【2026年成績】55試合登板・33ホールドで最優秀中継ぎ投手賞を獲得
鈴木昭汰の2026年シーズンを象徴する数字は、55試合登板、33ホールド、防御率2.39、ホールドポイント39だ。
NPB公式記録によると、2026年のパ・リーグにおけるホールドポイントランキングで鈴木は39ポイントを記録し、堂々の1位に立った。2位の松本裕樹(ソフトバンク)は36ポイント、3位の椋木蓮(オリックス)は35ポイント。上位の救援投手が競り合うなかで、鈴木がタイトルを手にした。
ここで押さえたいのが、ホールド数とホールドポイントは別の数字だという点だ。鈴木の2026年成績は次のようになっている。
ホールドポイントはホールドと救援勝利を合わせた評価指標であり、鈴木の場合は33ホールドに6勝を加えた39ポイントとなる。最優秀中継ぎ投手賞は単純な登板数やホールド数だけではなく、救援投手としてチームの勝利にどれだけ貢献したかを示す数字が評価されるタイトルだ。
2026年度のNPB公式表彰でも、鈴木昭汰は最優秀中継ぎ投手賞の受賞者として掲載されている。これはプロ入り後初めての個人タイトルであり、ドラフト1位で入団した左腕にとって大きなキャリアの節目となった。
【年度別成績を比較】2024年の防御率0.73から2025年の4.82、2026年の2.39へ

鈴木昭汰のプロ入り後の成績を振り返ると、2024年に飛躍し、2025年に苦しみ、2026年に再び中継ぎの主力へ戻るという流れが見えてくる。
特に2024年から2026年までの3年間は、投手としての役割と安定感の変化を理解するうえで重要だ。
鈴木昭汰の年度別投手成績一覧

出典:NPB公式個人年度別成績、スポーツナビ。Hはホールド。2026年はシーズン終了時の記録。
2024年は防御率0.73、リーグ屈指の安定感

2024年の鈴木は51試合に登板し、防御率0.73、27ホールド、5セーブを記録した。
投球回は49回1/3。被安打32、被本塁打2、自責点4という内容で、WHIPも1.01に抑えている。勝ち試合の中盤から終盤にかけて登板し、相手打線に得点を許さない働きが際立った。
特に防御率0.73は、単なる好調という言葉では片付けられない数字だ。50試合以上に登板しながら失点を極めて少なく抑えたことは、ブルペンにおける信頼度の高さを示している。
2025年は防御率4.82へ悪化
ところが翌2025年は29試合登板、防御率4.82と成績が大きく落ち込んだ。
投球回は28回で、被安打32、与四球8、自責点15。WHIPは1.43まで上昇している。2024年と比べると、走者を出す頻度が高くなり、安定した投球を続けることが難しくなった。
一方、奪三振は27個を記録しており、三振を奪う能力そのものが失われたわけではない。問題は打者を抑え込むまでの投球全体の安定性にあったと読み取れる。
2026年は55試合登板、防御率2.39まで改善
2026年は55試合に登板し、52回2/3を投げて防御率2.39。2025年から防御率を2.43ポイント改善させた。
注目したいのはWHIPの変化だ。2025年の1.43から2026年は1.04へ改善している。2026年は登板数だけでなく投球回も増えているため、単に少ないイニングで数字を整えたわけではない。
奪三振数も27個から43個に増加した。ただし投球回が28回から52回2/3へ大幅に増えているため、奪三振率そのものは2025年の8.68から2026年の7.35へ低下している。数字を正確に比較すると、2026年の復活は三振率の急上昇というより、走者を抑えながら長い期間ブルペンを支えたことに特徴がある。
【2025年の不振から何を取り戻した?】復活の鍵は登板機会と安定性
鈴木昭汰の2025年を振り返る際、見落とせないのがコンディション面の問題だ。
スポーツナビの選手プロフィールには、2025年は前半戦で14ホールド、5セーブを記録したものの、7月にコンディション不良の影響で離脱し、その後は再調整に時間を要して公式戦登板がなかったと記載されている。
つまり、2025年は年間を通じて同じ役割を継続できたシーズンではなかった。防御率4.82という結果だけを見て、投手としての能力が全面的に低下したと判断するのは適切ではない。
実際、2025年は前半だけで14ホールドと5セーブを挙げていた。シーズンを通して働けなかったことが、登板数の減少にも直結している。
2026年は救援陣の柱として再浮上
2026年は55試合登板まで回復し、ホールドも33に増加した。2025年の14ホールドから19個増えており、チームがリードしている展開で起用される機会を取り戻したことが分かる。
