悪玉コレステロールとは?基準値140mg/dL・原因・下げ方を2026年版で徹底解説
悪玉コレステロールとは、血液中でコレステロールを運ぶ働きを持つLDL(低比重リポ蛋白)に含まれるコレステロールのことです。健康診断で「LDLコレステロールが高い」と指摘された場合、気になるのが動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞との関係ではないでしょうか。
日本動脈硬化学会の「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版」では、LDLコレステロール140mg/dL以上を高LDLコレステロール血症、120〜139mg/dLを境界域高LDLコレステロール血症と定めています。2026年10月現在も、この診断基準は健康診断の結果を理解するうえで重要な指標です。ただし、基準値を超えたからといって、直ちに薬物治療が必要になるわけではありません。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 悪玉コレステロールの正体:LDLコレステロールは肝臓から全身にコレステロールを運ぶ役割を持ち、過剰になると動脈硬化の原因になる。
- 診断基準:140mg/dL以上が高LDLコレステロール血症、120〜139mg/dLが境界域高LDLコレステロール血症。
- 改善方法:飽和脂肪酸を減らし、食物繊維を増やす食事と、週150分以上を目安とした有酸素運動が対策の基本。
【まず知りたい】悪玉コレステロールとは?LDLとHDLの違い

悪玉コレステロールとは、一般的にLDLコレステロール(LDL-C)を指す言葉です。コレステロールは細胞膜やホルモン、胆汁酸などを作るために必要な脂質ですが、水に溶けないため、そのまま血液中を移動することはできません。
そこで活躍するのが、リポ蛋白と呼ばれる運搬粒子です。LDLやHDLは、このリポ蛋白の種類を表しています。
LDLコレステロールの役割

LDL(低比重リポ蛋白)は、主に肝臓から全身の組織や細胞へコレステロールを届ける役割を担います。
細胞が正常に働くためにはコレステロールが必要です。そのため、LDLそのものが身体にとって不要な物質というわけではありません。
問題になるのは、血液中のLDLコレステロールが過剰になった場合です。余分なLDLが血管壁に入り込み、蓄積すると動脈硬化を進める原因になります。このため、LDLコレステロールは悪玉コレステロールと呼ばれています。
HDLコレステロールは善玉コレステロール

一方、HDL(高比重リポ蛋白)は、全身の組織や血管壁などに存在する余分なコレステロールを回収し、肝臓へ運ぶ働きを持っています。
回収されたコレステロールは、肝臓で代謝されたり、胆汁や胆汁酸を通じて体外へ排泄されたりします。この働きから、HDLコレステロールは善玉コレステロールと呼ばれています。
悪玉と善玉の違いを比較
- LDL:肝臓から全身の細胞へコレステロールを運ぶ。過剰になると血管壁に蓄積しやすい。
- HDL:余分なコレステロールを回収して肝臓へ戻す。
- non-HDL:HDL以外の動脈硬化を促進する可能性のあるリポ蛋白に含まれるコレステロールの総量を表す。
つまり、LDLとHDLは単純に善悪で分けられるものではなく、それぞれ異なる役割を持つ運搬システムです。健康管理ではLDLを適切に管理しながら、HDLや中性脂肪なども含めて血液中の脂質全体を評価する必要があります。
この仕組みについては、日本動脈硬化学会の一般向け解説でも詳しく説明されています。
【健診結果の見方】悪玉コレステロール140mg/dL以上・境界域120〜139mg/dLの基準
健康診断でLDLコレステロールの数値を確認するとき、まず押さえておきたいのが日本動脈硬化学会の脂質異常症診断基準です。
2026年現在、一般的な診断の基準として参照される「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版」では、LDLコレステロールだけでなく、HDLコレステロール、中性脂肪、non-HDLコレステロールにも基準が設けられています。
脂質異常症の診断基準一覧
| 検査項目 | 数値の基準 | 診断上の区分 |
|---|---|---|
| LDLコレステロール | 140mg/dL以上 | 高LDLコレステロール血症 |
| LDLコレステロール | 120〜139mg/dL | 境界域高LDLコレステロール血症 |
| HDLコレステロール | 40mg/dL未満 | 低HDLコレステロール血症 |
| 中性脂肪(TG) | 空腹時150mg/dL以上・随時175mg/dL以上 | 高トリグリセライド血症 |
| non-HDLコレステロール | 170mg/dL以上 | 高non-HDLコレステロール血症 |
| non-HDLコレステロール | 150〜169mg/dL | 境界域高non-HDLコレステロール血症 |
出典:日本動脈硬化学会「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版」。厚生労働省の健康情報サイトでも同じ診断基準が紹介されています。
LDLコレステロール120〜139mg/dLは危険なのか
120〜139mg/dLは境界域高LDLコレステロール血症に該当します。
この範囲に入ったからといって、必ずしも薬による治療が必要という意味ではありません。しかし、高血圧、糖尿病、慢性腎臓病、喫煙習慣、家族歴などがある場合には、将来的な心血管疾患のリスクを慎重に評価する必要があります。
特に、境界域という言葉だけを見て安心するのは適切ではありません。ほかの危険因子と組み合わせて判断することが重要です。
non-HDLコレステロールとは?
