【2026年最新データ】盗撮の実態と小型カメラをめぐる誤解

目次

小型カメラによる盗撮被害を考えるうえで、警察庁が公表している検挙状況は重要な資料です。

警察庁生活安全局が2026年5月に公表した「令和7年中の痴漢・盗撮事犯に係る検挙状況の調査結果」には、2025年の盗撮事犯に関する最新の集計が掲載されています。

2025年の盗撮事犯の検挙状況

小型カメラ盗撮使い方

- 性的姿態等撮影罪の検挙件数:7,926件
- 同罪の検挙人員:5,124人
- 迷惑防止条例等違反による盗撮の検挙件数:1,311件
- 同条例違反の検挙人員:402人

これらは異なる法令に基づく集計であり、必ずしも別々の被疑者や事件を意味するものではありません。

盗撮に使用された機器にも注目

興味深いのは、盗撮に使用された機器の内訳です。

2025年の性的姿態等撮影罪について、使用機器が特定された7,904件の内訳は次のようになっています。


撮影に使用された機器の内訳


携帯電話
81.1%




6,414件



小型(秘匿型)カメラ
16.4%




1,300件



その他の撮影機器
2.4%




190件

出典:警察庁「令和7年中の痴漢・盗撮事犯に係る検挙状況の調査結果」(2026年5月)。使用機器が特定された事案の集計。

この数字から分かるのは、盗撮対策を小型カメラの発見だけに限定してはいけないということです。

携帯電話による撮影も大きな問題であり、不審な撮影行為や周囲の不自然な動きにも注意を向ける必要があります。

ネット上で広がりやすい3つの誤解

誤解1:小型カメラが小さければ見つからない

機器のサイズだけで発見の難易度は決まりません。設置状況の不自然さや、設備の変化を確認することが大切です。

誤解2:Wi-Fiを調べれば隠しカメラを発見できる

すべてのカメラがネットワークに接続されているわけではありません。通信機能を使わない機器もあるため、ネットワークの確認だけでは不十分です。

誤解3:防犯目的なら撮影場所や方法を問わず合法

防犯目的という説明だけで、あらゆる撮影が正当化されるわけではありません。撮影対象、場所、目的、管理方法などを総合的に考える必要があります。

【盗撮カメラを発見したら】証拠保全と警察への相談方法

不審なカメラを発見したとき、最も避けたいのが慌てて機器を取り外したり、内部の記録を確認しようとしたりすることです。

警察庁は、盗撮用カメラを発見した場合の対応として、むやみに触らないことを呼びかけています。

SDカードを抜くと、機種によっては初期化され、証拠となる記録が消える可能性もあるためです。

発見時に実行したい5つの対応



まず安全な場所へ移動する

トイレ、更衣室、宿泊施設の寝室などで発見した場合は、まず自身の安全とプライバシーを確保してください。


カメラや周辺設備に触れない

電源を切る、レンズを覆う、機器を分解する、SDカードを抜くといった操作は避けます。


発見した状況を記録する

安全に行える範囲で、発見日時、場所、機器の外観、周辺の状況を記録します。機器には触れず、離れた位置から写真を撮る方法もあります。


関連する資料を保存する

宿泊予約の確認メール、領収書、施設とのやり取り、発見時のメモなど、状況を裏付ける資料を保管します。


警察に相談・通報する

盗撮の疑いがある場合は、警察に状況を説明してください。施設管理者への連絡も必要に応じて行いますが、警察への相談を優先します。

盗撮の証拠を保全するときの注意点

証拠保全では、次の点を意識してください。

- 発見した機器の位置関係を変えない。
- 発見日時や場所を具体的に記録する。
- 機器の映像を勝手に再生・複製しない。
- 記録媒体を取り外さない。
- 性的な映像をSNSや第三者に送らない。
- 警察に提出する資料と、自分で保管する資料を整理する。

特に、映像が保存されている可能性がある場合は、内容を自分で確認しようとせず、警察に証拠の保全と確認を依頼することが重要です。

盗撮映像を不用意に複製したり、拡散したりすると、被害をさらに広げることにもつながります。

盗撮被害を警察に相談する窓口

相談内容によって利用できる窓口が異なります。




110番
緊急時

110


盗撮行為が進行中、犯人が近くにいる、身の危険がある場合など。


警察相談専用電話

#9110


犯罪に該当するか判断できない場合や、不審な機器を見つけて相談したい場合。


性犯罪被害相談電話

#8103


盗撮などの性犯罪被害について、地域を管轄する警察の相談窓口につながります。


性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター

#8891


医療的支援、心理的支援、法律相談や警察への同行支援など。


出典:警察庁・内閣府の被害者支援窓口案内。

警察庁は、被害から時間が経過していても警察に相談できると案内しています。被害を受けた直後でなければ相談できない、ということはありません。

【盗撮被害を防ぐ対策】小型カメラの正当な使い方との違い

小型カメラには、盗撮とは関係のない正当な利用方法もあります。

例えば、玄関の防犯、倉庫の管理、ペットの見守り、所有物の盗難防止などです。

こうした利用と盗撮の違いは、単純に機器の大きさや形状だけで判断できるものではありません。

防犯カメラと盗撮カメラの違い

両者の違いを理解するには、次の判断基準が役立ちます。

防犯目的のカメラ

- 設置目的が明確になっている。
- 必要な範囲を撮影する。
- 撮影される人がカメラの存在を認識できるよう配慮する。
- 映像の閲覧権限を管理する。
- 保存期間や削除方法を決めている。

