暴力団とは何か?2026年最新の定義・構成員数1万7600人と資金源や実態を徹底解説

目次

暴力団とは、集団的または常習的に暴力的不法行為を行うことを助長するおそれがある団体を指す。日本では「暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律」(暴力団対策法)第2条第2号によって定義されており、組織的な威力を背景に不当な要求や資金獲得活動を行う反社会的勢力として、警察や自治体による対策が続けられている。

2026年10月現在、最新の年末確定統計である2025年末の暴力団構成員等は全国で約17,600人。内訳は構成員約9,400人、準構成員等約8,200人で、暴力団対策法が施行された1992年以降の最少人数を更新した。一方、組織の潜在化や特殊詐欺、匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)との関係など、従来とは異なる問題も浮かび上がっている。

📌 この記事の重要ポイントまとめ 法律上の定義: 暴力団対策法第2条第2号で、暴力的不法行為等を助長するおそれがある団体と定義されている。 最新の勢力: 2025年末の構成員等は約17,600人。構成員9,400人、準構成員等8,200人。 資金源: みかじめ料、恐喝、薬物、詐欺、特殊詐欺、企業活動を利用した不正な資金獲得などがある。 新たな脅威: 匿名・流動型犯罪グループと暴力団の間で、人員や資金面の関係が確認されている。 被害への対応: 不当要求には応じず、警察や都道府県暴力追放運動推進センターに相談する。

【基本知識】暴力団とは?暴力団対策法第2条の定義と指定暴力団の違い

暴力団とは

暴力団とは何か?法律上の定義

暴力団は、一般的にはヤクザとも呼ばれる反社会的な組織である。

ただし、法律上の定義は単に「暴力を振るう人たちの集団」という意味ではない。

暴力団対策法第2条第2号では、暴力団について次のように定めている。

その団体の構成員(その団体の構成団体の構成員を含む。)が集団的に又は常習的に暴力的不法行為等を行うことを助長するおそれがある団体をいう。

この定義で重要なのは、個人の行動だけではなく、団体としての性質や組織的な活動に着目している点だ。

つまり、単発の暴力事件を起こした人物が、その事実だけで法律上の暴力団員になるわけではない。暴力団という組織の構成員であるかどうかと、具体的な犯罪行為を行ったかどうかは、分けて考える必要がある。

また、暴力団対策法は正式には「暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律」という名称で、1991年に制定され、1992年3月1日に施行された。

同法の目的は、暴力的要求行為などを規制し、対立抗争による市民生活への危険を防ぎ、国民の自由と権利を守ることにある。

指定暴力団とは?

指定暴力団とは、暴力団対策法第3条に基づき、都道府県公安委員会によって指定された暴力団を指す。

すべての暴力団が自動的に指定暴力団になるわけではない。

指定には、法律上、主に次の3つの要件がある。

- 組織の実質的な目的として、構成員が団体の威力を利用して資金を得られるようにしていること。
- 幹部や構成員に占める一定の犯罪経歴保有者の割合が、法律で定められた基準を超えていること。
- 代表者や運営を支配する者の統制下で、階層的に構成されていること。

指定に際しては、都道府県公安委員会による手続きに加え、国家公安委員会による要件の確認も行われる。

指定されると、暴力的要求行為に対する中止命令や再発防止命令など、暴力団対策法に基づく行政的な規制の対象になる。

警察庁の2025年末の資料では、指定暴力団は全国で25団体となっている。

代表的な団体としては、次のような組織がある。

- 六代目山口組
- 稲川会
- 住吉会
- 五代目工藤會
- 旭琉會
- 神戸山口組
- 池田組
- 絆會

なお、指定暴力団であることと、特定抗争指定暴力団等に指定されていることは別の制度である。後者は、対立抗争が激化した場合などに、警戒区域を設けて特別な規制を行う仕組みだ。

【組織の仕組み】暴力団員と準構成員の違い、組織構造を解説

暴力団を理解するうえで混同しやすいのが、暴力団員と準構成員の違いだ。

両者は組織との関係性が異なり、警察庁の統計でも別の区分として集計されている。

暴力団員とは?

暴力団員とは、暴力団対策法第2条第6号で定められた暴力団の構成員をいう。

組織に正式に所属し、その組織の一員として活動する者が該当する。

暴力団員は、一般的に組長などの上位者を中心とする組織的な関係の中に位置付けられる。

準構成員とは?

