【地域別と特定最低賃金の違い】北海道では12月1日に4業種も改定

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北海道の最低賃金を調べる際に、見落としやすいのが「地域別最低賃金」と「特定最低賃金」の違いです。

この2つは、対象となる労働者や産業の範囲が異なります。特定の産業で働いている場合、時給1,131円だけを確認して終わりにすると、適用される最低賃金を見誤る可能性があります。

地域別最低賃金と特定最低賃金は何が違う?

北海道最賃

地域別最低賃金は、都道府県内の事業場で働く労働者に、産業や職種を問わず原則として適用される最低賃金です。

北海道の場合、2026年10月1日から時給1,131円となっています。

一方、特定最低賃金(産業別最低賃金)は、特定の地域における特定産業の基幹的労働者を対象に設定されるものです。

地域別最低賃金と特定最低賃金の両方が適用される場合、事業者は高い方の金額以上を支払わなければなりません。特定最低賃金の対象から除外される労働者には、原則として地域別最低賃金が適用されます。

2026年12月1日から改定される北海道の4業種

北海道労働局は、2026年12月1日から、次の4業種の特定最低賃金を改定すると公表しています。

- 処理牛乳・乳飲料、乳製品、砂糖・でんぷん糖類製造業:1,160円(47円引き上げ)
- 鉄鋼業:1,221円(56円引き上げ)
- 電子部品・デバイス・電子回路、電気機械器具、情報通信機械器具製造業:1,174円(58円引き上げ)
- 船舶製造・修理業、船体ブロック製造業:1,162円(57円引き上げ)

いずれも時間額であり、2026年12月1日から適用される改定額です。

12月1日までの賃金にも注意が必要

ここには、2026年10月31日時点で知っておきたい重要なポイントがあります。

2025年度の特定最低賃金は、次の金額でした。

- 乳製品などの製造業:1,113円
- 鉄鋼業:1,165円
- 電子部品などの製造業:1,116円
- 船舶製造・修理業など:1,105円

2026年10月1日から地域別最低賃金が1,131円になったため、従来の特定最低賃金がこれを下回る3業種では、12月1日の改定までは地域別最低賃金の1,131円が基準になります。

一方、鉄鋼業は従来の特定最低賃金1,165円が地域別最低賃金を上回るため、12月1日の改定前も1,165円が基準です。

つまり、2026年10月から11月末までの間、鉄鋼業とその他3業種では適用される最低賃金の金額が異なります。

この違いを理解しておくことは、対象業種の従業員だけでなく、給与計算を担当する事業者にとっても重要です。

特定最低賃金は同じ業界なら全員に適用される?

必ずしもそうではありません。

特定最低賃金は、対象産業の基幹的労働者を中心に適用されます。年齢、雇用後の期間、担当業務などによって適用除外となる場合もあります。

例えば、18歳未満または65歳以上の労働者、一定の技能習得期間中の労働者、清掃や片付けなど特定の業務に主として従事する労働者については、業種ごとの規定によって特定最低賃金の対象外となる場合があります。

ただし、特定最低賃金の対象外だからといって最低賃金制度そのものが適用されなくなるわけではありません。原則として北海道の地域別最低賃金が適用されます。

【時給が1,131円未満だったら?】最低賃金未満の給与への対処法

2026年10月1日以降、北海道の地域別最低賃金が適用される労働者に対して、対象となる賃金を時給換算して1,131円未満しか支払っていない場合、最低賃金法に違反する可能性があります。

