【関取とは?】番付によって給料が大きく変わる大相撲の給与制度

目次

まず理解しておきたいのは、すべての力士が同じ給与体系で働いているわけではないという点だ。

大相撲では、十両以上の力士を「関取」と呼ぶ。横綱から十両までが関取に該当し、幕下、三段目、序二段、序ノ口は「力士養成員」という区分になる。

関取の給料は日本相撲協会から支給され、所属する相撲部屋が直接月給を決める仕組みではない。番付上の地位によって基本給が定められている。

関取の番付と給与区分

関取の給料

給与体系は大きく5段階に分かれる。

- 横綱: 力士の最高位。給与面でも最上位。
- 大関: 横綱に次ぐ地位。独立した給与区分が設けられている。
- 関脇・小結: 三役と呼ばれる地位。
- 平幕(前頭): 幕内力士のうち、横綱・大関・関脇・小結以外の力士。
- 十両: 関取になるための最初の地位。月給制が始まる。

ここで注意したいのが「三役」という言葉だ。

一般的な相撲用語では大関を含めて三役と呼ぶ場合もあるが、給与区分では大関と関脇・小結を分けて扱う。今回の給与比較における三役は、関脇と小結を指す。

また、十両と幕下の間には、単なる番付の上下以上の待遇差がある。月給の有無に加えて、力士褒賞金の支給対象になるかどうかも変わる。

【2026年最新比較】横綱・大関・三役・平幕・十両の月給と年収

関取の給料

2026年の関取の月給は、2019年1月から適用されてきた給与水準が基準になっている。

しかし、2026年7月30日の日本相撲協会の理事会で、2027年1月からの給与改定が決定した。

日刊スポーツやデイリースポーツの報道によると、今回の改定は関取の給与としては8年ぶり。各階級で月額10%前後の引き上げとなる。

番付別の月給・年額比較

関取の給料

金額は万円。年額は月給12か月分+賞与2か月分の試算。

番付 2026年月給 2027年1月~ 月額増 年額目安
2026→2027
横綱 300 330 +30 4,200→4,620 大関 250 275 +25 3,500→3,850 関脇・小結 180 200 +20 2,520→2,800 平幕(前頭) 140 155 +15 1,960→2,170 十両 110 120 +10 1,540→1,680

出典:日本相撲協会の2026年7月30日の理事会決定に関するデイリースポーツ、日刊スポーツの報道。年額は賞与を月給2か月分として加算した独自の単純試算で、諸手当・褒賞金・賞金は含まない。

