山崎貴映画の全監督作品を公開順に総覧!代表作の評価と2026年最新作を徹底解説
山崎貴監督の映画は、SF、歴史ドラマ、アニメーション、怪獣映画まで幅広いジャンルを横断しながら、独自の映像表現を築いてきた。2000年の監督デビュー作『ジュブナイル』から、『ALWAYS 三丁目の夕日』『永遠の0』『STAND BY ME ドラえもん』『ゴジラ-1.0』まで、その作品群にはVFX技術の進化と、人間の感情を丁寧に描く演出の変遷が刻まれている。
2026年10月31日現在、最大の注目作は、11月3日公開予定の最新作『ゴジラ-0.0』だ。前作『ゴジラ-1.0』で日本映画初のアカデミー賞視覚効果賞を獲得した山崎監督が、再び監督・脚本・VFXを担当する。これまでの監督作品を公開順に整理し、担当クレジット、代表作の見どころ、受賞歴、作品ごとの評価、そして最新作への期待を詳しく紹介する。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 監督作品:2000年の『ジュブナイル』から2026年の『ゴジラ-0.0』まで、SF・実写・3DCGアニメーションなど多彩な作品を手がけている。
- 代表作と受賞歴:『ALWAYS 三丁目の夕日』『永遠の0』『ゴジラ-1.0』などで日本アカデミー賞やアカデミー賞の評価を獲得。
- 映像技術:CGだけに依存せず、実写、ミニチュア、デジタル合成を組み合わせる白組の制作体制が大きな特徴。
- 2026年最新作:『ゴジラ-0.0』は2026年11月3日公開予定。邦画初のFilmed For IMAX作品として制作されている。
【山崎貴とは?】白組での経験から『ジュブナイル』監督デビューまで

山崎貴(やまざき・たかし)は、1964年6月12日生まれ、長野県松本市出身の映画監督・脚本家・VFXクリエイターだ。映像制作会社「白組」を活動の拠点とし、映画の企画、脚本、絵コンテ、映像制作まで幅広く携わってきた。
スター・ウォーズとの出会いが映画人生の原点

山崎監督が特撮の道を志すきっかけになったのは、幼少期に鑑賞した『スター・ウォーズ』や『未知との遭遇』だった。阿佐ヶ谷美術専門学校を卒業後、1986年に白組へ入社。最初はミニチュア制作を担当し、次第に映像の企画や撮影、完成まで仕事の範囲を広げていった。
監督デビュー以前には、伊丹十三監督の『大病人』(1993年)や『静かな生活』(1995年)などでSFXやデジタル合成を担当している。実写映像に存在しないものを違和感なく組み込む技術を、現場で身につけた時期だ。
この経験は、後の監督作品にも直結している。単にCG映像を作るのではなく、カメラの位置や俳優の動き、背景の質感まで含めて、最終的な画面を設計する制作スタイルの基礎になった。白組の公式プロフィールでも、山崎監督は監督・脚本・VFXを担うクリエイターとして紹介されている。
2000年『ジュブナイル』で長編映画監督デビュー
2000年、山崎監督はオリジナルSF映画『ジュブナイル』で長編映画監督としてデビューした。小学生と未来的な小型ロボットとの出会いを軸に、地球をめぐる冒険を描いた作品である。
続く2002年の『リターナー』では、未来からやってきた少女と裏社会に生きる男の物語を描き、SFアクションの映像表現をさらに発展させた。どちらも監督・脚本・VFXを兼任しており、山崎作品の基本形がすでに確立されていたことが分かる。
そして2005年の『ALWAYS 三丁目の夕日』が大きな転機となる。SF作品で培ったVFXを、今度は昭和30年代の東京の再現に応用。CGを使った街並みの表現と、人情味のある物語を融合させ、幅広い観客層に名前を知られる存在となった。
【公開順】山崎貴監督の映画作品一覧と担当クレジット
山崎貴監督の作品を調べる際に注意したいのが、監督作品と、脚本・VFXなどで参加した作品の違いだ。日本映画データベース(JFDB)や監督作品の公開記録をもとに、長編映画を公開年順に整理した。
以下は監督・総監督として参加した作品を中心にまとめた一覧だ。複数の役割を担当している作品では、確認できる主なクレジットも併記している。
| 公開年 | 作品名 | 主な担当 | 作品の特徴 |
