日本軍事力は世界何位?2026年GFP7位の実力と防衛力の課題を徹底解説

目次

2026年、日本の軍事力は世界で何位なのか。世界各国の軍事力を比較するGlobal Firepower(GFP)の2026年ランキングでは、日本は145か国中7位にランクインした。アメリカ、中国、韓国などと比較しても、日本は世界有数の通常戦力を持つ国として評価されている。しかし、ランキングだけで実際の防衛能力を判断することはできない。日本には核兵器がなく、専守防衛を基本方針とする一方、海上・航空戦力、潜水艦、ミサイル防衛、情報収集能力などに強みを持つ。

さらに、2026年度の防衛関係予算は9兆353億円となり、自衛隊の装備更新やスタンド・オフ防衛能力、統合防空ミサイル防衛能力、無人アセットの整備が進んでいる。一方で、自衛官の人員不足や装備品の維持、弾薬・燃料の確保など、解決すべき課題も残されている。令和8年版防衛白書と公的統計、国際的な軍事力ランキングをもとに、日本軍事力の現在地を多角的に検証する。

📌 【この記事の重要ポイントまとめ】

  • 世界ランキング:2026年のGFPで日本は145か国中7位、PwrIndxは0.1876。
  • 防衛予算:2026年度の防衛関係予算は9兆353億円で、前年度比3.8%増。
  • 自衛隊の実力:海上・航空戦力や潜水艦、ミサイル防衛などに強みを持つ。
  • 国際比較:中国は3位、韓国は5位、アメリカは1位。各国の軍事力は規模や任務が異なる。
  • 最大の課題:自衛官の充足率は88.1%。人員確保と継続的な装備運用が重要なテーマとなっている。

【2026年最新】日本軍事力の世界ランキングは7位!GFPの評価を検証

日本軍事力

日本の軍事力を国際的に比較する際、広く参照される指標の一つが、アメリカの軍事情報サイトGlobal Firepower(GFP)が毎年公表するMilitary Strength Rankingだ。

2026年版では、日本は145か国中7位。Power Index(PwrIndx)は0.1876だった。0に近いほど高い評価となる独自の指数で、日本は世界の上位10か国に入っている。

2026年GFP軍事力ランキング上位10か国

2026年のGFPランキングでは、アメリカが首位を維持し、ロシア、中国が続く。日本は韓国やフランスに次ぐ7位となった。

順位 国名 PwrIndx
1位アメリカ0.0741
2位ロシア0.0791
3位中国0.0919
4位インド0.1346
5位韓国0.1642
6位フランス0.1798
7位日本0.1876
8位イギリス0.1881
9位トルコ0.1975
10位イタリア0.2211

出典:Global Firepower「2026 Military Strength Ranking」。

日本が世界7位に評価される理由

日本の評価を支えているのは、単純な兵員数だけではない。島国という地理的条件に対応した海上戦力、潜水艦による警戒監視能力、高度な航空戦力、ミサイル防衛システムなど、複数の分野にわたる防衛能力が存在する。

特に日本は、海上交通路の安全確保や周辺海域の警戒監視を重視している。広大な排他的経済水域(EEZ)を抱える国として、海上自衛隊の哨戒能力や潜水艦の運用能力は重要な意味を持つ。

また、航空自衛隊は戦闘機やレーダーサイト、早期警戒管制機などを組み合わせ、領空侵犯への対応を続けている。

GFPランキングだけでは軍事力を判断できない

注意したいのは、GFPが実際の戦争の勝敗を予測するランキングではないという点だ。

GFPは60以上の要素を使い、兵力や装備、財政、兵站能力、地理的条件などを独自の計算式で評価している。一部の数値は公式データがない場合に推計される。

そのため、順位が高い国が必ずしもあらゆる軍事作戦で優位に立つわけではない。核抑止力、同盟関係、実際の部隊の練度、装備の稼働率、弾薬の備蓄、戦闘継続能力なども考慮する必要がある。

日本の7位という評価は、通常戦力を中心とした国際比較の一つとして捉えるのが適切だ。

【徹底比較】日本と中国・韓国・アメリカの軍事力はどちらが強い?

