インフルエンザにかからない人の特徴とは?体質・免疫・予防習慣の真相を2026年最新情報で徹底解説

目次

毎年インフルエンザが流行しても、なぜか一度も感染しない人がいます。職場や学校、家庭で周囲の人が次々と発症しているのに、本人だけは元気なままというケースも珍しくありません。「生まれつき免疫力が強いのか」「インフルエンザにかかりにくい体質があるのか」「過去に感染したことで抗体が残っているのか」と疑問に思う人も多いでしょう。

実は、インフルエンザにかからないように見える人には、免疫の状態、過去の感染歴、ワクチン接種歴、ウイルスに接触する機会、日常生活の習慣など、複数の要因が関係しています。また、ウイルスに感染していても症状が出ない「不顕性感染」の可能性があり、本人が気づかないまま経過しているケースもあります。2026年10月時点の厚生労働省の情報や国立健康危機管理研究機構の研究をもとに、インフルエンザにかからない人の特徴と、その実態、今日から取り入れられる予防方法を詳しく解説します。

📌 【この記事の重要ポイントまとめ】

  • 要点1:インフルエンザにかからない人には、過去の感染やワクチンによる免疫、感染機会の少なさなどが関係している。
  • 要点2:感染していても症状が出ない不顕性感染があり、「発症しなかった」と「感染しなかった」は別の状態。
  • 要点3:ワクチン、十分な睡眠、手洗い、換気、適切な湿度管理などを組み合わせることが現実的な予防策。

【最初に結論】インフルエンザにかからない人にはどんな特徴がある?

インフルエンザかからない人特徴

インフルエンザにかからない人に共通する特徴を一つに絞ることはできません。免疫の働きが関係する場合もあれば、そもそもウイルスに接触する機会が少ない場合もあります。

厚生労働省が公表している2026年度の急性呼吸器感染症(ARI)総合対策でも、インフルエンザの予防にはワクチン接種、手洗い、適度な湿度の保持、十分な休養、栄養摂取、換気など、複数の対策が示されています。

1.過去の感染やワクチン接種による免疫を持っている

過去にインフルエンザに感染した人やワクチンを接種した人は、そのウイルスに対する免疫反応を経験しています。

免疫システムは、ウイルスなどの異物に接触すると、それを認識する抗体や免疫細胞をつくります。一部の免疫細胞は、以前に遭遇した病原体の情報を記憶するため、再び似たウイルスに接触したときに反応しやすくなります。

この仕組みが免疫記憶です。過去の感染歴やワクチン接種歴によって、同じようなウイルスに対する防御反応が異なることがあります。

ただし、インフルエンザウイルスは少しずつ性質を変化させます。以前に感染した経験があっても、別の性質を持つウイルスに対して十分な免疫が働くとは限りません。

2.ウイルスに接触する機会が少ない

インフルエンザにかかるかどうかは、本人の免疫だけで決まるわけではありません。感染者と接触する頻度や、生活する環境も大きく関係します。

例えば、通勤や通学で混雑した交通機関を利用する人と、自宅中心で仕事をする人では、感染者と接触する機会が異なります。家族に小さな子どもがいる家庭や、多くの人と接する仕事に就いている人も、感染者と接触する場面が増える可能性があります。

感染機会が少なければ、ウイルスにさらされる確率も低くなります。毎年インフルエンザにかからない人が、必ずしも特別な免疫を持っているとは限らない理由の一つです。

3.感染しても症状が軽い、または自覚症状がない

インフルエンザウイルスに感染した人が、全員同じ症状を経験するわけではありません。

高熱や関節痛などがはっきり出る人もいれば、軽い喉の違和感や鼻水程度で回復する人、ほとんど症状が現れない人もいます。

本人がインフルエンザだと気づかなければ、後から振り返ったときに「今年もかからなかった」と認識することがあります。

4.睡眠や栄養など生活習慣が比較的安定している

十分な休養とバランスの取れた食事は、免疫機能を正常に維持するための基本です。

睡眠不足や過度な疲労が続いている人は、感染症への抵抗力を十分に保てない可能性があります。一方、生活リズムが安定している人は、体調管理を継続しやすいという利点があります。

ただし、健康的な生活を送っていればインフルエンザに感染しないという意味ではありません。生活習慣は感染リスクを管理するための土台であり、ワクチンや感染対策の代わりにはならない点に注意が必要です。

