【後厄とは?】前厄・本厄との違いと迎える理由を解説
後厄は、本厄の翌年にあたる年です。読み方は「あとやく」。本厄で高まると考えられてきた災厄への警戒が、徐々に落ち着いていく時期とされています。
厄年を3年間で捉えるのは、厄が本厄の1年間だけで完全に終わるとは限らないという伝統的な考え方があるためです。
前厄・本厄・後厄の違い

それぞれの意味を整理すると、次のようになります。
- 前厄: 本厄の前年。厄年に入る前の準備期間とされ、慎重な行動を心がける年。
- 本厄: 厄年の中心となる年。男性42歳、女性33歳が大厄として特に意識される。
- 後厄: 本厄の翌年。厄が次第に収まるとされ、日常生活を整えながら厄明けを迎える年。
例えば、2026年に男性の数え年42歳で本厄を迎える人は、2025年が前厄、2026年が本厄、2027年が後厄です。
このように、前厄から後厄までの3年間を一続きの期間として考えます。
なぜ厄年は3年間あるのか
厄年の背景には、人生の節目を重視する日本の伝統的な年齢観があります。
國學院大學の学術研究「厄年習俗の形成」(香西美香)によると、厄年という言葉や習俗は平安時代にはすでに存在していました。天禄元年(970年)のものとされる『口遊』にも厄年に関する記述が確認されています。
現在の厄年の形が整うまでには、干支に基づく年齢観、長寿を祝う年祝い、陰陽道の影響など複数の要素が関係しています。現在の年齢区分が古代からまったく変わらず続いてきたわけではありません。
また、厄年の「厄」を神事に奉仕する「役」と結び付ける民俗学的な解釈もあります。地域社会で一定の年齢に達すると、祭礼や神社の運営などを担う立場になったという考え方です。
神社本庁も、かつての厄年には神事を担う晴れの年齢という側面があったと説明しています。
つまり、厄年は単に不幸を避けるための風習ではなく、人生の転換期に身を慎み、社会的な役割を自覚する意味も持っていたのです。
【2026年最新版】男性・女性の厄年早見表と後厄の生まれ年
2026年(令和8年)の厄年を確認する際は、満年齢ではなく、原則として数え年を基準にします。
神社本庁が公表している令和8年用の厄年表では、男性の本厄は25歳・42歳・61歳、女性は19歳・33歳・37歳です。女性の61歳を厄年に含める社寺もあります。
2026年の厄年早見表
以下は2026年に該当する数え年と生まれ年をまとめたものです。
出典:神社本庁「厄祓い」令和8年用の年齢表を基準に整理。女性61歳は社寺によって扱いが異なります。
数え年と満年齢はどう違う?
数え年とは、生まれた時点を1歳とし、その後は元日を迎えるたびに1歳ずつ加算する年齢の数え方です。
例えば、2002年生まれの人は、2026年には数え年25歳になります。誕生日を迎えているかどうかは関係ありません。
計算方法は次のとおりです。
数え年=その年の西暦-生まれた年+1
ただし、社寺によっては立春や2月4日を基準にするなど、独自の案内を設けている場合もあります。実際に祈願を受ける際は、参拝先の早見表を確認してください。
2026年に後厄を迎えている人は?
2026年の後厄に該当する主な生まれ年は次のとおりです。
- 男性:2001年生まれ、1984年生まれ、1965年生まれ
- 女性:2007年生まれ、1993年生まれ、1989年生まれ
- 女性の61歳を厄年とする社寺では、1965年生まれも後厄に該当します。
自分の年齢だけで判断すると、満年齢との違いで間違えることがあります。生まれ年を基準に確認すると分かりやすくなります。
なお、千葉厄除け不動尊でも2026年版の厄年早見表を公開しており、前厄・本厄・後厄の3年間を対象にした御護摩祈願を案内しています。
【後厄はいつまで続く?】厄晴れの意味と本当のタイミング
後厄について特に多い疑問が、「いつになれば厄年が終わるのか」という点です。
一般的には、後厄にあたる年の終わりを迎えることで、3年間の厄年が明けると考えられています。
後厄は12月31日まで?
