DHとは野球で何をする?指名打者の意味・ルールと2027年の変更点を徹底解説
野球中継やスポーツニュースで目にする「DH」とは、何を意味するのでしょうか。DHは「Designated Hitter」の略称で、日本語では「指名打者」と呼ばれます。投手の代わりに打撃を専門とする選手を打順に入れられる制度で、守備を担当する投手と攻撃を担当する打者の役割を分ける仕組みです。
2026年は、日本野球にとってDH制度が大きく広がる節目の年です。高校野球や東京六大学野球などで導入が始まり、プロ野球のセ・リーグも2027年シーズンからの採用を正式決定しました。この記事では、DHの意味や具体的なルール、大谷翔平選手にも関係する「大谷ルール」、導入のメリット・デメリット、最新ニュースやネットの反応まで詳しく解説します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- DHの意味:投手の代わりに打席に立つ指名打者。守備には基本的につかず、打撃を専門に担当する。
- 2026年の最新情報:高校野球や東京六大学野球などでDH制が採用され、セ・リーグは2027年から導入する。
- 注目ポイント:大谷翔平選手のように投手とDHを兼任できる特例があり、選手起用や監督の采配にも影響する。
【基本解説】DHとは野球で何の略?指名打者の意味と役割
DHとは「Designated Hitter(デジグネイテッド・ヒッター)」の略で、日本語では指名打者を意味します。簡単に説明すると、投手の代わりに攻撃専門の選手を打順に組み込む制度です。
通常の野球では、投手もほかの野手と同じように打席に立ちます。しかし、DH制を採用した試合では、投手はマウンドでの投球に専念し、別の選手がその打順で打撃を担当します。
DHは守備をしない打撃専門の選手
DHの最大の特徴は、打撃と守備の役割が分かれていることです。
例えば、チームの先発投手が打撃を苦手としている場合、その選手の代わりに長打力のある野手をDHとして起用できます。投手は引き続きマウンドを守り、DHは攻撃時に打席へ立ちます。
ここで覚えておきたいのは、DHを採用しても守備につく選手が10人になるわけではないという点です。守備は従来どおり9人で行い、打順も9人で構成されます。
つまり、DHは守備人数を増やす制度ではなく、投手の打撃を専門打者に置き換える制度なのです。
DHと通常の野手は何が違う?

DHと一般的な野手の違いは、主に守備の担当範囲と選手起用の目的にあります。
- DH:投手の代わりに打席へ立つ打撃専門の選手。
- 通常の野手:打撃だけでなく、内野や外野などの守備も担当する選手。
- 投手:マウンドで相手打者に投球し、DH制では原則として自分の代わりに打つ選手を起用する。
DHには、長打力のある選手や、守備負担を軽減して打撃に集中させたいベテラン選手などが起用されます。チームにとっては、守備能力だけでは出場機会を得にくかった打撃型選手を活用できる利点があります。
【ルール詳細】DH制の仕組みと交代・消滅する条件を解説
DH制は単に投手と打者を入れ替えるだけではありません。試合前の申告や代打・代走、守備位置の変更など、細かなルールが定められています。
1.DHは試合開始前に決める
DHを採用する場合、原則として試合開始前に打順表へ指名打者と打順を記載して申告します。試合が始まってから新たにDHを追加することはできません。
また、試合開始時に指名されたDHは、原則として相手の先発投手に対して少なくとも1度は打撃を完了する必要があります。ただし、相手の先発投手がその前に交代した場合などには例外があります。
2.DHにも代打や代走を送れる
DHが打席に立つ際、監督は代打を送ることができます。また、出塁したDHに代走を送ることも可能です。
この場合、代打や代走として出場した選手が、そのままDHの役割を引き継ぎます。DHの打順は維持されるため、通常の選手交代と同様に戦略的な起用ができます。
3.DH制が消滅するケースもある
DH制には、試合途中で役割が消滅する重要なルールがあります。
- DHが守備位置についた場合。
- 投手がマウンドを離れて別の守備位置についた場合。
- 野手が投手に交代した場合。
- 投手がDHの代打や代走として出場した場合。
- 代打や代走で出場した選手が、そのまま投手になった場合。
例えば、DHとして出場していた選手を外野の守備につかせると、DHの役割は消滅します。その後は投手も打順に入らなければなりません。
このように、DH制を維持するか、途中で解除するかによって選手交代の選択肢が変わります。監督やコーチにとっては、試合展開を左右する重要な判断材料です。
【歴史と最新情報】日本のプロ野球・高校野球でDHはいつから?