準構成員等とは、暴力団の正式な構成員ではないものの、暴力団と関係を持ち、組織の活動や維持に協力・関与する者などを指す。

具体的には、次のような関係が想定される。

- 暴力団の威力を背景に不法行為を行うおそれがある者
- 暴力団や構成員に資金を提供する者
- 武器などを供給して組織の維持・運営に協力する者
- 暴力団の活動に継続的に関与する者

重要なのは、準構成員等は必ずしも組織の正式な構成員ではないという点だ。

また、準構成員は暴力団対策法第2条に独立した定義が置かれている用語ではなく、警察の情勢把握などで使われる区分である。

暴力団の組織構造と仕組み

従来型の暴力団は、組長を頂点とした階層的な構造を持つことが多い。

一般的には、擬制的な親子関係である「親分・子分」の関係を通じて、組織内の上下関係が形成されている。

組織構造を理解するための主な用語は次のとおり。

- 組長・会長: 組織の代表者や最高位に位置する人物。
- 幹部: 組織運営や統率に関与する上位の構成員。
- 傘下組織: 上位団体との系列関係にある下位の組織。
- 構成員: 組織に所属する暴力団員。
- 準構成員等: 正式な構成員ではないが、組織と関係を持つ周辺者。

ただし、団体ごとに名称や役職、組織運営の実態は異なる。

警察庁も、従来型の暴力団について、組長の統制下に階層的に構成され、組織の威力を利用して資金を獲得する特徴があると説明している。

【2026年最新統計】暴力団構成員数は2025年末で17,600人!勢力の現状

2026年の暴力団情勢を把握するうえで、最も重要な数字が2025年末の構成員等の統計だ。

警察庁が2026年4月に公表した「令和7年における組織犯罪の情勢」では、暴力団構成員及び準構成員等の総数が約17,600人と発表された。

これは暴力団対策法が施行された1992年以降で最も少ない数字である。

2025年末の暴力団構成員数の内訳



全国の暴力団構成員等・2025年末

17,600人


前年比1,200人減少



暴力団構成員

9,400人






前年比500人減少



準構成員等

8,200人






前年比700人減少

出典:警察庁「令和7年における組織犯罪の情勢」

この統計を、暴力団を取り巻く各主体の関係とともに整理すると次のようになる。

主体・区分 2025年末の状況 意味・関係性
暴力団構成員 約9,400人 組織の正式な構成員
準構成員等 約8,200人 組織に関係する周辺者
構成員等の総数 約17,600人 上記2区分を合わせた勢力
主要6団体 約12,500人 全体の71.0%を占める
指定暴力団 25団体 公安委員会が指定した団体
匿名・流動型犯罪グループ 独立した別区分 一部で暴力団との人的・資金的関係が確認されている

注:人数は警察庁による概数。主要6団体は六代目山口組、神戸山口組、絆會、池田組、住吉会、稲川会。

暴力団の勢力はどれほど減少したのか?

長期的な推移を見ると、減少傾向は明確だ。

警察庁の統計によれば、1992年末の暴力団構成員等は約90,600人だった。

これに対し、2025年末は約17,600人である。

つまり、約33年間で約73,000人減少し、1992年末と比較すると約81%の減少となった。

背景には、次のような要因がある。

1. 暴力団対策法による不当要求行為などへの規制。
2. 警察による組織幹部や資金獲得活動への取締り。
3. 暴力団排除条例の制定と企業・自治体による排除活動。
4. 銀行口座、金融取引、公共事業などからの排除。
5. 暴力団からの離脱を促す社会的な取り組み。

