物が相当量含まれていることが分かります。上白糖との具体的な数値の違い、GI値の考え方、1日の摂取量、きび砂糖やラカントとの使い分けまで、血糖管理に役立つ情報を整理します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:てんさい糖は糖質を含む砂糖であり、糖尿病の人でも無制限に使用できる甘味料ではない。
- 要点2:文部科学省の食品成分データでは、てんさい含蜜糖100g当たりのショ糖は85.1g、炭水化物は96.9g。
- 要点3:上白糖より一部の糖質量は少ないものの、血糖値への影響がなくなるわけではない。
- 要点4:糖尿病患者全員に共通する砂糖の1日摂取上限はなく、総エネルギー量や食事全体の炭水化物量に合わせて考える。
- 要点5:血糖値を優先する場合は、エリスリトールやラカントSなども選択肢。ただし、合併症や使用状況に応じた確認が必要。
【先に結論】糖尿病でもてんさい糖は使える?血糖値への影響を検証

まず結論から言えば、糖尿病の人がてんさい糖を少量使用すること自体が一律に禁止されているわけではありません。ただし、てんさい糖は砂糖の一種であり、血糖値に影響する炭水化物を含んでいます。
重要なのは、てんさい糖が上白糖より健康的なイメージを持たれていることと、糖尿病の食事療法に適していることは別問題だという点です。
てんさい糖でも血糖値が上がる理由
てんさい糖の主成分はショ糖です。ショ糖はブドウ糖と果糖が結合した二糖類で、消化されるとそれぞれの糖に分解されます。ブドウ糖は血液中に取り込まれるため、摂取量や食事内容によって食後血糖値に影響します。
国立健康危機管理研究機構の糖尿病情報センターも、ショ糖はサトウキビやテンサイから作られる砂糖の主成分であり、過剰摂取は血糖上昇や肥満を助長する可能性があると説明しています。
つまり、原料が北海道産のてん菜であることや、精製度が異なることだけで、血糖値への影響がなくなるわけではありません。
オリゴ糖を含んでいても安心とは限らない

てんさい糖の特徴としてよく紹介されるのが、ラフィノースなどのオリゴ糖です。商品によっては、糖蜜由来の成分を残しているため、上白糖とは異なる風味や成分構成を持っています。
しかし、オリゴ糖を含んでいるからといって、製品全体の糖質がなくなるわけではありません。実際に文部科学省の食品成分データベースに登録された「てんさい含蜜糖」には、可食部100g当たり85.1gのショ糖が含まれています。
オリゴ糖の存在だけに注目するのではなく、製品全体の炭水化物量と実際に使う重量を見ることが大切です。
糖尿病の人が使用するときの基本的な考え方
てんさい糖を使いたい場合は、これまで使用していた砂糖と同じように、食事全体の糖質・炭水化物量に含めて管理します。
特にインスリン療法を行っている人は、甘味料の変更だけを理由に自己判断でインスリン量を変更しないことが大切です。必要に応じて主治医や管理栄養士に相談してください。
【文科省の公式データ】てんさい糖と上白糖の糖質量・ショ糖含有量を比較
てんさい糖と上白糖の違いを判断するうえで、参考になるのが文部科学省の「食品成分データベース」です。
2026年11月時点で閲覧できる該当データは、日本食品標準成分表(八訂)増補2023年に基づいています。今回は、食品番号03030の「てんさい含蜜糖」と、食品番号03003の「上白糖」を比較します。
可食部100g当たりの栄養成分比較
| 比較項目 | てんさい含蜜糖 | 上白糖 | 確認ポイント |
|---|---|---|---|
| エネルギー | 357kcal | 391kcal | てんさい含蜜糖が少ない |
| 炭水化物 | 96.9g | 99.3g | 差は2.4g |
| 利用可能炭水化物(質量計) | 85.4g | 99.3g | 消化・利用される炭水化物の目安 |
| ショ糖 | 85.1g | 97.9g | てんさい含蜜糖にも多く含まれる |
| 食物繊維総量 | 8.3g | (0)g | てんさい含蜜糖に含まれる |
出典:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」食品成分データベース。数値は可食部100g当たり。
数字から分かる、てんさい糖の本当の特徴
この比較で注目したいのは、てんさい含蜜糖のショ糖が85.1gであるのに対し、上白糖では97.9gという点です。
てんさい含蜜糖のほうがショ糖の割合は低く、食物繊維も含まれています。しかし、炭水化物全体では96.9gです。100gの食品のうち、ほとんどを炭水化物が占めていることに変わりはありません。
また、食物繊維が含まれているという特徴を、血糖値が上がらない理由として解釈するのも適切ではありません。食物繊維の存在と、砂糖に含まれる利用可能炭水化物の存在は分けて考える必要があります。
実際に10g使用した場合の差は?