DH制度の歴史はアメリカにさかのぼります。日本ではパ・リーグが先行して採用し、長年にわたってセ・リーグとの大きなルールの違いになっていました。
DH制度の導入から2027年までの流れ
アメリカのメジャーリーグでは1973年にアメリカン・リーグがDH制を導入しました。日本のプロ野球では1975年からパ・リーグが採用しています。
その後、国際大会や海外リーグでもDH制が広がり、2022年にはMLBのナショナル・リーグも正式に導入しました。これにより、MLBは両リーグ共通のDH制度へ移行しています。
日本でも2026年から高校野球や東京六大学野球などで制度が導入され、プロ野球のセ・リーグも2027年から採用することになりました。
2026年時点のDH制度を比較
| リーグ・団体 | 導入時期 | 2026年の状況 | 制度上の位置付け |
|---|---|---|---|
| MLBアメリカン・リーグ | 1973年 | 採用中 | DH制の先行導入 |
| NPBパ・リーグ | 1975年 | 採用中 | 日本プロ野球で先行 |
| MLBナショナル・リーグ | 2022年 | 採用中 | MLB全体で制度統一 |
| NPBセ・リーグ | 2027年予定 | 未導入 | 2026年は移行準備期間 |
| 日本高等学校野球連盟 | 2026年 | 採用中 | 高校野球に導入 |
| 東京六大学野球連盟 | 2026年 | 採用中 | 春季リーグ戦から導入 |
| 関西学生野球連盟 | 2026年 | 採用中 | アマチュア野球の制度変更 |
セ・リーグのDH制は2027年から正式スタート
大きな転換点となったのが、2025年8月4日の発表です。
セ・リーグは同日の理事会で、2027年シーズンから指名打者制度を採用することを正式決定しました。対象となるのは巨人、阪神、DeNA、広島、中日、ヤクルトの6球団です。
それまでセ・リーグは、投手も打席に立つ「9人野球」の伝統を守ってきました。一方で、パ・リーグとのルールの違いや国際大会への対応、アマチュア球界の変化などを踏まえ、制度変更を決断しました。
NPBの公式発表では、2026年を新制度への準備期間と位置付けています。したがって、2026年のセ・リーグ公式戦では従来どおり投手も打席に立ちます。
NPBが2026年9月25日に掲載した記録員コラムでも、2026年はセ・リーグの投手にとって打席に立つ最後のシーズンになる可能性があると紹介されました。長年続いた野球の風景が変わる節目として注目されています。
【大谷翔平との関係】大谷ルールとは?投手とDHを兼任できる仕組み
DH制度を語るうえで欠かせないのが、大谷翔平選手の存在です。一般的にDHは打撃専門、投手は投球専門ですが、大谷選手のような二刀流選手には特別なルールが適用されます。
大谷ルールとは何か
いわゆる「大谷ルール」とは、先発投手がDHも兼任して出場できる特例です。野球規則5.11(b)に定められています。
この制度では、1人の選手が投手とDHという2つの役割を同時に持つことができます。
例えば、大谷選手が先発投手兼DHとして出場した場合、途中で投手として降板しても、DHとして打席に立ち続けることが可能です。
反対に、DHとしての出場を終えても、投手としての役割を継続できます。ただし、一度退いた役割に再び戻ることはできません。
大谷ルールの具体例
- 投手とDHを兼任:先発投手としてマウンドに立ちながら、打順にも入る。
- 投手だけ交代:投手を降板してもDHとして打撃を継続できる。
- DHだけ交代:打撃担当を交代しても、先発投手としての役割は継続できる。
- 両方の役割を終了:投手とDHの両方を退いた選手は、再び同じ役割に戻れない。
この仕組みは、投打両方で高い能力を発揮する選手の可能性を広げるものです。
DH制は投手の打撃機会を減らす制度ですが、大谷ルールによって二刀流選手の活躍の場を残せるようになりました。DH制と二刀流は、必ずしも相反するものではありません。
【メリット・デメリット】DH制導入で野球はどう変わる?
