競歩世界記録2026最新|男女別・距離別ランキングと新種目変更の全貌を徹底解説
2026年11月1日現在、競歩世界記録は、従来の20km・35kmに加え、2026年から正式なシニアのロード競歩種目となったハーフマラソン・マラソンにも新たな記録が誕生している。男子20kmでは日本の山西利和が1時間16分10秒、女子20kmでは中国の楊家玉が1時間23分49秒を保持。35kmではイタリアのマッシモ・スタノとスペインのマリア・ペレスが男女の世界記録を持つ。
さらに2026年は、日本の山西利和がハーフマラソン競歩で1時間20分34秒を樹立し、10月25日には高畠競歩大会で日本の川野将虎がマラソン競歩の世界記録2時間55分14秒をマークした。同じ大会ではオーストラリアのレベッカ・ヘンダーソンも女子世界記録3時間14分52秒を更新。距離変更の背景、男女別の最新記録、歴代の記録保持者、世界陸連の公認条件まで整理する。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 男子20km:山西利和が1時間16分10秒、女子20kmは楊家玉が1時間23分49秒を保持。
- 35km:男子はマッシモ・スタノの2時間20分43秒、女子はマリア・ペレスの2時間37分15秒が世界記録。
- 2026年の新種目:ハーフマラソン競歩とマラソン競歩が正式なシニアのロード種目となり、川野将虎とレベッカ・ヘンダーソンが10月25日にマラソンの最新世界記録を樹立。
【2026年最新】競歩世界記録を男女別・距離別に一覧

まず、2026年11月1日時点で押さえておきたい競歩の男女別世界記録を紹介する。従来の20km・35kmと、2026年から正式種目となったハーフマラソン・マラソンを区別して見ることが大切だ。
| 種目・距離 | 男子世界記録 | 女子世界記録 |
|---|---|---|
| 20km競歩 | 1時間16分10秒 山西利和(日本) 2025年2月16日 |
1時間23分49秒 楊家玉(中国) 2021年3月20日 |
| ハーフマラソン競歩 21.0975km |
1時間20分34秒 山西利和(日本) 2026年2月15日 |
1時間30分06秒 マリア・ペレス(スペイン) 2026年8月15日 |
| 35km競歩 | 2時間20分43秒 マッシモ・スタノ(イタリア) 2025年5月18日 |
2時間37分15秒 マリア・ペレス(スペイン) 2023年5月21日 |
| マラソン競歩 42.195km |
2時間55分14秒 川野将虎(日本) 2026年10月25日 |
3時間14分52秒 レベッカ・ヘンダーソン(豪州) 2026年10月25日 |
| 50km競歩 | 3時間32分33秒 ヨアン・ディニズ(フランス) 2014年8月15日 |
3時間59分15秒 劉虹(中国) 2019年3月9日 |
※ハーフマラソン女子の1時間30分06秒と、マラソン男女の記録には、世界陸連の記録表示で承認手続き中を示すアスタリスクが付いている。男子ハーフマラソンの1時間20分34秒は2026年6月1日に世界陸連による公認が発表された。
2026年の注目は日本勢の新記録
2026年の競歩界で特に注目されるのが、日本人選手によるハーフマラソンとマラソンの記録更新だ。
山西利和は2026年2月15日、神戸で開催された日本選手権ハーフマラソン競歩で1時間20分34秒を記録。新設された距離の男子初期世界記録基準である1時間21分30秒を大きく上回り、世界記録として公認された。
さらに10月25日、高畠競歩大会では川野将虎が2時間55分14秒をマーク。男子マラソン競歩の初代世界記録保持者となった。前年に同じコースで勝木隼人が記録した2時間55分28秒も更新している。
この2つの記録は、日本の競歩が短距離だけでなく長距離でも世界水準の競技力を持つことを示す成果だ。
【20km・35km】旧来の主要種目で残る世界記録と歴代ランキング
20kmと35kmは、2026年の種目変更後も過去の世界記録として重要な位置を占める。記録そのものが消滅したわけではなく、世界陸連の記録資料にも歴代記録として掲載されている。
男子20kmは山西利和の1時間16分10秒
男子20km競歩の世界記録は、山西利和が2025年2月16日に神戸で樹立した1時間16分10秒だ。
山西は2020年東京オリンピックで男子20km競歩の銅メダルを獲得した実績を持ち、世界選手権でも複数回の優勝を経験しているトップ選手である。
神戸での記録更新では、従来の世界記録だった鈴木雄介の1時間16分36秒を26秒短縮した。日本人選手が世界記録を塗り替えたことは、国内の競歩界にとっても大きな節目となった。
