【2026年最新】芥川賞・直木賞候補作全10作と受賞結果、次回発表時期を徹底解説
2026年の芥川賞・直木賞は、第175回(上半期)の選考結果が7月15日に発表され、両賞の受賞作が決定した。芥川賞は小砂川チトの『ゾンビ回収婦』、直木賞は朝倉かすみの『けんぐゎい』。今回の候補作はそれぞれ5作品、合計10作品だった。候補作の発表は6月11日、選考会は7月15日に行われている。
さらに、2026年下半期の第176回からは直木賞の候補作発表時期が変更される。従来の12月中旬から11月中旬へ前倒しされるため、芥川賞との発表時期にも違いが生じる。次回の候補作を待つ読者にとって、この変更は見逃せないポイントだ。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 第175回芥川賞: 小砂川チト『ゾンビ回収婦』が2026年7月15日に受賞。
- 第175回直木賞: 朝倉かすみ『けんぐゎい』が同日に受賞。候補作は両賞合わせて全10作品。
- 次回の発表時期: 第176回直木賞候補は2026年11月中旬、芥川賞は従来どおり12月中旬ごろが目安。選考会は2027年1月20日。
【速報・完全一覧】第175回芥川賞・直木賞候補作全10作品と2026年の受賞結果

2026年上半期の第175回芥川賞・直木賞候補作は、日本文学振興会から6月11日に発表された。
今回の特徴は、純文学の分野で注目されてきた小砂川チトと、長年にわたり幅広い小説を発表してきた朝倉かすみが、それぞれの賞を受賞したことだ。
選考会は7月15日に開催され、両賞とも受賞作が1作品ずつ決定した。
第175回芥川賞候補作一覧(2026年上半期)
芥川賞には以下の5作品がノミネートされた。
| 作家 | 候補作 | 掲載誌 | 結果 |
|---|---|---|---|
| 小砂川チト | ゾンビ回収婦 | 群像5月号 | 受賞 |
| 鈴木涼美 | 悪い血 | 文學界6月号 | 候補 |
| 仁科斂 | 丹心(まごころ) | 新潮4月号 | 候補 |
| 村司侑 | ソリティアおじさんがいた頃 | 文學界5月号 | 候補 |
| 八木詠美 | アンチ・グッドモーニング | 文藝春季号 | 候補 |
受賞作は小砂川チトの『ゾンビ回収婦』。
小砂川チトは1990年生まれ。2022年に『家庭用安心坑夫』で第65回群像新人文学賞を受賞してデビューした。
同作は第167回芥川賞候補となり、その後も『猿の戴冠式』が第170回芥川賞候補に選ばれている。今回の受賞は、これまでの文学賞での評価を経てつかんだ成果でもある。
第175回直木賞候補作一覧(2026年上半期)
直木賞にも5作品が選ばれた。
| 作家 | 候補作 | 出版社 | 結果 |
|---|---|---|---|
| 朝倉かすみ | けんぐゎい | 光文社 | 受賞 |
| 蝉谷めぐ実 | 見えるか保己一 | KADOKAWA | 候補 |
| 凪良ゆう | 多類婚姻譚 | 講談社 | 候補 |
| 原田ひ香 | #台所のあるところ | 文藝春秋 | 候補 |
| 若林正恭 | 青天 | 文藝春秋 | 候補 |
受賞作は朝倉かすみの『けんぐゎい』。
朝倉かすみは1960年生まれ。2005年に『肝、焼ける』でデビューし、『田村はまだか』『平場の月』『よむよむかたる』などを発表してきた。
『平場の月』は第161回直木賞候補、『よむよむかたる』は第172回直木賞候補となっている。今回の第175回で受賞を果たした。
なお、候補作の作者名は日本文学振興会の公式一覧に基づく。芥川賞と直木賞の候補作を合わせると、今回の対象は全10作品となる。
【受賞作を深掘り】『ゾンビ回収婦』と『けんぐゎい』はなぜ選ばれた?
