講書始の儀2026年最新|1月9日の進講者3人と由来・式次第を徹底解説
講書始(こうしょはじめ)の儀は、毎年1月に皇居で行われる新年の宮中行事です。天皇皇后両陛下が、人文科学・社会科学・自然科学の各分野を代表する専門家から講義を受けられ、皇族方や学術関係者も同席します。明治2年(1869年)に始まった「御講釈始」を起源とする、150年以上の歴史を持つ伝統行事です。
2026年は1月9日(金)、皇居・宮殿の松の間で開催されました。進講者は、佐々木正子氏、御厨貴氏、家正則氏の3人。それぞれ「江戸時代の日本絵画」「オーラル・ヒストリーとは何か」「観測天文学最前線と日本の活躍」をテーマに講義しました。また、秋篠宮家の悠仁親王殿下が初めて出席されたことも注目されました。講書始の由来から2026年の講義内容、現在の式次第、歌会始との違いまで詳しく解説します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 2026年の開催日:1月9日(金)、皇居・宮殿の松の間で実施。
- 進講者3人:佐々木正子氏、御厨貴氏、家正則氏が人文科学・社会科学・自然科学に関する講義を担当。
- 歴史と由来:明治2年(1869年)、明治天皇が学問奨励のために始めた「御講釈始」が起源。
- 皇族の出席:天皇皇后両陛下、愛子内親王殿下、秋篠宮家の皇族方などが出席。悠仁親王殿下は初参加。
- 歌会始との違い:講書始は学者の講義を聴く儀式、歌会始は短歌を披講する宮中行事。
【講書始とは?】天皇皇后両陛下が学問の第一人者から講義を受ける新年行事

講書始の儀は、天皇陛下が皇后陛下とともに、各学問分野の専門家から研究成果や学術的な知見について説明を受けられる宮中行事です。読み方は「こうしょはじめのぎ」。毎年1月に皇居で開催されます。
宮内庁の公式説明によると、講義の対象となる学問は、大きく次の3分野に分けられています。
- 人文科学:歴史、文学、哲学、芸術、文化など、人間の思想や文化を研究する分野。
- 社会科学:政治、経済、法律、社会制度など、人間社会の仕組みを研究する分野。
- 自然科学:物理学、化学、生物学、天文学など、自然現象や宇宙の仕組みを研究する分野。
それぞれの分野から選ばれた研究者が進講者となり、専門的な研究内容を天皇皇后両陛下に説明します。皇嗣殿下をはじめとする皇族方も列席し、文部科学大臣、日本学士院会員、日本芸術院会員などが陪聴します。
ここで重要なのは、講書始が単なる新年の挨拶や祝賀行事ではないという点です。学術研究の成果を宮中で共有し、幅広い知識や新しい研究の動向に触れる機会として位置付けられています。
「進講」と「陪聴」の意味
講書始の報道では、「進講者」「陪聴者」という言葉が使われます。普段あまり耳にしない表現ですが、意味は明確です。
- 進講:学者などが天皇・皇后・皇族に対して専門的な内容を説明すること。
- 進講者:講義を担当する研究者や専門家。
- 陪聴:天皇皇后両陛下や皇族方とともに講義を聴くこと。
- 陪聴者:講義に同席して聴く人々。
つまり、進講者は知識を伝える側、陪聴者はその講義を聴く側です。こうした役割の違いを理解すると、講書始の儀の報道も読み解きやすくなります。
宮内庁は講書始の概要だけでなく、年度ごとの進講者と講義内容も公開しています。2026年の3人についても、それぞれの研究テーマや講義の概要が掲載されています。
【2026年1月9日の講書始】進講者3人と講義テーマを一覧で紹介
2026年の講書始の儀は、1月9日(金)に皇居・宮殿の松の間で行われました。
今回の進講者は、嵯峨美術大学名誉教授の佐々木正子氏、東京大学名誉教授の御厨貴氏、国立天文台名誉教授の家正則氏です。宮内庁が公表した令和8年の進講者一覧には、3人の所属や講義題目が掲載されています。
2026年の進講者・所属・講義テーマ一覧
| 進講者 | 所属・肩書 | 講義テーマ | 主な研究分野 |
|---|---|---|---|
| 佐々木正子氏 | 嵯峨美術大学名誉教授 | 江戸時代の日本絵画 | 人文科学・日本絵画史 |
| 御厨貴氏 | 東京大学名誉教授・東京都立大学名誉教授 | オーラル・ヒストリーとは何か | 社会科学・政治史 |