数え年を元日から数える一般的な考え方では、後厄はその年の12月31日までと捉えられます。
例えば、2026年が後厄の人は、2026年中を後厄として過ごし、2027年から厄年を終えた年回りになります。
ただし、厄年の区切りには地域や社寺による違いがあります。
- 元日を基準とする考え方: 1月1日から12月31日までを1年として考える。
- 立春・節分を意識する考え方: 節分や立春を年回りの節目として扱う地域や社寺もある。
- 社寺の独自基準: 祈願の受付や厄年表に独自の基準を設けている場合がある。
したがって、節分を過ぎたからといって、後厄の祈願ができなくなるわけではありません。
厄晴れとは?後厄が終わると何が変わる?
「厄晴れ(やくばれ)」とは、厄年を終えて厄が明けることを表す言葉です。
前厄・本厄・後厄という3年間を終え、災厄への心配から解放されて新しい年回りを迎えるという意味合いで使われます。
ただし、厄晴れは全国の神社や寺院で共通の正式な祭典名として定められているわけではありません。地域によっては、厄明けを祝う行事や食事会を行うところもあります。
ここで注意したいのは、厄晴れを迎えた瞬間に、それまでの問題がすべて解決するという意味ではないことです。
厄晴れは、伝統的な年齢観に基づく区切りです。健康上の不安があれば医療機関に相談し、生活上の問題があれば現実的な対処を続けることが大切です。
後厄が終わったら厄払いは不要?
厄年を終えた後、改めて厄払いを受けなければならないという全国共通の決まりはありません。
後厄の祈願を受けた人は、厄年が明けたことへの感謝を込めてお礼参りをするのもよいでしょう。
厄年が明けた後に神社や寺院を訪れることは、これまでの無事を振り返り、新しい生活に気持ちを切り替える機会にもなります。
【後厄の厄払いは必要?】神社・寺院の祈願と時期を比較
後厄になったら、必ず厄払いを受けなければならないのでしょうか。
答えは、必須ではありません。
厄払いは宗教的な習慣であり、受けるかどうかは本人の考え方や信仰、家庭の習慣によって決められます。
ただし、本厄だけでなく前厄・後厄にも祈願を受けるという考え方は、実際に多くの社寺で案内されています。
後厄の厄除けに適した時期
厄払いを受ける時期としてよく知られているのが、正月から節分までの期間です。
新年を迎えたタイミングで、その年の無事を願って祈願を受ける習慣があります。
明治神宮の公式FAQでも、古くから正月の松の内や節分が厄払いの時期として知られている一方、現在は年間を通じて祈願を受ける人も多いと説明されています。明治神宮では毎日、厄祓いの祈願を受け付けています。
主なタイミングは次のとおりです。
- 正月・初詣: 新しい年の始まりに厄除けを願う。
- 松の内: 新年の節目に祈願する。
- 節分: 季節の変わり目に厄を払い、無事を願う。
- 後厄の途中: 年の途中でも、本人の都合に合わせて祈願を受ける。
- 年末: 1年間の無事に感謝し、厄明けを意識して参拝する。
大切なのは、決められた日を過ぎたからといって祈願を諦めないことです。受付期間や時間は各社寺によって異なるため、事前確認をおすすめします。
神社と寺院の厄除けは何が違う?
