【2021年9月20日】BTSは国連で何を語った?スピーチの概要

目次

📌 【この記事の重要ポイントまとめ】

  • スピーチの日程:2021年9月20日、国連総会第76会期の関連行事「SDGモーメント2021」で実施。
  • 最大のメッセージ:コロナ禍の若者を「失われた世代」ではなく「ウェルカム世代」と捉え、未来への希望を訴えた。
  • 出演の理由:文在寅大統領から「未来世代と文化の大統領特使」に任命されたことが背景にある。
  • 関連映像:スピーチ後に「Permission to Dance」の国連撮影映像を公開。SDGsへの関心を呼びかけた。

BTSが登壇したのは、2021年9月20日に開催された第2回「SDGモーメント」。国連事務総長アントニオ・グテーレスが主催する、持続可能な開発目標(SDGs)に焦点を当てた国際的な行事である。

会場はアメリカ・ニューヨークの国連本部。第76回国連総会のハイレベルウィークに合わせて開催され、各国の首脳や国際機関の関係者が参加した。

BTSは7人全員で登壇し、英語ではなく韓国語でスピーチを行った。メンバーそれぞれが言葉をつなぐ形式を採用したことも特徴だ。

スピーチの基本情報

bts国連スピーチ2021
項目 内容
開催日 2021年9月20日
開催場所 アメリカ・ニューヨーク国連本部
国連総会 第76会期
行事名 SDGモーメント2021
主催 国連事務総長
BTSの肩書 未来世代と文化の大統領特使
発言者 RM、Jin、SUGA、j-hope、Jimin、V、Jung Kook
使用言語 韓国語
関連パフォーマンス Permission to Dance