【体質と免疫の関係】インフルエンザにかかりにくい人は生まれつき違うのか

「インフルエンザにかかりにくい体質」という表現はよく使われますが、医学的に誰にでも当てはまる特定の体質が確立されているわけではありません。

感染への抵抗力には、自然免疫、獲得免疫、気道の粘膜による防御、年齢、過去の感染歴など、さまざまな要素が関係します。

免疫力が強い人なら感染しないというのは誤解

免疫には、大きく分けて自然免疫と獲得免疫があります。

自然免疫は、病原体が体内に侵入した際に、比較的早い段階で働く防御機能です。皮膚や粘膜、免疫細胞などが関係し、体に侵入してきた異物に対応します。

獲得免疫は、特定の病原体を認識して反応する仕組みです。抗体をつくるB細胞や、感染した細胞に対応するT細胞などが関係します。過去の感染やワクチン接種によって形成される免疫記憶も、この仕組みと深く結びついています。

重要なのは、免疫力という言葉だけで感染のしやすさを判断できないことです。免疫機能が正常でも、ウイルスへの曝露量や感染するウイルスの種類によっては感染する可能性があります。

気道の粘膜も感染防御に関係する

インフルエンザウイルスは、主に鼻や口などから体内に侵入します。そのため、鼻や喉の粘膜は感染を防ぐ最初の防御線の一つです。

粘膜には、異物を物理的に排除する働きや、分泌型IgAなどの免疫成分による防御機能があります。

空気が乾燥すると気道粘膜の防御機能が低下しやすくなるため、室内の湿度を適切に保つことも予防対策として推奨されています。

遺伝的な違いだけで感染しない人を説明することはできない

人によって免疫反応や感染症への感受性に違いがあることは知られています。しかし、特定の遺伝子や血液型を持っていればインフルエンザに感染しないという、一般化できる医学的根拠はありません。

血液型がA型だから感染しやすい、O型だから感染しにくいといった情報だけで、自分の感染リスクを判断するのは適切ではありません。

また、体力がある人や運動習慣のある人でも感染することはあります。筋肉量や体格、見た目の健康状態だけで免疫機能を評価することもできません。

【感染・抗体・ワクチンを比較】かからない人の理由を科学的に整理

インフルエンザにかからない人の実態を理解するには、「感染」「発症」「重症化」という3つの段階を区別することが大切です。

ウイルスが体内に侵入して細胞内で増殖することが感染です。その後、発熱や喉の痛みなどの症状が現れることを発病と呼びます。さらに肺炎などの合併症が生じることが重症化です。

この3つは同じ意味ではありません。ワクチンや免疫の働きによって発病や重症化を防げても、感染そのものを完全に防げるとは限らないのです。

インフルエンザ抗体の仕組みと免疫記憶

インフルエンザウイルスの表面には、ヘマグルチニン(HA)やノイラミニダーゼ(NA)というタンパク質があります。これらは免疫システムが認識する抗原であり、体内で抗体がつくられる際の標的になります。

抗体は、特定のウイルス表面の構造を認識して結合し、ウイルスの働きを妨げる役割を持ちます。

しかし、インフルエンザウイルスは毎年少しずつ変化します。これを抗原ドリフトと呼びます。ウイルス表面の抗原が変化すると、以前につくられた抗体が新しいウイルスを十分に認識できなくなることがあります。

米国疾病予防管理センター(CDC)も、こうした抗原性の変化が、過去に感染した人やワクチン接種を受けた人が再びインフルエンザにかかる理由の一つになると説明しています。

2025年の国内研究が示した抗体価と感染リスクの関係

免疫と感染リスクの関係を考えるうえで参考になるのが、国立健康危機管理研究機構(JIHS)が2025年5月26日に公表した研究です。

この研究では、2024~2025年シーズンのA/H1N1型インフルエンザが流行する前に、医療従事者1,598人の血液中のHI抗体価を調べ、その後の感染状況との関係を分析しました。

参加者のうち、ワクチン接種を済ませていた人は1,507人でした。しかし、従来、感染防御の目安として使われてきたHI抗体価40倍以上に達していた接種者は12.7%にとどまりました。

一方、抗体価が40倍を下回っていても、抗体価が10倍未満の人と比較すると感染リスクが低くなる傾向が確認されました。

この結果は、抗体価を一つの基準だけで判断するのではなく、免疫反応の程度を総合的に見る必要性を示しています。

インフルエンザにかからない理由を比較すると?