| 家正則氏 | 国立天文台名誉教授・総合研究大学院大学名誉教授・日本学士院会員 | 観測天文学最前線と日本の活躍 | 自然科学・天文学 |
今回の構成で興味深いのは、江戸時代の芸術、政治や社会の記録方法、そして宇宙の観測という、性質の異なる3つのテーマが並んでいることです。
人文科学から自然科学までを一度に扱うことで、日本の文化的な蓄積から社会の記憶、最先端の科学研究まで、知識の幅広さが示されています。
2026年は悠仁親王殿下が初めて出席
2026年の講書始では、悠仁親王殿下が初めて出席されたことも大きな話題になりました。
宮内庁の天皇ご一家の日程によると、天皇皇后両陛下と愛子内親王殿下が出席されています。また、秋篠宮家の日程には、秋篠宮皇嗣同妃両殿下、佳子内親王殿下、悠仁親王殿下の出席が記載されています。
テレビ朝日や共同通信の報道でも、悠仁親王殿下の初出席が伝えられました。2026年は、講書始という伝統行事における皇族方の参加という観点でも記憶される年になりました。
【2026年の講義内容】佐々木正子・御厨貴・家正則の研究テーマを深掘り
2026年の講書始で取り上げられた3つのテーマは、それぞれ異なる学問領域に属しています。しかし、いずれも過去の知識を整理するだけでなく、現代の社会や未来を考えるための視点を含んでいます。
1.佐々木正子「江戸時代の日本絵画」
佐々木正子氏は、嵯峨美術大学名誉教授として日本絵画史の研究に携わってきた専門家です。
宮内庁が公開した進講内容によると、研究の中心にあるのは、絵画の描法や描写、技法の解析です。作品の表現方法を分析することで、絵師それぞれの特徴や制作の背景にある思想、当時の社会現象と芸術の関係を明らかにする研究を進めています。
2026年の講義では、特に江戸時代の画壇と、海外から入ってきた知識や思想が日本絵画に与えた影響が取り上げられました。
江戸時代の日本は、いわゆる鎖国体制のもとにありました。しかし、海外との交流が完全に途絶えていたわけではありません。長崎の出島などを通じて、中国や西洋の知識、絵画技法が伝わっていました。
その影響は、日本独自の絵画表現にも現れています。例えば、遠近法や陰影表現、写実的な描写などは、海外からの知識を取り入れながら国内で発展した技法の一部です。
佐々木氏の講義では、伊藤若冲や円山応挙といった絵師の表現にも触れられています。円山応挙の写生思想、与謝蕪村や池大雅らの文人画に見られる写意の思想など、江戸時代の絵画には複数の表現理念が存在しました。
特に興味深いのは、絵画を単なる美術作品としてではなく、時代の知識や社会の変化を映すものとして捉えている点です。
また、京都御所に残る1800面を超える襖絵についても説明されています。江戸後期の画壇を知る貴重な文化遺産であり、当時の絵画文化を後世に伝える資料として重要な意味を持っています。
この講義は、日本美術史を通して、海外文化の受容と日本独自の文化形成を考える内容だったといえます。
2.御厨貴「オーラル・ヒストリーとは何か」
御厨貴氏は、東京大学名誉教授、東京都立大学名誉教授として知られる政治学・日本政治外交史の研究者です。
講義テーマの「オーラル・ヒストリー」とは、歴史上の出来事や社会の変化を経験した当事者に話を聞き、その証言を記録・分析する研究方法です。日本語では「聞き取りによる歴史研究」「口述歴史」などと説明されます。
一般的な歴史研究では、公文書や新聞、書籍などの文字資料が重要な証拠になります。一方、オーラル・ヒストリーでは、当時の政治家や官僚、関係者が何を考え、どのような経験をしたのかを本人の言葉から記録します。
御厨氏の進講では、日本における聞き書きの歴史や、戦後の政治家・官僚への聞き取り調査、組織文化の分析などが取り上げられています。
例えば、同じ政治的な出来事でも、当事者によって記憶や解釈が異なることがあります。複数の関係者から証言を集め、文書資料とも照らし合わせることで、公式記録だけでは見えにくい意思決定の過程や組織の実態を理解できるようになります。
御厨氏は、聞き手と話し手の関係や、インタビューを継続する環境づくりにも言及しています。単に質問して答えを得るのではなく、時間をかけて証言を引き出し、記録として残すことが大切です。