第175回の結果を理解するうえでは、受賞した2作品のテーマだけでなく、選考過程で何が評価されたのかを押さえておきたい。
小砂川チト『ゾンビ回収婦』:AI時代の労働と仮想現実を描く
『ゾンビ回収婦』は、AIに仕事を奪われて解雇された女性が、仮想現実の世界をさまよう物語だ。
作品の中心には、仕事を失った人間の生活と、現実から切り離された仮想世界という二つの問題がある。
単にゾンビを題材にした娯楽作品ではない。AIによる労働環境の変化、個人の存在意義、現実と虚構の境界など、現代社会にもつながるテーマが組み込まれている。
朝日新聞の2026年7月24日付の講評報道によると、選考では最初の投票で『ゾンビ回収婦』『悪い血』『アンチ・グッドモーニング』の3作品に絞られ、最終的には『ゾンビ回収婦』と『悪い血』を中心に議論が行われた。
特に評価されたのは、虚構の世界を組み立てる力強さだった。
小砂川チトにとっては、これまでの候補入りを経ての受賞であり、作家としての独自性が大きく評価された回となった。
朝倉かすみ『けんぐゎい』:時代小説を通して女性の生を描く
『けんぐゎい』は、江戸時代を舞台にした作品だ。
主人公は、貧しい家庭に生まれた女性・ふゆ。幼くして父を亡くし、手習い師匠のもとで働くことになるが、師匠の養子である宗三郎から性的な被害を受け、妊娠する。
その後、現人神と崇められる女医者との出会いを通じて、ふゆの人生は変化していく。
物語の核にあるのは、社会的に弱い立場に置かれた女性が、自分の人生と向き合う姿だ。
時代小説という形式を採りながら、女性の尊厳、社会的な格差、他者によって決められる価値観といった普遍的な問題を描いている。
選考過程では、蝉谷めぐ実の『見えるか保己一』と最初の投票で同点になった。
朝日新聞の選考講評報道によると、『けんぐゎい』の後半には時代考証上の疑問も出たものの、主人公が最後に見た夢として解釈できるという意見が出され、2度目の投票では満票となった。
つらい描写を超える物語の力と、後半に込められた祈りが評価されたという。
今回の受賞結果から見える文学的な共通点
一見すると、仮想現実とゾンビを描く『ゾンビ回収婦』と、江戸時代の女性を描く『けんぐゎい』は、まったく異なる作品に見える。
しかし、両作品には共通する視点がある。
それは、社会の中で居場所や役割を失った人間を、物語の中心に据えていることだ。
『ゾンビ回収婦』ではAIによって仕事を奪われた女性、『けんぐゎい』では社会的に不利な立場に置かれた女性が描かれる。
時代も表現方法も異なるが、人間の尊厳や生きる意味を問い直す作品がそれぞれの賞を受賞したことは、第175回の大きな特徴だ。
【徹底比較】芥川賞と直木賞の違いは?対象作品・選考基準を解説
芥川賞と直木賞は、同じ日に発表されることが多く、ニュースでも並べて紹介される。そのため、両賞を同じ基準で選ぶ文学賞だと考えている人も少なくない。
しかし、日本文学振興会の公式説明では、対象となる作品の性格が明確に分けられている。
芥川賞は純文学、直木賞はエンターテインメント作品が中心
芥川龍之介賞は、新進作家による純文学の中編・短編作品を対象とする。
一方、直木三十五賞は、新進・中堅作家によるエンターテインメント作品の単行本が対象で、長編小説や短編集などが選考される。
主な違いを整理すると、次のとおりだ。
| 比較項目 | 芥川賞 | 直木賞 |
|---|---|---|
| 正式名称 | 芥川龍之介賞 | 直木三十五賞 |
| 主な対象 | 純文学 | エンターテインメント小説 |
| 作家の位置づけ | 新進作家 | 新進・中堅作家 |
| 作品の形態 | 雑誌掲載の中編・短編 | 単行本の長編・短編集 |
| 主な掲載・発表媒体 | 文藝春秋に全文掲載 | オール讀物に一部掲載 |
| 第175回受賞者 | 小砂川チト | 朝倉かすみ |
| 第175回受賞作 | ゾンビ回収婦 | けんぐゎい |
芥川賞は文学的な表現や作品世界に注目
芥川賞では、純文学としての表現、文章の独自性、作品の構成やテーマの掘り下げなどが評価の対象となる。
ただし、純文学だから難解な文章でなければならない、という決まりがあるわけではない。
読者にとって親しみやすい作品であっても、独自の文学的表現や強い問題意識を備えていれば評価される可能性がある。
直木賞は物語の完成度やエンターテインメント性も重要
直木賞は、物語としての魅力や読者を引き込む力を持ったエンターテインメント作品を対象とする。
歴史小説、時代小説、ミステリー、人間ドラマなど、ジャンルは幅広い。
『けんぐゎい』のような時代小説が受賞することもあれば、現代社会を題材にした作品が候補になることもある。
芥川賞と直木賞に上下関係はない
特に誤解されやすいのが、芥川賞のほうが格上、あるいは直木賞のほうが大衆的で評価が低いという見方だ。
両賞はそもそも対象とする文学の方向性が違う。
作品の優劣を直接比較するための賞ではなく、それぞれ異なる基準で日本文学を評価する制度として理解するのが適切だ。
【選考の仕組み】芥川賞・直木賞候補はどうやって選ばれる?