non-HDLコレステロールは、総コレステロールからHDLコレステロールを引いた数値です。
計算式は次のとおりです。
non-HDLコレステロール=総コレステロール-HDLコレステロール
LDLだけでなく、レムナントなど動脈硬化に関係するほかのリポ蛋白に含まれるコレステロールも評価できる点が特徴です。
特に中性脂肪が400mg/dL以上の場合や、食後に採血した場合などは、LDLの算出方法に注意が必要です。こうした状況ではnon-HDLコレステロールなどを活用して評価します。
なお、空腹時採血は基本的に10時間以上絶食した状態を指します。健診結果を比較するときは、採血条件も確認しておきましょう。
【なぜ危険?】LDLコレステロールと動脈硬化の関係、高くても症状がない理由
悪玉コレステロールが問題視される最大の理由は、動脈硬化との関係です。
LDLコレステロールが長期間にわたって高い状態になると、血液中のLDL粒子が血管の内側に入り込み、そこに蓄積することで炎症反応などを引き起こします。
LDLの蓄積から動脈硬化が進むまで
動脈硬化は、血管の壁が厚く硬くなり、弾力性が失われていく状態です。
その進行には、次のような過程が関係しています。
- 第1段階:血液中のLDL粒子が血管壁の内側に入り込む。
- 第2段階:血管壁にとどまったLDLが変性し、炎症反応が起こる。
- 第3段階:マクロファージと呼ばれる免疫細胞が変性したLDLを取り込み、泡沫細胞が形成される。
- 第4段階:脂質などが蓄積してプラークと呼ばれる病変が形成され、血管の内腔が狭くなる。
- 第5段階:プラークが破綻すると血栓が形成され、血管が詰まる可能性がある。
こうした変化が心臓の冠動脈で起これば狭心症や心筋梗塞、脳の血管で起これば脳梗塞などにつながる可能性があります。
悪玉コレステロールが高いと症状は出る?
ここで知っておきたいのが、LDLコレステロールが高くても、通常は自覚症状がほとんどないという事実です。
頭痛、肩こり、疲労感、めまいなどがあっても、それだけで悪玉コレステロールが高いとは判断できません。反対に、体調に問題がなくてもLDLコレステロールが高いことは十分にあります。
そのため、症状の有無ではなく、定期的な血液検査によって数値を把握することが大切です。
例外は家族性高コレステロール血症
注意したいのが、遺伝的な要因によってLDLコレステロールが高くなる家族性高コレステロール血症(FH)です。
日本動脈硬化学会によると、ヘテロ接合体性の家族性高コレステロール血症は一般人口の約300人に1人とされる、比較的頻度の高い遺伝性疾患です。
成人では、未治療時のLDLコレステロールが180mg/dL以上であること、腱黄色腫や皮膚結節性黄色腫があること、家族にFHや早発性冠動脈疾患の人がいることなどが診断の手がかりになります。
アキレス腱が太くなる、手の甲や肘、膝などに黄色腫ができるといった特徴が現れる場合もあります。ただし、こうした外見上の変化がない人も少なくありません。
若い年代からLDLが著しく高い場合や、家族に若年性の心筋梗塞・狭心症の既往がある場合は、早めに医療機関で相談することが重要です。
【数値が上がる原因】悪玉コレステロールは食事だけでなく遺伝や年齢も関係する
LDLコレステロールが高くなる原因は、食生活だけではありません。遺伝的な体質、加齢、ホルモンの変化、生活習慣、病気など、複数の要因が関係しています。
1.飽和脂肪酸の摂りすぎ
厚生労働省の健康情報サイトでは、LDLコレステロールが高くなる食事面の主な原因として、飽和脂肪酸の過剰摂取を挙げています。