|---|---|---|---|
| 2000年 | ジュブナイル | 監督・脚本・VFX | 長編監督デビュー作。SF・少年冒険映画 |
| 2002年 | Returner リターナー | 監督・脚本・VFX | SFアクション |
| 2005年 | ALWAYS 三丁目の夕日 | 監督・脚本・VFX | 昭和の東京を再現した人情ドラマ |
| 2007年 | ALWAYS 続・三丁目の夕日 | 監督・脚本・VFX | 三丁目の夕日シリーズ第2作 |
| 2009年 | BALLAD 名もなき恋のうた | 監督・脚本・VFX | 戦国時代を舞台にした恋愛ドラマ |
| 2010年 | SPACE BATTLESHIP ヤマト | 監督・VFX | 人気SF作品の実写映画化 |
| 2011年 | friends もののけ島のナキ | 監督・脚本 | 3DCGアニメーション |
| 2012年 | ALWAYS 三丁目の夕日'64 | 監督・脚本・VFX | 三丁目の夕日シリーズ第3作 |
| 2013年 | 永遠の0 | 監督・脚本・VFX | 戦争と家族を描く歴史ドラマ |
| 2014年8月 | STAND BY ME ドラえもん | 監督・脚本 | 3DCGアニメーション |
| 2014年11月 | 寄生獣 | 監督・脚本・VFX | 人気漫画の実写映画化 |
| 2015年 | 寄生獣 完結編 | 監督・脚本・VFX | 寄生獣シリーズ完結編 |
| 2016年 | 海賊とよばれた男 | 監督・脚本・VFX | 実業家の生涯を描く歴史ドラマ |
| 2017年 | DESTINY 鎌倉ものがたり | 監督・脚本・VFX | ファンタジーと夫婦愛 |
| 2019年7月 | アルキメデスの大戦 | 監督・脚本・VFX | 数学を軸にした戦争・頭脳ドラマ |
| 2019年8月 | ドラゴンクエスト ユア・ストーリー | 総監督・脚本 | 3DCGアニメーション |
| 2019年12月 | ルパン三世 THE FIRST | 監督・脚本 | シリーズ初の3DCG長編アニメーション |
| 2020年 | STAND BY ME ドラえもん 2 | 共同監督・脚本 | 3DCGアニメーション第2作 |
| 2022年 | GHOSTBOOK おばけずかん | 監督・脚本・VFX・キャラクターデザイン・ストーリー原案 | 児童文学を題材にしたファンタジー |
| 2023年 | ゴジラ-1.0 | 監督・脚本・VFX | アカデミー賞視覚効果賞受賞作 |
| 2026年 | ゴジラ-0.0 | 監督・脚本・VFX | ゴジラ-1.0の続編 |
作品一覧の確認には、一般社団法人ユニジャパンが運営するJFDBと、山崎貴監督作品の記録が参考になる。2000年の『ジュブナイル』と2002年の『リターナー』から、2023年の『ゴジラ-1.0』まで、ジャンルと担当領域の変化を追うことができる。
なお、監督作品以外にも、2008年の『K-20 怪人二十面相・伝』では脚本協力・VFX協力、2021年の『キネマの神様』ではVFX監修を担当している。また、『BUMP OF CHICKEN “WILLPOLIS 2014” 劇場版』ではCGアニメーション監督として参加した。これらは山崎監督の仕事の幅を示すが、本人が監督した長編映画とは区別する必要がある。
さらに、2024年には監督デビュー25周年を記念して、『ジュブナイル』と『リターナー』の4Kデジタルリマスター版が劇場公開された。これは新作映画ではなく、初期作品を現在の映像環境で再評価する機会となった。
【代表作を比較】ALWAYS・永遠の0・ドラえもん・ゴジラの見どころ
山崎貴監督の代表作を選ぶときは、単純に興行成績や受賞歴だけで判断するよりも、どのような映画体験を求めるかで選ぶと分かりやすい。作品ごとに映像技術の使い方も、物語の中心に置くテーマも異なる。
『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズ:映像と人情を両立した代表作
