【現役の注目力士】豊昇龍と霧島の現在の番付・成績・優勝回数
2026年のモンゴル出身力士を代表する存在が、横綱・豊昇龍と大関・霧島です。二人はともに幕内優勝経験を持ちますが、現在の番付に至るまでの経歴や相撲の特徴は異なります。
豊昇龍は第74代横綱!2026年11月場所は西横綱

豊昇龍智勝(ほうしょうりゅう・ともかつ)は、モンゴル・ウランバートル出身で、立浪部屋に所属する第74代横綱です。
2025年1月場所に大関として12勝3敗で2度目の幕内優勝を果たし、同月29日に横綱昇進が正式決定。2025年3月場所から横綱として土俵に立っています。
2026年11月場所の番付は西横綱です。ただし、番付上の地位と直近の出場成績は分けて見る必要があります。2026年の成績は次のとおりです。
- 1月場所:10勝5敗
- 3月場所:11勝4敗
- 5月場所:0勝2敗13休
- 7月場所:7勝7敗1休
- 9月場所:0勝0敗15休
日本相撲協会の公式プロフィールによると、2026年11月場所時点の幕内優勝は2回。生涯戦歴は401勝235敗49休です。
得意技は右四つ、寄り、投げ。相手の体勢を崩してから一気に攻める相撲に加え、投げ技を織り交ぜられる対応力も魅力です。今後の焦点は、横綱として安定して本場所に出場し、優勝争いに戻れるかどうかにあります。
霧島は大関に復帰!2026年3月場所で3度目の優勝

霧島鐵力(きりしま・てつお)は、モンゴル・ドルノドゥ出身の音羽山部屋所属力士です。現在の番付は東大関で、モンゴル出身の現役力士として豊昇龍とともに上位を支えています。
以前は霧馬山の四股名で土俵に上がり、2023年7月場所に新大関へ昇進しました。その後、大関から陥落する時期を経験しましたが、2026年3月場所で12勝3敗の成績を残して3度目の幕内優勝を達成。2026年5月場所から再び大関に復帰しました。
2026年9月場所は8勝7敗。11月場所も大関として番付に載っています。日本相撲協会の公式プロフィールでは、幕内優勝3回、殊勲賞1回、敢闘賞4回、技能賞4回と記録されています。
霧島を語るうえで見逃せないのが、師匠の音羽山親方です。現役時代に第71代横綱・鶴竜として活躍したモンゴル出身の親方であり、現在は同じモンゴル出身の大関を育てています。
モンゴル出身の先輩横綱が、後輩の大関を指導するという関係は、単なる国籍の共通点にとどまりません。日本の相撲部屋で長年培われた経験や技術が、次の世代へ受け継がれていることを示しています。
欧勝馬・玉鷲・出羽ノ龍にも注目

豊昇龍と霧島以外にも、2026年の幕内には注目すべきモンゴル出身力士がいます。
欧勝馬は鳴戸部屋所属で、最高位は小結。モンゴル・トブ出身で、2021年11月場所に初土俵を踏み、2024年5月場所に新入幕を果たしました。押しといなしを得意とする力士です。
玉鷲は片男波部屋所属。2019年1月場所と2022年9月場所で幕内優勝を果たした実力者です。2026年11月場所には東前頭15枚目として再入幕。41歳になっても現役を続ける姿は、若手とは異なる魅力を持っています。
出羽ノ龍は出羽海部屋所属で、2026年11月場所に新入幕を果たしました。前場所の十両で10勝5敗を記録し、幕内への昇進を決めています。
さらに、旭海雄も2026年11月場所に新入幕。大島部屋からは、現師匠が部屋を創設して以来初めての新入幕力士となりました。モンゴル出身力士の活躍は、横綱や大関だけでなく、幕内の中堅・若手にも広がっています。
【歴代横綱一覧】モンゴル出身の横綱6人と幕内優勝回数
モンゴル出身力士の歴史を語るうえで欠かせないのが、これまでに誕生した6人の横綱です。
第68代朝青龍から第74代豊昇龍まで、モンゴル出身の横綱は6人。日本相撲協会の歴代横綱記録によると、6人の幕内優勝回数を合計すると97回に達します。
モンゴル出身の歴代横綱6人のプロフィール
それぞれの横綱昇進時期と優勝回数を整理します。優勝回数は2026年9月場所終了時点です。
- 第68代・朝青龍:25回(2003年3月〜2010年1月)
- 第69代・白鵬:45回(2007年7月〜2021年9月)
- 第70代・日馬富士:9回(2012年11月〜2017年11月)
- 第71代・鶴竜:6回(2014年5月〜2021年3月)