横綱の給料と年収

横綱の2026年の月給は300万円。年間12か月分だけで計算すると3,600万円になる。

賞与を年間2か月分とした場合、固定給と賞与の合計は約4,200万円だ。

2027年1月からは月給330万円に上がり、同じ計算では年額4,620万円となる。

横綱は給与以外にも、力士褒賞金、懸賞金、優勝賞金などを得られる可能性がある。特に優勝や人気力士としての活躍が続けば、基本給だけでは収入の全体像を把握できない。

大関の給料と年収

大関の月給は2026年が250万円、2027年1月から275万円。

2026年の月給12か月分は3,000万円で、賞与を含めると約3,500万円になる。改定後の同じ計算では約3,850万円だ。

大関は横綱昇進を目指す重要な地位であり、給与体系でも関脇・小結とは明確に区別されている。

関脇・小結の給料

関脇・小結の月給は2026年が180万円。2027年1月から200万円に増額される。

月給12か月分は現在2,160万円、改定後2,400万円。賞与を含めた単純計算では2,520万円から2,800万円となる。

三役は上位番付であり、横綱や大関との対戦も多い。番付上の地位を維持することが、収入を安定させるうえでも重要になる。

平幕(前頭)の給料

平幕の月給は2026年が140万円、2027年1月から155万円。

月給12か月分では1,680万円から1,860万円に増える。賞与を含めると1,960万円から2,170万円が目安だ。

平幕は横綱や大関に勝利すると金星などの特別な評価につながる場合がある。基本給とは別に、こうした実績が力士褒賞金にも影響する。

十両の給料と待遇

十両の月給は2026年が110万円、2027年1月から120万円。

賞与を含めた年額の単純計算では、1,540万円から1,680万円となる。

十両は関取としての待遇を受けられる最初の地位だ。幕下から十両へ昇進することは、力士にとって競技面だけでなく経済面でも大きな転換点になる。

なお、上記の年額はあくまで月給と賞与を基準にした目安であり、実際の年収は各種手当や力士褒賞金、賞金によって変わる。

【年収の実態】関取の賞与・手当・月給以外の収入源

関取の収入を月給だけで判断すると、実際の報酬体系を見誤る。

大相撲では基本給に加え、賞与、場所ごとの手当、出張手当、力士褒賞金などが支給される。

関取には年2回の賞与がある

関取には、月給とは別に年2回の賞与がある。

一般的な年収試算では、賞与は月給1か月分を年2回、合計2か月分として計算されている。

例えば横綱の場合、2026年の月給300万円を基準にすれば、賞与は年間600万円という計算になる。

この賞与を含めるかどうかで、年収の数字は大きく変わる。

本場所特別手当と出張手当

関取には、番付や出場状況に応じた手当もある。

特に関脇・小結以上には、本場所ごとの特別手当が設けられている。地方場所では出張に伴う手当も支給される。

また、東京場所に関連する力士補助費などもある。

これらの手当は月給とは別枠であり、年間収入を計算するときには見落とせない項目だ。

年収を計算するときの注意点

相撲の給与制度を整理した専門解説サイトでは、月給、賞与、各種手当、最低額の力士褒賞金を組み合わせたモデル年収も試算されている。

そのモデルでは、横綱の年収目安は2026年で約4,803万円、2027年の改定後は約5,223万円。十両では約1,711万7,500円から約1,851万7,500円となる。

ただし、これは一定の番付で6場所を過ごし、所定の出場条件を満たした場合の推計だ。2027年の試算では、改定が公表されていない一部の手当は従来額で計算されている。優勝賞金、三賞、懸賞金も含まれていない。

つまり、関取の年収には一律の答えがない。番付、成績、出場状況、過去の実績によって個人差が生まれる。

【力士褒賞金の仕組み】持ち給金が積み重なる独特の報酬制度

関取の収入を理解するうえで欠かせないのが「力士褒賞金」だ。

通称「給金」とも呼ばれるこの制度は、過去の成績に応じて支給額が積み上がっていく仕組みである。

一般的な賞与とは異なり、過去の実績が将来の収入にも影響する点が特徴だ。

持ち給金はどのように決まる?

力士褒賞金は、支給標準額と呼ばれる金額を基準に計算する。

主な加算条件は次のとおり。

- 勝ち越し点1点につき0.5円加算
- 平幕力士が横綱に勝つ金星で10円加算
- 幕内優勝で30円加算
- 幕内全勝優勝で50円加算

この支給標準額を4,000倍した金額が、本場所ごとに支払われる。

例えば、勝ち越し点が1点増えると、支給標準額は0.5円増える。

これを4,000倍すると、1場所あたり2,000円の増額となる。1年間に6場所あるため、その実績が翌場所以降も支給額に反映され続ける。

金星の場合は、支給標準額が10円増えるため、1場所あたり4万円の増額になる。

幕内優勝では1場所あたり12万円、全勝優勝では20万円の増額につながる。

番付ごとの最低支給額

昇進時には、地位に応じた最低支給標準額が設けられている。

- 横綱:150円(1場所60万円)
- 大関:100円(1場所40万円)
- 幕内:60円(1場所24万円)
- 十両:40円(1場所16万円)
- 幕下以下:3円(力士褒賞金の支給対象外)

