【受賞歴を検証】『花田少年史』で日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞
須賀健太の子役時代を代表するもう一つの転機が、2006年公開の映画『花田少年史 幽霊と秘密のトンネル』だ。
一色まことの漫画を原作としたこの作品で、須賀は主人公の花田一路を演じた。母親とけんかした後、事故に遭った一路が幽霊の見える不思議な能力を得て、さまざまな幽霊たちの願いに向き合っていく物語である。
母親役は篠原涼子、父親役は西村雅彦。ほかにも北村一輝、安藤希、杉本哲太、もたいまさこらが出演している。監督は水田伸生、脚本は大森寿美男が担当した。
本作は須賀にとって映画初主演作となっただけでなく、演技力を評価される大きな機会にもなった。
第30回日本アカデミー賞・新人俳優賞
2007年

対象作品:『花田少年史 幽霊と秘密のトンネル』
2006年の映画公開後、2007年に新人俳優賞を受賞。子役としての知名度だけでなく、主演俳優としての評価につながった実績だ。
出典:映画.com受賞歴、第30回日本アカデミー賞の記録
さらに、須賀は2008年に第17回日本映画批評家大賞の審査員特別演技賞も受賞している。対象作品は『ALWAYS 続・三丁目の夕日』で、小清水一揮、小池彩夢とともに評価された。
つまり、須賀の受賞歴は『花田少年史』だけではない。『ALWAYS』シリーズでも演技が評価され、異なる作品で映画界から評価を得ている。
この二つの受賞実績を並べると、須賀が子役時代に築いたキャリアの厚みがよく分かる。
【子役時代と現在を比較】須賀健太はどう変わった?
子役時代の須賀健太を知る人にとって、現在の姿は大きな変化を感じさせるものだろう。しかし、その変化は単に子どもから大人になったという外見上の話だけではない。
『ALWAYS』シリーズで見えた身体的な成長
須賀の成長を映像で追いやすい作品が『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズだ。
2005年の第1作では、吉岡秀隆演じる小説家・茶川竜之介に預けられる少年、古行淳之介を演じた。母親に置き去りにされた少年が、茶川やヒロミ(小雪)との生活を通して家族のような関係を築いていく物語の中心人物である。
2007年の『ALWAYS 続・三丁目の夕日』、2012年の『ALWAYS 三丁目の夕日'64』でも同じ役を演じた。
特に興味深いのは、映画の設定上の時間経過と、現実の須賀の成長に大きな差があったことだ。
2012年の映画公開時、日刊スポーツの報道では、第1作の撮影時から第3作までの約7年間で身長が約40センチ伸びたと紹介されている。第1作と第2作の撮影の間にも約18センチ伸びたという。
映画の中では短い期間しか経過していないのに、実際の俳優は成長期を迎えている。この変化は、長期シリーズに出演し続けた子役ならではの興味深い記録だ。
高校時代には仕事が減少。それでも俳優を続けた理由
須賀のキャリアは、子役時代から常に順風満帆だったわけではない。
2026年7月のホリプロステージのインタビューでは、高校生の頃に仕事が少なくなった時期があったと本人が振り返っている。
子役として知られていた頃のイメージと、成長した自分の年齢とのギャップに直面したこともあったという。同世代の子役仲間が芸能活動を辞めたり、部活動や進学など別の道を選んだりする時期でもあった。
その中で改めて自分が何をしたいのかを考え、純粋に芝居を続けたいという気持ちを確認したことが、再び俳優として歩み出すきっかけになった。
これは、子役から大人の俳優へ移行する難しさを考えるうえで重要なエピソードだ。幼少期に有名になった俳優は、過去の代表作や子どもの頃の印象が強く残りやすい。一方、本人は年齢とともに表現の幅を広げ、新しい役柄を獲得していく必要がある。
舞台への挑戦がキャリアを変えた
江戸川区の本人インタビューによると、須賀が舞台に挑戦したのは19歳頃からだった。
大きな転換点になったのが、2015年から2018年にかけて出演した舞台作品である。
2015年・2016年のライブ・スペクタクル『NARUTO-ナルト-』では我愛羅役を担当。その後、2016年から2018年までハイパープロジェクション演劇『ハイキュー!!』で主人公・日向翔陽を演じた。
『ハイキュー!!』は身体表現やスピード感のある演出が特徴の舞台作品。映像作品とは異なり、観客の目の前で役柄を演じ切る力が求められる。
