【2026年最新】荒川区の人口・住みやすさは?数字から見る街の実力
荒川区の面積は約10.16平方キロメートル。東京23区の中では比較的小さな区だが、住宅地、商業地、工場、公共施設がコンパクトに集まっている。
荒川区が公表した2026年10月1日現在の住民基本台帳によると、人口と世帯数は次のとおりだ。
荒川区の人口・世帯数(2026年10月1日現在)226,433人

129,919世帯

200,088人

26,345人
外国人人口は全体の約11.6%を占める。地域社会の国際化も、現在の荒川区を理解するうえで見逃せない要素だ。
住民の評価は高い?区政世論調査を検証
荒川区の住みやすさを考えるうえで参考になるのが、区が実施する区政世論調査である。
2025年度の第50回調査では、現在の荒川区を「非常に住みよい」と答えた人が22.0%、「まあまあ住みよい」が69.1%だった。
合計すると、住みよいと感じている区民は91.1%に達する。回答者数は1,552人だ。
これは不動産会社の広告上の評価ではなく、区民を対象に実施した行政の世論調査に基づく数字である。荒川区が長く生活の場として支持されてきたことを示す一つの材料になる。
ただし、区全体の満足度が高いからといって、すべての駅周辺が同じように便利というわけではない。通勤先、買い物環境、住宅の築年数、災害リスクなどによって、暮らしの評価は変わる。
【街ごとに徹底比較】日暮里・西日暮里・町屋・南千住の特徴と交通アクセス
荒川区の大きな強みは、複数の鉄道路線を利用できることだ。
荒川区公式サイトの交通案内には、JR山手線・京浜東北線・常磐線、東京メトロ千代田線・日比谷線、京成本線、つくばエクスプレス、日暮里・舎人ライナーなどが掲載されている。
さらに、東京に残る唯一の都電である東京さくらトラム(都電荒川線)が区内を走る。
4つの主要エリアを比較
荒川区内で住まいを探す場合、駅名だけで判断するのではなく、街の性格を比較したい。
日暮里・西日暮里は都心と空港へのアクセスが魅力
日暮里は、JR各線と京成線、日暮里・舎人ライナーが接続する交通の拠点だ。京成線を利用すれば成田空港方面にも移動しやすい。
駅周辺には商業施設や飲食店があり、少し歩けば日暮里繊維街や谷中方面の歴史ある街並みにもアクセスできる。
西日暮里は山手線と千代田線を利用できる点が強み。大手町や霞ケ関方面へ通勤する人にとって、乗り換えを減らしやすい立地となっている。
町屋は商店街と生活利便性のバランスが魅力
町屋駅周辺は、東京メトロ千代田線、京成本線、都電荒川線を利用できる。
特に注目したいのが、地域に根差した商業環境だ。
「まちやアベニュー」には飲食店、物販店、医療・サービス関連の店舗などが並ぶ。新しい店舗と昔から営業する個人商店が共存する街並みも特徴である。
駅周辺にはスーパーや商業施設もあり、日々の買い物を徒歩圏で済ませたい世帯にとって検討しやすいエリアだ。
南千住は再開発で街の景色が変わった
南千住は、荒川区の中でも都市整備による変化が大きかった地域だ。
代表的なのが白鬚西地区の市街地再開発事業である。
東京都の資料によると、同事業の施行面積は約48.8ヘクタール。住宅約4,500戸、計画人口約14,700人という大規模な計画で、事業期間は昭和62年度から平成21年度までとなっている。
この再開発に関連して整備された施設の一つが、2006年4月に開園した都立汐入公園だ。面積は約12.9ヘクタールに及び、芝生広場や展望広場などを備える。
また、南千住西口駅前地区の再開発事業も2012年3月に完了している。
したがって、2026年の南千住を理解するには、現在進行中の新規再開発と過去に完了した大規模整備を区別する必要がある。南千住の住宅地としての魅力は、こうした長期的な都市整備によって形成されてきた。
東京さくらトラムと日暮里・舎人ライナーの役割
東京さくらトラムは、三ノ輪橋から早稲田までを結ぶ12.2キロメートルの路線で、停留場は30か所。2017年4月に「東京さくらトラム」という愛称が決定した。
東京都交通局によれば、2024年度の1日平均利用者数は約5万1,000人。観光だけでなく、地域住民の通勤・通学や日常移動を支える存在でもある。
一方、日暮里・舎人ライナーは日暮里から見沼代親水公園までを結ぶ9.7キロメートル、13駅の路線だ。
荒川区内では日暮里、西日暮里、赤土小学校前、熊野前が利用できる。足立区方面との移動に便利で、特に沿線の住宅地から日暮里へのアクセスを支えている。
鉄道網の充実は荒川区の大きな魅力だが、駅から離れた住宅ではバスや自転車が必要になる場合もある。物件選びでは、最寄り駅だけでなく実際に利用する路線まで確認したい。
【家賃相場と治安】荒川区は本当にコストパフォーマンスが高い?
