【逮捕者一覧】2023年に逮捕された3人と元部員6人の捜査内容

目次

日大アメフト部の薬物事件では、2023年8月から11月にかけて現役部員3人が逮捕された。その後、2023年12月と2024年2月にも書類送検が報じられ、一連の事件で逮捕・書類送検された人数は計10人となった。

まず押さえておきたいのは、逮捕された3人と、後に書類送検された元部員6人は、刑事手続き上の立場が異なるという点だ。

2023年に逮捕された部員3人

日大アメフト部大麻メンバー

報道で実名が公表された人物については、次のように整理できる。

- 北畠成文被告:2023年8月5日に逮捕された当時3年生の部員。寮で覚醒剤成分を含む錠剤などを所持した事件で起訴され、2024年1月9日に懲役1年4カ月、執行猶予3年の有罪判決を受けた。
- 矢部鑑羅容疑者:2023年10月16日に逮捕された当時4年生の部員。大麻と認識した違法薬物を密売人から譲り受けた疑いがあり、その後、略式起訴され罰金刑を受けた。
- 藤津凜人容疑者:2023年11月27日に逮捕された当時3年生の部員。知人の密売人から大麻などの違法薬物を購入、または譲り受けた疑いで逮捕された。

これらの氏名は報道各社が伝えたものであり、日本大学の公式逮捕発表では個人名は掲載されていない。

特に北畠被告については、2023年12月1日の初公判で起訴内容を認めたことが報じられている。

裁判では、本人が高校時代から大麻を使用していた経緯や、大学入学後の寮生活について証言した。また、部内で大麻を使用していた人数について、本人の認識として10人程度との説明があった。

ただし、これは裁判での本人の証言であり、10人全員について犯罪が立証されたという意味ではない。

2024年2月、元部員6人が書類送検

事件の捜査は、現役部員の逮捕だけで終わらなかった。

2024年2月26日、警視庁薬物銃器対策課は、日大アメフト部の元部員ら20代の男女ではなく、20代の男性6人を麻薬特例法違反(規制薬物としての所持)の疑いで書類送検した。

内訳は次のとおりだ。

- 元3年生部員4人
- OB2人

容疑は2023年2月から6月ごろ、東京都内で大麻と認識しながら大麻のようなものを所持した疑いと報じられている。

この6人は、最初から全員が逮捕されたわけではない。警視庁が捜査を進めた結果、元部員らについても書類送検に至ったという経緯がある。

逮捕者・書類送検者の関係整理

時期 対象者 確認された捜査・処分
2023年8月5日 北畠成文 逮捕・起訴。有罪判決
2023年10月16日 矢部鑑羅 逮捕。略式起訴・罰金刑
2023年11月27日 藤津凜人 逮捕。麻薬特例法違反の疑い
2023年12月1日 別の部員1人 書類送検と報道
2024年2月26日 元部員・OB6人 書類送検。元3年生4人、OB2人

出典:日本大学の公式発表、テレビ朝日、日刊スポーツ、千葉日報などの報道。

このように、計10人という数字は、3人の逮捕者と、別途書類送検された7人を合わせたものとして理解する必要がある。

なお、6人の元部員については、報道された捜査情報だけから個人別の有罪・無罪や最終処分を判断することはできない。書類送検されたこと自体を犯罪の確定と受け取るべきではない。

【大麻使用は何人?】10人・20人という数字の違いを検証

検索ユーザーの関心が高いのが、「日大アメフト部では結局何人が大麻を使っていたのか」という疑問だ。

この問題には、10人と約20人という2つの数字が登場する。

約20人という数字はどこから出たのか

2023年10月17日、日刊スポーツは、日大アメフト部が前年10月に独自調査を行い、約20人に大麻使用の疑いが浮上していたと報じた。

記事によると、使用の疑いがあったのは、当時の4年生だった卒業生や、さらに年次が上のOBが中心だったという。

また、当時の中村敏英監督から大学側に実名リストが提出され、大学側も警視庁に報告していたと伝えられている。

この報道で注目すべきなのは、2023年夏の逮捕より前から、部内で薬物使用に関する情報が存在していた点だ。

10人程度という数字は裁判での証言

一方、10人程度という数字は、最初に逮捕された北畠被告が2023年12月1日の初公判で述べた内容だ。

本人の証言によれば、部内で大麻を使用していた人数は10人程度だったという。

ただし、この数字と約20人という報道は、調査の時期も情報の出所も異なる。

数字 情報の出所 意味
約20人 2023年10月の日刊スポーツ報道 大学側の独自調査で使用疑惑が浮上した人数
10人程度 2023年12月の刑事裁判での証言 北畠被告が認識していた使用人数
計10人 2024年2月の捜査報道 逮捕・書類送検された人数

