マトリとは何者?2026年最新の仕事内容・逮捕権・警察との違いと採用条件を徹底解説
「マトリとは、どのような組織なのか」「警察と何が違うのか」「本当に逮捕する権限を持っているのか」――。ニュースやドラマ、薬物事件の報道で耳にする機会があるマトリは、厚生労働省の地方厚生局に設置された麻薬取締部、およびそこに所属する麻薬取締官を指す通称です。麻薬や覚醒剤などの薬物犯罪を捜査するだけでなく、医療用麻薬の適正な流通を監督し、薬物乱用防止の啓発活動にも携わっています。
マトリは一般的な警察組織とは異なる行政機関に所属しながら、法律に基づく司法警察員として捜査や逮捕を行える特殊な職務を担っています。2026年10月31日現在の厚生労働省の公式資料を基に、麻薬取締部の役割、警察との違い、麻薬及び向精神薬取締法第54条が定める権限、採用条件、薬剤師資格の必要性、年収まで詳しく整理します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- マトリの意味:厚生労働省の地方厚生局に置かれる麻薬取締部・麻薬取締官の通称。
- 主な仕事内容:薬物犯罪の捜査・逮捕、医療用麻薬の監督、薬物鑑定、国際捜査協力、乱用防止活動。
- 警察との違い:警察とは所属組織が異なるが、特別司法警察員として法律で定められた範囲の捜査権限を持つ。
- 逮捕権:刑事訴訟法に基づき、令状による逮捕や現行犯逮捕などを行える。
- 採用条件:国家公務員採用一般職試験の合格者、または薬剤師資格を持つ人などに採用ルートがある。
- 年収:国家公務員の給与制度に基づき、俸給や調整額、各種手当、賞与によって決まる。
【基本知識】マトリとは?麻薬取締官と麻薬取締部の意味を解説

マトリは麻薬取締官・麻薬取締部の通称
マトリとは、厚生労働省の地方厚生(支)局に設置されている麻薬取締部、または所属する麻薬取締官を指す一般的な呼び名です。
正式な組織名は「麻薬取締部」、職員の正式な名称は「麻薬取締官」です。「マトリ」は法律上の官職名ではなく、報道や日常会話などで使われる通称として定着しています。
麻薬取締部は、厚生労働省の地方支分部局である地方厚生局に属する行政組織です。警察庁や都道府県警察の一部門ではありません。
組織としての主な役割は、薬物犯罪の取締りと、医療用麻薬などの適正な管理です。違法薬物の流通を防ぐ一方、医療現場で必要とされる麻薬が正しく使用される環境を守るという、二つの側面を持っています。
麻薬取締部はどこに設置されている?
麻薬取締部は全国の地方厚生(支)局に配置されています。地域ごとに管轄を持ち、必要に応じて管轄区域を越えた捜査にも対応します。
厚生労働省の麻薬取締部公式サイトでは、薬物犯罪捜査、正規流通麻薬等の監督と指導、鑑定、海外機関との国際協力、薬物乱用防止の啓発活動、再乱用防止などを主要業務として紹介しています。
つまり、マトリは単に薬物犯罪者を捕まえるためだけの組織ではありません。薬物の製造から輸出入、流通、医療現場での使用に至るまで、幅広い領域を監視する専門機関です。
【仕事内容】麻薬取締官は何をする?5つの主要業務
1.麻薬・覚醒剤などの薬物犯罪を捜査する
麻薬取締官の中心的な仕事は、違法薬物に関係する犯罪の捜査です。
対象となるのは、麻薬、覚醒剤、大麻、向精神薬、あへん、指定薬物などに関係する犯罪です。薬物の所持や使用だけでなく、密輸、製造、譲渡、譲受け、密売なども取締りの対象になります。
捜査では、薬物犯罪に関する情報収集や関係者への事情聴取、証拠の収集、被疑者の逮捕、取調べなどを行います。
特に重要なのが、末端の薬物使用者だけでなく、その背後にある密売組織や供給ルートの解明です。国境を越える薬物犯罪については、外国の捜査機関との情報交換や協力も行います。
2.病院・薬局・製薬会社を監督する
マトリの業務には、一般的な刑事捜査とは異なる行政監督の仕事もあります。
医療用麻薬や向精神薬は、がんの痛みを和らげる鎮痛薬などとして医療現場で必要とされています。しかし、適切な管理が行われなければ、不正使用や横流しにつながる可能性があります。
そのため、麻薬取締部は病院、薬局、製薬会社などに対して立入検査や指導を実施し、医薬品の保管状況、使用状況、流通経路などを確認します。
また、麻薬や向精神薬を医薬品として取り扱うための免許・許可に関する事務も担当しています。
この業務は、薬物犯罪の摘発とは異なり、正規の医療用医薬品が安全かつ適正に流通するための仕組みを守る仕事です。
3.押収した薬物などの鑑定を行う
薬物事件の立証には、押収された物質が何であるかを科学的に確認する作業が欠かせません。
麻薬取締部には捜査部門とは別に鑑定部門があり、分析機器を活用して薬物の種類や成分などを調べます。
