【実名を特定】脳外科医竹田くんのモデルは松井宏樹医師と報道
『脳外科医 竹田くん』のモデル医師として報道されているのは、松井宏樹氏です。
赤穂市民病院で脳神経外科医として勤務していた人物で、2020年1月に発生した手術中の神経損傷事故をめぐり、2024年12月に業務上過失傷害罪で在宅起訴されました。
松井宏樹医師の公表されている経歴

松井氏については、一般的な著名人のように学歴や生い立ちを網羅したプロフィールが公表されているわけではありません。
報道から確認できる主な経歴は次のとおりです。
- 2019年7月: 赤穂市民病院の脳神経外科に中途採用される。
- 2019年~2020年: 同医師が関与した手術で複数の医療事故が発生。
- 2020年3月: 病院から手術や侵襲的検査を行わないよう指示される。
- 2021年8月: 赤穂市民病院を依願退職。
- 2024年12月: 業務上過失傷害罪で在宅起訴。
- 2026年3月: 禁錮1年、執行猶予3年の有罪判決が確定。
赤穂民報の報道によると、松井氏は2019年7月から2021年8月まで同病院に在籍していました。また、2020年3月に手術禁止の指示を受けた後も、侵襲的検査などを実施していた問題が報じられています。
学歴や現在の勤務先は?
検索では、松井氏の出身大学、医師としての詳しい研修歴、専門医資格、現在の勤務先などを知りたい人も少なくありません。
しかし、これらの情報は今回確認できた報道資料からは特定できません。
有罪判決が確定したことと、医師免許が取り消されたことも同じではありません。判決記事だけから、現在の免許状態や勤務先を断定することはできません。
実名と医療事故に関する刑事責任は報道で確認できますが、私生活や未公表の職歴まで事実として扱うべきではありません。
【医療事故の実態】赤穂市民病院で何が起きたのか?8件と11件の違い
今回の問題の中心となったのは、兵庫県赤穂市にある赤穂市民病院で発生した一連の医療事故です。
特に大きな問題となったのが、2020年1月22日の腰椎手術でした。
医療用ドリルによる神経損傷事故
当時74歳だった女性患者は、脊柱管狭窄症と診断され、腰椎の一部を切除する手術を受けました。
手術では、骨を削るための医療用ドリルが使用されました。
検察側の主張や2026年の判決報道によると、問題となったのは、十分な止血が行われず、出血によって手術部位を目視しにくい状態になっていたにもかかわらず、ドリルによる切削が続けられたことです。
その結果、硬膜が損傷し、脊髄神経の一部が切断されました。
女性には両下肢の重いまひなどの後遺障害が残り、ぼうこう・直腸機能にも深刻な影響が生じました。
2026年2月の初公判では、松井被告は起訴内容について「おおむねそのとおりです」と認めています。
赤穂市民病院の医療事故はなぜ8件と11件で異なるのか
この事件を調べる際、注意したいのが医療事故の件数です。
報道には「8件」と「11件」の両方が登場します。
これは単純な数字の間違いではありません。
神戸新聞によると、病院が公表したのは同一医師が関与した8件の医療事故です。そのうち病院側が医療過誤と認めたのは1件でした。
一方、日本脳神経外科学会は、病院が認めた8件に加え、患者の予後が良くなかった別の3件も含めた11件について総括するよう求めていました。
したがって、11件すべてについて刑事裁判で医師の過失が認定されたわけではありません。
医療事故をめぐる主要な出来事・関係者一覧
| 時期・対象 | 出来事 | 確認できる内容 |
|---|---|---|
| 2019年7月 | 松井氏が採用 | 赤穂市民病院の脳神経外科に中途採用 |
| 2020年1月22日 | 神経損傷事故 | 腰椎手術中に医療用ドリルで神経を損傷 |
| 2019~2020年 | 8件の医療事故 | 病院が確認した事故。医療過誤認定は1件 |
| 2021年8月 | 依願退職 | 松井氏が病院を退職 |
| 2022年 | 11件の検証問題 | 学会が追加3件を含めた総括を要求 |
| 2023年1~7月 | 漫画公開 | 『脳外科医 竹田くん』全142話を連載 |
| 2024年12月27日 | 在宅起訴 | 業務上過失傷害罪で起訴 |
| 2025年3月5日 | 民事訴訟提起 | 漫画作者が債務不存在確認訴訟を提起 |
| 2025年5月14日 | 民事判決 | 約8900万円の損害賠償を命令 |
| 2025年6月2日 | 民事判決確定 | 控訴がなく賠償命令が確定 |