使用疑惑の人数と、刑事事件で立件された人数は同じではない。

この区別をしないまま「20人が逮捕された」「10人全員が有罪になった」と理解するのは誤りだ。

2022年の自己申告が示した問題

さらに重要なのが、関東学生アメリカンフットボール連盟の規律委員会による2023年11月8日付の調査報告書だ。

同報告書によると、2022年11月27日、当時1年生だった部員が、同年7月ごろに当時の4年生3人に誘われ、学生寮で大麻と思われるものを数回使用したと申告していた。

さらに、その部員は、ほかにも複数の上級生が使用していたようだと説明した。

指導陣は、名前の挙がった部員らに聞き取りを行ったものの、全員が使用を否定。その後の対応でも、十分な追加調査が行われなかった。

規律委員会は、こうした状況を踏まえ、複数部員による薬物使用について相当に確度のある疑惑を認識していたと評価している。

ただし、同委員会自身も、すべての疑惑を立証したわけではないと報告書で説明している。

ここに事件の難しさがある。刑事事件として立件できるかどうかと、大学や運動部が教育・管理上の問題を調査する必要があるかどうかは、別の問題なのだ。

【第三者委員会が指摘した問題】薬物事件はなぜ組織問題に発展したのか

日大アメフト部の事件を理解するうえで、薬物を所持した部員の逮捕と同じくらい重要なのが、大学本部と部の指導陣による初動対応だ。

2023年8月22日、文部科学省は日本大学に指導通知を出し、第三者による徹底的な調査と、問題の原因・背景の検証を求めた。

これを受け、日本大学は8月24日、外部弁護士らで構成する第三者委員会を設置した。報告書は10月30日に文部科学省へ提出され、翌31日に公表された。

「空白の12日間」と呼ばれた対応

事件の大きな転換点となったのが、2023年7月に寮で発見された大麻とみられる植物片への対応だった。

第三者委員会の報告書や報道によると、大学側は不審物を発見した後、警視庁への報告まで12日間にわたって大学本部で保管していた。

この間、大学内部での情報共有や危機管理上の判断が適切に行われていたのかが問題になった。

特に、大学のトップに対する報告が遅れたこと、危機管理規程に沿った対応が取られなかったことなどが批判された。

第三者委員会は、組織のガバナンスが機能不全に陥っていたと指摘した。

部内の情報共有にも問題があった

大学本部だけでなく、アメフト部の指導体制にも課題があった。

関東学生アメリカンフットボール連盟の規律委員会は、部内で不祥事が起きた際の責任者や警察への相談担当者が明確になっていなかった点を問題視した。

また、指導者間で情報が正確に共有されず、特定の関係者からの説明に過度に依存したことも、対応を誤らせた原因として挙げている。

さらに、部員と指導者との間に十分なコミュニケーションが成立していなかったことや、寮内の生活環境についても検証を求めた。

2つの調査報告書は目的が異なる

ここで混同しやすいのが、日本大学の第三者委員会と関東学生連盟の規律委員会だ。

両者は別組織であり、調査対象も異なる。

- 日本大学の第三者委員会:大学本部の情報伝達、警察への連絡、組織としての判断や対応を検証。
- 関東学生連盟の規律委員会:部の指導体制、部員への対応、競技団体としての規律違反を検討。

大学側の第三者委員会の報告書は、薬物事件そのものだけでなく、大学組織が危機にどう対応したのかを検証したものだ。

一方、連盟の規律委員会は、部員個人への処分については慎重な姿勢を取りながら、団体としての日大アメフト部の対応には問題があったと判断した。

【廃部の経緯】フェニックスはなぜ活動を終えたのか

日大アメフト部は、1940年創部の伝統ある強豪チームだった。

大学日本一を決める甲子園ボウルでは21回の優勝を誇り、大学スポーツ界でも知名度の高い存在だった。

しかし、薬物事件による逮捕者の増加と、大学側の対応に対する批判を受け、チームは存続の危機に立たされた。

2023年11月から12月に廃部決定へ

2023年11月8日、関東学生アメリカンフットボール連盟は、日大アメフト部に対して戒告・譴責処分を科し、同シーズンの出場資格停止と1部BIG8への降格を決定した。

