【ノミネート30語を完全網羅】トップ10に入らなかった候補も振り返る
2021年11月4日に発表されたノミネート30語には、年間大賞やトップ10に選ばれなかった言葉も含まれています。
特に注目されたのは、韓国ドラマ、ゲーム、音楽、デジタル技術、東京五輪、コロナ禍など、幅広い分野から候補が選ばれたことです。
2021年のノミネート30語一覧

公式発表に基づく候補語を、発表された順番でまとめました。
2021年ノミネート30語
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トップ10入りを逃した注目ワード
候補30語の中には、2021年の文化や生活を語るうえで欠かせない言葉もあります。
「イカゲーム」
韓国発のNetflixドラマです。2021年9月に配信が始まり、世界的な人気を獲得しました。命を懸けたゲームを題材にした作品で、日本でも大きな話題になりました。
「ウマ娘」
正式名称は「ウマ娘 プリティーダービー」。実在する競走馬をモチーフにしたキャラクターを育成するゲームです。アニメファンと競馬ファンの双方から支持を集めました。
「推し活」
好きなアイドル、俳優、アニメキャラクター、スポーツ選手などを応援する活動です。応援対象が多様化し、グッズ購入やイベント参加なども含む文化として定着しました。
「NFT」
Non-Fungible Tokenの略で、日本語では非代替性トークンと呼ばれます。ブロックチェーン技術を利用してデジタルデータの真正性や唯一性を証明する仕組みです。
「SDGs」
持続可能な開発目標のことです。環境問題、貧困、教育、ジェンダーなど、2030年までに達成を目指す17の国際目標を指します。
「13歳、真夏の大冒険」
東京オリンピックのスケートボード女子ストリートで、西矢椛選手が金メダルを獲得した際の実況フレーズです。中継を担当したフジテレビの倉田大誠アナウンサーの名実況として広まりました。
「エペジーーン」
東京五輪フェンシング男子エペ団体の金メダル獲得を象徴する言葉です。「エペ陣」と「ジーンと感動する」を掛け合わせた表現で、見延和靖選手が名付けた愛称として紹介されました。
「カエル愛」
東京五輪ボクシング女子フェザー級で金メダルを獲得した入江聖奈選手のカエル好きが話題になったことに由来します。
「チキータ」
卓球のレシーブ技術の一つです。ボールに横回転を加えて返球する技術で、伊藤美誠選手らのプレーを通じて注目されました。
「チャタンヤラクーサンクー」
東京五輪の空手競技で披露された形の名称です。清水希容選手が演武したことで注目を集めました。
「ととのう」
サウナと水風呂などを組み合わせた入浴によって得られる、心身が整ったような心地よい状態を表します。サウナブームを背景に広まりました。
「フェムテック」
女性を意味するフィメールと技術を意味するテクノロジーを組み合わせた言葉です。女性の健康課題を技術によって解決する製品やサービスを指します。
「副反応」
ワクチン接種後に起こる、免疫獲得以外の身体反応を指します。2021年は新型コロナワクチンの接種が進み、発熱や倦怠感などへの関心が高まりました。
「ピクトグラム」
情報を絵や図形で伝える視覚記号です。東京五輪の開会式で、競技種目を表すピクトグラムをパフォーマーが身体表現で再現した演出が話題になりました。
「変異株」
ウイルスの遺伝情報に変化が生じたものを指します。2021年は感染力が強いデルタ株が広がり、新型コロナウイルスの感染拡大に大きな影響を与えました。
「マリトッツォ」
イタリア・ローマ発祥の伝統菓子です。パンにたっぷりのクリームを挟んだ見た目が特徴で、日本でも2021年に人気のスイーツとなりました。
「ヤングケアラー」
家族の介護や世話を日常的に担う18歳未満の子どもを指します。子どもが本来担う必要のない大人のような責任を負うことが、社会問題として取り上げられました。
「路上飲み」
公園や道路などの屋外で飲酒する行為です。飲食店の営業時間や酒類提供に制限が設けられたコロナ禍で、社会的な議論を呼びました。
これらの候補は、必ずしも2021年に初めて生まれた言葉ばかりではありません。以前から存在していた言葉が、その年の出来事を通じて改めて広く知られるようになったケースも含まれています。
【2021年の世相を分析】コロナ禍・東京五輪・Z世代が映した社会