| 2026年2月20日 | 漫画作者側が不起訴 | 作者らへの刑事告訴が不起訴処分 |
| 2026年3月12日 | 刑事判決 | 禁錮1年・執行猶予3年 |
| 2026年3月27日 | 刑事判決確定 | 検察・被告側とも控訴せず |
この経緯から見えてくるのは、個別の手術ミスだけでなく、医療事故の検証、上級医による監督、病院の安全管理体制という複数の問題が重なっていたことです。
病院の管理体制にも問題が指摘された
事故をめぐっては、執刀医個人の責任だけでなく、病院の管理体制も問題視されました。
神戸新聞の2022年3月の報道では、本来開催すべき院内の医療事故調査委員会が開かれていなかったことについて、赤穂市長が市議会で認めています。
また、2022年10月には、日本脳神経外科学会が赤穂市民病院の脳神経外科について、専門医指定訓練施設の認定を停止したことが報じられました。
これは、医療安全管理体制や医療安全教育に懸念があると判断されたためです。
医療事故の再発防止は、個人の技術や注意力だけに依存するものではありません。異常を察知したときに手術を止められる仕組み、上級医が適切に介入できる環境、事故後の調査を実行する組織的な能力が問われています。
【2026年3月の有罪判決】松井宏樹氏に禁錮1年・執行猶予3年
2026年3月12日、神戸地裁姫路支部で松井被告に対する判決が言い渡されました。
判決は、禁錮1年、執行猶予3年です。
検察側の求刑は禁錮1年6か月でした。
裁判所が認定した過失の内容
赤穂民報の判決報道によると、佐藤洋幸裁判長は、事故の原因について、止血の回数が不十分だったため手術部位に血液などがたまり、どこを切削しているのか把握しにくい状況で、なおドリルによる切削を続けたことを認定しました。
被告側は、手術助手を務めた科長の吸引や指示が不適切だったことも事故の原因だと主張していました。
しかし、裁判所はその主張を退けました。
仮に助手の作業が不十分だったとしても、十分な止血ができないのであれば、ドリルによる切削を中断すべきだったという判断です。
この点は、医療事故の責任を考えるうえで重要です。
手術中に視界が確保できない状況になった場合、作業を続けることよりも安全を確保することが優先されます。裁判所は、松井被告がその基本的な注意義務を果たさなかったと判断しました。
なぜ実刑ではなく執行猶予が付いたのか
有罪判決でありながら、執行猶予が付いた理由も注目されています。
赤穂民報の報道によると、裁判所は次のような事情を考慮しました。
- 医師として働くことが事実上困難な状態になっていること。
- 民事訴訟の判決によって被害者側への賠償に応じていること。
- 法廷で過失を認め、謝罪したこと。
- 経験の乏しい医師を支援すべきチームが十分に機能していなかったこと。
特に最後の点は重要です。
裁判所は、執刀医個人の過失を認定する一方で、病院や診療科のチーム医療にも問題があったと指摘しています。
つまり、個人の刑事責任を問うだけでは、事故の背景にある組織的な問題をすべて説明できないということです。
2026年3月27日に有罪判決が確定
判決が言い渡された3月12日から約2週間後の3月27日、赤穂民報は判決確定を報じました。
松井被告は控訴せず、検察側も3月26日の期限までに控訴しませんでした。
そのため、神戸地裁姫路支部の判決が確定しています。
ここで区別しておきたいのが、刑事裁判と民事裁判です。
民事裁判では、2025年5月14日に約8900万円の損害賠償命令が出され、同年6月2日に確定しました。
刑事裁判では、2026年3月27日に有罪判決が確定しました。
両者は別々の裁判であり、賠償責任と刑事責任をそれぞれ判断したものです。
【漫画作者は誰?】脳外科医竹田くんの実在モデルと作品の違い
『脳外科医 竹田くん』は、2023年1月からインターネット上で公開されたウェブ漫画です。
脳神経外科医の竹田が地方病院に赴任し、次々と医療トラブルを起こす様子と、それを適切に管理できない病院組織の問題を描いています。
漫画作者は被害患者の親族
作者については、長い間、具体的な素性が明らかにされていませんでした。
しかし、2025年2月5日、漫画の公式掲載ブログに作者本人の声明文が掲載されました。
その声明で作者は、2020年1月22日に赤穂市民病院で起きた医療過誤の被害者の親族であることを公表しています。
また、医療事故や病院内部の状況について、関係者から直接・間接的に情報を得られる立場だったと説明しています。