救援投手にとって、シーズンを通じて登板できることは非常に重要だ。先発投手とは違い、救援投手は試合展開によって登板間隔や準備のタイミングが変わる。連投やブルペンでの待機も含め、コンディション管理が成績に大きく影響する。
鈴木の場合、2026年は投球回が52回2/3に増えながらWHIP1.04を維持した。これは復調を評価するうえで、防御率と同じくらい注目したい数字である。
2024年のような防御率0点台には届かなかったものの、年間を通して安定した投球を続け、タイトルを獲得した点では、2026年はキャリアの新しい到達点となった。
【投球スタイルを分析】左腕のストレートとスライダー、ツーシームが武器
鈴木昭汰の最大の特徴は、左腕から投げ込む力強いストレートと、複数の変化球を組み合わせる投球スタイルにある。
2020年のドラフト時、ロッテは鈴木について、ダイナミックなフォームと150キロを超えるストレート、左右の打者に対して内外角へ投げ分けられるコントロールを評価していた。入団時からパワーと制球力を兼ね備えた左腕として期待されていたことが分かる。
2026年の球種別データ
スポーツナビに掲載された2026年の投球データでは、鈴木の球種構成は次のようになっている。
- ストレート:投球割合45.2%、平均球速146.2キロ、最速151キロ
- スライダー:投球割合26.2%、平均球速128.3キロ
- ツーシーム:投球割合22.7%、平均球速136.9キロ
- スプリット:投球割合5.9%、平均球速135.9キロ
ストレートが投球全体の約半分を占める一方、スライダーとツーシームも積極的に使用している。左打者だけでなく右打者にも対応できる球種構成だ。
ストレートで打者を押し込み、変化球で勝負する
2026年8月21日の日本ハム戦では、鈴木は10回に登板。郡司裕也、大塚瑠晏、水野達稀を3者連続三振に仕留めた。
報道によると、この登板では右打者の郡司に内角147キロのストレート、左打者の水野には外角150キロのストレートを投じて三振を奪った。大塚に対しては外角のスライダーで空振りを奪っている。
同記事では、当時のスライダーの被打率が.135、奪三振が15個と紹介されていた。さらに鈴木本人は、ストレートに加えてツーシームとフォークも好調の要因として挙げている。
「そうですね、あとツーシームとフォークが投げられているので、それが良い要因かなと思いますね」
この発言から読み取れるのは、ストレートだけに頼る投球ではなく、複数の球種を使って打者の反応を変化させていることだ。
左投手のストレートは、左打者に対する外角攻めだけでなく、右打者の内角を突く場面でも効果を発揮する。そこにスライダーやツーシームを組み合わせることで、打者はストレートに的を絞りにくくなる。
2026年の鈴木は、球速という分かりやすい武器に加え、球種の使い分けによって中継ぎ投手としての完成度を高めたと評価できる。
【経歴を徹底解説】常総学院から法政大学、ドラフト1位でロッテへ
常総学院高等学校
茨城県の高校野球名門校
高校時代はエースとして春夏通じて3度の甲子園出場を経験。全国舞台で実績を積んだ。
法政大学
東京六大学野球
大学では一時的に登板機会を失う苦境を経験。3年秋に中継ぎとして復調し、ドラフト候補として評価を高めた。
千葉ロッテマリーンズ
2020年ドラフト1位
2021年にプロ入り。先発を経験した後、中継ぎとして頭角を現し、2026年に最優秀中継ぎ投手賞を獲得。
常総学院では3度の甲子園出場
鈴木は1998年9月7日生まれ、茨城県出身。常総学院高校ではエースとして活躍し、2年春、3年春、3年夏と3度の甲子園出場を果たした。
高校卒業後すぐにプロ入りする道ではなく、法政大学への進学を選択した。大学でさらに成長してからプロを目指すという進路だった。
法政大学では苦境から立ち直った経験も
大学時代の鈴木は、最初から順調だったわけではない。
千葉ロッテの広報室が2021年に紹介した本人のエピソードによると、大学1年秋のリーグ戦では3試合に登板して防御率7.11。2年時には春秋とも登板機会がなく、ベンチ入りもできない時期を過ごした。
しかし、3年生になるとオープン戦でアピールを続け、秋には7試合に登板して防御率0.56を記録。中継ぎとして結果を残し、再び評価を高めた。
この時期に中学時代の指導者から受けた助言をきっかけに、グラブへ「牙」という文字を刺繍するようになったという。チャンスが来るまで準備を続けるという意味を込めたもので、プロ入り後のグラブにも同じ文字を入れている。
2020年ドラフト1位で千葉ロッテへ