芥川賞と直木賞は、一般公募によって応募者を募る文学賞ではない。
この点は、文学賞を目指す作家や読者が知っておきたい重要な特徴だ。
1. 対象期間の作品が選考対象になる
通常の対象期間は次のように分けられている。
- 上半期:前年12月から5月までに刊行された作品
- 下半期:6月から11月までに刊行された作品
芥川賞は雑誌(同人雑誌を含む)に発表された作品、直木賞は書籍として出版された作品が対象になる。
2. 予備選考を経て候補作が決定する
日本文学振興会の公式FAQによると、両賞では対象期間中に発表された作品について、数度の予備選考委員会を経て最終候補作を選ぶ。
つまり、候補作として発表される5作品は、単純な人気投票や売上ランキングによって決まっているわけではない。
候補入りそのものが、選考過程で作品が評価された結果となる。
3. 選考委員の討議によって受賞作が決まる
候補作が発表された後、選考委員会が開催される。
選考委員が候補作品を読み、作品について議論を重ね、受賞作を決定する。
受賞作は1作品の場合もあれば2作品の場合もあり、該当作品がない場合は「受賞作なし」となる。
第175回では、それぞれ1作品ずつが選ばれた。
4. 受賞作の選評も重要な資料になる
受賞発表後には、選考委員による選評が掲載される。
芥川賞の受賞作は『文藝春秋』、直木賞の受賞作は『オール讀物』に関連する形で掲載され、選考委員がどのような観点から評価したのかを確認できる。
候補作を読む際には、受賞結果だけでなく選評にも目を通すと、文学作品の評価の違いが理解しやすくなる。
【歴代受賞者】芥川賞・直木賞の近年の結果と文学界の流れ
第175回の結果だけでなく、直近の受賞者を振り返ると、両賞の傾向をより立体的に理解できる。
日本文学振興会の歴代受賞者一覧によると、2026年7月時点の近年の受賞結果は次のとおりだ。
芥川賞の歴代受賞者・近年の受賞作
- 第175回(2026年上半期):小砂川チト『ゾンビ回収婦』
- 第174回(2025年下半期):鳥山まこと『時の家』、畠山丑雄『叫び』
- 第173回(2025年上半期):受賞作なし
- 第172回(2024年下半期):安堂ホセ『DTOPIA』、鈴木結生『ゲーテはすべてを言った』
- 第171回(2024年上半期):朝比奈秋『サンショウウオの四十九日』、松永K三蔵『バリ山行』
芥川賞では、1回の選考で複数作品が受賞することもある。
第173回のように受賞作が選ばれない回もあり、候補に残ったことと受賞することは別の評価段階であることが分かる。
直木賞の歴代受賞者・近年の受賞作
- 第175回(2026年上半期):朝倉かすみ『けんぐゎい』
- 第174回(2025年下半期):嶋津輝『カフェーの帰り道』
- 第173回(2025年上半期):受賞作なし
- 第172回(2024年下半期):伊与原新『藍を継ぐ海』
- 第171回(2024年上半期):一穂ミチ『ツミデミック』
- 第170回(2023年下半期):河﨑秋子『ともぐい』、万城目学『八月の御所グラウンド』
直木賞も複数作品が同時受賞することがあり、必ずしも毎回1作品に決まるわけではない。
また、候補作に選ばれる作家の顔ぶれは幅広く、デビュー間もない作家から、すでに多くの読者を持つ中堅作家まで含まれている。
歴代の受賞作を読むことは、現在の文学界でどのような物語や表現が評価されているかを知る手掛かりにもなる。
【次回速報】2026年下半期・第176回候補作の発表はいつ?