日本軍事力を理解するには、周辺国との比較が欠かせない。特に中国、韓国、アメリカは、日本の安全保障を考えるうえで重要な比較対象となる。

日本と中国の軍事力比較:中国は規模とミサイル戦力で優位

2026年のGFPランキングでは、中国が3位、日本が7位となっている。PwrIndxも中国の0.0919に対して日本は0.1876であり、指数上では中国が上位だ。

中国の軍事力を考える際に注目すべきなのは、単なる兵員数ではなく、海軍・空軍・ミサイル戦力を同時に拡大している点である。

令和8年版防衛白書によると、中国は30年以上にわたって高い水準で国防費を増加させ、核・ミサイル戦力、海上戦力、航空戦力を広範かつ急速に強化してきた。

さらに、サイバー、宇宙、電磁波といった新しい領域での能力向上にも取り組んでいる。接近阻止・領域拒否(A2/AD)能力の強化も、中国の軍事戦略を考えるうえで重要な要素だ。

核戦力についても、中国は近代化と多様化を進めている。防衛白書では、2024年時点の運用可能な核弾頭数を600発台前半とし、2030年までに1,000発を超える可能性が指摘されている。

一方、日本には海上・航空防衛や潜水艦の運用など、地理的条件に対応した専門性の高い能力がある。しかし、国全体の軍事規模や核戦力、長距離ミサイル戦力まで含めると、中国との間には大きな差がある。

日本にとって重要なのは、中国と同じ規模の軍隊を持つことではなく、侵攻を困難にする防衛体制を整え、日米同盟と組み合わせて抑止力を高めることだ。

日本と韓国の軍事力比較:韓国は陸上戦力と兵力規模が強み

韓国は2026年のGFPランキングで5位。日本の7位を上回っている。

韓国軍は北朝鮮との軍事境界線に近い位置で防衛態勢を維持しているため、陸上戦力を重視する構造になっている。

令和8年版防衛白書によれば、韓国の軍事態勢は次のとおりだ。

  • 陸軍:約32万人、16個師団
  • 海兵隊:約3万人、2個師団
  • 海上戦力:約230隻、約32万トン
  • 航空戦力:空軍・海軍合計で作戦機約570機

韓国は北朝鮮の核・ミサイル脅威に対応するため、「韓国型3軸体系」の構築を重視している。これは、キル・チェーン、韓国型ミサイル防衛(KAMD)、大量反撃報復(KMPR)を組み合わせた防衛構想だ。

また、2026年度の韓国国防費は約65兆8,642億ウォンで、前年度比約7.5%増となった。防衛産業の輸出や装備品の国産化にも力を入れている。

日本と韓国は単純に優劣をつけられる関係ではない。韓国は陸上戦力と北朝鮮への対応、日本は島国防衛、対潜水艦戦、海上交通路の安全確保など、それぞれ異なる戦略的条件を持っている。

日本とアメリカの防衛力比較:世界1位の軍事大国との決定的な違い

アメリカは2026年のGFPランキングで1位。PwrIndxは0.0741で、日本の0.1876を大きく上回る。

アメリカの強みは、圧倒的な軍事規模だけではない。世界各地に展開できる海軍・空軍、核戦力、長距離輸送能力、情報収集能力、防衛産業の規模など、世界規模で作戦を継続できる総合的な能力にある。

日本はアメリカと同じように世界各地へ軍事力を展開することを基本的な任務としていない。日本の防衛は、自国の領土・領海・領空を守ることを中心に構成されている。

そのため、日本とアメリカの防衛力を比較する際には、単独の軍事力と同盟を含めた防衛力を分けて考える必要がある。

日本は米国の核を含む拡大抑止の提供を受けており、日米安全保障体制が防衛の基軸となっている。日本自身の防衛力と米軍の能力を組み合わせることで、単独では対応が難しい脅威への抑止力を確保している。

【2026年度予算】防衛関係予算9兆353億円の使い道と重点政策

2026年の日本軍事力を語るうえで、見逃せないのが防衛関係予算の拡大だ。

財務省が公表した令和8年度防衛関係予算は、9兆353億円。前年度の8兆7,005億円から3.8%増加した。

このうち、防衛力整備計画対象経費は8兆8,093億円で、前年度比3.9%増となっている。また、新規契約額は8兆8,459億円だ。

ここで注意したいのは、予算総額と新規契約額は同じものではないという点だ。防衛関係予算には、装備品の取得だけでなく、既存装備の維持整備、施設の強靱化、弾薬の確保、人材関連経費なども含まれる。