厚生労働省の公式資料では、薬物使用歴を把握するための毛髪分析や、薬物使用者などの特定を目的とするDNA型鑑定といった専門的な分析手法も紹介されています。
鑑定結果は、薬物犯罪の立証に関わる重要な科学的証拠になります。そのため、薬学や化学、生物学などの専門知識を持つ職員も活躍しています。
4.海外の捜査機関と連携する
違法薬物の流通は、国内だけで完結するとは限りません。海外で製造された薬物が日本に持ち込まれたり、複数の国を経由して密輸されたりするケースもあります。
こうした国際的な薬物犯罪に対処するため、麻薬取締官は外国の捜査機関などと情報交換や捜査協力を行います。
薬物犯罪の供給源や流通経路を把握するには、国内の取締機関だけでは対応できない場合があるためです。
5.薬物乱用防止の啓発・再乱用防止に取り組む
麻薬取締部は、薬物犯罪の摘発だけでなく、薬物乱用を未然に防ぐ活動にも取り組んでいます。
学校や関係機関などで薬物乱用防止に関する講演や啓発活動を行い、薬物の危険性や法律上の問題を伝えています。
さらに、薬物を再び使用しないための支援や相談対応など、再乱用防止に関係する活動も実施しています。
このように、麻薬取締官の仕事は「逮捕すること」だけではありません。薬物犯罪の供給を抑え、医療用医薬品の安全性を確保し、乱用の予防や社会復帰につなげることまで含まれています。
【徹底比較】マトリと警察の違い・麻薬取締員との関係
マトリと警察は何が違う?
マトリと警察は、どちらも薬物犯罪を取り締まる捜査機関ですが、所属する組織と職務の専門性が異なります。
警察は、都道府県警察を中心に、窃盗、詐欺、暴力犯罪、交通犯罪、薬物犯罪など、幅広い犯罪に対応します。
一方、麻薬取締官は厚生労働省の地方厚生局に所属し、薬物犯罪や医療用麻薬の管理などを専門的に担当します。
ただし、薬物事件について警察とマトリのどちらか一方しか捜査できないわけではありません。双方がそれぞれの権限に基づいて捜査し、必要に応じて連携します。
麻薬取締官と麻薬取締員の違い
混同されやすいのが「麻薬取締官」と「麻薬取締員」です。名称は似ていますが、所属する行政機関と任命する人が異なります。
麻薬取締官は厚生労働省の職員から厚生労働大臣が任命します。一方、麻薬取締員は都道府県の職員から都道府県知事が任命します。
両者とも法律に基づく司法警察員として、定められた薬物犯罪などの捜査に携わります。
組織・権限・役割の比較表
| 比較項目 | 麻薬取締官(マトリ) | 麻薬取締員 | 警察官 |
|---|---|---|---|
| 所属 | 厚生労働省・地方厚生局 | 都道府県 | 都道府県警察など |
| 任命する人 | 厚生労働大臣 | 都道府県知事 | 法令に基づく警察組織 |
| 主な役割 | 薬物犯罪捜査、医療用麻薬の監督 | 薬物犯罪の取締り | 幅広い犯罪の捜査・取締り |
| 司法警察員としての職務 | あり | あり | あり |
| 専門分野 | 薬物取締行政・薬物犯罪 | 薬物犯罪 | 刑事・交通・生活安全など |
| 指揮監督 | 厚生労働大臣 | 都道府県知事 | 警察法などに基づく警察組織 |
この比較から分かるように、マトリは警察の下部組織ではありません。厚生労働省に属する独立した行政組織の職員であり、薬物犯罪に関する専門的な捜査権限を持っています。
また、麻薬取締官と麻薬取締員は同じ法律の中で規定されているものの、任命権者と指揮監督の系統が異なります。
この組織関係を理解すると、ニュースで「マトリが捜査した」「警察と合同で摘発した」と報じられる理由も分かりやすくなります。
【法律で解説】マトリの権限とは?特別司法警察員と逮捕権の仕組み
麻薬及び向精神薬取締法第54条が根拠
麻薬取締官の法的な位置づけを理解するうえで重要なのが、麻薬及び向精神薬取締法第54条です。
同条第1項では、厚生労働省に麻薬取締官を置き、厚生労働省の職員の中から厚生労働大臣が任命することを定めています。
さらに第5項では、麻薬取締官が厚生労働大臣の指揮監督を受けながら、対象となる薬物関連法令違反などについて、刑事訴訟法上の司法警察員として職務を行うことを規定しています。
この規定が、麻薬取締官に専門的な捜査権限が認められる法的な根拠です。
特別司法警察員とは何か
特別司法警察員とは、特定の行政分野や専門領域について、法律に基づいて司法警察職員として捜査を行う職員を指す呼び方です。
一般的な警察官とは異なる行政機関に所属していても、法律で定められた犯罪について捜査できる点が特徴です。
麻薬取締官の場合、薬物関連法令に違反する犯罪などが主な対象になります。
重要なのは、「特別」という言葉が、警察官よりも無制限に強い権限を意味するわけではないことです。職務の対象は法律によって定められており、捜査手続きも刑事訴訟法などの規定に従う必要があります。
麻薬取締官に逮捕権はある?
