【2026年W杯】約2年7か月ぶりの代表復帰と4大会連続出場の舞台裏

目次

2026年5月18日、アンチェロッティ監督は北中米W杯に臨むブラジル代表26人を発表した。そのメンバーにネイマールが含まれていた。

最後の代表招集は2023年10月。実に約2年7か月ぶりの復帰だった。

ただし、この選出は過去の功績に対する功労者枠ではなかった。アンチェロッティ監督は、ネイマールの才能を認めながらも、出場機会はトレーニングやコンディション次第という姿勢を明確にしていた。

FIFAの報道によれば、監督が重視したのは次の3点だった。

- 長期離脱からのフィジカル面の回復
- 直近の試合で継続的にプレーできていること
- W杯経験者としての判断力とチームへの貢献

つまり、ネイマールを絶対的なエースとして扱うのではなく、経験豊富な攻撃選手の一人としてチームに組み込む判断だった。

W杯4大会連続出場という歴史的記録

ネイマールブラジル代表

ネイマールは2014年ブラジル大会、2018年ロシア大会、2022年カタール大会、2026年北中米大会に出場した。

ブラジル代表の背番号10を4大会で着用した選手としては、ペレに続く史上2人目となる。これはブラジルサッカー連盟も公式に紹介した記録だ。

しかし、2026年大会での出場時間は限られた。

- 6月24日・スコットランド戦:後半30分から途中出場。約15分間プレー。
- 6月29日・日本戦:ベンチ入りしたものの出場なし。
- 7月5日・ノルウェー戦:後半22分から途中出場。約24分間プレーし、終了間際にPKを決めた。

3試合すべてで先発したわけではなく、実際にピッチに立ったのは2試合、合計約39分だった。

それでも、4大会目のW杯で得点を記録したことは、キャリアの最後を飾る印象的な場面となった。

ノルウェー戦で何が起きたのか

7月5日の決勝トーナメント・ラウンド16。ブラジルはノルウェーと対戦した。

試合はエルリング・ハーランドの2得点によってノルウェーが優位に立ち、ブラジルは1対2で敗れた。

ネイマールは後半22分に途中出場。試合終了間際の90分+10分にPKを成功させ、ブラジルの唯一の得点を記録した。

しかし、反撃は間に合わなかった。

5度のW杯優勝を誇るブラジルは、1990年以来となる早い段階での大会敗退を経験した。ネイマールにとっても、悲願だったW杯優勝の夢が再び途絶える結果となった。

【代表引退の理由】ノルウェー戦後の発言とアンチェロッティ監督の決断

ネイマールの代表引退が現実味を帯びたのは、ノルウェー戦終了直後だった。

試合後のインタビューで、彼は涙をこらえるような様子を見せながら、代表でのキャリアが終わったことを示唆した。

「挑戦した。やれることはやった。もう終わりだ」

これは敗戦直後の発言だったため、当初は感情的な言葉として受け止められる余地もあった。しかし、7月29日の発言によって、その意味はさらに明確になった。

7月29日、ネイマールが改めて代表引退の意思を表明

7月29日、サントスがベネズエラのウニベルシダ・セントラルに4対2で勝利した試合の後、ネイマールは報道陣の取材に応じた。

そこで、代表での今後について次のように語った。

「ブラジル代表での僕の時間は、もう終わったと思う。そこで歴史をつくったし、とても幸せだった。だが、もう代表でプレーしたいとは思わない」

この発言はロイター通信も報じており、ノルウェー戦後のコメントを補強するものとなった。

単なる敗戦直後の感情ではなく、本人が代表活動から退く意思を改めて示したことが重要だ。

代表引退の理由は何だったのか

ネイマール自身は、引退を決めた理由を一つに限定して説明していない。ただし、これまでの経緯から、背景には複数の要因が重なっていたと考えられる。

1.長期的な負傷による身体的負担

2023年の前十字靭帯断裂と半月板損傷は、選手としてのキャリアに大きな影響を与えた。

長期離脱後もコンディションを取り戻す必要があり、代表で安定して出場することは容易ではなかった。

2026年W杯でも出場は2試合に限られており、かつてのようにチームの中心として長時間プレーする状況には戻らなかった。

2.W杯優勝を達成できなかった悔しさ

ネイマールは2014年、2018年、2022年、2026年と4大会を経験したが、いずれも優勝には届かなかった。

特に2026年は、復帰を果たして挑んだ大会だっただけに、ノルウェー戦での敗退は大きな節目となった。

3.ブラジル代表そのものの世代交代

2026年W杯後、ブラジル代表は若手を中心とした新しいチームづくりに動き始めた。

34歳のネイマールにとって、身体的な負担とチームの方向性の変化が重なる時期だった。

以上を踏まえると、負傷だけを引退理由とするのは正確ではない。長期的な身体的負担、W杯での結果、本人の意思、そして代表の世代交代が重なった転換点だったと捉えるのが妥当だ。

アンチェロッティ監督もネイマールの代表サイクル終了を明言

さらに注目されたのが、7月29日のアンチェロッティ監督の発言だった。

ブラジルのサッカー専門メディア「ge」が掲載したインタビューで、監督は2026年W杯を一つの世代の終わりと位置づけ、ネイマール、ダニーロ、カゼミーロの名前を挙げた。