国連の公式映像記録には、BTSによるスピーチとパフォーマンスが収録されている。スピーチ単独の記録も残されており、2026年現在も当時の発言を確認できる。

【全文の日本語訳】7人が伝えたメッセージを発言順に解説

BTSの国連スピーチは、単に若者を励ますだけの内容ではなかった。

メンバーは、世界中の10代・20代の若者に事前に質問を行い、その回答や自身の経験をもとに、コロナ禍の生活、環境問題、未来への考え方を語った。

以下は国連公式映像と当時の発言記録に沿った、冒頭から締めくくりまでの日本語訳要約である。逐語的な全文転載ではなく、発言の流れと意味をできるだけ具体的に再現する。

1.RM:未来の世代の声を届けるために来た

冒頭を担当したのはリーダーのRM。

国連の議長や事務総長、文在寅大統領、各国の代表者に挨拶した後、自分たちが韓国の大統領特使としてここに来たことを紹介した。

そして、今回の目的を次のように説明した。

私たちは今日、未来世代の物語を伝えるためにここに来ました。

さらに、世界各地の10代と20代の若者に、過去2年間をどのように過ごし、現在の世界をどう感じているのかを尋ねたと明かした。

ここで重要なのは、BTSが自分たちの意見だけを一方的に伝えるのではなく、若者たちの声を国際社会に届けようとした点だ。

2.Jin:失われた時間と、それでも生きていく若者たち

Jinは、若者たちから寄せられた回答や写真を紹介した。

自身も過去2年間、戸惑いや不安を感じたことがあったと振り返りながら、それでも「生きていこう」「今を大切にしよう」と前を向く人々がいることを伝えた。

コロナ禍では、入学式や卒業式といった人生の節目となる行事が中止になった。

BTS自身も、長い時間をかけて準備してきたコンサートツアーを中止せざるを得なかった。

若者にとってもアーティストにとっても、当たり前だと思っていた日常が突然失われたのである。

Jinのメッセージは、そうした喪失感を否定せず、今ある時間の価値を見つめ直すものだった。

3.SUGA:日常の大切さと環境問題への意識

スピーチでは、失われた日常だけでなく、自然や地球環境についても話題が広がった。

若者たちが共有した写真には、自然とのつながりや、何気ない時間を大切にする姿が表れていた。

そこから話題は気候変動へと移る。

気候変動が重大な問題であることは多くの人が理解している。しかし、最善の解決策について意見をまとめるのは簡単ではない。

この問題に対し、若者たちが環境問題を学び、未来のための答えを探していることにも触れた。

4.V・Jung Kookら:未来を悲観だけで捉えない

スピーチでは、未来を暗いものと決めつけるべきではないという考えも示された。

気候変動や社会問題について関心を持ち、解決策を探している若者がいる。

まだ未来には多くの可能性が残されている。物語の結末がすでに決まっているかのように考える必要はない、という趣旨だ。

また、コロナ禍で若者たちがオンラインで友情を育み、新しいことを学び、健康的な生活を送ろうとしている姿も紹介された。

環境が変わったからといって、若者たちが何もできなくなったわけではない。

5.「失われた世代」ではなく「ウェルカム世代」

このスピーチで最も広く知られるようになった表現が、英語の「Welcome Generation(ウェルカム世代)」である。

当時、コロナ禍で十分な機会を得られなかった10代・20代は、「Lost Generation(失われた世代)」と呼ばれることがあった。

しかし、BTSはその見方に異を唱えた。

変化を恐れるのではなく、「ウェルカム」と受け入れながら前に進む世代。

これがBTSの伝えた新しい世代像だった。

コロナ禍で予定が崩れたとしても、新しい友人関係を築くことはできる。学びを止める必要もない。環境の変化に適応し、新しい可能性を見つけることもできる。

若者を「何かを失った世代」としてだけ見るのではなく、「新しい時代を切り開く世代」として捉え直したのである。

この考え方は、BTSの国連スピーチ2021を象徴するメッセージとなった。

6.j-hope:7人全員がワクチンを接種したことを報告

続いて話題は、新型コロナウイルスのワクチン接種へと移った。

j-hopeは、BTSのメンバー全員がワクチン接種を受けたことを明らかにした。

当時、BTSの国連訪問を知ったファンの間では、メンバーがワクチンを接種しているのかという関心もあった。

ワクチン接種は、待っているファンに会い、国連の場に立つための機会につながったという趣旨の説明もあった。

この発言は、個人の選択と社会全体で取り組む感染症対策を結びつけたものだった。

7.RM:すべての選択は変化の始まり

終盤では、Vが、再びファンと直接会える日が遠くないことを願い、そこまでの時間を前向きなエネルギーで満たしてほしいと伝えた。

そしてRMがスピーチを締めくくった。

世界は止まったと思っていましたが、ゆっくりと前に進み続けています。

続けて、次の考えを示した。

私たちが行う一つひとつの選択は、終わりではなく、変化の始まりです。

最後には、新しい世界で互いに「Welcome」と言い合えることを願う言葉を残した。

その後に披露された「Permission to Dance」は、まさにその歓迎のメッセージを世界に届けるための作品として紹介された。

【特使に任命された理由】文在寅大統領とBTS、国連を結んだ関係

BTSが国連で発言した背景には、韓国政府による公式な任命があった。

2021年7月21日、当時の文在寅大統領はBTSを「未来世代と文化のための大統領特使」に任命した。

これは単に世界的な人気を評価しただけではない。

韓国政府は、BTSの音楽や文化的影響力を通じて、環境、貧困、不平等、多様性の尊重などの国際課題について協力を促進することを期待していた。

9月14日には青瓦台で任命状の授与式が行われ、メンバーには外交官パスポートも渡された。

BTSを取り巻く関係者と役割

人物・組織 BTSとの関係 2021年の役割
BTS 主体 未来世代と文化の大統領特使
RM BTSリーダー スピーチ冒頭と締めくくり
Jin BTSメンバー 若者の声や喪失感を紹介
SUGA BTSメンバー 日常や環境への問題意識を共有
j-hope BTSメンバー ワクチン接種について発言
Jimin・V・Jung Kook BTSメンバー 若者の可能性や未来への希望を伝達
文在寅 当時の韓国大統領 BTSを大統領特使に任命
アントニオ・グテーレス 国連事務総長 SDGモーメントを主催
国連 国際機関 SDGsを推進する国際的な舞台を提供