DH制度には、攻撃力の向上や選手の負担軽減といったメリットがあります。一方で、従来の野球にあった戦術的な駆け引きが減るという意見もあります。
DH制のメリット
1.攻撃力を高めやすい
投手の打順に打撃力の高い選手を配置できるため、チーム全体の得点力を高める選択肢が増えます。長打を期待できる選手を起用することで、攻撃の幅も広がります。
2.投手の負担軽減につながる
投手は本来の役割である投球に集中しやすくなります。打席でのスイングや走塁による負担を避けられるため、コンディション管理の面でもメリットが期待できます。
3.野手の出場機会が増える
守備能力に課題があっても打撃力に優れた選手や、ベテランの強打者などに出場機会を与えられます。選手層を有効活用できる点は、チーム編成にも影響します。
4.監督が選手を起用しやすくなる
投手の打順を考慮して代打や投手交代を決める必要が少なくなり、投手の継投をより投球内容や試合展開に合わせて判断しやすくなります。
DH制のデメリット
1.投手の打撃を見る機会が減る
セ・リーグで長年親しまれてきた、投手が打席に立つ姿は基本的に見られなくなります。投手が意外な長打を放ったり、バントを決めたりする場面も少なくなります。
2.代打や投手交代の駆け引きが変化する
従来のセ・リーグでは、投手の打順が近づくと、監督は続投させるか代打を送るかを判断していました。DH制ではこの判断が減るため、従来とは異なる采配が求められます。
3.DH専門選手の育成が必要になる
DHを誰に任せるかは、チームの打撃力や選手層を左右します。守備を担当しない選手の調子を維持しながら、限られた出場機会をどう配分するかも課題です。
DH制の導入だけで、必ず得点が増えたり、若手選手が育ったりするわけではありません。実際の効果は、球団の編成方針や選手の能力、監督の起用方法によって変わります。
【ネットの反応・炎上・噂の真相】DH制に賛成と反対が分かれる理由
セ・リーグのDH制導入が発表された2025年8月4日には、SNSでも関連ワードが話題になりました。スポーツ紙各社の報道では、ファンの反応は歓迎と惜別の両方に分かれています。
賛成派は選手の出場機会と国際化を評価
DH制を歓迎する意見では、打撃力のある選手が出場しやすくなることや、投手の負担を軽減できることが評価されています。
また、MLBや国際大会とのルールの違いが小さくなるため、野球を世界共通のルールで楽しみやすくなるという見方もあります。
若手野手に新たな出場枠が生まれることを期待する声もあり、チームの選手層を厚くするきっかけとして前向きに捉えられています。
反対派はセ・リーグ独自の面白さが失われると懸念
一方、DH制に慎重なファンは、投手の打席が試合展開に与える影響を重視しています。
例えば、投手の打順が近づいた場面では、監督が投手交代を決断するか、打席に立たせるかという判断が生まれます。こうした駆け引きは、従来のセ・リーグならではの楽しみでした。
また、投手がバントを成功させたり、思いがけないヒットを打ったりする場面を惜しむ意見も報道されています。
中日・柳裕也投手の打撃を見る機会が減ることを残念がる声など、個々の選手の打撃を楽しみにしていたファンの反応も紹介されました。
DH制をめぐる炎上はあった?噂の真相
DH制の導入をめぐってSNSで賛否が交わされたのは事実ですが、制度変更そのものをめぐる議論と、特定の人物や球団に対する炎上騒動は区別する必要があります。
報道で確認できる主な論点は、伝統を残すべきか、選手の出場機会を増やすべきかという野球のルールに関する意見の違いです。制度導入をめぐる議論が、必ずしも大規模な炎上事件を意味するわけではありません。
よくあるDHの誤解を整理
- 誤解1:DHを採用すると守備選手が10人になる。
実際は守備につく選手は9人のままです。 - 誤解2:DHは絶対に守備につけない。
守備につくこと自体は可能ですが、その場合はDH制が消滅します。 - 誤解3:DHを導入すると二刀流選手は活躍できない。
大谷ルールによって、先発投手がDHを兼任することもできます。 - 誤解4:セ・リーグは2026年からDH制になる。