これは最低額であり、実績を積んだ力士はさらに多く受け取る。

なお、幕下以下でも勝ち越し実績は持ち給金に反映される。十両に昇進すると、それまで積み上げた実績が褒賞金の支給に結びつく。

力士褒賞金が収入に与える影響

この制度の面白さは、過去の成績が現在の収入を支える点にある。

例えば、長年幕内で活躍し、何度も勝ち越しや金星、優勝を経験した力士は、最低支給額を大きく上回る持ち給金を持つ可能性がある。

そのため、同じ横綱や大関という地位でも、力士褒賞金まで含めた収入は同じとは限らない。

番付だけでなく、これまでの競技人生そのものが経済的な評価につながる仕組みなのである。

【懸賞金と優勝賞金】人気力士や好成績の力士には大きな収入も

関取の収入を大きく左右するもう一つの要素が、懸賞金や優勝賞金だ。

これらは毎月決まって支給されるものではない。取組の勝利や本場所での成績によって獲得する変動収入である。

大相撲の懸賞金は1本7万円

日本相撲協会の公式サイトによると、懸賞をかけられるのは幕内の取組だ。

懸賞金は1本7万円で、内訳は次のとおり。

- 提供者が出す懸賞金:7万円
- 勝った力士の獲得金額:6万円
- 日本相撲協会の手数料:1万円

したがって、懸賞が10本かかった取組で勝利すれば、力士の獲得額は60万円になる。

懸賞金は土俵上で全額受け取るわけではない

懸賞金の受け取り方法にも変更があった。

2025年5月場所から、勝ち力士が土俵上で受け取る現金は、従来の3万円から1万円に変更された。

残りの5万円は本人名義の口座に振り込まれる仕組みとなっている。大量の現金を持ち歩くことによる盗難リスクなどに配慮した変更だ。

そのため、テレビ中継で力士が受け取る懸賞袋の中身と、実際の獲得金額は必ずしも一致しない。

2027年1月から優勝賞金も大幅アップ

2026年7月30日の理事会では、優勝賞金の改定も決まった。

幕内優勝賞金は、現行の1,000万円から2,000万円へ倍増する。賞金改定は1994年以来33年ぶりとなる。

そのほかの優勝賞金も引き上げられる。

- 幕内優勝:1,000万円から2,000万円
- 十両優勝:200万円から300万円
- 幕下優勝:50万円から70万円
- 三段目優勝:30万円から50万円
- 序二段優勝:20万円から30万円
- 序ノ口優勝:10万円から20万円

また、殊勲賞・敢闘賞・技能賞の三賞も、それぞれ200万円から300万円に増額される。

これらは2027年1月の初場所から適用される。

注目したいのは、優勝賞金が月給とは別に支給されることだ。

例えば2027年以降、幕内優勝を果たせば2,000万円の賞金が得られる。横綱の改定後の月給330万円と比較しても、約6か月分に相当する大きな金額だ。

ただし、優勝賞金や三賞は獲得できる力士が限られる。毎年の収入として計算に組み込むことはできない。

【関取と幕下の違い】幕下以下の給料・場所手当はいくら?

大相撲の給与制度で最も大きな境目は、十両と幕下の間にある。

十両以上は関取として月給を受け取るが、幕下以下は力士養成員として扱われ、月給は支給されない。

代わりに、本場所ごとの場所手当や成績に応じた奨励金を受け取る。

幕下以下の場所手当は2027年に増額

2026年11月場所までの場所手当と、2027年1月場所からの改定額は次のとおり。

- 幕下:16万5,000円から18万円
- 三段目:11万円から12万円
- 序二段:8万8,000円から9万5,000円
- 序ノ口以下:7万7,000円から8万2,000円

本場所は年間6回開催されるため、同じ段に1年間在位した場合の場所手当だけの合計は、次のようになる。

- 幕下:99万円から108万円
- 三段目:66万円から72万円
- 序二段:52万8,000円から57万円
- 序ノ口:46万2,000円から49万2,000円

この金額には勝ち星金や勝ち越し金、優勝賞金などは含まれていない。

勝ち星や勝ち越しでも収入が変わる

幕下以下には、場所手当のほかに勝星金と勝ち越し金がある。

2027年1月からの改定額は以下のとおり。

- 幕下:勝星金4,000円、勝ち越し金1万円
- 三段目:勝星金3,500円、勝ち越し金8,500円
- 序二段:勝星金3,000円、勝ち越し金7,500円
- 序ノ口:勝星金3,000円、勝ち越し金7,500円