- 第73代・照ノ富士:10回(2021年9月〜2025年1月)
- 第74代・豊昇龍:2回(2025年3月〜現役)
なお、第72代横綱は茨城県出身の稀勢の里です。そのため、モンゴル出身の横綱は第68代から第74代まで連続しているわけではありません。
朝青龍は25回優勝!2005年には年間全場所制覇
朝青龍明徳は、モンゴル出身として初めて横綱に昇進した力士です。
2002年11月場所に大関として初優勝を果たし、翌2003年3月場所に第68代横綱へ昇進しました。横綱在位は約7年間で、幕内優勝は25回です。
特に歴史的な実績として知られるのが2005年の年間全場所制覇です。1年間に開催される6つの本場所すべてで優勝し、圧倒的な強さを見せつけました。
朝青龍の特徴は、鋭い立ち合いと攻撃的な取り口です。右四つを得意としながら、突っ張りや寄りも使いこなし、相手に攻撃の主導権を渡さない相撲で時代を築きました。
日本相撲協会の公式記録では、生涯戦歴669勝173敗76休、幕内戦歴596勝153敗76休。優勝25回という数字だけでなく、勝率の高さも際立っています。
白鵬は幕内優勝45回!歴代最多の大記録
モンゴル出身力士の中で、最も多くの優勝を記録したのが第69代横綱・白鵬翔です。
2007年7月に横綱へ昇進し、2021年9月まで約14年間にわたって最高位に君臨しました。その間に積み上げた幕内優勝は45回。これは大相撲の歴代最多記録です。
白鵬の強さは、体格やパワーだけでは説明できません。右四つからの寄り、上手投げ、相手の動きに応じた柔軟な対応など、技術面でも極めて高い完成度を誇りました。
特に2021年7月場所では、6場所連続休場から復帰し、15戦全勝で45回目の優勝を達成。千秋楽では大関・照ノ富士との全勝対決を制しました。
日本相撲協会の公式記録によると、生涯戦歴は1187勝247敗253休。幕内戦歴は1093勝199敗253休です。幕内優勝45回という記録は、モンゴル出身力士だけでなく、大相撲全体の歴史に残る金字塔です。
日馬富士は優勝9回!スピードと技術で横綱に
第70代横綱・日馬富士公平は、モンゴル・ゴビアルタイ出身です。安馬の四股名で活躍した後、日馬富士へ改名し、2012年11月場所に横綱へ昇進しました。
幕内優勝は9回。2017年11月場所に引退するまで、横綱として5年間にわたって土俵に立ちました。
日馬富士の魅力は、比較的軽量な体格を生かしたスピードと鋭い攻めです。立ち合いから相手との距離を一気に詰め、寄り切りや押し出しで勝負を決める取り口を得意としていました。
日本相撲協会の公式プロフィールによると、生涯戦歴は827勝444敗85休、幕内戦歴は712勝373敗85休です。優勝9回に加え、殊勲賞4回、技能賞5回という受賞歴も残しています。
鶴竜は2014年に横綱昇進!技巧派として6回優勝
第71代横綱・鶴竜力三郎は、モンゴル・スフバートル出身です。井筒部屋に入門し、2001年11月場所に初土俵を踏みました。
2005年11月場所に新十両、2006年11月場所に新入幕、2012年5月場所に大関へ昇進。そして2014年3月26日に横綱昇進が正式に決定し、同年5月場所から第71代横綱として土俵に立ちました。
幕内優勝は6回。右四つや下手投げを得意とし、力任せに押し切るのではなく、相手の重心や動きを見極めて勝負する技巧派でした。
横綱在位は2021年3月まで。引退後は音羽山親方として後進の育成に携わり、現在は大関・霧島の師匠を務めています。
日本相撲協会の公式記録では、生涯戦歴785勝497敗231休、幕内優勝6回。技能賞7回という実績も、技術力の高さを裏付けています。
照ノ富士は優勝10回!大関陥落から横綱への復活劇
第73代横綱・照ノ富士春雄は、モンゴル・ウランバートル出身。伊勢ヶ濱部屋に所属し、2011年5月場所に初土俵を踏みました。
2015年7月場所に大関へ昇進したものの、両膝の故障や糖尿病などの影響で成績が低迷。最終的には序二段まで番付を落とす苦しい時期を経験しました。
しかし、そこから再起を果たし、2021年3月場所に大関復帰を決定づける優勝を達成。同年9月場所には第73代横綱へ昇進しました。
この復活劇は、単なる番付の上昇ではありません。大関から序二段まで落ちた力士が、再び横綱へ上がったという大相撲史に残る異例のキャリアです。