男子20kmの歴代上位記録には、鈴木雄介の1時間16分36秒、セルゲイ・モロゾフの1時間16分43秒、池田向希の1時間16分51秒などが並ぶ。日本勢が世界トップクラスの記録を複数持っている点も特徴だ。
女子20kmは中国の楊家玉が1時間23分49秒
女子20km競歩の公式世界記録は、中国の楊家玉が2021年3月20日に黄山で樹立した1時間23分49秒である。
ここで注意したいのが、世界陸連の歴代記録一覧には、2018年にロシアのエレーナ・ラシュマノワが記録した1時間23分39秒という、さらに速いタイムも掲載されていることだ。
しかし、この記録は国際審判員の要件を満たさず、世界記録として公認されなかった。世界記録は単純に最速タイムだけで決まるものではない。競技環境や審判体制などの条件を満たす必要がある。
したがって、2026年現在の公式世界記録として扱うべき数字は、楊家玉の1時間23分49秒となる。
男子35kmはマッシモ・スタノが2時間20分43秒
男子35km競歩の世界記録保持者は、イタリアのマッシモ・スタノだ。2025年5月18日、チェコのポジェブラディで2時間20分43秒を記録した。
スタノは2021年東京オリンピックの男子20km競歩金メダリストでもある。2025年の35km競歩では、終盤にペースを上げて世界記録を更新した。
それ以前には、2024年10月に日本の川野将虎が2時間21分47秒を記録し、2025年3月にはカナダのエバン・ダンフィーが2時間21分40秒で更新していた。スタノはその記録をさらに57秒短縮したことになる。
女子35kmはマリア・ペレスの2時間37分15秒
女子35km競歩では、スペインのマリア・ペレスが2時間37分15秒の世界記録を保持している。
2023年5月21日、チェコのポジェブラディで開催されたヨーロッパ競歩チーム選手権で樹立した記録だ。ペレスは当時の世界記録を29秒更新し、女子35kmの歴史に名を刻んだ。
なお、同年5月20日にはロシアのクラウディア・アファナシエワが2時間37分11秒を記録している。世界陸連の歴代パフォーマンス一覧には掲載されているものの、公式世界記録として認定されているのはペレスの2時間37分15秒だ。
この違いは、記録一覧の数字を読む際に見落とせないポイントである。
【2026年の大転換】20km・35kmからハーフマラソン・マラソンへ変更
2026年の競歩界を語るうえで欠かせないのが、世界陸連による距離の変更だ。
世界陸連は2024年12月に新しいロード競歩の標準距離を承認し、2026年1月1日からシニアの世界陸連シリーズ大会における標準種目を変更した。
変更された2つの距離
変更内容は次のとおりだ。
- 従来の20km競歩をハーフマラソン競歩(21.0975km)へ変更。
- 従来の35km競歩をマラソン競歩(42.195km)へ変更。
距離をハーフマラソンとフルマラソンに合わせることで、一般のランニング競技に親しむ人にも距離のイメージを持ってもらいやすくする狙いがある。競歩の認知度向上や市民参加の促進も背景にある。
20km・35kmの記録はどうなる?
ここで誤解しやすいのが、旧種目の世界記録が無効になるという認識だ。
実際には、20km・35kmの過去の世界記録は歴代記録として引き続き参照できる。世界陸連の2026年ランキング規則でも、両距離は9月30日までは主要種目として扱われ、それ以降はハーフマラソン・マラソンの類似種目として分類される仕組みになっている。
つまり、2026年は旧種目の記録と新種目の記録が併存する移行期だった。過去の世界記録を比較する場合は、距離が異なることを前提にしなければならない。
新設種目の世界記録基準
新種目には、初期の世界記録として認めるための基準タイムも設定された。
- 男子ハーフマラソン競歩:1時間21分30秒より速いこと。
- 女子ハーフマラソン競歩:1時間30分30秒より速いこと。
- 男子マラソン競歩:2時間56分30秒より速いこと。
- 女子マラソン競歩:3時間17分00秒より速いこと。
山西利和の1時間20分34秒、マリア・ペレスの1時間30分06秒、川野将虎の2時間55分14秒、レベッカ・ヘンダーソンの3時間14分52秒はいずれも該当する基準を上回る好記録となった。
【競歩のルール】ロスオブコンタクトと膝の屈伸をわかりやすく解説
競歩は、見た目には速歩きに近いものの、走ることとは明確に区別された陸上競技だ。世界記録を理解するためには、競歩独自の2つの技術規則を知っておきたい。
ロスオブコンタクトとは?