2026年のインタビューで須賀は、映像と舞台にはそれぞれ異なる技術や感覚が必要だと説明している。舞台は物語の始まりから終わりまでを連続して演じる一方、映像は撮影順が物語の順序と一致しないこともあり、感情の流れを自分の中でつなぐ作業が必要になるという。
子役時代に培った映像演技の経験に、舞台での身体表現や観客との直接的なコミュニケーションが加わった。現在の須賀の活動領域の広さは、こうした経験の積み重ねによって形成されている。
【2026年最新】須賀健太は現在、俳優・演出家として活動
2026年の須賀健太は、俳優としての出演に加え、演出家としての活動にも力を入れている。
特に注目したいのは、2025年に立ち上げた演劇ユニットOctolibreと、2026年秋に実現した旗揚げ本公演だ。
2026年の主な舞台・活動
2026年には、劇団朱雀の公演やミュージカル『ディア・エヴァン・ハンセン』など、ジャンルの異なる舞台に参加した。
- 劇団朱雀2026公演: 4月10日~26日の東京公演、4月29日~5月10日の大阪公演に出演。早乙女太一が総合演出を担当した。
- ミュージカル『ディア・エヴァン・ハンセン』: ジャレッド役で出演。東京公演は7月25日~8月23日、愛知公演は8月29日~9月6日、大阪公演は9月10日~21日に開催された。
- 演劇ユニットOctolibre: 2025年7月に桧山征翔と立ち上げたユニット。2026年10月に旗揚げ本公演を実施。
ミュージカル『ディア・エヴァン・ハンセン』は、須賀にとって初めてのミュージカル挑戦でもあった。2026年7月のインタビューでは、30代になってから新しいジャンルに挑戦することについても語っている。
子役としてキャリアを積み、映像とストレートプレイの舞台を経験した後、ミュージカルという新たな表現方法にも取り組んだ点は、2026年の活動を象徴する出来事だ。
演劇ユニットOctolibreを結成した理由
須賀健太は、俳優・プロデューサーの桧山征翔とともに、演劇ユニットOctolibre(オクトリーブル)を立ち上げた。
公式サイトによると、結成は2025年7月。同い年で10月生まれの2人が、自由に創作し、演じられる環境を作りたいという思いを込めて名付けたユニットだ。
2026年4月には演劇イベント「2H ACT」を実施。そして同年秋、いよいよ旗揚げ本公演を迎えた。
旗揚げ公演『わる』で須賀健太が演出を担当
Octolibre旗揚げ本公演『わる』
10月24日~11月1日
会場:新宿シアターモリエール
演出
須賀健太
脚本
ガクカワサキ
出演
今江大地、吉田翔吾、佐藤智広、若林星弥、桧山征翔、たかさき、松田岳
全席指定8,800円。公演日程・出演者はOctolibre公式発表による。
『わる』は、銀行強盗を成功させた7人の男たちが、奪った1億2千万ドルの分配をめぐって対立する会話劇コメディーだ。
大金を7人で分けると割り切れないという問題から、誰が余りを受け取るのかという議論が始まり、やがて6人なら割り切れるという危険な発想にたどり着く。
須賀は本作の演出を担当。脚本はガクカワサキが手掛け、出演者には桧山征翔ら7人が名を連ねる。
10月30日には須賀、桧山、ガクカワサキによるアフタートークも設定されている。11月1日まで続く旗揚げ公演は、須賀が出演者として舞台に立つだけでなく、作品を作る側に踏み出したことを示す重要な活動だ。
2025年の結成から約1年で本公演を実現したことも、今後の演出家としての活動を考えるうえで見逃せない。
2026年7月のインタビューで語った俳優としての展望
2026年7月22日公開のホリプロステージのインタビューでは、須賀が若手俳優のワークショップにも取り組んでいることが紹介された。
若い俳優たちに演技を教えるだけではなく、本人も参加者の個性や演技から刺激を受けているという。将来的には、ホリプロ所属の俳優たちと自ら演出する作品を作りたいという展望も示している。
ここで注目したいのは、須賀が演出家への転身を宣言して俳優業を離れたわけではないことだ。ミュージカルへの初挑戦と並行して演出活動を進めており、俳優と演出家の両方を続ける姿勢が見える。
幼い頃から撮影現場で作品作りを見てきた須賀にとって、演出という仕事は、これまでの経験を別の立場から生かす挑戦でもある。
【よくある質問】須賀健太の子役時代に関するFAQ
Q1:須賀健太が子役デビューしたのは何歳で、何年ですか?