結論からいえば、麻薬取締官には逮捕を行う権限があります。
司法警察員として職務を行うため、刑事訴訟法に基づいて、対象事件の被疑者を逮捕することができます。
主な逮捕の仕組みは次のとおりです。
- 通常逮捕:刑事訴訟法第199条に基づき、裁判官が発付した逮捕状によって逮捕する方法。
- 現行犯逮捕:同法第212条・第213条に定められた現行犯人について、逮捕状なしで逮捕する方法。
- 緊急逮捕:同法第210条に定められた重大犯罪などの要件を満たし、急速を要する場合に、法律上の手続きに従って逮捕する方法。
ただし、逮捕権があるからといって、自由に人を拘束できるわけではありません。犯罪の嫌疑や逮捕の要件、令状の有無など、法律が定める条件を満たす必要があります。
また、逮捕後も刑事訴訟法に定められた手続きに従い、被疑者の弁解の機会や検察官への送致などを適切に行わなければなりません。
捜査権限はどこまで及ぶ?
麻薬及び向精神薬取締法第54条第5項では、麻薬及び向精神薬取締法だけでなく、大麻草の栽培の規制に関する法律、あへん法、覚醒剤取締法、麻薬特例法などに関係する対象犯罪についても規定しています。
さらに、第6項では、麻薬取締官とその他の司法警察職員が職務を行う際に互いに協力することを定めています。
また、第55条では麻薬取締官が地方厚生局に属し、原則としてその管轄区域内で職務を行うことを規定する一方、捜査上必要がある場合には管轄区域外でも職務を行えるとしています。
このように、マトリの権限は法律によって明確に位置づけられており、専門性と地域を越えた捜査対応の両方を備えています。
【2026年最新】麻薬取締官になるには?採用条件・薬剤師資格・年収
麻薬取締官の採用ルートは主に2つ
麻薬取締官になるには、厚生労働省の麻薬取締部に採用される必要があります。2026年度の公式採用案内では、主に次の2つのルートが示されています。
① 国家公務員採用一般職試験ルート
国家公務員採用一般職試験(大卒程度試験)に最終合格し、麻薬取締部の採用選考や官庁訪問などを経て採用されるルートです。
2026年度の業務説明会資料では、対象となる試験区分として「行政」「教養」「デジタル・電気・電子」が案内されています。
このルートでは、薬剤師免許を持っていなくても、所定の国家公務員採用試験などの条件を満たせば採用を目指せます。
② 薬剤師の薬学系選考採用ルート
薬剤師免許を持つ人や、薬剤師国家試験の合格者・合格見込み者を対象とする選考採用です。
2026年度の薬学系選考採用試験では、1996年4月2日以降に生まれた人であること、薬剤師免許の取得が採用条件となることなどが応募要件として示されました。
薬剤師として身につけた薬学・医薬品の知識は、薬物の鑑定や医療用麻薬の監督などの業務に役立つ専門性です。
薬剤師免許は絶対に必要なのか
麻薬取締官になるために、薬剤師免許が全員に必要というわけではありません。
国家公務員採用一般職試験を経由するルートがあるため、薬剤師資格を持たない人にも採用の道があります。
一方、薬剤師としての知識を生かして採用を目指す場合には、薬学系選考採用という別のルートがあります。
つまり、麻薬取締官は薬剤師だけの職業ではなく、行政・捜査・薬学・分析などの専門性を組み合わせて薬物問題に対応する国家公務員です。
2026年10月31日時点の最新採用情報
厚生労働省の麻薬取締部公式募集ページは、2026年10月30日に更新されています。
2026年度の一般職試験ルートと薬学系選考採用については、募集終了と案内されています。
一方、10月30日に新たに掲載された募集として、鑑定部門の課長補佐級職員(一般職相当)の採用選考があります。
この募集は通常の新卒採用とは異なる専門職の中途採用で、薬品分析領域の実務経験などが求められます。
主な応募資格は次のとおりです。
- 薬学・理学・農学・工学分野の修士号取得後、薬品分析領域の業務・研究に12年以上従事した経験がある人。
- 同分野の博士号取得後、薬品分析領域の業務・研究に9年以上従事した経験がある人。
- 6年制薬学部卒業後、同領域の業務・研究に12年以上従事した経験がある人。
- 4年制薬学部・理学・農学・工学分野の学士号取得後、同領域の業務・研究に14年以上従事した経験がある人。
