【佐々木朗希のFA権はいつ?】2031年が有力視される理由
佐々木の契約を考えるうえで、もう一つ大きな関心事となるのが、いつMLBのFA権を取得できるのかという問題だ。
日本のプロ野球では、国内FA権の取得に一定の登録日数が必要になる。一方、MLBではメジャーリーグのサービスタイムという独自の基準が採用されている。
MLBのFA権は6年間のサービスタイムが基本

MLBでは、選手が26人枠に登録されている日数、またはメジャーリーグの負傷者リスト(IL)に登録されている日数によってサービスタイムが加算される。
レギュラーシーズンでは、172日分の登録で1年分のサービスタイムとして扱われる。そして、通算6年に到達すると、原則としてそのシーズン終了後にFA権を取得できる。
佐々木は2025年3月19日にMLBデビューを果たした。2025年シーズン終了時点のサービスタイムは1年分と記録されており、2026年もメジャーでプレーしている。
現在の登録状況を基準に、各シーズンで必要なサービスタイムを積み重ねれば、2030年シーズン終了後に6年へ到達し、2031年にFA市場へ出る可能性が高い。選手データベースのBaseball-Referenceでも、FA予定年は2031年と掲載されている。
年俸調停権はFAより先に取得する
FA権より前に注目したいのが、年俸調停権だ。
MLBでは、原則としてサービスタイムが3年に達すると年俸調停の対象になる。一定の条件を満たした選手は、2年以上3年未満でも「スーパー2」と呼ばれる特例によって調停権を得ることがある。
佐々木については、選手データベース上で2028年が年俸調停の対象となる最初の年として見込まれている。これが実現すれば、2025年と2026年の低い基本年俸から、実績や市場評価を反映した年俸へ移行する道が開ける。
ただし、年俸調停権とFA権は別の制度だ。調停権を得ても、すぐに他球団と自由に契約できるわけではない。ドジャースが保有する保有権の期間と、選手がFAになる時期は区別して理解する必要がある。
佐々木朗希の今後の契約スケジュール
2025年
ドジャース入団。MLBデビューとサービスタイムの積み上げが始まる。
2026~2027年
年俸調停前の期間。基本年俸は球団との契約条件に左右される。
2028年ごろ
通常のサービスタイム計算では年俸調停権の取得が見込まれる。
2030年シーズン終了後
6年分のサービスタイムに到達すればFA権取得の見込み。
2031年
他球団との自由な契約交渉が可能になる見込み。
なお、これは各年に必要なサービスタイムを確保できることを前提とした見通しだ。マイナー降格などでメジャー登録日数が不足すれば、FA取得時期が後ろにずれる可能性もある。
【2026年現在の契約の実態】低年俸でもドジャースにとって大きな戦力投資
2026年の佐々木は、ドジャースで2年目のシーズンを迎えた。基本年俸は80万ドルで、入団時の650万ドルという契約金とは別に、シーズンごとの報酬を受け取る立場にある。
MLB公式の2026年レギュラーシーズン成績欄では、23試合に登板して5勝5敗、防御率4.60、119回1/3、117奪三振という数字が掲載されている。2026年8月には右手中指のまめで負傷者リストに入り、9月に復帰したことも報じられた。
こうした成績や故障の状況は、今後の起用方法や評価に影響する。一方、契約制度の観点では、佐々木はまだ年俸調停前の段階にあり、今後の実績によって報酬が大きく変化する余地を残している。
ドジャースが佐々木を獲得した経済的メリット
ドジャース側から見ると、佐々木の契約には将来性とコストの両面でメリットがある。
通常、実績のある日本人投手が25歳以上でポスティング移籍する場合、メジャー契約の保証総額に応じて大きな譲渡金が発生する。山本由伸のような大型契約とは異なり、佐々木は国際アマチュア選手の枠内で契約したため、球団の初期投資を比較的小さく抑えられた。
しかも、佐々木は2025年にMLBデビューを果たし、2026年も先発投手として経験を重ねている。650万ドルの契約金は決して小さな金額ではないが、メジャーの先発投手として成長する可能性を考えれば、球団にとっては将来への投資という側面が強い。
一方、選手側には、若い段階でMLBの環境に入り、メジャーの指導やトレーニングを受けながらキャリアを築けるメリットがある。その代わり、25歳以上の選手が結ぶような大型長期契約を最初から獲得することは難しくなる。