「このW杯で、非常に重要な選手たちの一つの世代が終わる。まずネイマール、そしてダニーロ、カゼミーロだ」

監督はさらに、次の世代を育てることが重要だと説明した。目標として挙げたのは、2028年のコパ・アメリカで競争力を持つチームをつくることだった。

ここで注目したいのは、ネイマールだけが特別に排除されたわけではない点だ。

代表チーム全体が世代交代に入っており、ベテラン選手の役割を整理する必要があった。ネイマールの代表引退は、個人の決断と監督のチーム構想が一致した結果でもある。

【2026年10月31日現在】ネイマールの代表復帰はある?W杯後の招集状況

2026年10月31日現在、ネイマールはブラジル代表の招集メンバーに復帰していない。

W杯終了後、アンチェロッティ監督は新しい代表チームの編成を進めている。実際の招集状況を見ると、ネイマールを代表の中心に戻す動きは見られない。

9月9日:W杯後初の代表招集から外れる

2026年9月9日、ブラジルサッカー連盟はW杯後初となる代表メンバー26人を発表した。

対戦相手はオーストラリアとインド。9月25日、29日のオーストラリア戦、10月3日のインド戦に向けた招集だった。

このリストにネイマールの名前はなかった。

選ばれた選手には、エンドリッキ、エステヴァン、ヴィニシウス・ジュニオールらが含まれていた。若手を中心とした新しい代表づくりが始まったことがうかがえる。

10月29日:年内最後の招集でも選外

さらに10月29日、アンチェロッティ監督は2026年最後となる日本戦とシンガポール戦に向けた26人を発表した。

11月14日に日本、17日にシンガポールと対戦する予定で、開催地はいずれもシンガポールだ。

この招集にもネイマールは含まれていない。

CBFの公式発表によると、今回のメンバーは若手の登用を進める構成で、初招集の選手も複数含まれている。代表チームの平均年齢も、W杯時点の29.6歳から11月招集では23.6歳に下がった。

今後、代表に復帰する可能性はあるのか

可能性そのものが完全に消えたわけではない。

代表引退は選手本人の意思によるものであり、将来その意思を変更することは理論上可能だ。

ただし、現状では復帰を期待できる具体的な材料は乏しい。

判断材料 2026年10月末の状況
本人の意思 代表でのプレーを望まないと発言
監督の方針 若手中心の世代交代を推進
9月の招集 選外
10月29日の招集 選外
次の目標 2028年コパ・アメリカを見据えたチーム再編

今後の判断材料となるのは、ネイマール本人の発言が変わるかどうか、そしてアンチェロッティ監督が代表構想を変更するかどうかだ。

少なくとも2026年10月末の段階では、代表復帰よりも代表引退を前提に考える方が、実際の状況に合っている。

【ネイマールのブラジル代表】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:ネイマールはブラジル代表を正式に引退したのですか?

本人は2026年7月5日のノルウェー戦後と7月29日の取材で、代表でのプレーを終える意思を示している。アンチェロッティ監督も世代交代の対象として名前を挙げており、事実上の代表引退と受け止められている。

Q2:ネイマールのブラジル代表通算成績は何試合何得点ですか?

2026年7月5日のノルウェー戦までで、通算130試合80得点58アシスト。80得点はペレの77得点を上回るブラジル代表歴代最多記録である。

Q3:ネイマールは2026年W杯に出場しましたか?

出場した。2014年、2018年、2022年に続く4大会連続出場を果たした。2026年大会ではスコットランド戦とノルウェー戦の2試合に出場し、ノルウェー戦ではPKを決めている。日本戦には出場していない。

Q4:2026年10月現在、ネイマールは代表に復帰する予定がありますか?

2026年10月31日現在、復帰予定を示す具体的な発表はない。9月と10月の招集メンバーにも選ばれておらず、本人も代表でのプレーを望まないと発言している。

まとめ:ネイマールのブラジル代表キャリアは新たな時代へ

ネイマールとブラジル代表の関係は、2026年に大きな区切りを迎えた。

2023年10月の左膝前十字靭帯断裂によって長期離脱を経験し、約2年7か月ぶりに代表へ復帰。アンチェロッティ監督の下で4大会連続となるW杯出場を果たしたものの、ブラジルはノルウェーに敗れ、ラウンド16で敗退した。

そして、本人は代表引退の意思を表明。監督も若手中心の新体制への移行を明らかにした。

ネイマールがブラジル代表に残した主な実績は次の通りだ。

- 代表通算130試合
- 代表通算80得点(歴代最多)
- 58アシスト
- W杯4大会連続出場
- 2013年コンフェデレーションズカップ優勝
- 2016年リオ五輪男子サッカー金メダル

W杯優勝という夢こそ実現しなかったが、ペレの得点記録を超え、ブラジル代表の歴史に残る数字を打ち立てた功績は揺るがない。

2026年10月末現在、代表復帰の可能性は低く、本人と監督の双方が新しい段階へ進んでいる。

ネイマールの代表キャリアを評価するとき、W杯優勝の有無だけで判断するのは十分ではない。80得点という記録、4大会にわたる挑戦、そして長期離脱を乗り越えて最後のW杯に戻ってきた過程まで含めて、その足跡を振り返る必要がある。

ブラジル代表の背番号10を背負ったネイマールの物語は、一つの時代の終わりを迎えた。そしてブラジルは、2030年W杯を見据えた新しい世代の構築へと進み始めている。