神社と寺院では、祈願の考え方や儀式の形式が異なります。
神社の厄払い
神社では、神職によるお祓いや祝詞奏上などを通じて、心身の清浄と災厄除けを祈願します。
一般的な流れは次のとおりです。
1. 社務所や授与所で祈願を申し込む。
2. 住所・氏名・祈願内容などを記入する。
3. 初穂料を納める。
4. 神職の案内で社殿に入り、祈祷を受ける。
神社本庁の案内でも、個人祈願を受ける際は社務所などで申し込み、祈願内容を伝えてから神職による祭典を受ける流れが紹介されています。
寺院の厄除け
寺院では、僧侶による読経や祈祷などを通じて、厄除けや無病息災を祈ります。
特に密教系の寺院では、護摩壇に薪をくべて祈願する「護摩祈祷」が行われることがあります。
神社と寺院のどちらが優れているということではありません。自分が大切にしたい信仰や、祈願の形式、参拝先との縁などを基準に選ぶとよいでしょう。
お護摩祈願とは?千葉厄除け不動尊の例
御護摩とは、密教の伝統に基づく祈願方法で、不動明王のご加護を願いながら護摩壇で薪を焚く儀式です。
千葉厄除け不動尊の説明では、薪を人間の苦悩や煩悩に見立て、それらを焼き尽くして心の安寧を願う意味があるとされています。
御護摩祈願の一般的な流れは次のとおりです。
1. 受付: 祈願申込書に氏名や願意などを記入し、祈願料を納める。
2. 祈祷: 本堂などに入り、僧侶による御護摩祈祷を受ける。
3. 祈願: 不動明王に願い事の成就や厄除けを祈る。
4. 御護摩札の授与: 祈願後に御護摩札を受け取り、自宅などで大切に祀る。
千葉厄除け不動尊の公式案内では、2026年の通常期(2月以降)の御護摩祈願は、月曜日から木曜日が11時30分・13時30分、土曜日・日曜日が11時30分・13時30分・15時30分です。予約不要で、祈願開始の20分前までに受付を済ませるよう案内されています。金曜日は休寺日です。
また、前厄・本厄・後厄のそれぞれの年に御護摩祈願を受ける「厄年三年詣で」も紹介されています。
3年間を通じて祈願することで、大難を小難に、小難を無難にという願いを込める考え方です。
【後厄の過ごし方と注意点】やってはいけないことはある?
後厄だからといって、日常生活を過度に制限する必要はありません。
むしろ、これまでの生活を振り返り、健康や仕事、人間関係などを丁寧に整える機会として過ごすことが大切です。
後厄に意識したい5つの過ごし方
1. 健康管理を見直す
後厄の時期は、健康診断や定期検診を受けるきっかけにするとよいでしょう。
仕事や家庭の忙しさから、自分の体調を後回しにしている人も少なくありません。睡眠時間、食生活、運動習慣を見直し、気になる症状があれば早めに医療機関へ相談しましょう。
2. 大きな決断は情報を集めてから行う
転職、住宅購入、結婚、独立、起業など、人生に影響する決断を後厄だからという理由だけで避ける必要はありません。
重要なのは、必要な情報を集め、費用やリスク、将来の見通しを検討することです。
3. お金の使い方を見直す
後厄を生活の棚卸しの機会にして、貯蓄や保険、ローン、固定費などを確認するのもおすすめです。
特に住宅購入や事業投資など大きな支出は、厄年という理由ではなく、返済能力や家計への影響を基準に判断しましょう。
4. 家族や周囲の人との関係を大切にする
忙しさから疎遠になっていた家族や友人に連絡するのもよい機会です。
厄年の祈願を家族と一緒に受けたり、厄明けを祝ったりすることで、人生の節目を共有できます。
5. 無理をせず、慎重な行動を心がける
厄年に限らず、疲労がたまっているときや注意力が低下しているときは、事故やトラブルのリスクが高まります。
車の運転、仕事上の確認、契約書のチェックなど、日々の基本的な行動を丁寧に行うことが大切です。
後厄にやってはいけないことは?