2005年公開の『ALWAYS 三丁目の夕日』は、山崎監督のキャリアを語るうえで欠かせない作品だ。昭和33年の東京を舞台に、下町で暮らす人々の日常や家族関係、夢を追う人々の姿を描いた。
本作の大きな特徴は、VFXが単なる派手な映像演出ではなく、物語の世界そのものを成立させるために使われていることだ。現在では失われた街並みや路面電車、当時の東京タワー周辺の景観などを再構築し、観客がその時代に入り込める映像を作り上げた。
第29回日本アカデミー賞では最優秀作品賞・最優秀監督賞など12部門を受賞。2007年の『ALWAYS 続・三丁目の夕日』、2012年の『ALWAYS 三丁目の夕日'64』へとシリーズが続いた。
おすすめできるのは、派手なアクションよりも人間関係や家族の物語を楽しみたい人だ。山崎監督の作品を初めて見る場合にも、映像とドラマのバランスが分かりやすい入門作となる。
『永遠の0』:歴史と家族の記憶を描いた作品
2013年公開の『永遠の0』は、百田尚樹の小説を原作とした戦争ドラマだ。太平洋戦争中の零戦搭乗員をめぐる記憶と、現代に生きる家族がその人生をたどる過程を描いている。
本作では航空機や空戦のVFXが重要な役割を担う一方、物語の中心には戦争を生きた人々の選択と家族への思いがある。山崎監督が得意とする大規模な映像表現と、個人の感情を結びつけた作品だ。
第38回日本アカデミー賞では最優秀監督賞を受賞。歴史ドラマとしての演出力も評価された。
『STAND BY ME ドラえもん』:3DCGで描く懐かしさ
2014年の『STAND BY ME ドラえもん』は、藤子・F・不二雄の漫画を原作とした3DCGアニメーション映画だ。山崎監督は脚本・監督を担当し、八木竜一監督との共同制作によって、ドラえもんの世界を立体的な映像で表現した。
従来の2Dアニメーションとは異なる立体的なキャラクター表現を採用しながら、原作で親しまれてきたエピソードや登場人物の関係性を大切にしている。
本作は第38回日本アカデミー賞の最優秀アニメーション作品賞を受賞。続編『STAND BY ME ドラえもん 2』も2020年に公開された。
アニメーション作品を見たい人や、家族で楽しめる映画を探している人に向いている。実写映画とは異なる山崎監督の映像表現を知るうえでも重要な作品だ。
『ゴジラ-1.0』:世界的評価を獲得した映像表現
2023年公開の『ゴジラ-1.0』は、ゴジラ生誕70周年記念作品として制作された。終戦直後の日本を舞台に、戦争によってすべてを失った人々が、さらに巨大な脅威であるゴジラに立ち向かう姿を描く。
この映画が画期的だったのは、怪獣映画としての迫力だけでなく、ゴジラの存在を戦後日本の絶望や再生というテーマに結びつけたことだ。人間ドラマ、戦争の記憶、怪獣による破壊、そしてVFXが一つの物語にまとめられている。
第96回アカデミー賞では視覚効果賞を受賞。山崎貴、渋谷紀世子、高橋正紀、野島達司の4人が受賞者として記録されている。日本映画が同部門で受賞したのは初めてであり、世界の映画業界における日本のVFX制作力を示す出来事となった。
この作品は、山崎監督の初期SF作品から歴史ドラマまでに積み重ねられた演出・技術が結びついた到達点としても注目される。
【作風と映像技術】山崎貴のVFXはなぜリアルに見えるのか
山崎貴監督の映画を特徴づけるのは、CGの派手さだけではない。実写撮影、ミニチュア、デジタル合成、3DCGなど、異なる技術を場面ごとに使い分ける映像制作の考え方にある。
CGだけに頼らない白組の制作体制
白組は、ミニチュアや実写撮影、CGなどを組み合わせた映像制作を得意とする会社だ。山崎監督は長年この制作環境で仕事を続けてきた。
2025年に公開された調布市の公式インタビューでは、白組の強みとして、ミニチュア制作からCGまでを社内で扱える制作環境が紹介されている。山崎監督自身も、映像の場面に応じて技術を選択することの重要性を説明している。
例えば『ゴジラ-1.0』では、戦後の荒れた街並みを表現するために、掘っ立て小屋や廃屋などのミニチュアも制作された。細かな汚れや雑然とした質感を表現する場合、すべてをCGで作るより、実物の模型を使った方が効率的でリアルに仕上がる場合があるためだ。