2021年の流行語を読み解くうえで重要なのは、候補30語が単なる話題の寄せ集めではなかったことです。
大きく分けると、感染症対策、東京五輪・パラリンピック、若者文化、社会問題という4つのテーマが浮かび上がります。
1.コロナ禍が日常生活の言葉を変えた
2021年は、新型コロナウイルスの感染拡大が続いた年でした。
前年の2020年には「3密」が年間大賞を受賞しましたが、2021年も感染症に関連する言葉が数多く登場しました。
代表的なのが次の6語です。
- 自宅療養
- 人流
- 副反応
- 変異株
- 黙食/マスク会食
- 路上飲み
これらは医療現場だけでなく、家庭、職場、飲食店、交通機関など、日常生活のあらゆる場面に関係する言葉です。
特に「人流」は、人々の行動を感染症対策という視点から捉える言葉として定着しました。
「黙食」も、それまで当たり前だった食事中の会話を控えるという、生活習慣の変化を象徴しています。
2021年の流行語には、感染症が社会の仕組みだけでなく、日常的なコミュニケーションのあり方まで変えたことが表れています。
2.東京2020オリンピック・パラリンピックが新しい言葉を生んだ
2021年に開催された東京2020大会は、スポーツ関連の流行語を数多く生み出しました。
スケートボードでは、西矢椛選手の金メダル獲得と瀬尻稜さんの解説が話題になりました。
フェンシングでは男子エペ団体が金メダルを獲得し、「エペジーーン」という言葉が注目されました。
パラリンピックでは、杉村英孝選手がボッチャで金メダルを獲得。「スギムライジング」という独自の技術名が広まりました。
また、東京五輪の開会式で披露されたピクトグラムのパフォーマンスも、国内外で話題になりました。
一方、五輪開催をめぐる社会的な議論を反映した言葉が「ぼったくり男爵」です。
つまり、2021年の五輪関連語には、選手の活躍を称賛する言葉と、大会運営への批判を表す言葉が同時に存在していました。
この対照的な構図こそ、2021年の世相を理解する重要なポイントです。
3.若者文化とインターネットが流行語の発信源になった
2021年の候補には、テレビや新聞だけではなく、SNSや動画配信サービスから広まった言葉が多く含まれています。
代表的なものが「うっせぇわ」「推し活」「Z世代」「イカゲーム」です。
特にAdoの「うっせぇわ」は、インターネット上の音楽文化から広がった楽曲が、世代を超えて認知されるようになった事例です。
また、「推し活」はアイドルに限らず、アニメ、ゲーム、スポーツ、俳優など、さまざまな対象を応援する文化を表しています。
「イカゲーム」は、国内のテレビ放送を中心としない海外配信作品が、日本の流行語候補に入ったことを示す象徴的な事例です。
こうした変化から、2021年は情報や文化の発信源が多様化した年だったことが分かります。
4.社会問題を表す言葉がトップ10に入った
「親ガチャ」「ジェンダー平等」「ヤングケアラー」は、エンターテインメントやスポーツとは異なる領域から選ばれた言葉です。
これらに共通するのは、個人の努力だけでは解決しにくい社会構造や環境の問題に関わっていることです。
「親ガチャ」は家庭環境による格差、「ジェンダー平等」は性別による機会の不均衡、「ヤングケアラー」は子どもが担う過度な家庭内負担を表しています。
流行語大賞は明るい話題だけを選ぶ賞ではありません。
その年に社会が何を問題視し、どのような言葉で議論していたかを振り返る資料としても意味があります。
【選考方法と2021年の評価】流行語大賞は単なる人気投票ではない
2021年の結果を理解するには、賞の仕組みも知っておく必要があります。
ノミネート30語からトップ10と年間大賞を選出
新語・流行語大賞は、『現代用語の基礎知識』を基盤として、その年に話題となった言葉を選び、関係する人物や団体を顕彰する賞です。
2021年は、次の選考委員が参加しました。
- 姜尚中さん(東京大学名誉教授)
- 金田一秀穂さん(杏林大学教授)
- 辛酸なめ子さん(漫画家・コラムニスト)
- 俵万智さん(歌人)
- 室井滋さん(女優・エッセイスト)
- やくみつるさん(漫画家)
- 大塚陽子さん(『現代用語の基礎知識』編集長)
ノミネート30語が発表された後、選考委員会によってトップ10と年間大賞が決定されました。
2021年は「流行語が弱かった」という評価もあった