幕内優勝は10回。2024年7月場所の優勝が最後の幕内優勝となりました。
引退は2025年1月17日に正式承認されました。直前の初場所では、両膝の問題に加えて右膝と腰の痛みで5日目から休場。本人は引退会見で、思うような相撲ができなくなり、これ以上中途半端な気持ちと体で土俵に立つべきではないと判断した経緯を説明しています。
日本相撲協会の記録では、生涯戦歴523勝275敗231休。引退後は年寄・照ノ富士を襲名し、2025年6月には伊勢ヶ濱部屋を継承しました。2026年現在は、現役力士を育てる立場にあります。
【歴史と背景】モンゴル出身力士はなぜ強い?旭鷲山から続く30年以上の軌跡
モンゴル出身力士が大相撲で大きな存在感を持つようになった背景には、伝統的な格闘文化、1990年代の国際環境の変化、日本の相撲部屋による受け入れ、先輩力士の成功という複数の要素があります。
1992年に始まったモンゴル出身力士の歴史
モンゴル出身力士の本格的な進出は1992年に始まりました。
当時の大島部屋の師匠だった元大関・旭國がモンゴルで人材を募集し、選ばれた若者6人が同年3月場所に向けて日本の相撲界へ入門しました。
この動きの背景には、モンゴルの政治・社会の変化があります。1990年代初頭、モンゴルは社会主義体制から民主化へと移行し、海外渡航や国際交流の環境が大きく変わりました。
2018年のNumber Webの取材記事でも、1992年の新憲法制定と経済の自由化が、モンゴル出身の若者が日本へ渡るきっかけになったと紹介されています。
最初の6人の中には、後にモンゴル出身初の関取となる旭鷲山や、関脇まで昇進する旭天鵬がいました。彼らが道を切り開いたことで、後に続く若者たちにとって大相撲が現実的な進路の一つになっていきました。
旭鷲山はモンゴル出身初の関取!技のデパートと呼ばれた力士
旭鷲山昇は、モンゴル出身力士の歴史を語るうえで欠かせないパイオニアです。
1992年3月場所に初土俵を踏み、1995年3月場所に新十両。モンゴル出身として初めて関取となり、1996年9月場所には新入幕を果たしました。1997年3月場所には小結へ昇進しています。
旭鷲山の特徴は、従来の日本人力士とは異なる多彩な技の使い方でした。足技や投げ技、相手の意表を突く動きを得意とし、「技のデパート・モンゴル支店」という愛称でも知られました。
2006年11月場所を最後に現役を引退。日本相撲協会の公式プロフィールでも、最高位は小結と記録されています。
その後はモンゴルに帰国し、実業家や政治家として活動しました。旭鷲山の存在が、後輩のモンゴル出身力士たちに与えた影響は小さくありません。
モンゴル相撲「ブフ」の経験が土俵で生きる
モンゴル出身力士の強さを理解するうえで重要なのが、伝統競技のブフ(モンゴル相撲)です。
ブフはモンゴルで長い歴史を持つ組み技の競技で、ナーダム祭などでも行われています。相手との組み合い、重心の移動、足腰の使い方、体勢を崩す技術など、大相撲にも通じる身体操作が求められます。
ただし、ブフと日本の大相撲は同じ競技ではありません。土俵の有無や勝敗の決まり方、取組の進め方には違いがあります。ブフの経験がそのまま大相撲での勝利につながるわけではなく、日本の相撲独自の立ち合いや四股、すり足、ぶつかり稽古などを身につける必要があります。
海外メディアの報道を紹介したクーリエ・ジャポンや、Number Webの現地取材でも、モンゴルの伝統的な格闘文化や競技経験が、大相撲で活躍する背景の一つとして取り上げられています。
つまり、モンゴル出身力士の強さは、特定の民族の身体能力だけで説明できるものではありません。幼少期からの格闘経験、競技文化、来日後の専門的な稽古、相撲部屋での育成が組み合わさった結果です。
モンゴル出身力士の幕内優勝は合計104回!横綱以外も強い
モンゴル出身力士の実績は、横綱6人だけに限りません。
2026年9月場所終了時点で、モンゴル出身の幕内優勝経験者は10人、優勝回数は合計104回です。横綱6人の97回に加え、横綱以外の力士も7回の優勝を記録しています。
横綱以外の主な優勝力士は次の4人です。
- 霧島:3回。2026年3月場所の優勝を含む。
- 玉鷲:2回。2019年1月場所と2022年9月場所に優勝。
- 旭天鵬:1回。2012年5月場所に37歳8か月で初優勝。