この研究は、政治史だけでなく、企業や行政組織の歴史、社会制度の変化を理解するうえでも役立ちます。
特に、歴史の表舞台に残りにくい意思決定の背景を記録するという点で、オーラル・ヒストリーは現代社会にとっても重要な研究手法です。
3.家正則「観測天文学最前線と日本の活躍」
家正則氏は、国立天文台名誉教授、総合研究大学院大学名誉教授であり、日本学士院会員でもある天文学者です。
2026年の講義では、近年の観測天文学の発展と、日本が進めてきた宇宙観測研究の成果が取り上げられました。
中心となった話題の一つが、ハワイに設置されたすばる望遠鏡です。すばる望遠鏡は、日本の天文学研究を支える大型観測施設であり、銀河や系外惑星などの観測研究に貢献しています。
家氏が国立天文台の広報ブログで説明した講義内容には、次のようなポイントが含まれています。
- ハッブルによる宇宙膨張の発見以降、約100年間に発展した現代の宇宙観。
- すばる望遠鏡を中心とした銀河宇宙や系外惑星の観測研究。
- 次世代の大型望遠鏡によって期待される、生命存在の兆候を持つ系外惑星の発見。
- 宇宙の加速膨張を検証するための将来の観測研究。
さらに、宇宙の歴史約138億年、地球の歴史約46億年、人類文明の歴史約1万年という時間軸を通じて、天文学が人類の宇宙観や文明観に与える意味についても触れられました。
ここで注目したいのは、天文学を単なる天体観測の技術として紹介するのではなく、人類が自分たちの存在や文明の未来を考えるための学問として位置付けていることです。
家氏は、講書始の儀を終えた後、天皇皇后両陛下と講義内容について話す機会があったことも国立天文台のブログで紹介しています。天皇陛下が過去に岡山天体物理観測所を視察されたことや、ご自身の反射望遠鏡で天体撮影をされていることにも話題が及んだといいます。
このように、2026年の講書始は、伝統文化、社会の記憶、宇宙科学という幅広い知識が交差する機会となりました。
【講書始の由来と歴史】明治2年の御講釈始から現在まで
講書始の歴史は、明治2年(1869年)にさかのぼります。明治天皇が学問を奨励する目的で定めた「御講釈始(ごこうしゃくはじめ)」が起源です。
明治維新によって日本の政治・社会制度が大きく変化するなか、学問や知識を重視する姿勢を宮中行事として示したことに、この儀式の歴史的な意味があります。
明治2年に始まった御講釈始
当初は、日本の古典である国書や中国の古典である漢書について、専門家から説明を受ける形式でした。
その後、海外との交流や西洋文化の流入が進むにつれ、洋書に関する講義も加わるようになります。講書始は、時代ごとの知識体系や学問の広がりを反映しながら発展してきました。
国立公文書館の宮中儀式に関する資料によると、当初は天皇のみが出席される儀式でしたが、明治6年(1873年)以降は皇后も臨席されるようになりました。
大正15年の皇室儀制令による明文化
大正時代には、講書始を宮中の正式な儀式として位置付ける制度的な整備が進みます。
その重要な節目が、大正15年(1926年)10月21日に公布された皇室儀制令です。
同令の第5条には、講書始の式と歌会始の式を1月に宮中で行うことが定められました。これによって、両行事は宮中の年頭行事として法令上も明確に位置付けられました。
昭和28年から現在の3分野体制へ
現在の講書始を特徴付けているのが、昭和28年(1953年)から始まった人文科学・社会科学・自然科学の3分野による進講方式です。
それ以前の国書・漢書・洋書という書物の分類から、学問領域を基準とする構成へと変化しました。
この変更によって、文学や歴史だけでなく、政治、経済、医学、物理学、天文学など、幅広い研究成果が取り上げられるようになりました。
歴史を整理すると、次のようになります。
- 1869年(明治2年):明治天皇が学問奨励のために御講釈始を開始。
- 1873年(明治6年):皇后も儀式に臨席するようになる。
- 1926年(大正15年):皇室儀制令第5条で1月の宮中行事として規定。
- 1953年(昭和28年):人文科学・社会科学・自然科学の3分野から進講する現在の形式へ移行。