要因・状態 免疫・感染への影響 注意したいポイント
過去の感染歴 類似したウイルスへの免疫記憶が働く可能性がある ウイルスの変化によって再感染することがある
ワクチン接種歴 発病や重症化を防ぐ効果が期待できる 感染を完全に防ぐものではない
抗体価の高さ ウイルスを認識する抗体が多いほど防御に有利な場合がある 抗体価だけで個人の感染を確実に予測できない
不顕性感染 感染していても自覚症状が現れない場合がある 感染していない状態とは異なる
感染機会の少なさ ウイルスに接触する確率が低くなる 免疫力が特別に強いとは限らない
睡眠・栄養・休養 正常な免疫機能の維持を支える 生活習慣だけで感染を防げるわけではない

なお、JIHSの研究で示された数値は、特定の医療従事者を対象にした2024~2025年シーズンの研究結果です。一般人口全体の感染予防率や、2026~2027年シーズンのワクチン有効率として、そのまま置き換えることはできません。

同研究では、HI抗体価80倍以上のグループでは観察期間中に感染者が確認されませんでしたが、このグループは56人と少数です。100%感染しないことが証明されたわけではありません。

【無症状感染との違い】インフルエンザに感染しても発症しない人がいる?

毎年インフルエンザにかからないという人の中には、実際には感染していても症状が出ていなかった人が含まれる可能性があります。

この状態は不顕性感染と呼ばれます。インフルエンザを含む急性呼吸器感染症では、感染していても症状が現れない場合や、ごく軽い症状だけで終わる場合があります。

不顕性感染と未感染は何が違う?

両者の違いは、体内でウイルスの感染が成立していたかどうかです。

未感染の場合は、ウイルスが体内で感染・増殖する状態に至っていません。一方、不顕性感染の場合は、感染が成立していても発熱や咳などの自覚症状が現れません。

また、感染していても症状が軽ければ、本人が風邪や疲労だと思い込み、インフルエンザだったことに気づかない可能性もあります。

感染しても症状が出ない人に見られる可能性がある要因

症状の現れ方には、過去の感染歴やワクチン接種歴、免疫反応、年齢、健康状態、感染したウイルスの性質など、複数の要素が関係します。

例えば、以前に似たウイルスに感染したことがある人では、免疫記憶によってウイルスへの反応が変わる可能性があります。また、ワクチンによって発病が抑えられ、感染しても症状が軽くなる場合も考えられます。

ただし、症状が出なかった理由を、本人の免疫力が高かったからと断定することはできません。

症状がなくても感染対策を意識したい理由

厚生労働省の2026年度ARI対策Q&Aでは、インフルエンザなどの感染症について、感染していても症状が現れない場合や、軽い症状にとどまる場合があると説明されています。

そのため、体調が良いからといって、感染の可能性が完全になくなるわけではありません。家族や職場で流行しているときは、手洗いや換気などの基本的な対策を続けることが大切です。

特に、高齢者、乳幼児、妊婦、基礎疾患のある人など、感染した際に重症化する可能性がある人と接するときは、体調に問題がなくても感染予防を意識する必要があります。

【2026年最新】インフルエンザにかからない人が実践したい予防習慣

2026年10月時点で、厚生労働省が示しているインフルエンザを含む急性呼吸器感染症の予防策は、特別な健康法よりも、日常生活の中で継続できる基本的な対策が中心です。

「免疫力を高める食品を食べれば大丈夫」と考えるよりも、ウイルスへの接触を減らし、体の防御機能を正常に維持することを意識しましょう。

1.睡眠時間を確保して免疫機能を維持する

睡眠は、免疫機能を正常に働かせるための重要な生活習慣です。

睡眠不足が続くと、免疫細胞の働きや体内の生理的な調整に影響が及ぶ可能性があります。睡眠と上気道感染症の関係を調べた2021年のシステマティックレビューでは、短い睡眠時間と上気道感染症の発生との関連が報告されています。