重点分野1:スタンド・オフ防衛能力

スタンド・オフ防衛能力とは、相手の脅威圏の外側から侵攻してくる艦艇や上陸部隊などに対処する能力を指す。

従来の防衛体制では、相手の攻撃を受ける可能性がある距離まで接近して対処する場面が想定されていた。しかし、長射程ミサイルの普及によって、相手の攻撃範囲外から対応できる能力が重要になっている。

2026年度予算では、極超音速誘導弾と地上装置などの取得に1,927億円を計上。潜水艦発射型誘導弾、12式地対艦誘導弾能力向上型の艦発型、JSM、JASSMなどの取得も進める。

こうした能力の整備は、日本への侵攻を思いとどまらせる抑止力の強化につながる。

重点分野2:統合防空ミサイル防衛能力

日本は周囲を海に囲まれており、弾道ミサイル、巡航ミサイル、極超音速滑空兵器、有人・無人航空機など、空からの脅威に対応する必要がある。

統合防空ミサイル防衛能力は、複数のセンサーや迎撃装備をネットワークで結び、探知・追尾・迎撃を統合的に行うための仕組みだ。

2026年度予算では、イージス・システム搭載艦に関する試験準備などに797億円を計上。SM-3ブロックIIAに723億円、SM-6に107億円を計上し、ペトリオット・システムの改修なども進める。

ただし、ミサイル防衛はすべての攻撃を確実に防げる仕組みではない。迎撃能力の強化に加えて、情報収集や指揮統制、反撃能力などを組み合わせる必要がある。

重点分野3:無人アセットによる防衛体制

無人アセットは、無人航空機(UAV)、無人水上航走体(USV)、無人水中航走体(UUV)などを活用する防衛装備の総称だ。

2026年度予算では、無人アセットを組み合わせた多層的沿岸防衛体制「SHIELD」の構築に1,001億円を計上している。

防衛省が目指すのは、2027年度中のSHIELD構築だ。安価で大量に運用できる無人装備を活用し、陸上・海上・水中・空中の情報収集や警戒監視などを強化する構想となっている。

無人装備の利点は、長時間の任務や危険を伴う活動において、隊員の負担や人的損耗を抑えられることだ。ただし、有人装備をすべて置き換えるものではない。有人装備と無人装備の特性を生かした組み合わせが求められる。

【自衛隊の実力】陸上・海上・航空自衛隊の能力を解説

日本の防衛力を支えるのは、陸上自衛隊、海上自衛隊、航空自衛隊の3つの組織だ。それぞれが異なる任務を担い、統合運用によって防衛体制を構築している。

陸上自衛隊:島嶼防衛と地上防衛を担う

陸上自衛隊は、日本の領土や重要施設、離島などを守る地上防衛の中心的な組織だ。

主な任務は、地上からの侵攻への対処、島嶼防衛、災害派遣、国民保護など。戦車、装甲車、火砲、地対空誘導弾、地対艦誘導弾など、さまざまな装備を運用している。

2026年3月には、25式地対艦誘導弾と25式高速滑空弾の配備が始まった。南西地域の防衛態勢を強化するための部隊整備も進んでいる。

一方、島嶼防衛では陸上自衛隊だけで対応できない。海上自衛隊の輸送能力や航空自衛隊の航空支援など、組織を横断した連携が欠かせない。

海上自衛隊:潜水艦と対潜水艦戦に強み

海上自衛隊は、日本の海上交通路や周辺海域の安全を守る役割を担う。

日本はエネルギー資源や食料の多くを海外との貿易に依存している。海上交通路の安全が損なわれれば、経済活動や国民生活にも大きな影響が及ぶ。

海上自衛隊の主な能力には、次のようなものがある。

  • 護衛艦による周辺海域の警戒監視
  • 潜水艦による水中での情報収集や警戒監視
  • 哨戒機による海上監視と対潜水艦戦
  • 弾道ミサイル防衛に関する海上での対応
  • 海上交通路の安全確保や国際協力活動

2026年度予算では、新型FFM護衛艦1隻の建造に1,043億円、たいげい型潜水艦10番艦の建造に1,208億円を計上している。P-1哨戒機やSH-60L哨戒ヘリコプターの取得も進める。