- 2026年(令和8年):1月9日に開催。佐々木正子氏、御厨貴氏、家正則氏が進講。
この変遷から分かるのは、講書始が古い書物の講読にとどまらず、時代に合わせて学問の対象を広げてきたということです。
【講書始の仕組みと式次第】皇族の出席者や進講者の役割を解説
講書始の儀は、皇居・宮殿の松の間で行われる新年の宮中行事です。毎年1月に開催され、天皇皇后両陛下を中心に、皇族方や各分野の関係者が出席します。
講書始の主な出席者
出席者は、大きく皇族方と学術・行政関係者に分けられます。
皇族方
- 天皇陛下
- 皇后陛下
- 皇嗣殿下をはじめとする皇族方
陪聴する関係者
- 文部科学大臣
- 日本学士院会員
- 日本芸術院会員
- その他の関係者
2026年の開催では、天皇皇后両陛下と愛子内親王殿下のほか、秋篠宮皇嗣同妃両殿下、佳子内親王殿下、悠仁親王殿下が出席されました。
現在の式次第と進行の基本
宮内庁の公表資料や2026年の開催記録から確認できる基本的な進行は、次のとおりです。
- 宮殿・松の間で開催:天皇皇后両陛下や皇族方、陪聴者が出席します。
- 進講者による講義:人文科学・社会科学・自然科学の各分野から選ばれた専門家が研究内容を説明します。
- 皇族方・陪聴者による聴講:出席者が各専門家の講義に耳を傾けます。
- 終了後の拝謁・懇談:進講者らが天皇皇后両陛下に拝謁し、講義内容などについて話をされる機会があります。
2026年1月9日の宮内庁の日程にも、講書始の儀に続いて、進講者や進講者控の関係者が両陛下に拝謁する予定が記載されていました。
講義を聴く場には配布資料がない?
講書始の儀の実際の雰囲気を知るうえで興味深いのが、進講者の家正則氏による体験談です。
家氏が2026年3月に公開した国立天文台の広報ブログによると、天皇皇后両陛下には進講の梗概が用意される一方、ほかの皇族方や陪聴者には配布資料がなく、講義を集中して聴く形式になっているといいます。
専門用語を含む学術的な説明を、資料や映像に頼らず聴くことは、決して簡単ではありません。それでも家氏は、両陛下や皇族方が姿勢を正し、進講者を見つめながら熱心に耳を傾ける様子が印象に残ったと記しています。
この証言からは、講書始が形式的な儀式に終始するものではなく、進講者の研究成果を直接聴くことを重視した行事であることが伝わってきます。
【講書始と歌会始の違い】同じ新年行事でも目的と内容は異なる
講書始と混同されやすい宮中行事に「歌会始(うたかいはじめ)の儀」があります。
どちらも毎年1月に皇居で行われ、天皇皇后両陛下や皇族方が出席する伝統行事です。しかし、目的や内容は大きく異なります。
講書始は学問、歌会始は短歌
講書始は、専門家から学問に関する講義を受ける行事です。一方、歌会始は、決められたお題に沿って詠まれた短歌を披講する行事です。
歌会始では、一般からも短歌を募集し、選ばれた作品が宮中で披講されます。一般の人々が参加できる文化行事としての特徴が強い点も、講書始との大きな違いです。
宮内庁によると、歌会始の起源は鎌倉時代中期までさかのぼることができ、文永4年(1267年)の記録にも宮中での歌御会始が登場します。
明治7年(1874年)には一般からの詠進が認められ、明治12年(1879年)には優れた一般の詠進歌が選ばれて披講されるようになりました。
講書始と歌会始の比較
両行事の違いを整理すると、次のようになります。
- 講書始:学問の専門家が進講し、皇族方や陪聴者が講義を聴く。
- 歌会始:お題に沿った短歌を披講し、一般から選ばれた詠進者の作品も紹介する。
- 講書始の主な目的:学問や研究成果に触れること。
- 歌会始の主な目的:短歌文化を継承し、皇室と国民の文化的な交流を深めること。
2026年の宮内庁の日程では、講書始が1月9日(金)、歌会始が1月14日(水)に行われています。日程が近いため同じ行事の一部と捉えられがちですが、歴史的背景も実際の進行も異なります。
講書始が学術文化を象徴する行事であるのに対し、歌会始は日本の伝統的な短歌文化と国民参加を象徴する行事です。両方を知ることで、宮中の新年行事が持つ文化的な幅広さが見えてきます。
【講書始の儀に関するよくある質問(FAQ)】
Q1:講書始の儀は何と読みますか?