飽和脂肪酸が多い代表的な食品は次のとおりです。
- 牛肉や豚肉の脂身
- ひき肉や鶏肉の皮
- バターやラード
- 生クリームや脂肪分の多い乳製品
- パーム油やヤシ油を使った加工食品
- 洋菓子や一部のインスタント食品
これらを日常的に多く摂取している場合、食生活の見直しが改善の第一歩になります。
2.遺伝的な体質
親や兄弟など血縁者にコレステロール値が高い人がいる場合、遺伝的な体質が影響している可能性があります。
特に家族性高コレステロール血症では、生まれつきLDLを十分に処理できないため、食事や運動だけでは十分に改善しない場合があります。
このタイプは若い年代から動脈硬化が進む可能性があるため、早期発見と継続的な治療が重要です。
3.加齢や女性ホルモンの変化
女性は更年期以降、女性ホルモンであるエストロゲンの減少に伴ってLDLコレステロールが上昇しやすくなります。
これまで健康診断で問題がなかった人でも、閉経前後から数値が変化することがあります。
年齢による変化を単純に老化として片付けず、健診結果を継続的に比較することが大切です。
4.運動不足や肥満
運動不足や内臓脂肪の蓄積は、脂質代謝に悪影響を与えます。
特に肥満やメタボリックシンドロームでは、中性脂肪が増えたりHDLコレステロールが低下したりするなど、脂質全体のバランスが崩れやすくなります。
5.病気や薬剤の影響
甲状腺機能低下症、腎臓の病気、肝臓や胆道の病気などが脂質異常の背景にある場合もあります。また、服用している薬剤が脂質の数値に影響することもあります。
食事や運動を改善しても数値が下がらない場合には、こうした二次的な原因がないかを医師に確認してもらうことが重要です。
【今日からできる】悪玉コレステロールを下げる食事と運動の具体策
LDLコレステロールの改善には、食事と運動を組み合わせた生活習慣の見直しが基本です。
ただし、極端な食事制限や過度な運動を始める必要はありません。日常生活の中で継続できる方法を選ぶことがポイントです。
悪玉コレステロールを下げる食事の基本
食事改善で最初に取り組みたいのが、飽和脂肪酸を減らし、不飽和脂肪酸や食物繊維を取り入れることです。
積極的に取り入れたい食品
- 青魚:サバ、イワシ、サンマなど。EPAやDHAなどのn-3系多価不飽和脂肪酸を含む。
- 大豆製品:納豆、豆腐、豆乳など。植物性たんぱく質を摂取できる。
- 野菜:ブロッコリー、キャベツ、葉物野菜など。食物繊維を補える。
- 海藻:わかめ、昆布、ひじきなど。食物繊維を含む。
- きのこ:しいたけ、しめじ、えのきなど。食物繊維を摂取できる。
- 未精製穀類:玄米、麦飯、雑穀など。白米だけの食事より食物繊維を取り入れやすい。
摂りすぎに注意したい食品
- 脂身の多い肉や加工肉
- バター、ラード、生クリーム
- 脂肪分の多い洋菓子
- パーム油やヤシ油を多く含む加工食品
- 工業的に作られたトランス脂肪酸を多く含む食品
飽和脂肪酸を減らすだけでなく置き換える
食事改善で重要なのは、単純に脂質をすべて減らすことではありません。
例えば、脂身の多い肉を魚や大豆製品に置き換える、バターを多用する調理を植物油中心に変えるといった方法があります。
日本動脈硬化学会の診療Q&Aでも、飽和脂肪酸を減らして多価不飽和脂肪酸に置き換えることがLDLコレステロールの改善につながると説明されています。
また、食物繊維にはコレステロールや胆汁酸の吸収・再吸収に関係する働きがあり、LDLコレステロールの低下に役立ちます。
卵は完全に食べてはいけない?