日本の軍事力が世界的に高く評価される背景には、こうした海上防衛能力の存在がある。

航空自衛隊:領空防衛と航空優勢の確保

航空自衛隊は、領空侵犯への対応や航空防衛、ミサイル警戒などを担当する。

戦闘機だけでなく、全国のレーダーサイト、早期警戒管制機、空中給油・輸送機などを組み合わせた運用が特徴だ。

2025年度の航空自衛隊による緊急発進(スクランブル)は595回だった。内訳は中国機に対して366回、ロシア機に対して214回、その他が15回となっている。

2026年度予算では、F-35Aを8機、F-35Bを3機取得する計画が盛り込まれた。F-2戦闘機の能力向上も進められる。

また、宇宙空間の情報収集・監視能力の強化も重要なテーマとなっている。防衛白書では、航空自衛隊を航空宇宙自衛隊へ改編する方針も示されている。

3自衛隊を統合する指揮体制

現代の防衛では、陸・海・空の各組織が個別に行動するだけでは十分ではない。

ミサイル攻撃やサイバー攻撃、宇宙空間での活動など、複数の領域が組み合わさる事態に対応するには、情報を共有し、組織間の連携を強化する必要がある。

そのため、2025年3月には常設の統合作戦司令部が新設された。2026年の防衛体制では、この統合作戦司令部を中心に、陸・海・空や宇宙・サイバーなどの領域を横断する統合作戦能力を強化している。

【反撃能力と専守防衛】日本の抑止力はどう変わったのか

日本の防衛政策を理解するうえで、重要な論点が「専守防衛」と「反撃能力」の関係だ。

日本は憲法第9条のもとで、専守防衛を基本的な防衛方針としてきた。しかし、周辺国のミサイル戦力が高度化するなか、従来の迎撃を中心とした防衛体制だけでは対応が難しくなる可能性が指摘されている。

反撃能力とは何か

反撃能力とは、日本に対する武力攻撃が発生し、その手段として弾道ミサイルなどによる攻撃が行われた場合、武力行使の三要件に基づき、相手の領域において有効な反撃を加えることを可能にする能力だ。

政府は、スタンド・オフ防衛能力などを反撃能力に活用する方針を示している。

その目的は、ミサイルを迎撃するだけでなく、相手からさらなる武力攻撃を受けることを防ぐための抑止力を確保することにある。

反撃能力は先制攻撃と同じではない

反撃能力については、専守防衛との整合性が議論されている。

政府の説明では、反撃能力は憲法および国際法の範囲内で、武力行使の三要件を満たした場合に限って行使される。武力攻撃が発生していない段階で、自ら先に攻撃する先制攻撃は認められていない。

武力行使の三要件は、概ね次の考え方に基づいている。

  • 日本への武力攻撃、または密接な関係にある他国への攻撃によって、日本の存立が脅かされる明白な危険があること。
  • その危険を排除し、日本を守るために他に適当な手段がないこと。
  • 武力行使が必要最小限度にとどまること。

したがって、反撃能力を保有したからといって、政府が自由に他国を攻撃できるようになったわけではない。

一方で、実際の運用にあたっては、武力攻撃の認定、情報の正確性、指揮命令、国際法との整合性など、極めて慎重な判断が必要になる。

日米同盟が日本の抑止力を支える

日本の防衛力は、自衛隊だけで完結する仕組みではない。日米安全保障体制が防衛政策の基軸となっている。

特に重要なのが、アメリカによる核を含む拡大抑止だ。

拡大抑止とは、同盟国が持つ抑止力を他国にも提供する仕組みを指す。日本はアメリカの核抑止力を含む安全保障上の支援を受けている。

日米両政府は2010年に日米拡大抑止協議(EDD)を設立。2024年12月には、拡大抑止に関するガイドラインを作成した。2026年2月にもワシントンD.C.で協議を実施している。