ただし、人数が減ったことだけで社会への脅威がなくなったわけではない。

警察庁は、組織の不透明化や資金獲得活動の多様化によって、人的・経済的基盤を維持する暴力団も存在すると指摘している。

また、2025年における対立抗争に起因するとみられる事件は1件発生しており、地域社会への影響も続いている。

【資金源の実態】暴力団は何をして収入を得ているのか?みかじめ料とは

暴力団の活動を維持するためには、資金が必要になる。

そのため、資金獲得活動は組織の存続に関わる重要な問題となっている。

かつては縄張りを背景とした恐喝やみかじめ料、賭博、薬物の密売などが代表的だった。

現在は、それらに加えて詐欺や企業活動を利用した不正な資金獲得などにも活動が広がっている。

代表的な資金獲得活動

主なものを整理すると、次のとおりだ。

1. みかじめ料・用心棒代

飲食店や風俗営業などを営む事業者に対し、営業を認める対価や用心棒代などの名目で金品を要求する行為である。

2. 恐喝・不当要求

相手に心理的な圧力を与え、金銭や利益を要求する行為。企業や個人を対象とする民事介入暴力も含まれる。

3. 薬物関連犯罪

覚醒剤やその他の違法薬物の密売、密輸などに関与する資金獲得活動である。

4. 詐欺・特殊詐欺

警察庁は、暴力団構成員等が主導的な立場で特殊詐欺に深く関与し、有力な資金源の一つとしている実態を指摘している。

5. 企業活動を利用した資金獲得

建設業、金融業、労働者派遣事業、風俗営業などに関連する不正な資金獲得も確認されている。

みかじめ料とは?支払うことに問題はある?

みかじめ料とは、暴力団が縄張り内で営業する事業者などに対し、営業を認める対価や守料、用心棒代などの名目で支払わせる金品をいう。

東京弁護士会によると、みかじめ料は暴力団の重要な資金源の一つとされている。

指定暴力団の構成員が営業者にみかじめ料を要求することは、暴力団対策法上の暴力的要求行為として禁止されている。

さらに、暴力団排除条例では、暴力団の活動を助長したり、運営に資することを知りながら利益を供与したりする行為も規制の対象となる。

つまり、要求する側だけでなく、利益を提供する側にも法的な問題が生じる場合がある。

2025年の詐欺関連統計にも注目

警察庁の2025年の統計では、暴力団構成員等の検挙人員は合計7,335人だった。

このうち詐欺による検挙人員は875人で、全体の11.9%を占めている。

詐欺による検挙人員の割合は過去10年間にわたって約10%前後で推移しており、暴力団の資金獲得活動において詐欺が定着している状況が読み取れる。

この数字が示すのは、暴力団の資金源が従来の恐喝やみかじめ料だけでは説明できなくなっているということだ。

【新たな脅威】匿名・流動型犯罪グループと暴力団の関係とは?

2026年の組織犯罪情勢を考えるうえで、見逃せないのが匿名・流動型犯罪グループ、いわゆるトクリュウの存在だ。

トクリュウは、匿名性の高い人物が中核となり、SNSや求人サイトなどを通じて緩やかに結び付いたメンバーが、流動的に入れ替わりながら犯罪を行うグループを指す。

従来型の暴力団とは、組織構造やメンバーの結び付き方が異なる。

暴力団とトクリュウの違い

比較項目 従来型の暴力団 匿名・流動型犯罪グループ
組織構造 階層的な組織 中核人物が匿名化されやすい
人間関係 擬制的な親子関係など SNS等を通じた流動的な関係
メンバー 比較的継続的な所属 犯罪ごとに入れ替わることがある
活動 組織の威力を利用した資金獲得 多様な犯罪による資金獲得
資金の流れ 組織内の関係を通じた収益の獲得 中核部分が収益を吸い上げる構造

暴力団とトクリュウは同じ組織なのか?

ここは誤解されやすいポイントだ。

暴力団と匿名・流動型犯罪グループは、同じものではない。

ただし、警察庁の2026年4月公表資料では、両者の間に具体的な関係が存在する事例が確認されている。

主な関係は次の3つだ。

- 暴力団が匿名・流動型犯罪グループを実質的に傘下に置き、犯罪活動の一部を担わせるケース。
- トクリュウ側から暴力団に資金が流れ、暴力団の資金源となるケース。
- 暴力団構成員や元構成員が、グループの首領や中心人物として活動するケース。