悪玉コレステロールが高い人の食事で、特に誤解されやすいのが卵です。
卵黄にはコレステロールが含まれていますが、食事から摂取するコレステロールが血液中のLDLに与える影響には個人差があります。
日本動脈硬化学会も、食事中のコレステロールだけを問題にするのではなく、飽和脂肪酸の摂取量なども含めて総合的に改善する必要があると説明しています。
そのため、卵を一律に禁止するよりも、肉の脂身やバター、加工食品などを含めた食生活全体を見直すことが大切です。
LDLコレステロールを下げる運動
食事と並んで重要なのが、定期的な身体活動です。
日本動脈硬化学会の2022年版ガイドラインでは、成人に対して中強度以上の有酸素運動を週150分以上、または1日合計30分以上を週3回以上実施することを推奨しています。
具体的には次のような運動が取り入れやすいでしょう。
- ウォーキング:通勤や買い物の際に歩く時間を増やす。
- 速歩:少し息が弾む程度の速さで歩く。
- サイクリング:無理のない負荷で自転車に乗る。
- 水泳:膝や腰への負担を調整しながら全身を動かす。
- 階段昇降:日常生活の中で身体活動量を増やす。
運動には中性脂肪を減らし、HDLコレステロールを増やす効果も期待できます。LDLコレステロールにも改善効果が認められていますが、運動だけで十分に数値が下がるとは限りません。
すでに心臓病などの疾患がある人、高齢者、運動習慣がほとんどない人は、無理に強度を上げず、医師に相談しながら始めることが安全です。
食事と運動を組み合わせた1日の例
- 朝食:麦飯、納豆、野菜のおかず、無糖ヨーグルト。
- 昼食:魚料理、野菜の副菜、玄米や雑穀ご飯。
- 夕食:豆腐や鶏肉、野菜、きのこを使った料理。
- 間食:無塩ナッツや適量の果物。
- 運動:食後などにウォーキングを取り入れ、合計30分程度を目指す。
この献立はあくまで一例です。体格や活動量、持病、栄養状態によって必要な食事量は異なります。特に高齢者は過度な脂質制限によって低栄養にならないよう注意が必要です。
【受診の目安】健康診断で悪玉コレステロールが高かったらどうする?
健康診断でLDLコレステロールの異常を指摘された場合、次に確認したいのは、どの程度のリスクがあるかという点です。
日本動脈硬化学会の考え方では、LDLコレステロールの数値だけでなく、年齢、性別、血圧、糖尿病、喫煙、腎機能、既往歴などを踏まえて治療方針を決めます。
140mg/dL以上なら医療機関で相談
LDLコレステロールが140mg/dL以上の場合は、高LDLコレステロール血症に該当します。
まずは健診結果を持参し、内科や循環器内科などで相談することが望まれます。再検査の必要性や生活習慣の改善方法、ほかの危険因子について確認してもらいましょう。
180mg/dL以上なら遺伝性疾患にも注意
未治療時のLDLコレステロールが180mg/dL以上の場合、特に若年者や家族に早発性の心筋梗塞・狭心症がある人では、家族性高コレステロール血症の可能性も考慮されます。
この場合は、食事や運動だけで改善しようとせず、専門的な評価を受けることが大切です。
薬物治療が必要になる場合もある
LDLコレステロールを下げる薬には、スタチン、エゼチミブ、PCSK9阻害薬などがあります。
スタチンは肝臓でのコレステロール合成を抑える薬で、LDLコレステロールを低下させる代表的な治療薬です。ほかの薬剤は、腸管でのコレステロール吸収を抑えたり、LDL受容体の働きに関係する仕組みに作用したりします。
薬を使用するかどうかは、LDLの数値や動脈硬化性疾患の既往、全身のリスクなどによって判断されます。
すでに処方薬を服用している場合は、自己判断で中断したり、減量したりしないでください。
【プロの結論】悪玉コレステロールは数値だけでなく将来の血管リスクで判断する
悪玉コレステロールを管理するうえで、最も大切なのは、健康診断の数値を単独で評価しないことです。
例えば、LDLコレステロールが130mg/dLの人でも、糖尿病や高血圧、喫煙習慣などが重なっていれば、将来の心血管疾患リスクは高くなる可能性があります。一方、LDLが140mg/dL以上でも、具体的な治療方針はほかの条件を含めて決まります。
診断基準と治療目標値は別物
ここは特に間違えやすいポイントです。
140mg/dLという数値は高LDLコレステロール血症を判断するための診断基準であり、すべての人に共通する治療目標値ではありません。
日本動脈硬化学会のガイドラインでは、一次予防の場合、心血管疾患の発症リスクに応じてLDLコレステロールの管理目標値が異なります。
- 一次予防・低リスク:LDLコレステロール160mg/dL未満。
- 一次予防・中リスク:LDLコレステロール140mg/dL未満。
- 一次予防・高リスク:LDLコレステロール120mg/dL未満。
- 二次予防:冠動脈疾患の既往がある場合は100mg/dL未満を目標とし、家族性高コレステロール血症や急性冠症候群などでは70mg/dL未満を考慮する。
これらは個別の病状や治療方針によって調整される管理目標です。診断基準と混同しないことが重要です。
2026年に確認しておきたいガイドラインの位置付け
日本動脈硬化学会の公式ガイドライン掲載情報では、動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版のほか、脂質異常症診療ガイド2023年版、成人・小児の家族性高コレステロール血症に関する2025年のフォーカスアップデートなどが確認できます。
2025年の家族性高コレステロール血症に関する更新は、主にホモ接合体性FHの薬物治療に関する内容です。一般的な脂質異常症の診断基準を一律に変更したものではありません。
2026年の健康管理では、最新の診療情報を確認しつつ、LDLだけでなくHDL、中性脂肪、non-HDL、血圧、血糖値などを合わせて評価する姿勢が大切です。
見落としたくない3つの判断基準
- 基準値を超えたら:数値を放置せず、医療機関で原因とリスクを確認する。
- 若い頃から高い場合:家族性高コレステロール血症や家族歴を確認する。
- 生活改善を続けても高い場合:薬物治療を含めた適切な管理方法を医師と検討する。
食事や運動は非常に重要ですが、遺伝的な要因や既存の動脈硬化性疾患がある場合、生活習慣の改善だけでは十分でないことがあります。自分のリスクに合った管理目標を知ることが、将来の心筋梗塞や脳梗塞を防ぐための基本です。
【悪玉コレステロールとは】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:悪玉コレステロールは何mg/dLから高いと判断されますか?