家庭での使用量に置き換えると、さらに分かりやすくなります。
- てんさい含蜜糖10g:炭水化物約9.69g、ショ糖約8.51g
- 上白糖10g:炭水化物約9.93g、ショ糖約9.79g
10g当たりの炭水化物の差は約0.24gです。ショ糖の差は約1.28gありますが、てんさい含蜜糖にも相当量のショ糖が残っています。
この数値を見る限り、てんさい糖に置き換えるだけで糖尿病の食事管理が大きく改善すると期待するのは難しいでしょう。
市販のてんさい糖はすべて同じ成分なのか
ここにも注意点があります。文部科学省の登録食品は「てんさい含蜜糖」という特定の食品項目であり、市販されているすべての「てんさい糖」という名称の商品が完全に同じ配合・成分であることを意味しません。
商品によって原料や製法、糖蜜の含有量が異なる場合があります。購入時には、文部科学省の標準値だけでなく、実際の商品パッケージに記載された栄養成分表示も確認してください。
【GI値の真相】てんさい糖ときび砂糖の違いは血糖管理に関係する?
てんさい糖を調べると、GI値が低いという説明を目にすることがあります。GI値は食後血糖値の上がりやすさを示す指標で、糖尿病の食事療法でも参考にされる考え方です。
ただし、GI値と実際の食後血糖値は同じものではありません。特定の砂糖について示された数値を、そのまま日常の食事に当てはめることには注意が必要です。
てんさい糖のGI値は65と断定できる?
インターネット上では、てんさい糖のGI値を65と紹介する情報があります。しかし、文部科学省の食品成分データベースには、てんさい含蜜糖のGI値は掲載されていません。
炭水化物量やショ糖含有量が掲載されていることと、特定商品のGI値が臨床的に測定されていることは別です。
したがって、てんさい糖のGI値を65とする数字だけを根拠に、糖尿病でも安心して使えると判断することは避けるべきです。製品固有の信頼できる測定データと、食べる量を確認する必要があります。
日本糖尿病学会は低GI食をどう評価している?
日本糖尿病学会の「糖尿病診療ガイドライン2024」では、低GI食について重要な見解が示されています。
2型糖尿病の血糖コントロールに対して、低GI食は有効とされ、推奨グレードBと評価されています。
ただし、これは食事全体のGIを考慮した食事療法に関する評価です。てんさい糖という特定の砂糖が、糖尿病の血糖管理に有効であると認定されたわけではありません。
食事全体のGIを意識することと、砂糖の種類だけを変更することは、区別して考える必要があります。
てんさい糖ときび砂糖の違い
両者の大きな違いは原料です。
- てんさい糖:北海道などで栽培される、てん菜(ビート・砂糖大根)を原料とする。
- きび砂糖:サトウキビを原料とする砂糖の商品名・呼称として使用される。
農林水産省による砂糖の分類では、製造方法によって分蜜糖と含蜜糖に分けられます。分蜜糖は結晶と糖蜜を分離して結晶部分を取り出したもの、含蜜糖は糖蜜を含んだ状態の砂糖です。
色が茶色いからといって、すべて同じ製法で作られているわけではありません。また、色や原料の違いだけで血糖値への影響を判断することもできません。
きび砂糖についても商品ごとに成分が異なるため、糖尿病の人は商品ラベルの炭水化物量や糖類を確認することが大切です。
血糖管理を目的にするなら、てんさい糖ときび砂糖のどちらが優れているかという比較より、使用量と食事全体の炭水化物量を優先してください。
【1日何グラムまで?】糖尿病の砂糖摂取量と食事療法の考え方
「糖尿病になったら砂糖は1日何グラムまで食べてよいのか」という疑問は、多くの人が抱くものです。
しかし、日本糖尿病学会が糖尿病患者全員に共通する、てんさい糖や上白糖の一律の1日上限量を定めているわけではありません。
必要なエネルギー量や炭水化物量は、身長、年齢、体重、身体活動量、血糖コントロール、合併症の有無などによって異なります。