募集人数は1名程度で、応募受付期間は2026年11月5日から11月24日まで、採用予定日は原則として2027年4月1日以降です。
この募集は、薬物鑑定の専門性を持つ経験者を対象にしたものであり、一般的な麻薬取締官の新規採用条件とは区別して理解する必要があります。
麻薬取締官の年収はいくら?
麻薬取締官の給与は、国家公務員の給与制度に基づいて決まります。
麻薬取締部の採用に関する公式Q&Aによると、給与は行政職俸給表(一)の俸給に調整額を加え、該当する各種手当を支給する仕組みです。
給与額は採用時の学歴や職務経験、勤務する地域、役職などによって異なるため、すべての麻薬取締官に共通する年収額が決まっているわけではありません。
参考として、2026年10月30日公表の鑑定部門課長補佐級職員の募集要項には、6年制薬学部卒業後13年目、特別区勤務の場合の給与例として、月額41万3,860円が掲載されています。
この募集では、さらに要件に応じた扶養手当、地域手当、住居手当、通勤手当などが支給され、期末・勤勉手当は年間で俸給等の4.65か月分とされています。
ただし、これは経験年数のある課長補佐級職員の特定条件での給与例です。新人の麻薬取締官の初任給や平均年収として、そのまま当てはめることはできません。
年収を考える場合は、基本給だけでなく、勤務地や経験年数、役職、各種手当、賞与を合わせて判断する必要があります。
【実際の仕事と適性】麻薬取締官に向いている人・知っておきたい現実
採用後はどのようなキャリアを歩む?
麻薬取締部では、調査総務部門、捜査部門、鑑定部門などに分かれて業務を行っています。
採用後は、職務に必要な知識や技術を身につけるための研修が実施されます。麻薬取締官の採用・研修資料では、新規採用職員研修、麻薬取締職員研修、任官前職員研修などの段階が紹介されています。
任官後も、係員研修、係長級研修、課長補佐級研修、幹部研修など、経験や役職に応じた教育が用意されています。
また、警察、税関、海上保安庁、外務省の在外公館などとの人事交流も行われています。
捜査だけを続ける一本道ではなく、行政、鑑定、国際連携、組織管理など、経験に応じて専門分野を広げていくキャリアがあるのです。
勤務時間や転勤はどうなっている?
麻薬取締部の公式Q&Aでは、勤務時間は原則として1日7時間45分とされています。
基本的には土日祝日が休日ですが、薬物犯罪の捜査という仕事の性質上、業務内容によって勤務時間が変動する場合があります。休日や夜間の対応が必要になることもあります。
また、麻薬取締官は原則として全国転勤がある職種です。勤務する地域が変わる可能性を考慮して、キャリアや生活設計を考える必要があります。
麻薬取締官に向いている人の特徴
麻薬取締官を目指すうえでは、次のような適性が役立ちます。
- 正義感と法令遵守の意識がある人:強い権限を扱う仕事だからこそ、法律や手続きを厳格に守る姿勢が必要です。
- 冷静に判断できる人:捜査では予想外の状況に直面することもあり、感情に流されず判断する能力が求められます。
- 専門知識を身につける意欲がある人:薬物関連法令、薬学、化学、情報分析など、継続的な学習が必要です。
- チームで協力できる人:警察、税関、海外機関など、さまざまな関係機関との連携が欠かせません。
- 環境の変化に対応できる人:全国転勤や勤務時間の変動など、国家公務員としての働き方に対応する必要があります。
ドラマのイメージと実際の仕事は違う
マトリという言葉から、秘密捜査や派手な逮捕劇を想像する人も少なくありません。しかし、実際の仕事はそれだけではありません。
薬物犯罪の捜査に加え、書類作成、証拠の整理、法律の確認、医療機関への監督、薬物鑑定、関係機関との調整など、多くの業務があります。
特に医療用麻薬の監督や行政手続きは、薬物犯罪の摘発とは異なる専門知識と慎重さが求められる仕事です。
また、薬物犯罪の捜査では、個人の検挙だけでなく、組織的な密輸・密売の実態を解明する視点も必要です。
そのため、単に逮捕や捜査に憧れているだけではなく、法令、行政、科学、国際協力などを含む幅広い業務に関心を持てるかどうかが、職業選択の判断材料になります。
マトリに関するよくある質問(FAQ)
Q1:マトリとは警察のことですか?