反対に、複雑な動きが必要な怪獣や大規模な破壊シーンではCGの利点が生きる。技術そのものを見せるのではなく、画面の説得力を高めるために適切な手法を選んでいる点が特徴だ。
VFXは映像に存在しない世界を成立させる技術
VFXとはVisual Effectsの略で、実写映像とCG、ミニチュア、デジタル合成などを組み合わせ、現実には存在しないものを映像の中で成立させる技術を指す。
山崎監督の作品では、この技術が大きく3つの方向で使われている。
- 時代の再現:『ALWAYS 三丁目の夕日』のように、現存しない街並みや過去の風景を映像として再構築する。
- 架空の存在の表現:『ゴジラ-1.0』のように、実写の人物や背景とCGの怪獣を自然に組み合わせる。
- 世界観の立体化:『STAND BY ME ドラえもん』や『ルパン三世 THE FIRST』のように、3DCGでキャラクターや舞台を表現する。
こうした技術を監督自身が理解しているため、脚本段階から完成映像を想定した演出を組み立てやすい。山崎監督が脚本・絵コンテ・VFXに関わることの多い理由も、この制作工程の一体性にある。
人間ドラマと大規模な映像を組み合わせる演出
山崎作品には、映像の規模が大きくなっても、家族や仲間、個人の選択といった身近なテーマを中心に置く傾向がある。
『ALWAYS 三丁目の夕日』では下町の人間関係、『永遠の0』では家族がたどる記憶、『ゴジラ-1.0』では戦後を生きる人々の再生が物語を支えている。
怪獣や戦艦、歴史的な街並みといった大きな映像を見せながら、最終的には人間の感情に焦点を戻す。この組み合わせこそが、山崎貴監督の作風を理解する重要なポイントだ。
【評判・評価を徹底比較】山崎貴映画の長所と賛否が分かれるポイント
山崎貴監督の映画は、技術的な完成度や娯楽性を評価される一方、作品によって物語の展開や原作の扱いについて意見が分かれることもある。受賞歴だけでは見えない評価の違いを整理したい。
評価されやすい3つのポイント
1つ目は映像の説得力だ。『ALWAYS 三丁目の夕日』では過去の街並みを、『ゴジラ-1.0』では巨大怪獣の存在感を、それぞれ異なる方法で成立させた。VFXが物語の世界観を支えるという点は、多くの作品に共通している。
2つ目はジャンルを越える企画力だ。SF、歴史ドラマ、漫画原作、国民的アニメ、怪獣映画など、異なるジャンルに挑戦してきた。原作のある作品でも、映像作品として再構築する姿勢が見られる。
3つ目は感情を軸にしたストーリーだ。大規模なVFXを使いながら、家族、仲間、愛情、喪失、再生など、観客が共感しやすいテーマを中心に置いている。
賛否が分かれた『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』
一方、山崎作品がすべて同じように評価されているわけではない。分かりやすい例が、2019年の『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』だ。
本作は『ドラゴンクエストV 天空の花嫁』を原案とする3DCGアニメーション映画。映像美や音楽、懐かしいキャラクターの再現を評価する声がある一方、原作のストーリーをどのように再構成したか、特に終盤の展開をめぐって大きな議論が起きた。
リアルサウンドの2019年8月の映画評でも、原作ゲームを映画にする際のエピソードの取捨選択や、ファンが期待する物語との違いが論点として分析されている。
これは山崎監督の作品を見るうえで重要なポイントだ。原作の再現を最優先する映画なのか、それとも原作を題材にした独自の映画作品なのか。その違いによって、同じ作品でも評価が変わる。
作品別のおすすめと向いている人
- 人情ドラマが好きな人:『ALWAYS 三丁目の夕日』。昭和の街並みと人々の日常を楽しみたい人におすすめ。
- 戦争や歴史を題材にした映画が好きな人:『永遠の0』『アルキメデスの大戦』。歴史的背景と個人の決断を描く物語に向いている。
- 怪獣映画や迫力あるVFXを楽しみたい人:『ゴジラ-1.0』。映像技術と人間ドラマの両方を味わえる。