砂糖だけではなく炭水化物全体を見る
糖尿病の食事療法で大切なのは、砂糖だけを切り離して考えないことです。
炭水化物には、砂糖だけでなく、ご飯、パン、麺類、いも類、果物などに含まれる糖質もあります。炭水化物は糖質と食物繊維を合わせたものであり、食品ごとに構成が異なります。
例えば、朝食でパンとジャム、昼食で麺類と甘い飲料、夕食でご飯と砂糖を使用した煮物を食べれば、それぞれの炭水化物が積み重なります。
てんさい糖を上白糖に置き換えることだけでは、このような食事全体の問題は解決しません。
日本糖尿病学会の食事療法の基本
日本糖尿病学会の診療ガイドライン2024では、1型・2型糖尿病の血糖コントロールのために食事療法を推奨しています。
また、厚生労働省のe-ヘルスネットでは、糖尿病の食事について、適切なエネルギー量を守り、主食・主菜・副菜を組み合わせたバランスのよい食事を基本としています。
特に重要なのは、次の3点です。
- エネルギー管理:年齢、目標体重、活動量などに応じて必要なエネルギー量を決める。
- 炭水化物管理:食事ごとの糖質量を把握し、必要に応じてカーボカウントを活用する。
- 食物繊維の確保:野菜、海藻、豆類、きのこなどを取り入れる。
特にインスリン注射を使用している人は、食事中の炭水化物量を把握することが血糖管理に役立ちます。
WHOの砂糖摂取基準は糖尿病患者にも適用できる?
砂糖の摂取量を考える際には、世界保健機関(WHO)の遊離糖類に関する指針も参考になります。
WHOは2026年1月26日更新の健康的な食事に関するファクトシートでも、遊離糖類を1日の総エネルギー摂取量の10%未満に抑えることを推奨し、5%以下に減らすことで、さらなる健康上の利益が得られる可能性を示しています。
例えば、1日2,000kcalを摂取する成人の場合、一般的な目安は次のようになります。
- 総エネルギーの10%相当:約50g
- 総エネルギーの5%相当:約25g
ただし、これは一般的な健康指針に基づく遊離糖類の目安であり、糖尿病患者に対する個別の安全摂取量ではありません。
遊離糖類には、食品や飲料に加えられたショ糖、ブドウ糖、果糖などのほか、はちみつ、シロップ、果汁などに含まれる糖類も含まれます。
糖尿病の人は、この数値を自分の摂取上限と決めつけず、主治医や管理栄養士が設定した食事療法を優先してください。
極端な糖質制限にも注意が必要
砂糖を減らしたいからといって、炭水化物を極端に制限することも適切とは限りません。
糖尿病情報センターは、糖質をゼロに近づけるような極端な制限について、効果や安全性が十分に証明されておらず、エネルギー不足や低血糖、筋力低下につながる可能性を説明しています。
糖尿病の食事療法は、砂糖を完全に排除することだけが目的ではありません。必要な栄養を確保しながら、血糖値と体重を適切に管理できる食事を続けることが基本です。
【甘味料の選び方】エリスリトール・ラカントは糖尿病に適している?
てんさい糖以外にも、血糖値が気になる人が検討する甘味料があります。その代表例がエリスリトールとラカントSです。
ただし、甘味料はそれぞれ化学的な性質や代謝の仕組みが異なります。単純に「天然」「人工」「カロリーゼロ」という表示だけで判断しないことが大切です。
エリスリトールは血糖値に影響する?
エリスリトールは糖アルコールの一種です。果物や発酵食品などにも存在する甘味成分で、一般的な砂糖とは体内での代謝の仕組みが異なります。
エリスリトールは摂取後、その大部分が小腸で吸収され、代謝されずに尿中へ排泄されます。そのため、血糖値やインスリン濃度への影響は非常に小さいとされています。
砂糖と比べて血糖値への影響を抑えたい人にとって、選択肢の一つになります。
一方で、糖アルコールは一度に多く摂取すると、お腹が緩くなるなどの消化器症状が生じる場合があります。使用量には注意してください。
ラカントSは糖尿病の人でも使える?