また、外国人犯罪組織との連携が確認される事例もある。

つまり、暴力団の構成員数が減少している一方で、犯罪活動の担い手や資金の流れが複雑化しているのだ。

警察庁が警戒する新しい組織犯罪の特徴

従来の暴力団は、組織名や上下関係などを通じて一定の組織的特徴を持っていた。

一方、トクリュウでは中核人物が表面に出にくく、犯罪の実行役が入れ替わるため、組織全体の実態を把握しにくい。

警察庁は、SNS型投資・ロマンス詐欺、特殊詐欺、組織的窃盗、悪質なリフォーム業者による犯罪など、幅広い資金獲得活動を問題視している。

こうした状況から、2026年の暴力団対策は、従来の組織そのものを取り締まるだけでなく、背後にいる人物や資金の流れを解明する方向にも広がっている。

【歴史と対策】暴力団の勢力変遷・暴力団排除条例と不当要求への対処法

暴力団の歴史と勢力の変遷

日本の暴力団の歴史を理解するには、戦後の社会状況までさかのぼる必要がある。

警察庁の過去の警察白書によると、戦後には博徒や的屋、愚連隊などの暴力集団が活動し、闇市の支配や薬物の密売などを通じて勢力を拡大した。

昭和30年代以降、こうした集団が総称して暴力団と呼ばれるようになった。

その後、組織の広域化や対立抗争が問題となり、法律による規制が必要とされた。

主な転換点は次のとおり。

- 戦後~1950年代: 博徒、的屋、愚連隊などを背景に暴力集団が勢力を拡大。
- 1991年: 暴力団対策法が制定される。
- 1992年3月: 暴力団対策法が施行される。
- 2011年10月: 全都道府県で暴力団排除条例が施行される。
- 2015年8月: 六代目山口組から神戸山口組が分裂。
- 2020年1月: 六代目山口組と神戸山口組が特定抗争指定暴力団等に指定される。
- 2022年12月: 六代目山口組と池田組が特定抗争指定暴力団等に指定される。
- 2024年6月: 六代目山口組と絆會が特定抗争指定暴力団等に指定される。
- 2026年: 暴力団の勢力減少が続く一方、匿名・流動型犯罪グループとの関係が重要な課題となっている。

暴力団排除条例とは?

暴力団排除条例とは、自治体や事業者、市民が協力して暴力団を社会から排除するために制定された条例である。

2011年10月までに全国47都道府県で施行された。

主な取り組みは次のとおり。

- 公共事業や行政サービスからの暴力団排除。
- 企業による暴力団排除条項の導入。
- 暴力団への不当な利益供与の禁止。
- 暴力団事務所の設置や利用に関する規制。
- 青少年に対する暴力団排除教育。
- 暴力団排除活動に取り組む住民や事業者への支援。