ロスオブコンタクト(Loss of Contact)とは、両足が同時に地面から離れてしまう状態を指す。
競歩では、歩行中に必ず片足が地面に接触していなければならない。走る動作のように、両足が空中に浮く瞬間が生じてはいけないという決まりだ。
競技スピードが上がるほど接地時間は短くなる。トップ選手は非常に速い速度で歩きながら、地面との接触を維持する高度な技術を求められる。
膝の屈伸に関するルール
もう一つの重要な規則が、支持脚の膝を伸ばすことだ。
前に出した脚は、地面に接触した瞬間から、身体の真下を通過するまで膝を伸ばした状態に保たなければならない。
この間に膝が曲がると、ベントニー(Bent Knee)と呼ばれる違反になる。
ただし、競歩では膝を一切曲げてはいけないわけではない。支持脚が身体の真下を通過した後の動作まで、常に膝を固定するというルールではない点が誤解されやすい。
審判はどのように判定するのか
競歩では、専門の審判員が選手のフォームを観察し、違反があればイエローカードやレッドカードなどで警告・判定を行う。
ロスオブコンタクトとベントニーは、それぞれ異なる違反として扱われる。複数の審判員からレッドカードが出た場合には、競技の規定に応じてペナルティーゾーンでの時間加算や失格の対象となる。
長距離種目では、疲労が蓄積する後半ほどフォームの維持が難しくなる。単純に脚力や持久力が優れているだけでは、競歩の世界記録を狙えない理由がここにある。
【世界記録の公認条件】速いタイムだけでは認定されない理由
競歩では、選手がどれだけ速いタイムを出しても、それだけで世界記録として登録されるわけではない。世界陸連の競技規則には、審判員、コース計測、計時などについて具体的な条件が定められている。
公認に必要な審判員の条件
世界記録として認定するためには、少なくとも3人の世界陸連ゴールドまたはシルバーレベルの競歩審判員が大会に参加し、記録申請書に署名する必要がある。
国際的な審判資格を持つ審判員による判定体制が求められるのは、競歩の技術違反が記録の正当性に直接関係するためだ。
コース計測と距離の確認
ロード競歩では、コースの距離が正確であることも重要になる。
世界陸連とAIMSが認めるA級またはB級のコース計測員による計測が必要で、競技コースは原則として1周1km以上、2km以下の周回コースとする条件がある。
さらに、競技前後には別の資格を持つ計測員によるコースの再確認が求められる場合もある。実際に選手が歩いたコースが、公式に計測されたコースと一致しているかどうかが確認される。
公式計時も欠かせない
世界記録の申請には、公式タイムキーパーによる計時や、規則に適合した自動計時・写真判定システム、トランスポンダーシステムなどが必要となる。
こうした条件があるため、一般大会で出された好記録と、世界陸連が認定した世界記録が一致しない場合もある。
女子20kmの1時間23分39秒というラシュマノワの記録は、その代表例だ。速いタイムであっても、国際審判員などの条件を満たさなければ公式記録にはならない。
2026年の新種目は記録の承認状況にも注目
2026年に誕生したハーフマラソン・マラソン競歩の記録についても、記録樹立と正式な公認は区別する必要がある。
山西利和の男子ハーフマラソン競歩1時間20分34秒は2026年6月1日に公認された。一方、マリア・ペレスの女子ハーフマラソン1時間30分06秒と、川野将虎・レベッカ・ヘンダーソンのマラソン記録は、11月1日時点の世界陸連の記録表示で承認手続き中を示す記号が付いている。
最新記録を調べる際には、タイムだけでなく公認済みかどうかも確認することが重要だ。
【50km競歩の歴代記録】ヨアン・ディニズと女子世界記録の歴史
2026年の競歩を調べる際、もう一つ知っておきたいのが50km競歩の歴史だ。現在の主要なシニアロード種目とは位置付けが異なるが、長距離競歩の歴史を語るうえで欠かせない記録が残されている。
男子50kmはヨアン・ディニズの3時間32分33秒
男子50km競歩の世界記録は、フランスのヨアン・ディニズが2014年8月15日にスイスのチューリヒで樹立した3時間32分33秒である。
ディニズはヨーロッパ競歩界を代表する選手で、世界選手権優勝やヨーロッパ選手権での実績を持つ。2014年の記録は同年11月5日に世界陸連によって公認された。