ラカントSは、サラヤ株式会社が販売する甘味料で、主な原材料はエリスリトールと羅漢果(ラカンカ)由来の甘味成分です。
メーカーの公式FAQでは、エリスリトールの90%以上がそのまま尿中に排泄されることから、血糖値やインスリン濃度にほとんど影響しないと説明されています。
ただし、栄養成分表示を見る際には注意が必要です。
ラカントS顆粒は、大さじ1杯13g当たり、炭水化物13g、糖類0g、エネルギー0kcalと表示されています。炭水化物や糖質の表示があるからといって、すべてが通常の砂糖と同じように血糖値に影響するわけではありません。
これは主成分のエリスリトールが、食品表示上は糖質に分類されるためです。
ただし、糖尿病性腎症などの合併症がある人については、メーカー自身も使用前に医師への相談を案内しています。腎機能や治療内容に応じて判断することが重要です。
日本糖尿病学会は甘味料をどう評価している?
日本糖尿病学会の「糖尿病診療ガイドライン2024」では、非栄養性甘味料についても検討されています。
ショ糖の代わりに非栄養性甘味料を使えば、摂取エネルギー量を減らせる可能性があります。しかし、1型・2型糖尿病の血糖コントロールに対する影響については、十分に確認されていないとしています。
そのため、糖尿病の管理を目的として非栄養性甘味料を使用することも、使用しないことも、現時点では一律に推奨するには至っていません。
ここで注意したいのは、エリスリトールのような糖アルコールと、ステビアやスクラロースなどの高甘味度甘味料を、すべて同じものとして扱わないことです。
甘味料ごとに性質が異なるため、商品に含まれる成分と、自分の治療内容を照らし合わせて選ぶ必要があります。
【失敗しない実践方法】糖尿病の人がてんさい糖を使うときの注意点
てんさい糖を完全に避けるか、これまでどおり使うかという二択で考える必要はありません。大切なのは、使用量を把握し、血糖管理に無理のない形で取り入れることです。
1. 目分量ではなく重量で管理する
砂糖は少量でも炭水化物を含みます。料理に使用するときは、目分量で何杯も加えるのではなく、計量スプーンやキッチンスケールで使用量を把握しましょう。
例えば、文部科学省の標準成分値を参考にすると、てんさい含蜜糖を10g使用した場合、炭水化物は約9.69gです。この分を食事全体の炭水化物量に加えて考えます。
2. 甘味を足す前に料理の味付けを工夫する
砂糖の使用量を減らすには、甘味料を別の商品に変更するだけでなく、料理そのものの味付けを見直す方法もあります。
- だしや昆布のうま味を活用する。
- 酢や柑橘類の酸味を取り入れる。
- 香辛料や香味野菜で風味を補う。
- 素材本来の甘味を生かして調理する。
- 飲み物は無糖のものを基本にする。
こうした工夫によって、砂糖を多く使わなくても満足感のある味付けを目指せます。
3. 食後血糖値を確認する
血糖値への影響は、甘味料の種類だけで決まるものではありません。食事全体の内容や摂取量、食べる順番、身体活動量なども関係します。
医師から血糖測定を指示されている人は、普段の食事と、てんさい糖を使用した食事で、食後血糖値にどのような違いが出るかを確認する方法があります。
ただし、一度の測定結果だけで甘味料の優劣を決めることはできません。食事内容や測定条件をできるだけそろえ、必要に応じて医療スタッフに相談してください。
4. 商品の栄養成分表示を確認する
市販のてんさい糖を選ぶ際は、パッケージの次の項目を確認しましょう。
- 100g当たりのエネルギー
- 炭水化物量
- 糖質量・糖類の表示
- 食物繊維量
- 原材料名と甘味成分
「オリゴ糖入り」「天然由来」「ミネラル入り」といった表示は、血糖値への影響を保証するものではありません。
糖尿病の人にとって優先すべきなのは、健康イメージを強調する宣伝文句より、実際の栄養成分と摂取量です。
てんさい糖が向いている人・慎重に考えたい人
取り入れやすい人
- てんさい糖の風味を好み、少量で料理を楽しみたい人。
- 食事全体の炭水化物量を把握できている人。
- 主治医や管理栄養士から特別な制限を受けていない人。
慎重な判断が必要な人
- 血糖コントロールが不安定な人。
- 糖尿病性腎症などの合併症がある人。
- インスリン療法や血糖降下薬を使用しており、食事量の変更に注意が必要な人。
- てんさい糖なら血糖値が上がらないと考えて大量に使用している人。
特に合併症がある場合は、一般的な甘味料の説明よりも、自分の病状に応じた医療機関の指示を優先してください。
【糖尿病とてんさい糖】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:糖尿病でもてんさい糖を食べて大丈夫ですか?