文在寅大統領はSDGモーメントでBTSを紹介し、BTSの活動が未来世代と文化をつなぐことへの期待を示した。

また、国連側の記録では、BTSは国連グローバル・コミュニケーション担当事務次長メリッサ・フレミングともSDGsへの取り組みについて話し合っている。

【SDGsとコロナ禍】BTSの発言が持つ本当の意味

BTSのスピーチを理解するには、SDGsの基本的な考え方を押さえておく必要がある。

SDGsとは「Sustainable Development Goals」、日本語では持続可能な開発目標を意味する。

2015年に国連加盟国によって採択された「2030アジェンダ」に基づく国際目標で、17の目標と169のターゲットから構成されている。

貧困や飢餓の解消、教育、健康、ジェンダー平等、気候変動対策など、幅広い問題が対象となっている。

BTSのスピーチとSDGsの接点

BTSが語ったテーマ 関連するSDGs 発言の意味
コロナ禍とワクチン 目標3:すべての人に健康と福祉を 健康と感染症対策の重要性
若者の教育や学び 目標4:質の高い教育をみんなに 困難な状況でも学び続ける可能性
環境・気候変動 目標13:気候変動に具体的な対策を 次世代の地球環境を守る意識
若者の参加 目標10:人や国の不平等をなくそう 多様な人々の声を尊重する姿勢
国際社会の連帯 目標17:パートナーシップで目標を達成しよう 国境を越えた協力の必要性

コロナ禍で若者が失ったものだけでなく、得たものにも目を向けた

2021年当時、パンデミックは教育、雇用、医療、国際交流など、さまざまな分野に影響を及ぼしていた。

国連のSDGモーメント2021の公式説明でも、ワクチンの供給格差や経済回復の不均衡が大きな課題として挙げられている。

BTSが取り上げた卒業式の中止やコンサートの延期は、こうした世界的な問題を個人の生活に引き寄せて伝える具体例だった。

大切なのは、若者たちに無条件で前向きになることを求めていない点だ。

失望や悲しみを認めたうえで、そこから何を選択するのかを考える。これがスピーチの中心にある考え方だった。

「未来世代と文化の特使」という肩書の意味

BTSは政治家でも国連職員でもない。

それでも国際会議に招かれた理由は、音楽や文化を通じて、政治的な立場や国籍を超えて多くの人々にメッセージを届けられる存在だったからだ。

政府の外交活動だけでは届きにくい若い世代に対し、文化的な影響力を使って参加を促す。

BTSの国連スピーチは、こうした文化外交の実例として見ることができる。

【公式動画】Permission to Danceの国連パフォーマンスと過去の国連スピーチ

スピーチと並んで大きな注目を集めたのが、「Permission to Dance」の国連パフォーマンスである。

この映像は、2021年9月20日に国連関連の公式チャンネルで公開された。

Permission to Danceはなぜ国連で披露された?

「Permission to Dance」は、困難な状況でも希望を持ち、自由に前へ進むことを表現した楽曲だ。

国連での映像では、国連本部の建物内や屋外などを舞台に、BTSがパフォーマンスを披露している。

特徴的なのは、国際手話を取り入れた振り付けだ。

「楽しい」「踊る」「平和」といった意味を持つ表現が盛り込まれ、言葉の壁を越えてメッセージを伝える演出となった。

国連はこの映像について、SDGsの約束を守ることの大切さをBTSのファンにも伝え、行動を促す目的があったと説明している。

なお、これは国連総会のステージで行われた生歌唱ではなく、国連で制作された映像作品としてのパフォーマンスである。

公式記録で確認できる映像

映像 内容 公式記録
BTSのSDGモーメント発言 スピーチとパフォーマンス UN Web TV
Permission to Dance 国連本部で制作された映像 国連公式YouTube
SDG Moment 2021 行事全体の映像記録 国連公式サイト
文在寅大統領とBTS 大統領による紹介とBTSの活動 国連パートナーシップ関連記録

特にスピーチを見たい場合は、国連の公式映像記録にある「BTS (Special Presidential Envoy) on the SDG moment 2021」が該当する。