作品を描いた理由として、医療事故の真相が明らかにならないまま風化することへの危機感を挙げています。
作者の実名については、一般に公開された報道上では確認できません。作者は兵庫県在住の男性として報じられています。
漫画は実話なのか、それともフィクションなのか
この点は、検索者が特に誤解しやすい部分です。
作者自身は声明の中で、作品についてフィクションであると説明しています。
実際、漫画の舞台は「赤池市民病院」という架空の病院で、実在する病院の名称とは異なります。
一方、医療事故や病院内の問題については、赤穂市民病院で起きた出来事をモチーフにしています。
両者の関係を整理すると次のようになります。
| 比較項目 | 漫画の設定 | 現実の出来事 |
|---|---|---|
| 舞台 | 赤池市民病院 | 赤穂市民病院 |
| 主人公 | 脳外科医・竹田 | モデルと報道される松井宏樹氏 |
| 医療事故 | 複数の医療トラブル | 2019年以降に複数の医療事故 |
| 病院組織 | 上級医や管理部門の問題を描写 | 病院の医療安全管理体制が問題視された |
| 作品の形式 | 架空の人物・舞台による風刺漫画 | 実際の医療事故や裁判記録が存在 |
作者は、実際の出来事を伝えるために設定の単純化や比喩的表現を用いたことも説明しています。
そのため、漫画の全エピソードを裁判で認定された事実と同一視することはできません。
一方、作品の根底にある赤穂市民病院の医療事故や組織的な問題については、実際の報道や裁判で確認された事実があります。
漫画が社会的に注目された理由
作品が注目された理由は、単に医師の医療ミスを描いていたからではありません。
特に読者の関心を集めたのは、事故を起こした個人だけでなく、その周囲にいる上級医、病院の管理職、医療安全部門などの対応まで描いていたことです。
実際の赤穂市民病院でも、事故調査委員会の開催をめぐる問題や、手術禁止の指示が十分に守られなかった問題などが報道されました。
さらに、2022年には日本脳神経外科学会による専門医指定訓練施設の認定停止も明らかになりました。
このように、漫画のテーマと現実の医療安全問題が重なったことが、作品への関心を高めた背景にあります。
【名誉毀損訴訟と不起訴】漫画作者側に何が起きたのか
2025年から2026年にかけて、『脳外科医 竹田くん』をめぐっては、名誉毀損に関する民事・刑事の手続きが進みました。
ここは混同されやすいため、別々に整理する必要があります。
2025年3月:漫画作者が大阪地裁に提訴
2025年3月5日、漫画作者は大阪地裁に訴訟を起こしました。
これは、松井氏から名誉毀損を理由とした損害賠償請求を受けた場合に備え、漫画の公開について損害賠償債務が存在しないことの確認を求める、債務不存在確認訴訟です。
弁護士ドットコムの報道によると、松井氏側は漫画の内容が名誉毀損に当たるとして発信者情報開示の手続きを進め、2024年7月には作者の氏名と住所が開示されていました。
作者側は、漫画には公共性・公益性があり、実際の資料や関係者への聞き取りなどに基づいていると主張しました。
ここで重要なのは、作者側が先に提起した裁判は、松井氏からの損害賠償請求そのものではなく、損害賠償義務が存在しないことを確認するための訴訟だという点です。
2025年7月:松井氏側が漫画作者らを刑事告訴
その後、2025年7月には、松井氏側が漫画作者、被害患者の長女、赤穂市民病院在籍当時の上司を刑事告訴したと報じられました。
告訴の内容は、名誉毀損や信用毀損に関するものです。
漫画の表現によって名誉や信用が傷つけられたという主張をめぐり、刑事手続きに発展しました。
一方、作者側には2025年3月の民事訴訟もあり、両者の法的な争いは複数の手続きに分かれていました。
2026年2月20日:漫画作者ら3人が不起訴
2026年3月2日、赤穂民報は、神戸地検姫路支部が漫画作者らを不起訴処分としていたと報じました。
不起訴の決定日は2026年2月20日です。
不起訴となったのは、漫画作者、被害患者の長女、病院在籍当時の上司の3人です。
この報道によって、漫画作者側への刑事告訴については、起訴されずに終わったことが明らかになりました。
ただし、不起訴処分は、刑事裁判で無罪判決が出たこととは異なります。また、不起訴の理由が詳細に公表されたわけでもありません。
したがって、「漫画のすべての描写が裁判所によって真実と認定された」という意味ではありません。
名誉毀損をめぐる民事訴訟はどうなった?