プロ野球のセ・リーグは2027年シーズンからです。2026年は従来のルールが適用されます。
DH制は単なる攻撃力強化の仕組みではありません。野球の戦術、選手の育成、チーム編成、観戦スタイルまで関係する制度変更です。
【プロの結論】DH制を理解すると野球観戦はもっと面白くなる
DH制を理解するうえで重要なのは、打撃専門の選手を追加する制度という表面的な説明だけで終わらせないことです。
本質的には、投手の負担と攻撃力、選手の出場機会、監督の采配という複数の要素を調整するルールです。
特に2027年からセ・リーグにもDH制が導入されることで、これまでパ・リーグとは異なっていたチーム編成や試合運びが変化していきます。
DH制の試合で注目したい3つのポイント
1.誰がDHに選ばれるか
DHの選手は、チームの攻撃方針を反映します。長打力を重視するのか、出塁率を重視するのかによって、打線の特徴が変わります。
2.DHの交代タイミング
代打や代走をどう使うか、DHを守備につかせるかによって、その後の選手起用が変わります。DHの消滅を伴う交代は、試合終盤の重要な判断になることがあります。
3.二刀流選手の活用方法
大谷ルールを活用すれば、投手としての能力と打者としての能力を両立できます。DH制の下でも、投打両方で活躍する選手がどのように起用されるかは見どころです。
DH制度は、従来の野球を否定するものではなく、選手の能力を生かすための選択肢を増やす仕組みです。伝統的な9人野球とDH制、それぞれの特徴を知ることで、試合を見る視点も広がります。
【よくある質問】DHとは野球で何を意味する?FAQ
Q1:DHとは野球で何の略ですか?
A1:DHはDesignated Hitterの略で、日本語では指名打者といいます。投手の代わりに打席へ立つ、打撃専門の選手を指します。
Q2:DHは守備をしないのですか?
A2:基本的には守備につきません。ただし、DHが守備位置につくことは可能です。その場合、DH制は消滅し、投手が打順を引き継ぐことになります。
Q3:セ・リーグのDH制はいつからですか?
A3:2027年シーズンからです。2026年のセ・リーグ公式戦では従来どおり投手も打席に立ちます。
Q4:パ・リーグのDH制はいつから始まりましたか?
A4:1975年からです。日本のプロ野球ではパ・リーグが先に指名打者制度を採用しました。
Q5:大谷ルールとは何ですか?
A5:先発投手がDHを兼任できる特例です。投手として降板した後もDHとして出場を続けられるため、投打二刀流の選手に適しています。
Q6:高校野球でもDH制は導入されていますか?
A6:はい。日本高等学校野球連盟は2026年度シーズンからDH制を採用しています。公認野球規則5.11に基づいて運用されています。
Q7:DH制を導入すると野球の得点は必ず増えますか?
A7:必ず増えるわけではありません。打撃力の高い選手を起用できる利点はありますが、得点は投手力や打線の調子、試合展開など複数の要因で決まります。
まとめ:DH制の意味と2027年のプロ野球の変化を押さえよう
DHとは、投手の代わりに打撃を担当する指名打者のことです。守備は9人のまま、攻撃時に打撃専門の選手を起用できるため、チームの攻撃力や選手起用の幅を広げられます。
2026年は高校野球や東京六大学野球などで制度が採用され、プロ野球ではパ・リーグが従来どおりDH制を継続しています。一方、セ・リーグは2027年からの導入を正式決定しており、2026年は移行前の重要なシーズンです。
また、大谷翔平選手の活躍で知られる大谷ルールによって、投手とDHを兼任する二刀流という選択肢も広がっています。
これからの野球観戦では、DHに誰を起用するのか、どのタイミングで交代するのか、そして新制度がチームの戦力にどのような変化をもたらすのかに注目してみてください。DHの意味とルールを理解すれば、野球の戦術や監督の采配をより深く楽しめます。
主な情報根拠: 日本野球機構(NPB)の2025年8月4日発表・2026年9月25日記録員コラム、日本高等学校野球連盟の公認野球規則5.11解説、MLB公式ルール解説、スポーツニッポン・日刊スポーツの報道。