住みやすさを判断するうえで、家賃と治安は外せない。
荒川区は都心に近い立地でありながら、駅や町丁目によっては比較的幅広い価格帯の物件を探せる。ただし、駅近の築浅マンションや大型マンションでは、都心部に近い水準の家賃になることもある。
2026年10月の家賃相場
LIFULL HOME'Sの駅別家賃相場を参照した2026年10月1日時点の集計では、荒川区の1Kは約10.48万円、1LDKは約17.04万円となっている。
1Kの駅別目安を比較すると、次のような差が見られる。
| 駅・停留場 | 1Kの家賃目安 |
|---|---|
| 町屋 | 約9.31万円 |
| 日暮里 | 約10.92万円 |
| 南千住 | 約11.30万円 |
| 西日暮里 | 約11.31万円 |
| 小台 | 約8.20万円 |
| 京成町屋 | 約8.94万円 |
出典:2026年10月1日取得のLIFULL HOME'S駅別データを用いた集計。駅徒歩10分以内、管理費等を除く1Kの参考値。
ここで重要なのは、同じ町屋でも千代田線の町屋駅、京成本線の京成町屋駅、都電の町屋駅前停留場では集計が異なることだ。
また、掲載物件の条件や築年数によって家賃相場は変動する。上記は個々の契約価格を保証する数字ではない。
家賃を抑えたい人は、駅徒歩分数を少し広げることや、都電沿線まで検討範囲を広げることが有効だ。
荒川区の治安と評判を犯罪統計から検証
荒川区の治安については、「下町だから安全」「繁華街が少ないから犯罪が少ない」といった印象だけで判断するべきではない。
警視庁の犯罪認知件数を基にした集計では、2025年の荒川区の刑法犯認知件数は1,451件。2024年の1,328件から123件増加した。
一方、2026年1月1日の住民基本台帳人口を分母として算出した人口1,000人当たりの認知件数は約6.46件。23区平均の約7.54件を下回っている。
また、2025年の犯罪で目立つのが自転車盗で、431件を占めた。
この数字から読み取れるのは、荒川区全体の犯罪発生率が23区平均より低い一方、自転車盗など身近な犯罪への注意は必要だということだ。
なお、警視庁は2026年10月15日時点で同年9月までの町丁別犯罪認知件数を公表している。2026年の途中経過と2025年の年間件数を単純比較することはできない。
住む前に確認したいのは水害リスク
荒川区で住まいを探す際、治安と同じくらい重視したいのが水害への備えだ。
荒川区が2026年9月1日に更新した水害ハザードマップによると、荒川流域で想定最大規模の降雨が発生し、堤防が複数箇所で決壊した場合、区内のほぼ全域が浸水想定区域となり、最大約5メートル以上の浸水が想定されている。
高潮についても、区内の約5割が浸水想定地域に指定され、最大約3メートルの浸水が想定される。
これは荒川区の暮らしやすさを否定する材料ではない。むしろ、住居の安全性を判断するために欠かせない情報である。
マンションなら階数、電気設備の設置位置、非常用電源、避難経路などを確認したい。戸建てなら浸水深、避難場所、避難経路を具体的に調べる必要がある。
【子育て世帯にも注目】荒川区の子育て支援と公共施設
荒川区は、子どもを育てる世帯にとっても検討する価値のある行政サービスを備えている。
特に医療費助成と児童手当は、家計への影響が大きい制度だ。
高校生年代まで対象となる医療費助成
荒川区では、0歳から18歳に達した後の最初の3月31日までの子どもを対象に、健康保険適用分の医療費自己負担額を助成している。
制度は年齢に応じて、次の3種類に分かれている。
- マル乳:0歳から小学校入学前
- マル子:小学校入学から中学校修了前
- マル青:中学校修了から18歳年度末まで
特徴的なのは、荒川区では所得制限を設けていないことだ。
対象となる子どもが健康保険に加入していることなどの条件があるものの、子育て世帯の医療費負担を抑える制度として活用できる。
児童手当も所得制限なし
児童手当は高校生年代までの子どもが対象で、2026年10月時点の支給額は次のとおりだ。
| 年齢・順位 | 月額 |
|---|---|
| 0歳~3歳未満・第1子、第2子 | 15,000円 |
| 3歳~高校生年代・第1子、第2子 | 10,000円 |
| 第3子以降 | 30,000円 |
2024年10月分から制度が拡充され、所得制限が撤廃された。第3子以降の加算も拡大している。