A1:少量を食事療法の範囲内で使用することは、一律に禁止されていません。ただし、てんさい糖にはショ糖や利用可能炭水化物が含まれているため、血糖値に影響します。使用量を把握し、食事全体の炭水化物量に含めて管理してください。
Q2:てんさい糖のGI値は65というのは本当ですか?
A2:GI値65という数字を紹介する情報はありますが、文部科学省の食品成分データベースには、てんさい含蜜糖のGI値は掲載されていません。特定の商品について信頼できる測定データがない場合は、数字だけを根拠に低GI食品と判断しないことが大切です。
Q3:てんさい糖と上白糖はどちらが糖尿病におすすめですか?
A3:文部科学省の標準成分値では、てんさい含蜜糖のほうがショ糖や炭水化物の数値は低くなっています。ただし、両方とも糖質を含む砂糖です。てんさい糖への変更だけで血糖管理が改善するとは限らず、使用量を優先して考える必要があります。
Q4:糖尿病の人は砂糖を1日何グラムまで摂取できますか?
A4:糖尿病患者全員に共通する砂糖の摂取上限量は定められていません。必要なエネルギー量、食事の炭水化物量、血糖コントロールなどに応じて個別に判断します。主治医や管理栄養士に相談することをおすすめします。
Q5:ラカントSは糖尿病の人でも使えますか?
A5:ラカントSは主にエリスリトールと羅漢果由来の甘味成分を使用した商品で、一般的な砂糖に比べて血糖値への影響が小さいとされています。ただし、糖尿病性腎症などの合併症がある人は、使用前に主治医へ相談してください。
Q6:てんさい糖ときび砂糖では、どちらが血糖値を上げにくいですか?
A6:原料は異なりますが、どちらも砂糖の一種です。商品ごとの糖質量や成分構成も異なるため、原料だけで血糖値への影響を比較することはできません。栄養成分表示と実際の使用量を確認してください。
まとめ:2026年の糖尿病における砂糖の選び方と失敗しない判断基準
糖尿病でも、てんさい糖を少量使用することは一律に禁止されていません。しかし、てんさい糖は糖質を含む砂糖であり、血糖値への影響がない特別な甘味料ではありません。
文部科学省の食品成分データベースによれば、てんさい含蜜糖100g当たりのショ糖は85.1g、炭水化物は96.9gです。上白糖と比較して数値に違いはあるものの、糖尿病の食事療法において、単純に置き換えれば安心できるほどの違いではありません。
日本糖尿病学会の診療ガイドライン2024が重視しているのは、食事療法を通じた血糖コントロールです。特定の砂糖だけに注目するのではなく、食事全体のエネルギー量や炭水化物量、食物繊維、生活習慣を含めて管理することが基本になります。
【プロの結論】
糖尿病の人が甘味料を選ぶときに優先したい判断基準は、次の3つです。
- 第一に、成分を確認する:てんさい糖、きび砂糖、上白糖の名称や色ではなく、実際の炭水化物量と糖類を比較する。
- 第二に、使用量を管理する:砂糖の種類を変更するだけでなく、料理や飲料に使う量を減らし、食事全体のバランスを整える。
- 第三に、治療内容に合わせて選ぶ:エリスリトールやラカントSなども候補にしつつ、合併症や薬物療法の状況に応じて医療スタッフに相談する。
てんさい糖を使うこと自体を過度に恐れる必要はありません。一方で、「自然由来だから安心」「GI値が低いからたくさん食べてもよい」という考え方も避けるべきです。
大切なのは、甘味料のブランドやイメージではなく、実際の成分と摂取量を基準に選ぶことです。無理に甘いものをすべて我慢するのではなく、自分の血糖管理に合った方法で食事を楽しみながら、長く続けられる食生活を整えていきましょう。