同レビューの分析では、研究で定められた通常の睡眠時間より短い睡眠は、上気道感染症の発生オッズが約1.30倍でした。また、7~9時間を基準にした分析でも、それより短い睡眠と感染症の増加との関連が確認されています。

ただし、これは上気道感染症全般に関する研究であり、インフルエンザだけを対象にした結果ではありません。睡眠時間を増やせばインフルエンザに感染しなくなるという意味でもありません。

毎日同じ時間に寝起きする、夜更かしを避ける、就寝前のスマートフォン使用を控えるなど、睡眠の質と規則性を意識することが現実的です。

2.バランスの取れた食事で体調を整える

栄養状態は、正常な免疫機能を維持するうえで欠かせません。

特定の食品だけを大量に食べるのではなく、主食、主菜、副菜を組み合わせ、タンパク質、ビタミン、ミネラルなどをバランスよく摂取することが基本です。

肉、魚、卵、大豆製品などからタンパク質を摂り、野菜や果物も取り入れると、日常の栄養バランスを整えやすくなります。

一方、特定のサプリメントや健康食品に、インフルエンザを確実に防ぐ効果があると考えるのは適切ではありません。栄養補助食品は食事の代わりではなく、過剰摂取にも注意が必要です。

3.室内の湿度を50~60%に保つ

冬場は暖房の使用などによって室内が乾燥しやすくなります。乾燥した環境では気道粘膜の防御機能が低下しやすくなるため、適切な湿度を維持することが予防策の一つです。

厚生労働省の2026年度ARI対策Q&Aでは、乾燥しやすい室内について、加湿器などを使って湿度50~60%を保つことが効果的とされています。

加湿器を使う場合は、定期的な清掃や水の交換を行い、衛生状態を保ちましょう。湿度計を設置して、過度な加湿にならないよう管理することも大切です。

4.手洗いと手指衛生を習慣化する

手洗いは、インフルエンザ予防の基本です。

外出先から帰宅したとき、食事の前、鼻をかんだ後、咳やくしゃみを手で受け止めた後などは、流水と石けんで丁寧に手を洗いましょう。

厚生労働省は、インフルエンザウイルスに対してアルコール製剤による手指衛生も有効としています。手洗いが難しい場所では、適切な手指消毒剤を利用する方法もあります。

5.人混みでは不織布マスクを活用する

流行期に人混みや繁華街へ出かける場合は、不織布マスクの着用が感染対策の一つになります。

特に、通勤ラッシュの電車、混雑した商業施設、医療機関、高齢者施設など、感染者と接触する可能性がある場所では、状況に応じてマスクを活用するとよいでしょう。

咳やくしゃみが出ている場合は、自分から周囲に感染を広げないためにも、マスクを着用するなどの咳エチケットを徹底することが重要です。

6.換気を続けて室内の空気を入れ替える

インフルエンザの感染対策では、手洗いだけでなく換気も重要です。

厚生労働省の2026年度Q&Aでは、常時換気設備や換気扇を活用して、室内の換気量を確保することが推奨されています。

窓を2か所開けられる場合は、対角線上にある窓やドアを開けると効率よく空気を入れ替えられます。窓が一つしかない場合は、ドアを開けて扇風機などを窓の外に向ける方法も紹介されています。

寒い時期に窓を大きく開けるのが難しい場合は、少しだけ開けて継続的に換気する方法もあります。暖房と換気を組み合わせ、室温にも配慮しながら実践しましょう。

7.2026~2027年シーズンのワクチン接種を検討する

インフルエンザワクチンは、感染後に発症する可能性を低減させる効果と、発症した場合の重症化を防ぐ効果が期待されています。

2026年度の厚生労働省Q&Aでは、日本のインフルエンザ流行期は例年12月から翌年3月ごろで、1月末から3月上旬に流行のピークを迎える傾向があるとされています。そのため、12月中旬までに接種を終えることが望ましいと案内されています。

ワクチンは接種してすぐに十分な免疫が形成されるわけではありません。流行が始まる前に、医療機関で接種時期を相談しておくと安心です。

また、前年に接種したからといって、翌シーズンの接種が不要になるわけではありません。流行するウイルスの株が変化するため、毎年の接種を検討することが大切です。

【感染リスクの見分け方】自分はインフルエンザにかかりやすい?