例えば、幕下で6勝1敗だった場合、勝ち星は6つ、勝ち越し点は5点となる。

2027年1月以降の計算では、

18万円+(4,000円×6勝)+(1万円×5点)

となり、1場所の合計は25万4,000円になる。

2026年11月場所までの同じ成績なら22万6,000円だ。成績によって受け取れる金額が変わることが分かる。

十両昇進は収入面で大きな転換点

幕下から十両に昇進すると、待遇が大きく変わる。

最大の違いは、場所手当から月給制に移行することだ。

2026年の十両の月給は110万円。幕下の場所手当16万5,000円と比較すると、金銭面での差は非常に大きい。

さらに、十両以上になると力士褒賞金の支給対象となり、関取としての各種手当や賞与も受けられる。

逆に、十両から幕下に陥落すると、月給がなくなり、幕下の場所手当を受け取る体系に変わる。

このため、十両昇進は力士にとって単なる番付上昇ではない。経済的な自立や相撲部屋での待遇にも関係する大きな節目なのである。

【プロの結論】関取の給料を見るときに押さえたい3つの判断基準

関取の収入を正しく理解するには、次の3点を区別する必要がある。

1. 月給と年収を混同しない

月給に12を掛けた金額は基本的な年間給与であり、賞与や手当を含んだ総収入ではない。

2. 番付だけで収入を判断しない

力士褒賞金は過去の成績によって積み上がる。現在の番付が同じでも、過去の実績によって収入が異なる。

3. 固定収入と変動収入を分ける

月給や賞与と、懸賞金や優勝賞金は性質が違う。懸賞金や優勝賞金は活躍次第で大きく変わるため、安定した年収とは分けて考えるべきだ。

この3点を理解すると、番付表を見るだけでは分からない大相撲の経済的な仕組みが見えてくる。

【関取の給料】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:関取の給料は2026年現在、いくらですか?

A1:2026年の月給は、横綱300万円、大関250万円、関脇・小結180万円、平幕140万円、十両110万円です。日本相撲協会が2026年7月に改定を決めたため、2027年1月からはそれぞれ330万円、275万円、200万円、155万円、120万円になります。

Q2:関取の年収は最低でも1,000万円以上ありますか?

A2:十両の月給は110万円なので、月給12か月分だけで1,320万円です。賞与や各種手当も別途あります。ただし、実際の年収は番付や出場状況、各種報酬によって変わります。

Q3:幕下の力士には給料がないのですか?

A3:幕下以下には関取のような月給はありません。ただし、本場所ごとの場所手当や勝星金、勝ち越し金、優勝賞金などを受け取る仕組みがあります。2027年1月から幕下の場所手当は1場所18万円に増額されます。

まとめ:関取の給料は番付と実績で大きく変わる

2026年の関取の給料は、横綱300万円、大関250万円、関脇・小結180万円、平幕140万円、十両110万円が基本となっている。

さらに、2027年1月からは8年ぶりの給与改定によって、横綱330万円、大関275万円、三役200万円、平幕155万円、十両120万円に引き上げられる。

関取の収入は月給だけではない。年2回の賞与、各種手当、力士褒賞金、懸賞金、優勝賞金などが加わり、過去の実績や本場所での活躍によって個人差が生まれる。

一方、幕下以下には月給がなく、場所手当を中心とした報酬体系が採用されている。十両への昇進が力士にとって大きな目標になるのは、競技者としての評価だけでなく、生活や収入の面でも大きな変化が生まれるからだ。

2027年の待遇改善は、力士全体の報酬水準を引き上げる重要な改定となる。今後は基本給だけでなく、懸賞金や賞金制度、力士褒賞金の積み上がりにも注目したい。

大相撲の番付は、勝敗や実力を示すだけのものではない。力士が積み重ねてきた努力と実績、そして土俵上で得られる報酬を映し出す、もう一つの評価基準でもある。

{ /*SEMANTIC_META:{"primary_entity":"関取の給料","secondary_entities":["日本相撲協会","横綱","大関","関脇","小結","平幕","十両","幕下以下","力士褒賞金","懸賞金","優勝賞金"],"entity_type":"Topic","search_intent":"Informational"} */ }