さらに、共同訓練、情報共有、サイバーセキュリティ、宇宙領域での協力、装備品の共同開発なども進められている。

日本の防衛力を正しく評価するには、自衛隊の能力だけでなく、日米同盟を含めた抑止体制全体を見る必要がある。

【日本軍事力の課題】自衛隊の人員不足と今後の防衛体制

2026年の日本軍事力には、世界上位の装備と防衛予算がある一方で、無視できない弱点が存在する。それが自衛官の人員不足だ。

自衛官の充足率は88.1%

防衛省が公表した2026年3月31日時点の自衛官の充足状況は次のとおりだ。

  • 定員:247,154人
  • 現員:217,701人
  • 充足率:88.1%

つまり、予算定員に対して約2万9,453人が不足している計算になる。

組織別の充足率は、陸上自衛隊が86.5%、海上自衛隊が91.2%、航空自衛隊が89.8%。陸上自衛隊の不足が特に目立つ。

さらに、2025年度は約1万5,000人の採用計画に対して、採用者は約1万1,000人だった。中途退職者も約4,600人に達している。

防衛白書も、自衛官の充足率が約9割にとどまっていることを、人材確保における重要な課題として取り上げている。

人員不足が防衛力に与える影響

軍事力は、装備を購入すれば自動的に強くなるものではない。

戦闘機を運用するには操縦士や整備員が必要であり、護衛艦や潜水艦を維持するには専門的な技能を持つ隊員が欠かせない。高度なミサイル防衛システムや情報通信設備も、専門人材による運用が必要となる。

人員が不足すれば、部隊の活動量や訓練機会、装備品の維持整備、長期的な任務継続に影響する可能性がある。

特に海上自衛隊や航空自衛隊は専門性の高い人材を必要とするため、採用だけでなく、経験を積んだ隊員の定着も重要だ。

無人化・省人化は人手不足への対策になるか

人員不足への対応策として期待されているのが、無人アセットの導入だ。

UAV、USV、UUVなどを活用すれば、長時間の監視や危険を伴う任務の一部を無人化できる。これにより、限られた隊員をより専門性の高い任務へ振り向けられる可能性がある。

ただし、無人装備にも操縦・監視・整備・情報分析を担当する人材が必要になる。導入するだけで人手不足が解消するわけではない。

重要なのは、有人装備と無人装備を適切に組み合わせ、隊員の負担を減らしながら防衛能力を維持することだ。

日本軍事力の今後の課題は4つ

2026年の防衛政策を踏まえると、日本が取り組むべき課題は大きく4つに整理できる。

1. 人的基盤の強化

採用活動の改善だけでなく、待遇、勤務環境、家族生活との両立、退職抑制などを含めた総合的な人材確保が必要だ。

2. 装備品の維持と弾薬の確保

新しい戦闘機や艦艇を取得しても、整備や弾薬、燃料が不足すれば十分な能力を発揮できない。2026年度予算では、継続的な部隊運用に必要な各種弾薬の確保に9,075億円を計上している。

3. 防衛産業と技術基盤の維持

装備品の製造・修理・部品供給を国内で安定的に維持することは、長期的な防衛力に直結する。海外からの調達に依存しすぎない供給体制も重要になる。

4. 同盟と統合運用の強化

自衛隊の3組織、米軍、関係省庁、海上保安庁などが必要な情報を共有し、迅速に連携できる体制を整える必要がある。

装備の数だけでなく、それらを動かす人、維持する産業、支える補給体制まで含めて防衛力を評価することが重要だ。

【日本軍事力の総合評価】令和8年版防衛白書から見える今後の方向性

2026年の令和8年版防衛白書は「未来につながる安全保障」をテーマに掲げている。2025年4月から2026年3月まで(一部の重要事象は5月まで)の安全保障環境や、防衛省・自衛隊の取組、各国との協力などをまとめたものだ。

今回の白書では、防衛力の抜本的強化に向けて、次の7つの分野を重視している。

  • スタンド・オフ防衛能力
  • 統合防空ミサイル防衛能力
  • 無人アセット防衛能力
  • 領域横断作戦能力
  • 指揮統制・情報関連機能
  • 機動展開能力・国民保護
  • 持続性・強靱性

これらは個別に存在する能力ではなく、相互に結びついている。

例えば、周辺海域で脅威を発見するためには、哨戒機や艦艇、レーダー、無人機などの情報を統合する必要がある。その情報をもとに適切な部隊を動かし、必要な装備や補給品を届け、継続して任務を遂行する仕組みも求められる。