2026年10月時点で、確認できる重要な情報は次のとおりです。
- 2025年3月5日:漫画作者が大阪地裁に債務不存在確認訴訟を提起。
- 2026年2月20日:松井氏側による作者らへの刑事告訴が不起訴。
- 2026年3月:松井氏に対する医療事故の刑事有罪判決が確定。
この3つはそれぞれ異なる法的手続きです。
今回確認できた公開報道では、作者側が提起した民事訴訟について、その後の確定判決や終結を示す情報までは確認できません。
刑事告訴の不起訴と、民事の名誉毀損訴訟の結論は別問題です。
この区別を理解しておくと、SNSやニュースの断片的な情報に惑わされにくくなります。
【プロの結論】脳外科医竹田くん問題から見える医療安全の本質
今回の一連の出来事を整理すると、注目すべきなのは、医師個人の過失だけではありません。
むしろ、医療現場で事故を防ぐための仕組みがどこまで機能していたのかという点に、本質的な問題があります。
1. 医師個人の責任と病院組織の責任は分けて考える
2026年3月の刑事判決は、松井被告の手術中の注意義務違反を認定しました。
一方、裁判所は、経験の乏しい医師を支援すべきチームが十分に機能していなかった点にも言及しています。
つまり、医療事故を防ぐためには、個人の技量だけでなく、周囲の医療従事者が安全を確保できる体制も不可欠です。
2. 医療事故の調査と情報公開が信頼回復につながる
赤穂市民病院では、事故調査委員会の開催をめぐる問題が明らかになりました。
患者や家族にとって、事故そのものと同じくらい重要なのが、その後の説明や原因究明です。
2025年5月の民事判決でも、病院側の説明対応が十分ではなかったと指摘されています。
医療機関には、事故を隠さず、原因を検証し、再発防止につなげる責任があります。
3. 漫画の描写と裁判で確定した事実を区別する
『脳外科医 竹田くん』は、現実の医療事故を題材にしたフィクションです。
そのため、漫画の表現をそのまま現実の事件の事実認定として扱うことはできません。
一方、実際の医療事故については、病院の公表、報道、民事判決、刑事判決という複数の情報源があります。
作品をきっかけに事件を知った読者は、次の基準で情報を整理するとよいでしょう。
- 医師の刑事責任は、刑事裁判の判決で確認する。
- 損害賠償については、民事裁判の判決で確認する。
- 病院全体の問題は、病院の公表資料や外部検証資料で確認する。
- 漫画の人物設定やエピソードは、実際の裁判上の認定と区別する。
- 不起訴と無罪、民事訴訟と刑事告訴を混同しない。
この5点が、事件の全体像を理解するうえでの判断基準になります。
【脳外科医竹田くんの実名】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:脳外科医竹田くんのモデル医師の実名は?
報道では、赤穂市民病院の元脳神経外科医・松井宏樹氏とされています。
Q2:松井宏樹氏の有罪判決はいつ確定した?
2026年3月12日に禁錮1年、執行猶予3年の判決が言い渡され、3月27日に確定しました。
Q3:赤穂市民病院の医療事故は全部で何件?
病院が確認した8件に加え、日本脳神経外科学会が追加の3件を含む11件の総括を求めた経緯があります。ただし、すべてが医療過誤と認定されたわけではありません。
Q4:脳外科医竹田くんの漫画作者は誰?
2025年2月、作者は自身が被害女性の親族であることを公表しました。報道では兵庫県在住の男性とされていますが、一般に公開された実名は確認できません。
Q5:漫画作者は不起訴になった?
はい。松井氏側が漫画作者ら3人を刑事告訴していましたが、神戸地検姫路支部は2026年2月20日付で不起訴としました。
Q6:漫画は完全な実話なの?
完全な実話ではありません。架空の病院や登場人物を設定したフィクションですが、赤穂市民病院の医療事故や病院組織の問題をモチーフにしています。
Q7:松井氏は現在も医師として働いている?
2026年10月時点で、現在の勤務先や医師免許の状態を確定できる公表情報は確認できません。刑事判決の確定だけで医師免許の取消しが決まるわけではありません。
まとめ:脳外科医竹田くん問題の2026年最新情報と今後の注目点
『脳外科医 竹田くん』のモデル医師は、報道上、赤穂市民病院の元脳神経外科医・松井宏樹氏とされています。
2020年1月の医療用ドリルによる神経損傷事故をめぐっては、2025年に約8900万円の損害賠償命令が確定。そして2026年3月12日には、業務上過失傷害罪で禁錮1年、執行猶予3年の有罪判決が言い渡され、同月27日に確定しました。
一方、漫画作者らに対する刑事告訴は2026年2月20日付で不起訴となりました。作者側が提起した名誉毀損に関する民事訴訟とは、別の手続きです。
この事件が残した大きな課題は、医療事故を起こした個人の責任だけでなく、病院組織が事故を防ぎ、異常を検知し、被害者に説明し、再発を防止する仕組みをどう確立するかという点にあります。
漫画の話題性だけに注目するのではなく、実際の裁判で認定された事実、病院の管理責任、患者と家族が受けた被害を分けて理解することが、この問題を正しく捉えるために欠かせません。