後厄に関して、全国共通で禁止されている行動はありません。
インターネットでは「結婚してはいけない」「引っ越しは避けるべき」「家を建ててはいけない」といった情報を見かけますが、これらを一律の決まりとして扱うのは適切ではありません。
厄年を慎みの期間と考える地域や家庭では、重要な行事の時期を調整することがあります。一方で、厄年でも結婚や転居、出産、転職などを行う人はいます。
判断に迷った場合は、次の基準を参考にしてください。
- 家族の伝統や地域の習慣がある場合は、事前に相談する。
- 結婚や転職などの重要な決断は、実際の条件や将来性で判断する。
- 健康や安全に関する問題は、迷信よりも現実的な対策を優先する。
- 厄払いを受けることで安心できるなら、無理のない範囲で祈願する。
後厄を理由に人生の選択肢を狭めてしまうより、慎重さと前向きな姿勢を両立させることが大切です。
【プロの結論】後厄は不安を増やす年ではなく、生活を整える節目
厄年の本質を考えると、後厄は単に災難が消えるのを待つ期間ではありません。
男性の42歳や女性の33歳が大厄とされる背景には、身体的・社会的な変化が重なりやすい人生の節目を慎重に迎えるという伝統的な考え方があります。
厄年の風習には科学的に災難の発生率を証明するものはありません。しかし、自分の健康や生活を見直す機会として活用することには、現実的な意味があります。
厄払いを受けるかどうかは本人の自由です。祈願を受けることが心の支えになるなら活用し、必要性を感じなければ日々の暮らしを丁寧に送ることを優先しても構いません。
後厄は、3年間の節目を締めくくる年です。過度に恐れず、これまでの無事に感謝しながら次の生活へ進むことが、最も納得できる過ごし方です。
【後厄とは】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:後厄とは簡単にいうと何ですか?
A1:後厄とは、本厄の翌年にあたる年です。前厄・本厄・後厄という3年間の最後の年で、厄のおそれが徐々に薄らいでいくと考えられています。
Q2:後厄はいつまで続きますか?
A2:一般的には、後厄に該当する年の12月31日までと考えます。ただし、地域や社寺によっては立春や節分を年回りの節目として扱うこともあります。
Q3:後厄でも厄払いを受けたほうがよいですか?
A3:必ず受けなければならないわけではありません。ただし、前厄・本厄・後厄の3年間にそれぞれ祈願を受ける習慣もあります。不安がある人や家族の慣習を大切にしたい人は、後厄でも祈願を受けるとよいでしょう。
Q4:後厄の厄払いは節分を過ぎても受けられますか?
A4:受けられます。正月や節分は伝統的な参拝時期ですが、明治神宮などでは年間を通して厄祓いを受け付けています。参拝先の受付時間や予約方法を確認してください。
Q5:厄晴れとは何ですか?
A5:厄晴れとは、厄年が明けることを表す言葉です。後厄を終えて新しい年回りを迎えることを意味し、地域によっては厄明けを祝う習慣もあります。
Q6:後厄に結婚や引っ越しをしても大丈夫ですか?
A6:問題ありません。後厄だから結婚や引っ越しを禁止する全国共通の決まりはありません。家族や地域の慣習を確認しながら、実際の生活環境や将来設計を基準に判断しましょう。
Q7:後厄が終わったらお礼参りは必要ですか?
A7:義務ではありませんが、厄年を無事に過ごせたことへの感謝を込めて神社や寺院に参拝するのはよい習慣です。御札や御守りの返納方法も、授与を受けた社寺の案内に従いましょう。
まとめ:2026年の後厄は正しく理解して前向きに過ごそう
後厄とは、本厄の翌年にあたり、前厄・本厄・後厄の3年間を締めくくる年です。厄のおそれが徐々に薄らいでいくとされ、厄晴れを迎えるための節目として大切にされています。
2026年の厄年を確認する際は、男性25歳・42歳・61歳、女性19歳・33歳・37歳という数え年の基準を参考にしましょう。女性の61歳など、地域や社寺によって異なる場合もあります。
厄払いは神社のお祓いや寺院の御護摩祈願などから選べます。正月や節分が代表的な参拝時期ですが、後厄の途中でも祈願を受けることは可能です。
大切なのは、厄年を必要以上に恐れないことです。健康や生活を見直し、家族や周囲への感謝を忘れず、自分に合った方法で厄明けを迎えましょう。
2026年の後厄を、これからの人生をより健やかに過ごすための新しい出発点にしてください。