A1:いいえ。マトリは厚生労働省の地方厚生局に設置された麻薬取締部や麻薬取締官の通称です。警察とは異なる行政組織に所属しています。ただし、薬物犯罪については司法警察員として捜査を行う権限があります。
Q2:麻薬取締官には逮捕権がありますか?
A2:あります。麻薬及び向精神薬取締法第54条に基づいて司法警察員として職務を行い、刑事訴訟法の定めに従って逮捕状による逮捕や現行犯逮捕などを行えます。
Q3:マトリになるには薬剤師免許が必要ですか?
A3:必須ではありません。国家公務員採用一般職試験を経由する採用ルートがあるほか、薬剤師資格を生かした薬学系選考採用ルートも設けられています。年度ごとの募集要項で応募条件を確認する必要があります。
Q4:麻薬取締官と麻薬取締員は同じですか?
A4:異なります。麻薬取締官は厚生労働省の職員から厚生労働大臣が任命し、麻薬取締員は都道府県の職員から都道府県知事が任命します。所属と指揮監督の系統が異なります。
Q5:麻薬取締官の年収はどのくらいですか?
A5:国家公務員の行政職俸給表(一)を基礎に、調整額や各種手当、賞与などで決まります。学歴、経験年数、役職、勤務地によって異なるため、一律の年収はありません。
Q6:麻薬取締官は全国転勤がありますか?
A6:あります。麻薬取締部の公式採用Q&Aでは、原則として全国転勤と案内されています。勤務時間も業務内容によって変動する場合があります。
まとめ:マトリは薬物犯罪捜査と医療用麻薬の安全を担う専門機関
マトリとは、厚生労働省の地方厚生局に設置された麻薬取締部、または所属する麻薬取締官の通称です。警察とは異なる行政組織でありながら、麻薬及び向精神薬取締法第54条などに基づき、薬物犯罪の捜査を行う司法警察員としての権限を持っています。
仕事内容は、違法薬物の密輸・密売の捜査や逮捕だけではありません。医療用麻薬の流通監督、薬物鑑定、海外捜査機関との協力、乱用防止の啓発、再乱用防止など多岐にわたります。
また、採用には国家公務員採用一般職試験を経由する方法と、薬剤師資格を生かす薬学系選考採用があります。薬剤師免許が必須というわけではなく、異なる専門性を持つ人が活躍できる職種です。
2026年10月時点では、通常の2026年度採用試験は終了している一方、10月30日には鑑定部門の経験者採用が新たに公表されました。採用を目指す人は、年度ごとの募集条件や応募期間を確認することが大切です。
【プロの結論】マトリを理解するうえで最も重要なのは、単なる「薬物犯罪を取り締まる人たち」というイメージから一歩進み、捜査・行政監督・科学鑑定・国際連携を一体的に担う専門機関として捉えることです。警察との違いは所属と専門性にあり、逮捕権の根拠は法律にあります。薬物犯罪の供給を断つだけでなく、医療に必要な医薬品の適正な流通を守ることも、麻薬取締官の重要な使命です。
公的資料・根拠資料
- 厚生労働省「麻薬取締部について」「薬物犯罪捜査」「正規流通麻薬等の監督と指導」「鑑定」
- 厚生労働省「麻薬及び向精神薬取締法」第54条・第55条
- 麻薬取締部「採用に関するQ&A」「2026年度薬学系選考採用試験」
- 麻薬取締部「令和8年度鑑定部門課長補佐級職員採用選考案内」(2026年10月30日更新)
- e-Gov法令検索「刑事訴訟法」第199条・第210条・第212条・第213条