インフルエンザにかかりやすいかどうかは、本人の体質だけでは判断できません。感染者との接触状況、生活環境、ワクチン接種歴、年齢、基礎疾患などを組み合わせて考える必要があります。

感染リスクを考えるためのチェックポイント

次のような状況が重なっている場合は、感染予防をより意識するとよいでしょう。

  • 家族や同居人がインフルエンザに感染している。
  • 職場や学校などでインフルエンザが流行している。
  • 混雑した交通機関や人が集まる場所を頻繁に利用する。
  • 換気が不十分な室内で長時間過ごすことが多い。
  • 睡眠不足や疲労が続いている。
  • 今シーズンのワクチン接種についてまだ検討していない。

これらは感染の可能性を考えるための目安であり、該当するから必ず感染するという意味ではありません。また、該当しないから感染しないという保証もありません。

感染リスクと重症化リスクは分けて考える

特に注意したいのが、インフルエンザに感染する可能性と、感染した場合に重症化する可能性は別の問題だということです。

厚生労働省は、高齢者や基礎疾患のある人などについて、インフルエンザに感染した場合に肺炎などの合併症を起こし、重症化する可能性があると説明しています。

乳幼児や高齢者、免疫機能が低下している人なども、体調の変化に注意する必要があります。

自分はこれまでインフルエンザにかかったことがないから大丈夫、と考えて予防接種や感染対策を軽視することは避けたいところです。

発熱や全身症状が出た場合の対応

インフルエンザでは、38度以上の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、強い倦怠感などが比較的急速に現れることがあります。喉の痛み、鼻水、咳などが伴う場合もあります。

こうした症状が出た場合は、無理をして出勤・登校せず、人混みへの外出を控えましょう。受診する場合は、事前に医療機関へ電話などで相談し、指示に従うことが大切です。

高熱が続く、呼吸が苦しい、意識状態がおかしいなどの症状がある場合は、早めに医療機関を受診してください。特に高齢者、乳幼児、基礎疾患のある人、妊婦などは、症状が軽く見えても早めに相談することが望まれます。

【インフルエンザにかからない人の真相】よくある誤解を検証

インフルエンザにかからない人については、健康法や体質に関するさまざまな情報が広まっています。しかし、実際の予防効果と結びつけて考えるには注意が必要です。

誤解1:毎年かからない人は免疫力が特別に強い

毎年感染しない人でも、免疫力が特別に強いとは限りません。感染者と接触する機会が少なかったり、感染しても症状が出なかったりする可能性があります。

過去の感染やワクチン接種による免疫も関係しますが、インフルエンザウイルスは変化するため、以前の免疫が将来の感染を完全に防ぐとは限りません。

誤解2:一度インフルエンザにかかれば二度とかからない

これは誤りです。

インフルエンザにはA型やB型など複数の種類があり、さらに同じ型の中でもウイルスの性質が変化します。過去にA型に感染した人が、その後B型に感染することもあります。

同じシーズンに複数の異なるウイルスに感染する可能性もあるため、一度感染した経験を理由に予防をやめるべきではありません。

誤解3:ワクチンを接種すれば絶対に感染しない

インフルエンザワクチンは、感染を完全に防ぐものではありません。

厚生労働省の2026年度Q&Aでは、ウイルスが体内に侵入して細胞内で増殖する「感染」を、現行のワクチンで完全に抑えることはできないと説明されています。一方、発病を防ぐ効果や、発病後の重症化を防ぐ効果は期待されています。

したがって、ワクチンを接種した後も手洗いや換気、体調管理などを続けることが大切です。

誤解4:健康食品や特定の食材でインフルエンザを予防できる

ヨーグルト、納豆、ニンニク、ビタミンCを含む食品などは、健康的な食生活の一部として取り入れられます。しかし、特定の食品を食べるだけでインフルエンザに感染しなくなるという十分な根拠はありません。

食事は栄養バランスを整えることを基本とし、感染予防についてはワクチンや手洗い、換気など、効果が認められている対策を優先しましょう。

誤解5:熱が出なければインフルエンザではない

インフルエンザでは高熱が典型的な症状ですが、必ずしも全員に同じ症状が現れるわけではありません。

発熱が目立たず、倦怠感や喉の痛みなどが中心になることもあります。症状だけでインフルエンザかどうかを確実に判断することはできないため、感染者との接触歴や体調の変化を踏まえて医療機関に相談することが大切です。

【インフルエンザにかからない人の特徴】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:インフルエンザに一度もかかったことがない人は免疫力が高いのでしょうか?