その後、11月28日の学内会議で廃部方針が示された。

現役部員らは存続を求める動きを見せたが、12月15日の臨時理事会で正式に廃部が決定。2024年1月23日に学長決裁が行われ、同月25日に大学が手続き完了を公表した。

廃部日は2023年12月15日とされ、指導陣4人も解任された。

廃部は部員全員の犯罪認定を意味しない

忘れてはならないのが、事件に関与していない学生も大きな影響を受けたという点だ。

薬物事件に関係していない部員や、入学予定者にとって、廃部は競技生活や進路に直結する問題だった。

日本大学も廃部決定の公表時に、薬物事件に関与していない在学生や入学予定者への支援を行う方針を示していた。

部員個人の刑事責任と、組織としての管理責任は分けて考える必要がある。チームが廃部になったからといって、当時の全選手が薬物事件に関与していたわけではない。

【2026年最新】日本大学アメリカンフットボール有志の会はBIG8で活動

旧フェニックスの廃部後、アメフトを続けたい学生たちが集まり、再出発を目指した。

その受け皿となったのが、2024年5月17日に活動を開始した「日本大学アメリカンフットボール有志の会」だ。

有志の会は2025年に関東学生連盟へ加盟

有志の会は、旧アメフト部の廃部後、大学の競技スポーツセンターの管理下で活動してきた。

日本大学の2025年6月24日付の発表によると、当時の会員数は選手70人、スタッフ10人の計80人だった。

2025年2月19日に大学が関東学生アメリカンフットボール連盟へ加盟申請し、同年6月17日の臨時理事会で新規加盟が承認された。

この際、連盟は有志の会の早期の競技部への移行を望むという付帯決議も示している。

大学は、不定期の薬物検査を実施し、競技スポーツセンターが厳しく管理監督する体制を取っていたと説明した。

2025年に2部から再出発、2026年は1部BIG8へ

有志の会は2025年9月、関東大学リーグ2部から公式戦に復帰した。

同年12月には、リーグ戦で2位以内を確定させ、2026年シーズンから1部BIG8へ自動昇格することが決定した。

これは旧フェニックスがそのまま復活したという意味ではない。旧部は正式に廃止されており、有志の会は新たな登録チームとして競技活動を再開したものだ。

2026年10月30日時点のBIG8成績

関東学生アメリカンフットボール連盟の2026年度公式星取表では、日本大学はBIG8のBブロックに所属している。

10月30日時点で確認できる成績は次のとおりだ。



日本大学(有志の会)
4勝0敗



4勝


勝利数


12


勝ち点

2026年BIG8・Bブロックの試合結果

対戦相手 スコア
桜美林大学 24-0
国士舘大学 34-7
明治学院大学 38-10
東海大学 53-3

出典:関東学生アメリカンフットボール連盟・2026年度公式星取表。2026年10月30日時点。

Bブロックの一次リーグでは、4戦全勝で勝ち点12を獲得し、1位となっている。

また、BIG8は2026年に10チームをA・Bの2ブロックに分ける方式を採用。各ブロック上位3チームが二次上位リーグへ進む仕組みだ。

一次リーグでの好成績は、競技面での再出発を示す材料になる。ただし、旧フェニックスの歴史や事件によって失われた信頼が、成績だけで回復するわけではない。

競技力の回復と組織としての信頼回復は、別々に評価されるべき課題だ。

【再発防止策】日大アメフト部の事件から何を変えるべきか

この事件の本質は、薬物を所持・使用した個人の問題だけではない。

大学スポーツの組織が、不祥事の情報をどう集約し、誰が判断し、どのように外部へ報告するのかという管理体制そのものが問われた。

文部科学省が求めた3つの改善

文部科学省は2023年8月22日付の指導通知で、日本大学に対して次の対応を求めた。

1. 事件の真相究明と事実関係の明確化。
2. 大学の判断・対応に問題が生じた原因や背景の検証。
3. 第三者委員会による調査と報告書の提出。

さらに、報告書を踏まえた再発防止策、法人の管理運営体制の再構築、関係者の責任の明確化も求めた。

関東学生連盟が示した再発防止の方向性

関東学生連盟の規律委員会は、報告書の中で具体的な改善策も提言している。

主な内容は次のとおりだ。

- 違法薬物の危険性について専門家による講習を行う。
- 部員と指導者の信頼関係を構築する。
- 部員や関係者が利用できる内部通報制度を整備する。
- 違法行為の疑いが生じた場合に対応する調査体制を構築する。
- 部員と指導者それぞれの責任に応じた処分を行う。