盗撮目的のカメラ

- 相手に知られないよう撮影する意図がある。
- 私的な空間や性的な姿態を狙う。
- 撮影対象者の意思やプライバシーを無視する。
- 映像を不正に保存・提供・公開する。

ただし、ここに挙げた特徴は一般的な比較であり、外観だけで犯罪の成立を判断するものではありません。

小型カメラを正当に利用するための5つの原則

1. 撮影目的を明確にする

防犯や見守りなど、何のためにカメラを使用するのかを決めます。

2. 撮影範囲を必要最小限にする

自分の所有物や管理区域を中心に撮影し、隣家の室内や他人の私生活を不必要に撮影しないようにします。

3. カメラの存在を認識できるようにする

来訪者や従業員など、撮影される可能性のある人に対して、掲示や説明などで撮影の事実を伝えることが望まれます。

4. 映像の管理を徹底する

パスワードの設定、閲覧権限の制限、適切な保存期間の設定を行います。

5. 撮影した映像を目的外に利用しない

防犯目的で撮影した映像を、本人の同意なく広告や娯楽など別の目的に転用することは避ける必要があります。

個人情報保護法にも注意

店舗や事業所などで人物を識別できるカメラ画像を取得する場合、個人情報保護法との関係も重要です。

個人情報保護委員会の公式FAQでは、事業者が個人を識別できるカメラ画像を取得する場合、利用目的をできる限り特定し、その目的の範囲内で利用する必要があると説明しています。

また、撮影されていることを本人が容易に認識できない設置状況では、入口や設置場所への掲示などによって認識できるようにする措置が考えられます。

防犯目的で撮影した画像をマーケティングなど別の商業目的に利用する場合には、あらかじめ本人の同意が必要となるケースもあります。

なお、個人情報保護法上の義務は、設置者が同法の対象となる事業者に当たるかなどによって異なります。個人の家庭内利用に、事業者向けの規定がそのまま適用されるわけではありません。

【プロの結論】小型カメラは「何を撮るか」「どう管理するか」で評価が変わる

小型カメラの利用を考えるとき、最も重要なのは機器の性能や価格ではありません。

撮影目的が正当であること、撮影対象者のプライバシーを尊重すること、映像を適切に管理することが基本です。

一方、盗撮目的での設置や撮影は、たとえ映像が外部に流出していなくても、刑事責任につながる可能性があります。

被害を防ぐ側にとっては、機器の形状だけに注目するのではなく、設備の不自然な変化を確認し、発見したときには証拠を保全して警察に相談することが大切です。

【小型カメラの盗撮・使い方】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:小型カメラを持っているだけで違法になりますか?

小型カメラを所有しているだけで、直ちに違法になるわけではありません。防犯やペットの見守りなど正当な目的で利用できます。ただし、他人の性的姿態を盗撮する目的で設置・撮影する行為には、性的姿態撮影等処罰法などが適用される可能性があります。

Q2:スマートフォンだけで隠しカメラを発見できますか?

スマートフォンのライトやカメラ、検知アプリなどは確認の補助にはなりますが、すべての隠しカメラを発見できるわけではありません。疑わしい機器がある場合は、専門業者や警察に相談してください。

Q3:ホテルやトイレで盗撮カメラを見つけたら、SDカードを抜いてもよいですか?

抜かないでください。機器によっては初期化され、証拠が消える可能性があります。むやみに触れず、発見場所や状況を記録し、警察に連絡してください。

まとめ:2026年に知っておきたい小型カメラの法律と防犯対策

小型カメラは、防犯や見守りなどに活用できる一方、他人のプライバシーを侵害する盗撮に悪用される危険性もあります。2026年10月現在、性的姿態撮影等処罰法によって盗撮行為や関連する画像の保管・送信には厳しい刑事罰が設けられています。

また、2026年5月に公表された警察庁の2025年統計では、性的姿態等撮影罪の検挙件数は7,926件に上っています。携帯電話による撮影も多く、小型カメラだけを警戒すればよいわけではありません。

不審なカメラを発見した場合には、むやみに触らず、証拠を保全して警察に相談することが重要です。正当な防犯目的でカメラを使用する場合も、撮影範囲や利用目的、映像の管理方法を明確にし、他人のプライバシーを尊重する必要があります。

小型カメラの正しい知識を身につけることは、違法行為を防ぐだけでなく、自分自身や周囲の人を盗撮被害から守ることにもつながります。