- 家族でアニメーションを楽しみたい人:『STAND BY ME ドラえもん』。3DCGで描かれた親しみやすい世界観が魅力。
- 山崎監督の原点を知りたい人:『ジュブナイル』『リターナー』。初期のSF演出やVFXの発展を確認できる。
反対に、原作の展開や設定を忠実に再現することを最優先する人は、原作付き作品を鑑賞する前に、映画独自のアレンジがあるかを確認するとよい。感情を強く押し出すドラマ演出が苦手な人も、まずは作品のジャンルを基準に選ぶと失敗しにくい。
【2026年最新作】『ゴジラ-0.0』の公開日・あらすじ・見どころを解説
2026年の山崎貴監督作品で最大の話題となっているのが、東宝のゴジラシリーズ最新作『ゴジラ-0.0』(ゴジラマイナスゼロ)だ。日本での劇場公開日は2026年11月3日(火・祝)。2026年10月31日現在、公開まであと3日となっている。
前作『ゴジラ-1.0』から2年後の世界が舞台
本作は、アカデミー賞視覚効果賞を受賞した『ゴジラ-1.0』の正統続編だ。前作の出来事から2年後、1949年の日本を舞台に、復興を進める人々の前に新たな脅威が現れる。
公式のストーリー紹介では、戦争によって「無(ゼロ)」になった日本を、ゴジラが「負(マイナス)」に突き落とした後の世界が描かれる。ようやく日常を取り戻そうとしていた人々に、再び絶望が迫るという構図だ。
前作の戦いを生き抜いた人々が、どのような状況で新たな脅威に直面するのか。単なる怪獣の再登場ではなく、戦後の復興と人間の再生という前作のテーマがどう引き継がれるのかが注目点になる。
続投キャストと新キャスト
主要キャストには、前作から続投する神木隆之介と浜辺美波をはじめ、山田裕貴、佐々木蔵之介、吉岡秀隆、田中美央らが名を連ねる。
さらに、新たに長澤まさみ、田中泯が参加。安藤サクラ、國村隼らも出演する。山崎監督が再び監督・脚本・VFXを担当し、音楽は佐藤直紀が手がける。
2026年10月19日には東宝主催のジャパンプレミアが開催され、山崎監督と主要キャストが登壇した。日本での公開を前に作品が披露されたことも、大きな節目となった。
邦画初のFilmed For IMAX作品として制作
本作の技術面で特に注目されるのが、邦画初となる「Filmed For IMAX」認定作品として制作されたことだ。
これは、IMAXの映像・音響技術を最大限に活用するため、企画・制作段階から劇場公開までIMAXと連携して映画を最適化するプログラムだ。単に通常の映画をIMAXスクリーンで上映することとは異なる。
2026年4月のCinemaConで山崎監督が発表したこの取り組みは、映像表現をさらに大きなスクリーンへと広げる挑戦でもある。『ゴジラ-1.0』で評価された怪獣の質感や破壊表現が、どのように進化しているかが見どころだ。
海外の初期評価は高水準。ただし賛否の論点もある
『ゴジラ-0.0』は2026年9月26日に第64回ニューヨーク映画祭で世界初上映された。米国の映画批評集計サイトRotten Tomatoesでは、10月31日時点で批評家レビュー52件に基づくTomatometerが92%となっている。
この数字は、批評家による肯定的なレビューの割合であり、観客の満足度を直接示す平均点ではない。また、52件というレビュー数も今後変わる可能性がある。
海外の初期レビューでは、VFXの迫力、怪獣アクションの規模、IMAXを意識した映像設計を評価する意見が目立つ。一方で、前作より物語の焦点がまとまりにくいという指摘や、ゴジラの登場を待つ時間が長いという批評も見られる。
つまり、映像面への期待は高いものの、前作と比較した際の人間ドラマの完成度については意見が分かれている。Rotten Tomatoesでも、この時点では確認済み観客評価のスコアは掲載されていない。国内の一般公開後に観客評価が加われば、作品全体の評判もさらに明確になっていくだろう。
『ゴジラ-0.0』の注目点は、単に前作を超える破壊シーンがあるかどうかではない。戦後日本という舞台設定、敷島家の物語、怪獣映画としての恐怖、そして新しい映像技術がどのように結びつくかにある。
【よくある誤解を解消】山崎貴映画に関するよくある質問(FAQ)
Q1:山崎貴監督の映画デビュー作は何ですか?