2026年10月30日時点で、次回となる第176回(2026年下半期)の選考会は、2027年1月20日に予定されている。
今回、特に注意したいのが直木賞の候補作発表時期の変更だ。
日本文学振興会は2025年12月12日付のお知らせで、直木賞の候補作発表時期を変更すると発表した。
第176回直木賞は11月中旬に候補発表予定
従来の直木賞候補作発表は、上半期が6月中旬、下半期が12月中旬だった。
しかし、第176回以降は次のように変更される。
- 上半期:6月中旬から5月中旬へ変更
- 下半期:12月中旬から11月中旬へ変更
したがって、第176回直木賞の候補作は2026年11月中旬に発表される予定だ。
芥川賞の候補発表時期は変更されない
一方、芥川賞については候補作発表のスケジュールに変更がない。
そのため、第176回では直木賞の候補作が先に発表され、芥川賞の候補作は従来どおり12月中旬ごろが目安となる。
正確な発表日は、今後の日本文学振興会の公式告知で確認したい。
第176回は直木賞の対象期間にも移行措置がある
候補発表時期だけでなく、対象となる刊行期間にも変更がある。
| 項目 | 従来のスケジュール | 第176回以降の変更 |
|---|---|---|
| 直木賞上半期候補発表 | 6月中旬 | 5月中旬 |
| 直木賞下半期候補発表 | 12月中旬 | 11月中旬 |
| 直木賞上半期対象 | 前年12月~5月 | 前年11月~4月 |
| 直木賞下半期対象 | 6月~11月 | 5月~10月 |
| 第176回の特例 | ― | 2026年6月~10月刊が対象 |
| 第176回選考会 | 翌年1月 | 2027年1月20日 |
第176回については移行措置として、直木賞の下半期対象期間が2026年6月から10月までとなる。
第177回からは新しい対象期間が本格的に適用される。
この変更は、候補作を追いかける読者だけでなく、出版関係者や書店にとっても重要な情報だ。
【よくある質問】芥川賞・直木賞候補に関するFAQ
Q1:2026年最新の芥川賞受賞作は何ですか?
A1:2026年上半期の第175回芥川賞は、小砂川チトの『ゾンビ回収婦』です。2026年7月15日に受賞が決まりました。
Q2:2026年最新の直木賞受賞作は何ですか?
A2:第175回直木賞の受賞作は、朝倉かすみの『けんぐゎい』です。芥川賞と同じ2026年7月15日に発表されました。
Q3:第175回の芥川賞・直木賞候補作は全部で何作品ですか?
A3:芥川賞が5作品、直木賞が5作品で、合計10作品です。それぞれの候補作の中から1作品ずつが受賞しました。
Q4:芥川賞と直木賞はどちらが格上ですか?
A4:上下関係はありません。芥川賞は新進作家による純文学の中・短編、直木賞は新進・中堅作家によるエンターテインメント作品が中心で、選考対象が異なります。
Q5:第176回の候補作はいつ発表されますか?
A5:直木賞は2026年11月中旬、芥川賞は従来どおり12月中旬ごろが目安です。両賞の選考会は2027年1月20日に予定されています。
Q6:芥川賞や直木賞には一般から応募できますか?
A6:どちらも公募制ではありません。芥川賞は雑誌に掲載された作品、直木賞は書籍として出版された作品が対象となり、予備選考を経て候補作が選ばれます。
Q7:候補に選ばれた作品は必ず受賞しますか?
A7:必ずしも受賞するわけではありません。候補作の中から選考委員の討議によって受賞作が決まり、場合によっては受賞作なしとなることもあります。
まとめ:2026年の受賞結果と第176回に向けた注目ポイント
2026年上半期の第175回芥川賞・直木賞では、小砂川チト『ゾンビ回収婦』と朝倉かすみ『けんぐゎい』が受賞した。
両作品はジャンルも舞台設定も異なるが、社会の中で居場所を失った人間や、困難な状況に置かれた人間の生き方を描いている点に共通する魅力がある。
また、今回の文学賞を追ううえで忘れてはならないのが、第176回からの直木賞候補作発表時期の変更だ。
今後の注目ポイントは次の3つ。
1. 2026年11月中旬: 第176回直木賞候補作の発表。
2. 2026年12月中旬ごろ: 第176回芥川賞候補作の発表時期の目安。
3. 2027年1月20日: 第176回芥川賞・直木賞の選考会。
芥川賞と直木賞は、単なる人気作ランキングではなく、日本文学の現在を映し出す重要な文学賞だ。
受賞作だけでなく、候補作や選考委員の評価、歴代の受賞傾向まで追うことで、次に読むべき作品との出会いも広がっていく。
2026年下半期の第176回では、どの作家が候補に選ばれ、どの作品が受賞するのか。11月から始まる直木賞の候補発表に注目したい。