A1:講書始の儀は「こうしょはじめのぎ」と読みます。毎年1月に皇居で行われ、天皇皇后両陛下が各学問分野の専門家から講義を受けられる宮中行事です。
Q2:2026年の講書始の進講者3人は誰ですか?
A2:佐々木正子氏、御厨貴氏、家正則氏の3人です。佐々木氏は「江戸時代の日本絵画」、御厨氏は「オーラル・ヒストリーとは何か」、家氏は「観測天文学最前線と日本の活躍」について講義しました。開催日は2026年1月9日(金)です。
Q3:講書始の儀は一般の人も参加できますか?
A3:講書始は皇族方や文部科学大臣、日本学士院会員、日本芸術院会員などが出席する宮中行事で、一般向けの自由参加イベントとしては案内されていません。ただし、宮内庁は年度ごとの進講内容を公開しており、講義の概要を読むことができます。
Q4:講書始の儀はいつから始まったのですか?
A4:明治2年(1869年)に明治天皇が学問奨励のために始めた「御講釈始」が起源です。その後、洋書も講義の対象に加わり、昭和28年(1953年)から人文科学・社会科学・自然科学の3分野による現在の形式になりました。
Q5:講書始と歌会始は何が違いますか?
A5:講書始は学者や専門家から学問の講義を受ける行事です。歌会始は、毎年のお題に沿った短歌を披講する行事で、一般からの詠進も受け付けています。どちらも1月の宮中行事ですが、内容と目的は異なります。
まとめ:【プロの結論】講書始は学問の伝統と未来をつなぐ宮中行事
講書始の儀は、明治2年(1869年)の御講釈始を起源とし、150年以上にわたって受け継がれてきた宮中の新年行事です。
現在は、人文科学・社会科学・自然科学の3分野から専門家が選ばれ、天皇皇后両陛下に研究成果を説明する形式になっています。
2026年1月9日の講書始では、佐々木正子氏が江戸時代の日本絵画、御厨貴氏がオーラル・ヒストリー、家正則氏が観測天文学をテーマに進講しました。悠仁親王殿下の初出席も、今年の特徴的な出来事です。
今回の3つのテーマには、共通する視点があります。それは、過去に蓄積された知識を読み解き、現在の社会や文化を理解し、未来へつなげていくことです。
江戸時代の絵画には海外文化を取り入れながら独自の表現を生み出した歴史があり、オーラル・ヒストリーには人々の経験を記録して社会の記憶を残す役割があります。そして観測天文学は、人類の宇宙に対する認識を広げ、未来の科学研究への道を切り開いています。
講書始を理解する際に注目したいのは、単に誰が出席したか、どのような講義があったかという情報だけではありません。毎年選ばれる3つの研究テーマが、その時代の学問の広がりや知的関心を映し出している点です。
宮内庁が公開する進講内容を確認すれば、報道で伝えられる短いニュースだけでは分からない、研究の背景や専門家の問題意識にも触れられます。
2026年の講書始は、伝統を守ることと、新しい知識を受け入れることが両立する宮中行事の姿を示しました。今後も各分野の研究成果がどのようなテーマとして選ばれるのか、年頭の重要な文化的行事として注目されます。
主な事実確認資料
- 宮内庁「講書始」「令和8年のご進講内容」「進講者及び題目一覧」
- 宮内庁「天皇ご一家のご日程」「秋篠宮家のご日程」
- 国立公文書館「近代国家 日本の登場・宮中儀式」
- 国立天文台・家正則氏「講書始の儀」(2026年3月23日)
- 宮内庁「歌会始」
- 大正15年公布「皇室儀制令」第5条
※2026年の開催日・進講者・講義テーマは宮内庁の公表資料を基準にしています。