A1:日本動脈硬化学会の診断基準では、LDLコレステロール140mg/dL以上が高LDLコレステロール血症です。120〜139mg/dLは境界域高LDLコレステロール血症に該当します。
Q2:悪玉コレステロール120〜139mg/dLなら問題ありませんか?
A2:必ずしも問題がないとはいえません。この範囲は境界域に分類され、高血圧、糖尿病、喫煙、家族歴などがある場合は治療の必要性を検討します。
Q3:悪玉コレステロールが高いと自覚症状はありますか?
A3:通常、自覚症状はほとんどありません。健康診断などの血液検査で初めて異常が判明することも多いため、定期的な検査が重要です。
Q4:悪玉コレステロールを下げる食べ物は何ですか?
A4:大豆製品、野菜、海藻、きのこ、未精製穀類など、食物繊維を多く含む食品がおすすめです。また、青魚や植物油などから不飽和脂肪酸を取り入れ、肉の脂身やバターなど飽和脂肪酸の多い食品を控えることも大切です。
Q5:卵を食べると悪玉コレステロールは上がりますか?
A5:卵黄にはコレステロールが含まれますが、食事中のコレステロールが血中LDLに与える影響には個人差があります。卵だけを極端に制限するのではなく、飽和脂肪酸を含めた食生活全体を見直しましょう。
Q6:悪玉コレステロールを下げるにはどのくらい運動すればよいですか?
A6:日本動脈硬化学会の推奨では、中強度以上の有酸素運動を週150分以上、または1日合計30分以上を週3回以上行うことが目安です。ウォーキングや速歩など、継続しやすい運動から始めましょう。
Q7:悪玉コレステロールが高い場合、薬を飲む必要がありますか?
A7:必ずしも全員に薬物治療が必要なわけではありません。年齢、LDLの数値、糖尿病や高血圧の有無、動脈硬化性疾患の既往などを総合的に判断します。生活習慣の改善だけでは不十分な場合や高リスクの場合は薬物治療が検討されます。
Q8:悪玉コレステロールとnon-HDLコレステロールは何が違いますか?
A8:LDLコレステロールはLDL粒子に含まれるコレステロールを表します。一方、non-HDLコレステロールは総コレステロールからHDLを差し引いた値で、LDL以外の動脈硬化に関係するリポ蛋白も含めて評価できます。診断基準は170mg/dL以上が高non-HDLコレステロール血症です。
まとめ:悪玉コレステロールは早期発見と継続的な管理が重要
悪玉コレステロールとは、LDLに含まれるコレステロールのことで、肝臓から全身の細胞へコレステロールを運ぶ役割を担っています。しかし、血液中に過剰に存在すると血管壁に蓄積し、動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞のリスクを高めます。
日本動脈硬化学会の診断基準では、LDLコレステロール140mg/dL以上が高LDLコレステロール血症、120〜139mg/dLが境界域高LDLコレステロール血症です。ただし、治療目標は一人ひとりの健康状態や心血管疾患リスクによって異なります。
改善の基本は、飽和脂肪酸を控え、食物繊維や不飽和脂肪酸を適切に取り入れる食生活と、継続的な有酸素運動です。必要に応じて医療機関で薬物治療を検討することも大切です。
悪玉コレステロールは、自覚症状がないまま動脈硬化に関係することがあります。健康診断の数値を一度確認して終わりにするのではなく、過去の結果と比較しながら継続的に管理することが、将来の健康を守る第一歩になります。
主な根拠資料: 日本動脈硬化学会「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版」「脂質異常症診療のQ&A」「成人家族性高コレステロール血症診療ガイドライン フォーカスアップデート2025」、厚生労働省「e-ヘルスネット」。