「会社と本人が合意している」「アルバイトだから仕方がない」「研修期間だから安くてもよい」といった理由だけで、最低賃金を下回る賃金を設定することは認められません。

北海道の最低賃金を下回る給与を受け取っている可能性がある場合は、次の手順で確認しましょう。

1. 給与明細と雇用契約書を確認する

最初に確認したいのは、基本給と各種手当の内訳です。

特に、次の資料を手元に用意しておくと、賃金の計算や相談がスムーズになります。

- 雇用契約書・労働条件通知書
- 毎月の給与明細
- タイムカードや勤怠記録
- シフト表
- 銀行口座への給与振込記録

給与明細に記載された総支給額だけで判断せず、最低賃金の対象となる賃金と実際の労働時間を確認してください。

2. 2026年10月1日以降の勤務時間を分けて計算する

特に注意したいのが、給与計算期間の途中に最低賃金の発効日があるケースです。

例えば、給与計算期間が9月21日から10月20日までの場合、9月30日までの勤務と10月1日以降の勤務では、適用される最低賃金が異なります。

- 9月21日~9月30日:従来の1,075円
- 10月1日~10月20日:改定後の1,131円

10月1日以降の勤務分について、翌月の給与支給日まで旧賃金のままでよいという扱いにはなりません。

厚生労働省の最低賃金に関するFAQでも、賃金算定期間の途中に発効日がある場合、発効日以降は改定後の最低賃金以上を支払う必要があると説明されています。

3. 会社に賃金の再計算を求める

計算した結果、最低賃金を下回っている場合は、まず会社の給与担当者や人事担当者に確認します。

給与計算の誤りや改定への対応漏れが原因であれば、差額の精算を求めることができます。

最低賃金を下回る賃金で契約していた場合でも、その部分の合意は法律上無効となり、最低賃金と同額の賃金を定めたものとみなされます。

したがって、労働者には不足分を請求する権利があります。

4. 解決しない場合は北海道労働局や労働基準監督署へ相談

会社に説明しても改善されない場合や、賃金の差額が支払われない場合は、労働基準監督署や北海道労働局に相談する方法があります。

相談先として確認したいのは、次の窓口です。

- 北海道労働局労働基準部賃金室
- 勤務先を管轄する労働基準監督署
- 厚生労働省の最低賃金に関する相談窓口

北海道労働局の賃金室は、北海道の最低賃金に関する問い合わせ窓口です。

なお、地域別最低賃金に違反した場合は、最低賃金法により50万円以下の罰金が定められています。特定最低賃金に違反した場合は、労働基準法により30万円以下の罰金が定められています。

【北海道の最低賃金に関するよくある質問(FAQ)】

Q1:2026年10月から北海道の最低賃金はいくらですか?

2026年10月1日から、北海道の地域別最低賃金は時給1,131円です。2025年度の1,075円から56円引き上げられました。

Q2:高校生や大学生のアルバイトにも時給1,131円が適用されますか?

はい。原則として適用されます。高校生や大学生という年齢・身分や、アルバイトという雇用形態だけを理由に最低賃金を下回る時給にすることはできません。

Q3:通勤手当や残業代を含めて1,131円以上なら問題ありませんか?

いいえ。通勤手当、家族手当、精皆勤手当、賞与、時間外・休日・深夜の割増賃金などは、最低賃金の計算対象から除外します。対象となる基本的な賃金を時間額に換算して比較する必要があります。

Q4:北海道の特定最低賃金はいつ改定されますか?

2026年12月1日から、処理牛乳・乳製品などの製造業、鉄鋼業、電子部品などの製造業、船舶製造・修理業などの4業種で改定されます。新しい時間額は、それぞれ1,160円、1,221円、1,174円、1,162円です。

Q5:最低賃金より低い時給で働いていた場合、差額を請求できますか?

はい。最低賃金を下回る契約部分は法律上無効となり、最低賃金との差額を請求できます。給与明細や勤怠記録などを保管し、会社への確認や労働基準監督署への相談を検討してください。

まとめ:北海道最低賃金1,131円を正しく理解して給与を確認しよう

2026年10月1日から、北海道の地域別最低賃金は時給1,131円となりました。前年の1,075円から56円の引き上げです。

今回の改定で特に押さえておきたいのは、次の5点です。

1. 2026年10月1日から北海道の地域別最低賃金は1,131円。
2. パート・アルバイト・学生も原則として適用対象。
3. 月給制の場合は、対象賃金を1か月平均所定労働時間で割って確認する。
4. 地域別最低賃金と特定最低賃金が重なる場合は、高い方が適用される。
5. 2026年12月1日には北海道の特定最低賃金も4業種で改定される。

最低賃金の引き上げは、働く人にとって収入を見直す機会である一方、企業にとっては給与体系や人件費の再確認が必要になるタイミングでもあります。

特に2026年は、10月の地域別最低賃金の改定に続き、12月には特定最低賃金の改定も控えています。産業によって適用額が異なるため、単純に北海道全体の時給だけを見て判断することはできません。

働く人は自分の給与明細と労働時間を照らし合わせ、事業者は雇用契約や給与計算システムの更新状況を確認することが大切です。

北海道の最低賃金を確認するときは、金額・発効日・対象業種の3点をセットで確認すること。 これが、2026年度の賃金トラブルを防ぐための基本です。

公的な最新情報を確認する際は、北海道労働局の「最低賃金について」と、厚生労働省の「地域別最低賃金の全国一覧」を基準にしてください。