A1:必ずしもそうではありません。過去の感染やワクチンによる免疫、ウイルスへの接触機会の少なさ、感染しても症状が現れなかった可能性など、複数の理由が考えられます。感染歴がないことだけで免疫力の高さを判断することはできません。

Q2:インフルエンザにかからない体質は遺伝するのでしょうか?

A2:感染症への感受性には個人差があり、遺伝的要因が関係する可能性も研究されています。ただし、インフルエンザに絶対にかからない特定の遺伝的体質が一般的に確立されているわけではありません。

Q3:インフルエンザに感染しても症状が出ないことはありますか?

A3:あります。これを不顕性感染と呼びます。感染していても発熱や咳などの症状が出ない場合や、軽い症状だけで経過する場合があります。症状がないことと感染していないことは同じではありません。

Q4:過去にインフルエンザにかかった人は翌年も感染しにくいですか?

A4:以前に感染したウイルスと似た株に対しては、免疫記憶が働く可能性があります。しかし、ウイルスは変化するため、過去の感染だけで翌年の感染を防げるとは限りません。毎シーズンの予防対策が必要です。

Q5:ワクチンを接種していればインフルエンザにかかりませんか?

A5:ワクチンを接種しても感染する可能性はあります。ただし、発病する可能性を低減させる効果や、重症化を防ぐ効果が期待されています。接種後も手洗い、換気、必要に応じたマスク着用を続けましょう。

Q6:睡眠時間を増やせばインフルエンザにかかりにくくなりますか?

A6:十分な睡眠は正常な免疫機能の維持に役立ちます。睡眠不足と上気道感染症の発生との関連を示した研究もあります。ただし、睡眠時間を増やすだけでインフルエンザ感染を防げるわけではありません。休養、栄養、ワクチン、感染対策を組み合わせることが大切です。

Q7:2026年のインフルエンザ予防で特に意識したいことは何ですか?

A7:2026年度の厚生労働省の対策では、ワクチン接種、流水と石けんによる手洗い、湿度50~60%の維持、十分な休養と栄養、換気、人混みでの不織布マスクの活用などが示されています。流行状況や個人の健康状態に合わせて対策を組み合わせましょう。

まとめ:インフルエンザにかからない人の特徴を知り、2026年も感染対策を続けよう

インフルエンザにかからない人には、過去の感染やワクチン接種によって形成された免疫、ウイルスへの接触機会の少なさ、生活環境、睡眠や栄養など、さまざまな要因が関係しています。

一方、毎年インフルエンザにかからないように見える人が、実際には不顕性感染を経験している可能性もあります。症状が出なかったことと、ウイルスに感染しなかったことは区別しなければなりません。

特に注目したいのは、2025年に国立健康危機管理研究機構が発表した医療従事者を対象とする研究です。抗体価と感染リスクの間には関係が確認されましたが、従来の目安を下回る抗体価でも一定の感染予防効果が見られました。免疫の働きは単純な数値だけでは判断できないことが分かります。

2026年の予防対策では、ワクチン接種を検討することに加え、睡眠、栄養、手洗い、適度な湿度、換気などを日常生活に取り入れることが大切です。特別な体質を手に入れようとするよりも、感染する機会を減らし、体の防御機能を正常に保つことが現実的な方法です。

「自分は今まで一度もかかったことがないから大丈夫」と過信せず、毎シーズンの流行状況に応じて予防を続けましょう。自分だけでなく、家族や周囲の人を守ることにもつながります。

主な参考資料:厚生労働省「令和8年度冬季 急性呼吸器感染症(ARI)総合対策に関するQ&A」「インフルエンザ(総合ページ)」「インフルエンザワクチン(季節性)」、国立健康危機管理研究機構「2024/2025年シーズンのインフルエンザ流行下における医療従事者のインフルエンザワクチン接種後の抗体価と感染リスクとの関連」(2025年5月26日発表)、米国疾病予防管理センター(CDC)「How Flu Viruses Can Change」「Human Serology & Flu」、Family Practice掲載「The relationship between duration and quality of sleep and upper respiratory tract infections: a systematic review」(2021年)。