つまり、佐々木の契約は、選手が早期にメジャー挑戦するメリットと、球団が若い才能を比較的低い年俸で保有できるメリットが一致した事例といえる。
【プロの結論】契約金だけで佐々木朗希の契約価値を判断してはいけない
佐々木朗希の契約を正しく理解するためには、次の4つの数字を混同しないことが大切だ。
- 650万ドル:ドジャース入団時の契約金。
- 80万ドル:2026年の基本年俸。
- 162万5000ドル:契約金の25%として算出されるロッテへの基本譲渡金。
- 2031年:サービスタイムを順調に積み重ねた場合のFA取得見込み年。
特に重要なのは、マイナー契約という言葉の意味だ。これは佐々木がマイナーリーグの選手として評価されたという意味ではなく、契約時の年齢とプロ経験年数によって決まる制度上の分類である。
また、2026年の80万ドルという年俸だけを見て、650万ドルの契約金を無視するのも誤解につながる。契約金、年俸、球団への譲渡金は、それぞれ支払う相手も目的も異なる。
今後の契約評価では、年俸の増加だけでなく、年俸調停権の取得、メジャーでのサービスタイム、FAまでの保有期間、そして実際の投球実績を総合的に見る必要がある。
【佐々木朗希のドジャース契約】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:佐々木朗希のドジャースとの契約金はいくらですか?
A1:2025年1月の入団時に、650万ドル(当時の為替換算で約10億円)の契約金が報じられました。これは毎年の年俸ではなく、契約時のボーナスです。
Q2:佐々木朗希の2026年の年俸はいくらですか?
A2:2026年の基本年俸は80万ドルです。2025年の76万ドルから4万ドル増加しています。650万ドルの契約金とは別の報酬です。
Q3:なぜ佐々木朗希はマイナー契約だったのですか?
A3:契約時に23歳で、外国プロリーグでの経験も6シーズンに達していなかったためです。MLBの国際アマチュア選手に関する契約制限が適用されました。
Q4:ロッテに支払われた譲渡金はいくらですか?
A4:契約金650万ドルの25%に当たる162万5000ドルが基本額です。2025年当時の為替水準では約2億5000万円に相当します。
Q5:佐々木朗希はいつFA権を取得しますか?
A5:MLBで6年分のサービスタイムを積み重ねた場合、2030年シーズン終了後、2031年にFA権を取得する見込みです。登録日数によって前後する可能性があります。
Q6:マイナー契約でもメジャーの試合に出場できますか?
A6:出場できます。佐々木は2025年3月19日にMLBデビューを果たしています。契約時のマイナー契約という分類と、実際にメジャーでプレーすることは別の問題です。
Q7:佐々木朗希の契約金と年俸は同じものですか?
A7:異なります。契約金は入団時のボーナスで、年俸はシーズンごとの基本報酬です。佐々木の場合、650万ドルと2026年の80万ドルは別々に考える必要があります。
まとめ:佐々木朗希の契約は2031年のFAまで続く重要なキャリア設計
佐々木朗希のドジャース契約は、650万ドルの契約金と2026年の80万ドルという年俸の差だけを見ると、複雑に感じられる。しかし、その背景には25歳未満の国際選手に適用されるMLBの契約制度がある。
2025年1月の契約時点で23歳だった佐々木は、国際アマチュア選手として扱われ、マイナー契約を結んだ。その一方で、ドジャースは国際ボーナスプールをトレードで補い、650万ドルという契約金を実現した。
ロッテには契約金の25%に相当する162万5000ドルが基本譲渡金として支払われる仕組みとなり、移籍は選手本人だけでなく、旧所属球団にも経済的な影響を与えた。
今後の注目点は、2028年ごろと見込まれる年俸調停権の取得、2026年以降の投球実績、そして2031年のFA市場への参入だ。
佐々木の契約は、単なる10億円規模の契約金の話ではない。若くしてMLBに挑戦する選手が、制度上の制約を受けながらメジャーでの実績を積み、将来の大型契約を目指すキャリア設計そのものを示している。2026年以降の成長と契約条件の変化が、今後も大きな注目を集めることになりそうだ。