特に企業にとって重要なのが、契約書への暴力団排除条項の導入だ。

契約相手が暴力団などの反社会的勢力であることが判明した場合、契約解除などの対応ができるよう、あらかじめ規定を整備しておく。

これは単なる社会貢献ではなく、企業の信用や経営を守るためのリスク管理でもある。

暴力団から不当要求を受けた場合の対処法

暴力団による不当要求は、企業だけでなく個人にも及ぶ可能性がある。

例えば、金銭の要求、用心棒代の請求、根拠のない賠償要求、取引への介入などが考えられる。

こうした要求を受けた場合、重要なのは一人で対応しないことだ。

警視庁や各都道府県の暴力追放運動推進センターが示している基本的な対応は次のとおり。


不当要求を受けた場合の基本対応


相手と要求内容を確認する

氏名、所属、用件などを確認し、不明確な要求に安易に応じない。


複数人で対応する

一人で抱え込まず、会社なら担当責任者や上司と連携する。


その場で約束しない

金銭の支払いや契約、念書の作成、署名・押印を安易に行わない。


記録を残す

日時、場所、要求内容、相手の発言などをメモし、安全に配慮して録音などの証拠を残す。


警察や暴追センターに相談する

自分だけで解決しようとせず、専門機関に対応を依頼する。


警視庁も、複数人での応対、不当要求の明確な拒否、署名押印の拒否、録音やメモによる記録を推奨している。

相手が居座る場合や、暴行、脅迫、営業妨害などが発生した場合は、無理に対抗せず警察に通報することが重要だ。身の危険がある場合は、直ちに110番する。

全国暴力追放運動推進センターの相談窓口

暴力団に関する相談先として利用できるのが、全国暴力追放運動推進センターと各都道府県の暴力追放運動推進センターだ。

各センターでは、暴力団に関する相談や不当要求への対応について、専門知識を持つ相談委員が助言を行っている。


全国暴力追放運動推進センター

03-3868-0247


全国センターの代表電話

相談できる主な内容
- みかじめ料や用心棒代の要求
- 暴力団からの金銭要求
- 企業への不当要求
- 暴力団との関係遮断
- 被害回復や弁護士への相談

相談の特徴
- 原則無料
- 電話・メール・面談による相談
- 相談内容の秘密を守る仕組み
- 必要に応じて警察や弁護士会などに引き継ぎ

全国センターの代表電話と、各都道府県の相談窓口は区別して利用してください。

全国暴力追放運動推進センターによると、相談者の希望に応じて警察の援助を受けたり、弁護士会などの関係機関へ引き継いだりすることも可能だ。

また、暴力団に関する通報や相談は、各都道府県警察本部の暴力団対策担当部署や警察署の刑事課でも受け付けている。

緊急性が高い場合は110番、緊急ではない警察相談は警察相談専用電話「#9110」も利用できる。

【暴力団とは】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:暴力団と指定暴力団は何が違う?

A1:暴力団は、暴力団対策法第2条第2号で定義される団体の総称。指定暴力団は、その中でも同法第3条の要件を満たし、都道府県公安委員会によって指定された団体を指す。指定されることで、法律に基づく行政的な規制の対象となる。

Q2:暴力団員と準構成員は同じ意味?

A2:異なる。暴力団員は組織の正式な構成員であるのに対し、準構成員等は正式な構成員ではないものの、暴力団の維持や運営に協力・関与するなど、組織と関係を持つ周辺者を指す。

Q3:2025年末の暴力団構成員数は何人?

A3:警察庁の2025年末統計では、構成員約9,400人、準構成員等約8,200人で、合計約17,600人。暴力団対策法が施行された1992年以降で最少となった。

Q4:暴力団の主な資金源は何?

A4:みかじめ料、恐喝、薬物関連犯罪、詐欺、特殊詐欺、企業活動を利用した不正な資金獲得などがある。警察庁は、詐欺が暴力団の資金獲得活動に定着している状況を指摘している。

Q5:匿名・流動型犯罪グループは暴力団なの?

A5:同じものではない。トクリュウは匿名性の高い中核人物と流動的なメンバーによって構成される犯罪グループである。ただし、暴力団構成員が首領となったり、暴力団に資金が流れたりする関係が警察庁によって確認されている。

Q6:暴力団から金銭を要求されたらどうすればいい?

A6:安易に支払ったり、その場で契約や約束をしたりせず、要求内容や応対記録を残して警察や暴力追放運動推進センターに相談する。身の危険を感じる場合は、直ちに110番する。

【プロの結論】まとめ:暴力団の実態を正しく理解し、社会全体で被害を防ぐ

暴力団とは、単に暴力を振るう人物の集まりではなく、組織的な威力を背景に不法行為や資金獲得活動を行う団体である。

暴力団対策法第2条第2号による定義を理解するとともに、指定暴力団、暴力団員、準構成員等の違いを把握することが、実態を正確に理解する第一歩となる。

2025年末の暴力団構成員等は約17,600人となり、1992年以降の最少人数を記録した。長期的な暴力団排除活動や警察の取締りによって、従来型の組織は大きく縮小している。

しかし、構成員数の減少と犯罪リスクの低下は必ずしも一致しない。

2026年の組織犯罪情勢では、次の3点が重要な課題となっている。

1. 組織の潜在化: 暴力団が活動実態を不透明化し、従来の方法では把握しにくくなっている。
2. 資金獲得活動の多様化: 恐喝やみかじめ料に加え、詐欺や企業活動を利用した不正な資金獲得が続いている。
3. トクリュウとの関係: 暴力団構成員や元構成員が匿名・流動型犯罪グループに関与し、資金や人的ネットワークを通じたつながりが確認されている。

読者が覚えておきたいのは、暴力団による被害は自分には関係ないと決めつけないことだ。

飲食店経営者なら不当な金銭要求、企業なら不透明な取引や利益供与、一般市民なら詐欺や脅迫など、被害が及ぶ場面はさまざまである。

不当な要求に応じないこと、暴力団との関係を持たないこと、問題が起きたら専門機関に相談すること。この3点が、個人と企業を守る基本になる。

暴力団の勢力を弱めるには、警察の取締りだけでなく、企業・自治体・市民が資金や活動の基盤を提供しない社会をつくることが欠かせない。

2026年以降も、従来型暴力団への対策と匿名・流動型犯罪グループへの対策を両立させることが、日本の安全な社会を維持するうえで重要な課題となる。