さらに、2025年4月から始まった「妊婦のための支援給付」では、妊娠時に5万円、出産後に胎児の数に応じて1人当たり5万円が支給される仕組みになっている。申請時の荒川区への住民登録などの条件がある。
ゆいの森あらかわは子育てと学びを支える施設
荒川区の公共施設で特に注目したいのが、2017年3月に開館した「ゆいの森あらかわ」だ。
この施設は、中央図書館、吉村昭記念文学館、子どもひろばという3つの機能を一体化した複合施設である。
中央図書館は約60万冊の蔵書規模を誇り、子どもから高齢者まで幅広い世代が利用できる。
開館時間は午前9時から午後8時30分まで。さらに、荒川区在住で生後6か月から就学前までの子どもを対象に、保護者が施設を利用する間の一時預かりサービスも実施している。
単なる図書館にとどまらず、親子の居場所や地域の学習拠点として機能している点が特徴だ。
子育て世帯が注目したい街の環境
子育て環境を比較するときには、制度だけでなく、普段利用する施設との距離も重要になる。
- 南千住:汐入公園などの広い公園がある
- 町屋:スーパーや商店街が集まり、日常の買い物に便利
- 荒川周辺:ゆいの森あらかわなどの文化・学習施設を利用できる
- 西尾久:あらかわ遊園があり、親子で出かける場所を確保しやすい
子どもの年齢や通園・通学先によって最適な地域は異なる。保育園の空き状況、通学区域、小児科の位置なども併せて確認したい。
【観光スポットとものづくり】荒川区ならではの文化・産業の魅力
荒川区の魅力は、交通や住宅環境だけではない。
昔ながらの商店街、地域に根付いた工場や職人、家族で楽しめる遊園地、文化施設など、東京の下町らしい資源が今も残っている。
あらかわ遊園は親子で楽しめる区立遊園地
荒川区西尾久にある「あらかわ遊園」は、東京23区内でも珍しい区立遊園地だ。
約30年ぶりとなる大規模改修を経て、2022年4月21日にリニューアルオープンした。
観覧車などの大型遊具に加え、屋内遊び場や動物とのふれあいを楽しめる施設も整備されている。
荒川区民向けには年間入園券や年間パスポートの制度も用意されている。近隣に暮らすファミリーにとって、休日の身近なレジャー施設となっている。
日暮里繊維街は全国から人が集まる専門商店街
日暮里駅南口から徒歩約3分の場所にある日暮里繊維街は、荒川区を代表する専門商店街だ。
日暮里中央通りを中心に約1キロメートルにわたって、生地、織物、皮革、服飾資材、ボタン、手芸用品などの専門店が並ぶ。
その起源は大正時代初期にさかのぼる。浅草方面の繊維業者が日暮里周辺に集まったことをきっかけに、繊維関連の商業が発展した。
特許庁が紹介する地域団体商標の情報では、現在も大小約100店舗が集積する街として紹介されている。
かつての問屋街は、現在では一般消費者やハンドメイド作家、服飾関係者、海外からの観光客も訪れる場所へと変化した。
安価な生地を探すだけでなく、専門的な材料や珍しいテキスタイルに出会えることも魅力だ。
ものづくり産業が支える荒川区の地域経済
荒川区には、印刷、金属製品、皮革、衣服など、生活に密着した製造業が集積している。
東京都企業立地相談センターが2026年3月31日に更新した荒川区の産業情報によると、区内の全事業所の約5分の1を製造業が占め、その構成比は東京23区内で2位とされる。
この産業構造は、荒川区の街並みを理解するうえで重要だ。
大規模な商業施設だけで街の経済が成り立っているのではなく、町工場、専門業者、職人、地域の商店が互いにつながっている。
また、2019年には地域のものづくりブランド「Ara!kawa」が創設されている。地域企業の技術や製品を区内外に発信する取り組みも進められてきた。
荒川区の魅力は、完成した商品を買うだけでなく、その商品を生み出す技術や産業が街の中に残っている点にもある。
【プロの結論】荒川区に住むべき人・住む前に確認したいこと
ここまでのデータを整理すると、荒川区は交通利便性、地域密着型の商業環境、子育て支援、文化施設という複数の魅力を持つ住宅エリアだ。
一方で、区全域が同じ住環境ではない。住宅の価格、駅への距離、水害リスクなど、個別に確認すべき条件もある。
荒川区が向いている人
1.都心への通勤時間を重視する人
日暮里・西日暮里・町屋・南千住など、複数路線を利用できるエリアがある。勤務先の最寄り駅に合わせて住宅を選びやすい。
2.地域密着型の商店街が好きな人