「Permission to Dance」だけを見たい場合は、国連公式YouTubeチャンネルの「BTS - Permission to Dance performed at the United Nations General Assembly」を探すとよい。

2021年が初めての国連スピーチだったわけではない

もう一つ押さえておきたいのが、BTSの過去の国連関連活動だ。

BTSは2018年にも国連関連イベントに登壇しており、RMが若者に向けて自分を愛することや自分の声を上げることについて語っている。

2020年にもオンライン形式で国際的な会議にメッセージを寄せていた。

そのため、2021年の登壇は初めての国連関連スピーチではなく、過去の活動を受け継ぐものだった。

2018年の「Love Yourself」に関連するメッセージから、2021年の「Welcome Generation」へ。

自分自身を受け入れることから、変化する世界を受け入れ、未来を切り開くことへと、メッセージの射程が広がっている。

【BTSの国連スピーチ2021】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:BTSの国連スピーチ2021は何月何日に行われましたか?

2021年9月20日です。第76回国連総会のハイレベルウィークに開催された「SDGモーメント2021」で、BTSの7人全員が登壇しました。

Q2:BTSの国連スピーチの全文や日本語訳はどこで確認できますか?

国連公式サイトのSDGモーメント2021の記録や、UN Web TVのBTS出演映像で当時の発言を確認できます。日本語で内容を理解する場合は、韓国政府のKorea.netによる当時の報道も参考になります。公式映像には英語の通訳音声も収録されています。

Q3:BTSが国連で「ウェルカム世代」と発言したのはなぜですか?

コロナ禍の若者を「失われた世代」と決めつけるのではなく、変化を受け入れ、新しい可能性に向かって進む世代として捉えたかったためです。困難な状況でも学びや交流を続ける若者の姿に希望を見いだした表現です。

Q4:BTSはなぜ国連総会に参加できたのですか?

2021年7月21日に文在寅大統領から「未来世代と文化のための大統領特使」に任命されたためです。環境、貧困、不平等、多様性などの国際課題について、BTSの文化的影響力を通じて協力を促進することが期待されました。

Q5:Permission to Danceは国連で生歌唱されたのですか?

国連本部で撮影・制作された映像パフォーマンスです。スピーチと関連づけて公開され、SDGsや平和、希望を伝える役割を担いました。

まとめ:【プロの結論】BTSの国連スピーチ2021が2026年にも伝えること

BTSの国連スピーチ2021は、コロナ禍の若者に向けた応援メッセージであると同時に、未来の社会を誰がつくっていくのかという問いを国際社会に投げかけた出来事だった。

特に印象的なのは、「失われた世代」という否定的な見方を「ウェルカム世代」という前向きな表現に置き換えたことだ。若者たちは困難によって可能性を失った存在ではなく、変化を受け入れながら新しい道を探す存在だというメッセージである。

SDGsという国際的な政策目標を、卒業式の中止や友人との交流、コンサートの延期といった身近な経験につなげた点にも、このスピーチの価値がある。

また、BTSの活動は、音楽や文化が国際社会の課題を伝える手段になり得ることを示した。政府や国際機関が発信する政策用語だけでは届きにくい人々に、アーティストが自分たちの言葉で問題を届けたのである。

2026年に改めて映像を見る際は、単にBTSが国連の演壇に立ったという華やかな出来事だけでなく、若者の声、気候変動、健康、教育、そして一人ひとりの選択という5つの視点に注目したい。

「世界は止まったように見えても、ゆっくりと進み続けている」。2021年にRMが伝えたこのメッセージは、時代が変わっても考える価値のある言葉として残っている。


主な参照資料・一次情報

- 国連「SDG Moment 2021」公式記録
- 国連「BTS (Special Presidential Envoy) on the SDG moment 2021」
- 国連「Permission to Dance」公式パフォーマンス映像
- 韓国政府 Korea.net「BTS urges world to 'continue moving forward' at UN session」
- 韓国政策ブリーフィング「文大統領、BTSに未来世代と文化の大統領特使の任命状を授与」
- 国連「Transforming our world: the 2030 Agenda for Sustainable Development」