さらに、2026年は防衛装備移転三原則の改正や、国家安全保障戦略・国家防衛戦略・防衛力整備計画の前倒し改定を進める節目として位置づけられている。

日本の防衛政策は、従来の陸・海・空を中心とする体制から、宇宙・サイバー・電磁波・無人装備を組み合わせる方向へと広がっている。

一方で、防衛予算の拡大が国民生活や財政に与える影響、反撃能力の運用に関する透明性、地域住民の理解、日米同盟における役割分担など、社会的な議論が必要なテーマも多い。

防衛力の強化は、装備を増やすことだけで完成するものではない。国民の安全を守るための実効性と、民主的な統制、財政的な持続可能性を両立させることが求められる。

【日本の軍事力】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:日本の軍事力は2026年に世界何位ですか?
A1:Global Firepowerの2026年版ランキングでは、145か国中7位です。PwrIndxは0.1876で、世界有数の通常戦力を持つ国として評価されています。

Q2:日本と中国ではどちらの軍事力が強いですか?
A2:GFPランキングでは中国が3位、日本が7位です。中国は兵力規模、核・ミサイル戦力、海上・航空戦力などで優位に立っています。一方、日本は海上防衛、対潜水艦戦、航空防衛などに強みを持っています。

Q3:日本と韓国ではどちらが軍事力で上ですか?
A3:2026年のGFPでは韓国が5位、日本が7位です。韓国は陸上戦力や兵力規模に強みがあり、日本は海上・航空防衛や潜水艦などに特徴があります。

Q4:2026年度の日本の防衛費はいくらですか?
A4:2026年度の防衛関係予算は9兆353億円です。前年度比3.8%増で、スタンド・オフ防衛能力、統合防空ミサイル防衛能力、無人アセットなどの整備が重点分野となっています。

Q5:日本は反撃能力を持っていますか?
A5:政府は反撃能力を保有する方針を示し、長射程ミサイルなどの整備を進めています。ただし、武力行使の三要件を満たす必要があり、武力攻撃が発生していない段階での先制攻撃は認められていません。

Q6:自衛隊の人員不足はどれくらい深刻ですか?
A6:2026年3月31日時点で自衛官の定員は247,154人、現員は217,701人で、充足率は88.1%です。約2万9,453人の定員不足に相当し、採用と人材定着が大きな課題になっています。

Q7:日本はアメリカの軍事力に頼っているのですか?
A7:日本は自衛隊による独自の防衛能力を整備するとともに、日米安全保障体制を防衛の基軸としています。特に核を含むアメリカの拡大抑止や共同訓練、情報共有などが、日本の抑止力を支える重要な要素です。

まとめ:日本軍事力の実力は世界7位という数字だけでは測れない

2026年の日本軍事力は、GFPランキングで世界7位。防衛関係予算は9兆353億円に達し、陸上・海上・航空の各自衛隊に加えて、スタンド・オフ防衛能力、統合防空ミサイル防衛能力、無人アセットなどの強化が進んでいる。

中国や韓国との比較では、それぞれの国が持つ地理的条件や防衛目的によって強みが異なる。アメリカとの関係では、日米同盟と拡大抑止が日本の安全保障を支える重要な要素となっている。

しかし、日本には自衛官の充足率が88.1%にとどまるという人的課題がある。装備品を取得するだけでなく、運用する人材、弾薬や燃料、維持整備、防衛産業、輸送・補給体制を整えなければ、実際の防衛力は十分に発揮できない。

【プロの結論】

日本軍事力を評価する際に見るべきなのは、世界ランキングの順位だけではない。重要なのは、脅威を早期に発見できるか、国土を守れるか、必要な部隊を迅速に展開できるか、そして長期間にわたって防衛活動を継続できるかという実効性だ。

今後の日本の防衛力を見極めるなら、GFPランキングに加えて、毎年の防衛関係予算、自衛官の充足率、主要装備の整備状況、弾薬・燃料の確保、日米同盟の実効性を継続的に確認したい。

世界7位という評価は日本の防衛力の一面を示している。しかし、本当に問われるのは、その能力を国民の安全を守るためにどれだけ確実に機能させられるかという点である。

主な根拠資料

- Global Firepower「2026 Military Strength Ranking」および各国軍事力データ。
- 財務省「令和8年度 防衛関係予算について」。
- 防衛省「令和8年版防衛白書」。
- 防衛省「自衛官等の充足・採用状況」。
- 防衛省「反撃能力」「統合防空ミサイル防衛能力」「日米拡大抑止」に関する公表資料。