50kmという距離は、選手に極めて高い持久力と技術の安定性を要求する。長時間にわたって歩行フォームを維持する必要があり、競歩の難しさが凝縮された種目だった。
女子50kmは中国の劉虹が3時間59分15秒
女子50km競歩の世界記録は、中国の劉虹(リウ・ホン)が2019年3月9日に黄山で記録した3時間59分15秒だ。
劉虹は女子20km競歩でも世界的な実績を持つ選手であり、長距離競歩でも優れた競技力を発揮した。
女子50km競歩は2017年に世界選手権で初めて実施された種目でもある。ポルトガルのイネス・エンリケスが2017年に4時間05分56秒の世界記録を樹立し、その後、中国勢による記録更新へとつながった。
男子のディニズ、女子の劉虹の記録は、現在のハーフマラソン・マラソン競歩とは別の距離体系に属する歴史的な世界記録として理解したい。
【プロの結論】競歩世界記録はタイム・距離・公認状況の3点で比較する
競歩の世界記録を正確に比較するなら、単に最も速い数字を探すだけでは不十分だ。特に2026年は競技距離の変更が行われたため、次の3つを分けて見る必要がある。
- 距離:20kmとハーフマラソン、35kmとマラソンは別の種目として記録を比較する。
- 公認状況:世界陸連が正式に認定した記録と、未承認の好記録を混同しない。
- 記録時期:旧種目の歴代記録と2026年に新設された種目の記録を区別する。
特に重要なのは、世界記録と歴代最速パフォーマンスが必ずしも一致しないことだ。競歩は技術違反の判定が記録の正当性に関わるため、審判員の資格やコースの計測状況まで確認する必要がある。
2026年の新種目では、山西利和がハーフマラソン競歩で世界記録を公認され、川野将虎がマラソン競歩の初代男子世界記録保持者となった。女子ではマリア・ペレスとレベッカ・ヘンダーソンが新距離で歴史的な記録を残している。
今後の競歩を追うなら、旧20km・35kmの記録更新だけでなく、新しいハーフマラソン・マラソンの記録がどこまで伸びるかにも注目したい。
競歩世界記録に関するよくある質問(FAQ)
Q1:男子20km競歩の世界記録は現在何時間何分ですか?
A1:日本の山西利和が2025年2月16日に神戸で記録した1時間16分10秒です。2026年11月1日時点でも男子20km競歩の世界記録として掲載されています。
Q2:女子20km競歩の世界記録保持者は誰ですか?
A2:中国の楊家玉です。2021年3月20日に黄山で1時間23分49秒を記録しました。1時間23分39秒というさらに速い記録も歴代一覧にはありますが、国際審判員の条件を満たさず公認されていません。
Q3:2026年から競歩の種目はなぜ変更されたのですか?
A3:世界陸連が競歩を一般のファンにも理解しやすくし、参加人口を広げる目的で距離を変更したためです。20kmは21.0975kmのハーフマラソンに、35kmは42.195kmのマラソンに変更されました。2026年1月1日からシニアの世界陸連シリーズ大会で導入されています。
Q4:2026年のマラソン競歩の世界記録は誰が持っていますか?
A4:男子は日本の川野将虎が2時間55分14秒、女子はオーストラリアのレベッカ・ヘンダーソンが3時間14分52秒を記録しています。ともに2026年10月25日の高畠競歩大会で樹立された記録で、11月1日時点では世界陸連の表示上、正式承認手続き中です。
まとめ:2026年は競歩世界記録の新時代が始まった
2026年11月1日時点の競歩世界記録は、男子20kmの山西利和、女子20kmの楊家玉、男子35kmのマッシモ・スタノ、女子35kmのマリア・ペレスが旧来の距離で代表的な記録を保持している。
一方、2026年から正式種目となったハーフマラソン・マラソン競歩では、山西利和、マリア・ペレス、川野将虎、レベッカ・ヘンダーソンが新たな歴史を作った。
男子50kmのヨアン・ディニズによる3時間32分33秒も、長距離競歩の歴史を象徴する重要な記録として残っている。
これから競歩の世界記録を調べる際は、世界陸連の公式記録と公認状況を確認し、距離変更前後の記録を混同しないことが大切だ。2026年は単なる記録更新の年ではなく、競歩という競技そのものが新しい距離体系へ移行した転換点として記憶されることになる。
主な根拠資料: 世界陸連の公式記録一覧、2026年競技規則、世界記録公認発表および競技レポート。