【数字だけでは分からない】震度・マグニチュード・震源の深さの正しい読み方

目次

過去の地震情報を調べるとき、特に混同しやすいのが「震度」と「マグニチュード」です。

どちらも地震の大きさを表す数字のように見えますが、実際には意味が異なります。

震度は場所ごとの揺れの強さ

過去の地震情報

震度は、ある地点で観測された地震の揺れの強さです。

同じ地震でも、震源からの距離や地盤の性質、地形などによって観測される震度は変わります。

例えば、同じ市町村内でも、軟らかい地盤の場所と硬い岩盤の場所では揺れ方に違いが生じる場合があります。

また、震度計は原則として地表や低層建物の1階に設置されているため、高層建物の上層階で感じる揺れとは一致しないことがあります。

マグニチュードは地震そのものの規模

マグニチュード(M)は、地震そのものの規模を表す指標です。

気象庁の解説によると、マグニチュードが1大きくなると、地震波として放出されるエネルギーは約32倍になります。

例えば、次のような関係です。

- M6.0とM7.0では、エネルギーに約32倍の差がある。
- M6.0とM8.0では、エネルギーに約1,000倍の差がある。
- マグニチュードが同じでも、観測地点によって震度は異なる。

したがって、過去の地震を比較するときに、最大震度だけで規模を判断するのは適切ではありません。

震源の深さも重要な検索項目

震源の深さは、地震が地下のどの程度の深さで発生したかを示します。

一般的には、震源が浅い地震では震源近くの地域に強い揺れが集中する場合があります。一方、深い地震では広い範囲で揺れが観測されることもあります。

ただし、深さだけで地表の揺れの強さが決まるわけではありません。マグニチュード、震源からの距離、地盤などを合わせて確認する必要があります。

過去の地震を比較するときの判断基準

確認項目 分かること 注意点
発生日・発生時刻 地震が起きた日時 古い記録には時刻不明のものがある
震央地名 地震が発生した地域 地名の見直しがある
最大震度 最も強い揺れを観測した地点の震度 地域全体の揺れを示す数字ではない
マグニチュード 地震そのものの規模 震度とは別の指標
震源の深さ 地下の発生位置 深さだけで被害の大きさは判断できない

特に、地域別の地震情報履歴を調べる場合は、最大震度とマグニチュードをセットで確認することが大切です。数字の意味を正しく理解すれば、異なる年代の地震も比較しやすくなります。

【地図で確認】過去の地震の震度分布図はどこで見られる?

地震の記録を調べる際、一覧表だけでなく、実際にどの地域まで揺れが広がったのかを地図で確認したい人もいるでしょう。

その場合に役立つのが、気象庁の「推計震度分布図」です。

推計震度分布図とは?

推計震度分布図は、実際に観測された震度のデータと地盤の揺れやすさなどを利用して、震度計が設置されていない場所も含めて揺れの分布を推計した地図です。

気象庁では、原則として全国のいずれかの観測点で最大震度5弱以上を観測した場合に発表し、震度4以上の範囲を示しています。

ただし、震度5弱以上を観測していても、強い揺れの範囲が十分に広がっていない場合などは掲載されないことがあります。

2023年2月から250mメッシュに詳細化

推計震度分布図は、2023年2月1日から推計の格子間隔が変更されました。

- 2023年1月31日以前:1km四方のメッシュ
- 2023年2月1日以降:250m四方のメッシュ

これにより、従来より細かな範囲で震度の分布を把握できるようになっています。

ただし、地図上の色分けは推計値です。個々のメッシュの内部がすべて同じ震度であることを保証するものではなく、推計値が実際の震度と1階級程度異なる場合もあります。

過去の震度分布図を探す手順

過去の大きな地震の震度分布を確認する場合は、次の順番で探すと効率的です。

1. 気象庁の地震情報関連ページを開く。
2. 推計震度分布図の発表状況を確認する。
3. 調べたい地震の発生日を特定する。
4. 対象となる地震の推計震度分布図を確認する。
5. 必要に応じて震度データベースの観測地点別記録と照合する。

ここで注意したいのは、推計震度分布図と観測された震度の分布図は同じものではないという点です。

前者は観測値をもとに面的に推計した資料、後者は実際の震度観測地点の記録を示す資料です。

過去の地震の揺れを詳しく分析するなら、両方を確認するのが理想的です。

【2026年最新】過去の地震データはどこまで更新されている?

2026年に過去の地震情報を調べる人にとって、データの更新時期も見逃せないポイントです。

気象庁は、速報的な地震情報、長期の震度データベース、年単位の地震観測資料をそれぞれ異なる形で公開しています。

速報データと長期保存データは更新サイクルが違う

震度データベースは2日前までの地震を検索できる一方、地震月報(カタログ編)などの年次・月次資料は、観測データの追加や精査を経て公開されます。

そのため、リアルタイムに近い情報と、長期的に整理された確定資料を同じものとして扱わないことが重要です。

2026年10月14日の更新履歴

気象庁の更新履歴によると、2026年10月14日には次の追加が公表されています。

- 2024年の震源データ
- 2024年の検測値
- 2024年の発震機構解
- 2024年のCMT解
- 2024年の地殻ひずみデータ
- 2023年・2024年の震度データ
- 2022年の津波データ

また、2025年12月15日には、1919~1931年などの過去の震度データの修正も公表されています。

このように、古い地震記録も継続的に追加・修正されています。

ただし、2024年の年次資料が2026年に追加されたことと、2026年に発生した地震の速報データが検索できることは別の話です。年次資料の収録状況と、震度データベースの最新検索対象期間を混同しないようにしましょう。