A1:4歳の頃で、1999年です。ホリプロの公式出演歴には、同年のNHK『すずらん』や日本テレビ系『夏色の恋』が記載されています。
Q2:須賀健太が子役時代にブレイクしたドラマは何ですか?
A2:2002年放送のフジテレビ系月9ドラマ『人にやさしく』です。香取慎吾、松岡充、加藤浩次らと共演し、五十嵐明役を演じました。
Q3:須賀健太は現在も俳優を続けていますか?
A3:はい。2026年も舞台やミュージカルに出演しています。また、演劇ユニットOctolibreを桧山征翔と立ち上げ、2026年10月の旗揚げ公演『わる』では演出を担当しています。
まとめ:須賀健太の子役時代は現在の俳優・演出家活動につながっている
須賀健太のキャリアは、4歳での子役デビューから始まり、2002年の『人にやさしく』での注目、2005年の『ALWAYS 三丁目の夕日』、2006年の『花田少年史』へと発展していった。
第30回日本アカデミー賞新人俳優賞という実績もあり、幼少期から映画界で高い評価を受けてきたことが分かる。
しかし、須賀の魅力は子役時代の成功だけではない。高校時代に仕事が減った経験を経て、舞台に挑戦し、『ハイキュー!!』などで活躍。2026年にはミュージカルにも挑み、演劇ユニットOctolibreの演出家として旗揚げ公演を実現した。
【プロの結論】須賀健太の本当の強みは、キャリアを更新し続ける力
須賀健太の経歴を評価する際、子役時代の知名度だけを基準にするのは十分ではない。
見るべきポイントは次の3つだ。
- 映像俳優としての実績:『人にやさしく』『ALWAYS』『花田少年史』など、幼少期から多様な作品で役柄を積み重ねてきたこと。
- 舞台俳優としての成長:『ハイキュー!!』などの舞台経験を通じて、身体表現や観客との距離感を含めた演技の幅を広げたこと。
- 演出家としての新しい挑戦:Octolibreを通じて、出演する側から作品を作る側へと活動領域を広げていること。
子役時代の面影を懐かしむだけでなく、現在の舞台や演出作品にも目を向けることで、須賀健太という俳優の成長をより深く理解できる。
2026年は、俳優としての新境地と演出家としての第一歩が重なった節目の年。4歳で始まった芸能活動が、30代で新たな創作活動へとつながっている。今後、Octolibreでどのような作品を生み出していくのかにも注目したい。
主な参考資料:ホリプロ公式プロフィール・ホリプロステージ2026年7月22日インタビュー、江戸川区公式インタビュー、フジテレビ番組情報、日本アカデミー賞受賞記録、日本映画批評家大賞公式記録、松竹映画作品情報、日刊スポーツ、Octolibre公式公演情報。