興味深いのは、受賞結果が発表された後の選考委員の講評です。
2021年の表彰式では、一部の選考委員から、トップ10に選ばれた言葉の勢いや明るさが弱かったという趣旨の意見が出ました。
東京大学名誉教授の姜尚中さんや杏林大学教授の金田一秀穂さんらが、印象的な言葉が少なかったという見方を示しています。
歌人の俵万智さんも、コロナ関連のニュースと五輪関連のニュースが入り交じる一年だったと振り返りました。
これは、2021年の言葉が社会に浸透していなかったという意味ではありません。
むしろ、社会全体が感染症対策に追われ、明るい話題と深刻な問題が同時に押し寄せていたことが、言葉の印象にも表れていたと考えられます。
2021年の流行語を振り返るときに注意したい3つのポイント
① ノミネートされた言葉がすべて2021年生まれとは限らない
「うっせぇわ」は2020年10月に発表された楽曲です。「SDGs」や「ジェンダー平等」も以前から存在していました。
新語・流行語大賞は、その年に初めて誕生した言葉だけを対象にするものではありません。
② トップ10は人気順ではない
トップ10は順位付けされたランキングではありません。年間大賞と、同じく選出された9つの言葉をまとめたものです。
SNSの投稿数や検索回数だけで順位が決まるわけではありません。
③ 受賞語は必ずしも好意的な言葉ではない
「ぼったくり男爵」や「親ガチャ」のように、批判や社会問題への問題提起を含む言葉も選ばれています。
話題になった言葉の背景まで理解することが、流行語大賞を正しく読み解くポイントです。
【流行語2021発表】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2021年の流行語大賞はいつ発表されましたか?
A1:2021年12月1日(水)です。候補となるノミネート30語は、同年11月4日に発表されました。
Q2:2021年の年間大賞は何ですか?
A2:「リアル二刀流/ショータイム」です。米大リーグのロサンゼルス・エンゼルスで投打にわたる活躍を見せた大谷翔平選手を象徴する言葉として選ばれました。
Q3:2021年の流行語大賞トップ10をすべて教えてください。
A3:以下の10語です。
1. ジェンダー平等
2. うっせぇわ
3. 親ガチャ
4. ゴン攻め/ビッタビタ
5. 人流
6. スギムライジング
7. Z世代
8. ぼったくり男爵
9. 黙食
10. リアル二刀流/ショータイム(年間大賞)
Q4:「親ガチャ」とはどういう意味ですか?
A4:生まれる家庭や親を自分で選べないことを、ゲームのガチャに例えた言葉です。家庭環境や教育機会による格差などを表す際に使われました。
Q5:「うっせぇわ」は2021年に発売された曲ですか?
A5:いいえ。Adoが歌う「うっせぇわ」は2020年10月に配信限定で発表された楽曲です。2021年に人気が広がり、流行語大賞のトップ10に選ばれました。
Q6:「ゴン攻め/ビッタビタ」は誰が使った言葉ですか?
A6:東京オリンピックのスケートボード競技で解説を担当したプロスケートボーダーの瀬尻稜さんが使った表現です。独特な解説と実況との掛け合いが話題になりました。
まとめ:2021年の流行語はスポーツの感動と社会の変化を映していた
2021年のユーキャン新語・流行語大賞は、12月1日に発表され、年間大賞には「リアル二刀流/ショータイム」が選ばれました。
大谷翔平選手の歴史的な活躍が明るい話題となる一方、トップ10には「親ガチャ」「ジェンダー平等」「人流」「黙食」など、当時の社会が抱えていた課題を表す言葉も並びました。
また、東京五輪・パラリンピックを通じて「ゴン攻め/ビッタビタ」「スギムライジング」など、競技の魅力を伝える新しい表現も広まりました。
2026年から振り返ると、2021年の流行語は単なる懐かしい言葉の一覧ではありません。感染症によって変わった生活、スポーツがもたらした感動、若者文化の広がり、社会問題への意識が凝縮された記録です。
特に年間大賞の「リアル二刀流/ショータイム」は、一人の選手の挑戦が国内外の人々に共有され、社会全体を明るくする力を持ったことを象徴しています。
2021年の流行語を知ることは、コロナ禍と東京五輪に揺れた日本社会を、当時の人々がどのような言葉で受け止めていたのかを理解することにつながります。