ここで重要なのは、薬物禁止の講習会だけでは再発防止として不十分だという点だ。

仮に部員が違法行為を目撃しても、指導者に相談できない環境であれば、問題は表面化しにくい。

また、指導者が問題を把握しても、大学本部への報告責任や警察への相談手順が曖昧なら、対応の遅れにつながる。

したがって、再発防止には教育、通報、調査、処分の4つを一体として整える必要がある。

有志の会に求められるのは競技以外の改革

2025年の大学発表では、有志の会は競技スポーツセンターによる管理監督、不定期の薬物検査などを実施していると説明されている。

こうした取り組みは、旧部の問題を繰り返さないための基盤となる。

一方、2026年にBIG8で勝利を重ねていることは、あくまで競技面の評価だ。

今後は、部員が安心して相談できる環境、外部からの監督、問題発生時の迅速な情報公開など、組織運営の透明性も問われることになる。

再出発の成否は、勝敗だけでなく、不祥事が起きた際に組織が正しく対応できるかどうかで判断される。

【日大アメフト部大麻メンバー】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:日大アメフト部の大麻事件で逮捕されたのは何人ですか?

A1:2023年8月から11月にかけて、現役部員3人が逮捕されました。その後、別の部員1人と元部員ら6人が書類送検され、一連の事件で逮捕・書類送検された人数は計10人と報じられています。

Q2:日大アメフト部で大麻を使用していたのは何人ですか?

A2:2023年10月には約20人に使用疑惑があったとの報道があり、同年12月の裁判では北畠被告が10人程度と証言しました。ただし、いずれも部員全員の薬物使用が刑事手続きで確定したという意味ではありません。

Q3:元部員6人は逮捕されたのですか?

A3:2024年2月26日に警視庁が元部員ら6人を書類送検したと報じられています。逮捕されたわけではなく、捜査書類などを検察に送る手続きです。

Q4:逮捕者の実名は公表されていますか?

A4:日本大学の公式発表では個人名は公表されていません。一方、一部の報道機関は北畠成文氏、矢部鑑羅氏、藤津凜人氏の名前を報じています。書類送検された元部員6人については、個人名を一律に確認できる公式公表はありません。

Q5:日大アメフト部は現在も廃部のままですか?

A5:旧アメフト部フェニックスは2023年12月15日付で廃部となりました。その後、2024年5月17日に有志の会が発足し、2025年に関東学生連盟への加盟が承認され、2026年は1部BIG8で活動しています。

Q6:2026年の日大アメフト部は何位ですか?

A6:2026年10月30日時点の関東学生連盟の公式星取表では、Bブロック1位です。一次リーグは4勝0敗、勝ち点12となっています。

Q7:有志の会は旧フェニックスと同じチームですか?

A7:旧部の学生や関係者を背景に活動していますが、組織上は別の存在です。大学が旧部を正式に廃止した後、新たに有志の会として活動を認め、関東学生連盟への新規加盟を申請しました。

まとめ:日大アメフト部の事件は逮捕者数だけでは理解できない

日大アメフト部の大麻事件では、2023年に現役部員3人が逮捕され、2024年には元部員ら6人を含む追加の書類送検が報じられた。一連の捜査で逮捕・書類送検された人数は計10人となっている。

一方、大麻使用人数については、約20人という報道や10人程度という裁判での証言があるものの、疑惑の人数と刑事事件として立件された人数を混同してはならない。

事件をさらに深刻化させたのは、2022年から存在していた使用疑惑への対応、大学本部の情報共有の遅れ、そして学生寮で見つかった不審物を12日間保管した問題だった。

旧フェニックスは廃部となったが、2024年に始動した有志の会は2025年に関東学生連盟へ加盟し、2026年には1部BIG8で4戦全勝という成績を残している。

【プロの結論】

この事件を正しく理解するためには、次の3点を区別することが欠かせない。

- 個人の刑事責任:逮捕、起訴、書類送検、有罪判決はそれぞれ異なる手続きである。
- 組織の管理責任:薬物使用疑惑を把握した後の情報共有や危機管理が問われた。
- チームの再建:有志の会のBIG8昇格は競技面の成果であり、大学やチームの信頼回復は継続的な取り組みが必要となる。

2026年の有志の会が目指すべきものは、単なる旧名門チームの復活ではない。学生が安心して競技に取り組める環境を整え、透明性のある組織として新しい歴史を築くことだ。

かつての名門フェニックスの歴史を引き継ぐのであれば、フィールド上の強さと同じくらい、組織としての誠実さが問われている。