震度1未満の地震が検索に出てこない理由

検索結果に地震が表示されない理由として、もう一つ理解しておきたいことがあります。

震度データベースの対象は、震度1以上を観測した地震です。

気象庁のFAQによると、震源周辺で揺れを感じても、その範囲に震度観測点が存在しなければ、震度1以上の観測記録がないため、通常の地震情報が発表されない場合があります。

また、震度計の点検や工事などによって観測が行われていないケースもあります。

このような小さな地震の発生状況を調べるには、震源リストを確認する方法があります。

震源リストには、震度情報として発表されない規模の小さな地震も掲載されるため、地震活動全体を把握したい人には特に有用です。

【プロの結論】過去の地震情報を正確に調べるための判断基準

過去の地震情報を調べる際に大切なのは、単に古い地震の一覧を眺めることではありません。

何を知りたいのかによって、最初に開くべき資料が変わります。

例えば、自宅周辺で過去にどの程度の揺れがあったかを知りたい人は、震度データベースで市区町村や観測地点を指定するのが適切です。

一方、特定の地域で発生した小さな地震も含めて活動状況を把握したい場合は、震源リストを優先する方が効率的です。

目的別に選ぶべき検索方法

過去の地震の発生日を調べたい人

震度データベースで年月日や期間を指定します。地震の発生日時を古い順・新しい順に並べ替えると、履歴を整理しやすくなります。

特定の地域の震度を調べたい人

都道府県、市区町村、観測地点を指定します。最大震度だけでは分からない地域内の揺れの違いも確認できます。

大きな地震をランキング形式で調べたい人

最大震度またはマグニチュードの大きい順に並べ替えます。ただし、震度とマグニチュードは別の尺度なので、目的に合わせて選択してください。

小さな地震も含めて調べたい人

震源リストを利用します。震度1未満の地震も含めた活動状況を確認する場合に向いています。

過去の揺れを地図で確認したい人

推計震度分布図を確認します。ただし、推計値であることや、発表対象となる地震に限りがあることを理解しておきましょう。

過去の地震情報を防災に役立てる視点

地震履歴は、住む地域の揺れの傾向を知るための資料になります。

ただし、過去に大きな地震が少なかった地域だからといって、今後も地震が少ないとは限りません。また、過去の震度が小さかったことだけを理由に、その土地の安全性を判断することもできません。

地震への備えを考える場合は、次の資料も組み合わせると効果的です。

- 気象庁の過去の震度記録
- 地震調査研究推進本部の長期評価
- 国や自治体が公表するハザードマップ
- 自治体の地域防災計画
- 建物の耐震性能や地盤に関する資料

過去の地震記録は将来の地震発生日時を予測するものではありません。しかし、地域の揺れの特徴や過去の被災状況を理解し、防災対策を考えるための基礎資料として活用できます。

【過去の地震情報】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:過去の地震情報は何年前まで調べられますか?

A1:気象庁の震度データベース検索では、1919年から2日前までの、震度1以上を観測した地震を検索できます。ただし、震度1未満の地震は検索対象外です。

Q2:過去30日間の地震情報はどこで確認できますか?

A2:気象庁の公式サイトに掲載されている地震情報で確認できます。過去30日より古い地震については、震度データベース検索を利用してください。

Q3:特定の日に自分の住む市町村で観測された震度を調べられますか?

A3:調べられます。震度データベースの検索条件で発生日、都道府県、市区町村、観測地点などを指定してください。該当する地震の詳細画面で、観測された震度を確認できます。

Q4:震源リストと震度データベースの違いは何ですか?

A4:震度データベースは1919年から2日前までの震度1以上の地震を検索する資料です。震源リストは最近90日分の地震を日別に掲載しており、震度1未満の小さな地震も含めて震源を確認できます。

Q5:マグニチュードが大きい地震ほど震度も大きくなりますか?

A5:必ずしもそうではありません。マグニチュードは地震そのものの規模、震度は特定の場所での揺れの強さです。震源からの距離や深さ、地盤の性質などによって、観測される震度は異なります。

Q6:昔の震度5と現在の震度5弱は同じですか?

A6:気象庁の震度データベースでは、1996年9月以前の震度5は震度5弱、震度6は震度6弱として扱われています。過去と現在の記録を比較するときは、この取り扱いを理解しておく必要があります。

まとめ:過去の地震情報を正しく調べて防災に生かそう

過去の地震情報を調べるなら、まず利用したいのが気象庁の震度データベース検索です。1919年から2日前までの震度1以上の地震を対象に、発生日、震央地名、最大震度、マグニチュード、震源の深さなどを指定して検索できます。

一方、震度1未満の小さな地震も含めて調べたい場合は震源リスト、過去30日間の発表情報を確認したい場合は地震情報、揺れの広がりを地図で把握したい場合は推計震度分布図というように、目的に合わせて使い分けることが大切です。

また、1919年からの記録には観測方法や観測地点の変化、古い資料の時刻不明、データの修正といった注意点があります。単純な地震回数の比較だけでなく、記録が作られた背景も理解することで、より正確に地震活動を読み取れます。

過去の地震情報は、未来の地震を予言するものではなく、地域の地震リスクを理解するための重要な記録です。2026年の最新データを確認するだけでなく、長期的な履歴や自治体の防災資料も組み合わせ、日頃の備えに役立ててください。