- 逸ノ城:1回。2022年7月場所に初優勝。
特に旭天鵬の優勝は印象的です。2012年5月場所、前頭7枚目で12勝3敗の成績を残し、37歳8か月で幕内初優勝を達成しました。
横綱にならなくても幕内優勝を果たせること、そして40歳前後まで現役を続ける力士がいることは、モンゴル出身力士の層の厚さを示す実績です。
【プロの結論】強さを支えるのは伝統・育成・世代間の継承
モンゴル出身力士の躍進を30年以上の歴史から振り返ると、重要なポイントが3つ見えてきます。
第一に、競技文化の土台です。ブフをはじめとする伝統的な格闘文化があり、若い段階から相手と組み合う競技に親しむ環境があります。
第二に、日本の相撲部屋での育成です。来日後は日本独自の相撲技術や生活習慣を身につけ、長期的な稽古を通じて大相撲の力士へ成長します。母国での経験だけで横綱になれるわけではありません。
第三に、成功した先輩の存在です。旭鷲山や旭天鵬が道を切り開き、朝青龍と白鵬が頂点を極め、その後も日馬富士、鶴竜、照ノ富士、豊昇龍へと続いています。さらに、現在は鶴竜が霧島を育て、照ノ富士が伊勢ヶ濱部屋を率いるなど、元横綱が指導者として次の世代に経験を伝えています。
注目したいのは、2026年の現役23人が横綱から序二段まで分布していることです。すべての力士がトップに上がるわけではありませんが、長期的に人材が入門し、異なる世代が同時に競い合う仕組みができています。
モンゴル出身力士の強さを理解するには、優勝回数だけを見るのでは不十分です。出身地の競技文化、相撲部屋の育成、先輩から後輩への技術継承まで見ることで、なぜ30年以上にわたって活躍が続いているのかが分かります。
【よくある質問】モンゴル出身の力士に関するFAQ
Q1:2026年現在、モンゴル出身の現役力士は何人いますか?
A1:2026年11月場所の番付には23人が掲載されています。横綱から序二段まで在籍しており、豊昇龍、霧島、欧勝馬、玉鷲などが代表的な力士です。
Q2:モンゴル出身の歴代横綱は何人いますか?
A2:6人です。朝青龍、白鵬、日馬富士、鶴竜、照ノ富士、豊昇龍の6人が横綱に昇進しています。
Q3:モンゴル出身力士で幕内優勝が最も多いのは誰ですか?
A3:白鵬です。幕内優勝45回で、これは大相撲の歴代最多記録です。2位に続く朝青龍は25回を記録しています。
Q4:豊昇龍の現在の番付と優勝回数は?
A4:2026年11月場所は西横綱です。幕内優勝は2回で、2026年9月場所は全休しています。
Q5:霧島の現在の番付と優勝回数は?
A5:2026年11月場所は東大関です。幕内優勝は3回で、直近では2026年3月場所に12勝3敗で優勝しました。
Q6:モンゴル出身で最初に関取になった力士は誰ですか?
A6:旭鷲山です。1995年3月場所に新十両へ昇進し、モンゴル出身初の関取となりました。最高位は小結です。
Q7:モンゴル出身力士が強い理由は何ですか?
A7:モンゴル相撲のブフなどの格闘文化、日本の相撲部屋での専門的な稽古、先輩力士から後輩への技術継承など、複数の要素が重なっているためです。
まとめ:モンゴル出身力士の歴史は次世代へ続く
2026年10月30日現在、モンゴル出身の現役力士は23人。11月場所では豊昇龍が横綱、霧島が大関として番付の上位を担い、欧勝馬、玉鷲、出羽ノ龍、旭海雄らも幕内で活躍しています。
歴代横綱は朝青龍、白鵬、日馬富士、鶴竜、照ノ富士、豊昇龍の6人。幕内優勝は6人で97回、横綱以外の優勝経験者も含めると、モンゴル出身力士全体では10人で104回に達しています。
その歴史は、1992年に来日した旭鷲山ら最初の6人から始まりました。旭鷲山が関取への道を切り開き、朝青龍と白鵬が記録を塗り替え、照ノ富士が不屈の復活劇を見せ、豊昇龍が新しい時代を担っています。
今後の注目点は、豊昇龍が横綱として再び優勝争いの中心に戻れるか、霧島が大関として安定した成績を残せるか、そして新入幕の出羽ノ龍や旭海雄らがどこまで番付を上げられるかです。
モンゴル出身力士の歴史は、過去の横綱の記録だけで完結していません。伝統文化と日本の相撲部屋の育成が交わりながら、新しい力士たちによって更新され続けています。2026年11月場所は、その次の時代を見届けるうえでも注目の場所となります。