2020年10月26日のドラフト会議で、鈴木は千葉ロッテマリーンズから1位指名を受けた。法政大学所属の左腕として、東京ヤクルトスワローズとロッテの指名競合を経て、ロッテが交渉権を獲得した。
球団のドラフト発表資料では、当時の評価として最速150キロ超のストレートと、左右の打者に対して両サイドへ投げ分けられる制球力が挙げられている。
プロ入り後は2021年に23試合へ登板。2022年は6試合、防御率7.30と苦しんだが、2023年には13試合で防御率2.76を記録した。そして2024年に51試合登板、防御率0.73という大きな飛躍を遂げている。
大学時代の苦境から立ち直った経験と、プロ入り後の成績の波を考えると、2026年のタイトル獲得は一時的な好調だけでは説明できないキャリア上の成果だ。
【プロの結論】鈴木昭汰の2026年をどう評価すべきか
鈴木昭汰の2026年を評価する際、最も重要なのは防御率だけを見ないことだ。
2024年の防御率0.73は圧巻だった。しかし、中継ぎ投手の評価は防御率だけで決まらない。年間を通して登板できるか、リードを守れるか、複数の打者に対応できるか、そしてチームの勝利につながる役割を果たせるかが問われる。
その観点から2026年の鈴木を分析すると、次の3点が高く評価できる。
1. 55試合登板という稼働実績
2025年は29試合だった登板数が、2026年は55試合まで増加した。投球回も28回から52回2/3へ増えている。年間を通じてブルペンの戦力として機能したことが、ホールドポイント39につながった。
2. WHIP1.04が示す走者を抑える能力
2026年のWHIPは1.04。2025年の1.43から大きく改善している。走者を出す頻度を抑えることは、救援投手がリードを守るうえで欠かせない要素だ。
3. タイトル獲得による実績の確立
2026年の最優秀中継ぎ投手賞は、鈴木にとって初めての個人タイトルとなった。リーグ最多の39ホールドポイントという数字は、年間を通じた救援での貢献を客観的に示している。
一方で、2026年の防御率2.39は2024年の0.73を上回っているわけではない。2024年と2026年のどちらが優れていたかを一つの数字だけで決めることは難しい。
2024年は少ない失点で圧倒的な結果を残したシーズン。2026年はコンディション面の問題を経て、より多くの登板機会をこなしながらタイトルを獲得したシーズンだ。評価するポイントが異なるのである。
また、最優秀中継ぎ投手賞を獲得したからといって、クローザーとしての実績まで同時に証明されたわけではない。2026年のセーブは1。33ホールドという数字が示すように、鈴木の主な価値は勝ち試合の途中を任される中継ぎとしての働きにある。
今後の評価では、シーズンを通した健康状態、登板数、WHIP、被打率、ホールドポイントを組み合わせて見ることが重要になる。
【鈴木昭汰に関するよくある質問(FAQ)】
Q1:鈴木昭汰の2026年の成績は?
A1:千葉ロッテマリーンズで55試合に登板し、6勝3敗、1セーブ、33ホールド、防御率2.39を記録しました。ホールドポイントは39で、パ・リーグ1位です。
Q2:鈴木昭汰は最優秀中継ぎ投手賞を獲得した?
A2:はい。2026年にパ・リーグの最優秀中継ぎ投手賞を初受賞しました。ホールド33と救援勝利6によるホールドポイント39が受賞につながりました。
Q3:鈴木昭汰はどこの高校・大学出身?
A3:常総学院高校から法政大学へ進学しました。2020年のドラフト会議で千葉ロッテマリーンズから1位指名を受け、2021年からプロ野球選手としてプレーしています。
まとめ:鈴木昭汰は2026年に中継ぎエースとして新たな実績を築いた
鈴木昭汰の2026年は、前年の不振から立ち直り、救援投手としての価値を改めて証明したシーズンだった。
2024年の防御率0.73、27ホールドという圧倒的な実績の後、2025年はコンディション不良もあり、防御率4.82と苦しんだ。しかし2026年は55試合に登板し、防御率2.39、33ホールド、ホールドポイント39を記録。パ・リーグ最優秀中継ぎ投手賞を初めて獲得した。
常総学院、法政大学を経てドラフト1位でプロ入りした左腕は、大学時代にも登板機会を失う苦境から立ち直った経験を持つ。2025年の不振を乗り越えた2026年のタイトル獲得は、そのキャリアにおける新たな成果といえる。
今後の注目点は、2026年に取り戻した安定感を翌シーズン以降も維持できるかどうかだ。ストレート、スライダー、ツーシームを軸とした投球に磨きをかけ、年間を通して勝ち試合を任される存在であり続けられるか。千葉ロッテのブルペンを支える左腕として、鈴木昭汰の次のシーズンにも期待が集まる。