町屋や都電沿線には昔ながらの商店街が残っている。大型ショッピングモールだけでなく、個人商店や地域の飲食店を利用したい人に向いている。
3.子育て支援と公共施設を重視する人
高校生年代までの医療費助成、児童手当、妊婦支援給付などの制度がある。ゆいの森あらかわやあらかわ遊園など、親子で利用できる施設も魅力だ。
4.ものづくりや下町文化に関心がある人
日暮里繊維街や地域の製造業、東京さくらトラムなど、ほかの住宅地とは異なる地域文化に触れられる。
荒川区を選ぶ前に慎重に考えたい人
- 高台や浸水リスクの低い住宅地を最優先する人
- 駅から徒歩数分以内の築浅物件に限定したい人
- 大型商業施設や繁華街が徒歩圏にある環境を求める人
- 静かな住宅街でも、交通量や工場の稼働音を避けたい人
特に水害リスクは重要だ。荒川区公式のハザードマップで住所単位の浸水想定を確認し、建物の構造や避難経路まで調べておきたい。
失敗しない物件選びの5つの基準
荒川区で住まいを探すときの確認項目
- 最寄り駅だけでなく、実際に使う路線と乗り換えを確認する
- 家賃だけでなく管理費・更新料・初期費用も比較する
- 夜間の駅から自宅までの道を歩いてみる
- 洪水・高潮ハザードマップで浸水想定を確認する
- スーパー、病院、保育施設、避難場所までの距離を調べる
この5点を押さえることで、区全体のイメージに左右されず、実際の生活に合った住宅を選びやすくなる。
【東京・荒川区】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:荒川区は住みやすいですか?
A1:荒川区の2025年度区政世論調査では、区民の91.1%が「住みよい」と回答している。鉄道網、商店街、公共施設などが充実していることが強みだ。ただし、駅周辺の環境や水害リスクは地域ごとに確認したい。
Q2:荒川区の家賃相場はいくらですか?
A2:2026年10月時点の参考値では、1Kが約10.48万円、1LDKが約17.04万円。町屋や都電沿線など、駅によって価格差がある。築年数や駅からの距離によっても変わる。
Q3:荒川区の治安は悪いですか?
A3:2025年の刑法犯認知件数は1,451件で、人口1,000人当たりの認知件数は約6.46件。23区平均の約7.54件を下回る。ただし、自転車盗などの防犯対策は必要で、夜間の周辺環境も確認したい。
Q4:荒川区で子育てするメリットは何ですか?
A4:高校生年代までの医療費助成や所得制限のない児童手当、妊婦のための支援給付などがある。ゆいの森あらかわやあらかわ遊園など、親子で利用できる施設も整っている。
Q5:荒川区のおすすめ観光スポットはどこですか?
A5:あらかわ遊園、日暮里繊維街、ゆいの森あらかわ、都立汐入公園などがおすすめだ。下町の商店街や東京さくらトラム沿線を散策する楽しみもある。
Q6:荒川区で水害の心配はありますか?
A6:荒川の洪水や高潮による浸水想定区域が広く存在する。区内のほぼ全域で洪水時の浸水が想定されるため、住宅を契約する前に荒川区の最新ハザードマップを確認することが大切だ。
まとめ:2026年の荒川区は交通・文化・生活のバランスが魅力
東京都荒川区は、日暮里・西日暮里の交通利便性、町屋の商店街、南千住の再開発による住宅環境、東京さくらトラムが走る下町の風景など、複数の個性を持つ街だ。
2026年10月時点の人口は226,433人。区政世論調査でも91.1%が住みよいと回答しており、地域で暮らす人々から高い評価を得ている。
また、高校生年代までの医療費助成や児童手当、ゆいの森あらかわなどの公共施設も、暮らしを支える要素になっている。
一方、犯罪統計では自転車盗への注意が必要であり、洪水や高潮の浸水想定も住宅選びに大きく関係する。
荒川区は、単に「東京の家賃が比較的抑えられる地域」として選ぶだけでは、その魅力を十分に理解できない。交通、商業、文化、子育て、産業という複数の視点から地域を比較することが重要だ。
都心へのアクセスと地域に根差した暮らしを両立したい人にとって、荒川区は2026年も検討する価値のある住宅エリアである。 最終的には、区全体の評判ではなく、実際に暮らす町丁目と建物の安全性を基準に選びたい。
主な資料:荒川区公式統計・区政世論調査・子育て支援情報・水害ハザードマップ、東京都交通局、東京都都市整備局、警視庁、東京都企業立地相談センター、LIFULL HOME'S家賃相場データ。