A1:2000年公開の『ジュブナイル』です。監督・脚本・VFXを担当したSF映画で、小学生と小型ロボットの冒険を描いています。2024年には監督デビュー25周年を記念した4Kデジタルリマスター版も公開されました。
Q2:山崎貴監督がアカデミー賞を受賞した映画は何ですか?
A2:2023年公開の『ゴジラ-1.0』です。第96回アカデミー賞の視覚効果賞を受賞しました。山崎貴、渋谷紀世子、高橋正紀、野島達司の4人が受賞者として記録されています。日本映画として初めての同賞受賞です。
Q3:山崎貴監督の2026年最新作『ゴジラ-0.0』はいつ公開ですか?
A3:日本では2026年11月3日(火・祝)に公開予定です。『ゴジラ-1.0』から2年後の世界を舞台にした続編で、神木隆之介、浜辺美波らが出演します。山崎監督が監督・脚本・VFXを担当しています。
Q4:山崎貴監督の作品はすべて自分でVFXを担当しているのですか?
A4:すべてではありません。監督・脚本・VFXを兼任する作品は多いものの、監督・脚本のみの作品や、総監督、共同監督、VFX監修など担当範囲が異なる作品もあります。作品ごとのスタッフクレジットを確認することが大切です。
Q5:山崎貴監督の映画を初めて見るなら、どの作品がおすすめですか?
A5:人間ドラマなら『ALWAYS 三丁目の夕日』、映像技術なら『ゴジラ-1.0』、SFなら『ジュブナイル』、アニメーションなら『STAND BY ME ドラえもん』がおすすめです。見たいジャンルから選ぶと、監督の作風を理解しやすくなります。
まとめ:山崎貴映画はVFXと人間ドラマの両面から楽しむ
山崎貴監督の映画人生は、2000年の『ジュブナイル』から始まり、『ALWAYS 三丁目の夕日』で幅広い観客層を獲得し、『永遠の0』『STAND BY ME ドラえもん』『ゴジラ-1.0』などを通じて表現の幅を広げてきた。
作品を振り返ると、山崎監督の強みは単純なCGの技術力だけではない。実写とミニチュア、CGを適切に組み合わせ、存在しない世界を現実のように見せる力。そして、その映像の中心に人間の感情や家族の物語を置く演出にある。
代表作を選ぶなら、まず『ALWAYS 三丁目の夕日』で人情ドラマとVFXの融合を体験し、『永遠の0』で歴史ドラマの演出を知り、『ゴジラ-1.0』で世界的に評価された映像技術を堪能する順番がおすすめだ。初期作品の『ジュブナイル』や『リターナー』までさかのぼれば、現在の山崎作品につながるSF表現の原点も見えてくる。
そして2026年11月3日には、最新作『ゴジラ-0.0』が公開される。邦画初のFilmed For IMAXという新たな挑戦に加え、前作から続く物語がどのような結末へ向かうのか。山崎貴監督が長年積み上げてきた映像技術と演出力が、次の段階へ進む作品として注目したい。
山崎貴映画を理解するうえで大切なのは、VFXの派手さだけで作品を評価しないことだ。映像技術、物語のテーマ、登場人物の感情という3つの視点で比較すると、監督の進化と作品ごとの個性がより鮮明に見えてくる。