深緑野分とは?経歴・代表作・2026年の新作予定と読む順番を徹底解説
深緑野分(ふかみどり・のわき)さんは、『戦場のコックたち』『ベルリンは晴れているか』『スタッフロール』などで知られる日本の小説家です。2010年に短編「オーブランの少女」が第7回ミステリーズ!新人賞の佳作に入選し、2013年に同作を収録した短編集でデビュー。歴史ミステリーから幻想小説、ファンタジーまで、幅広いジャンルを横断する独自の作風で読者を獲得してきました。
2026年10月現在、注目したいのは新たな創作活動です。小学館のWeb文芸誌『STORY BOX』では新作「不可避 die unvermeidliche Waffe」の連載が始まり、12月刊行予定の『紙魚の手帖 vol.32』にも読切作品が掲載予定です。さらに、2025年11月25日には短編集『空想の海』が角川文庫から発売されました。経歴、代表作、文学賞での評価、作品一覧、そして初めて読む人におすすめの順番まで整理します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 読み方・経歴:深緑野分は「ふかみどり・のわき」。2010年の新人賞佳作入選を経て2013年にデビュー。
- 代表作・受賞歴:『戦場のコックたち』『ベルリンは晴れているか』『スタッフロール』が直木賞候補となり、『ベルリンは晴れているか』はTwitter文学賞国内編1位を獲得。
- 2026年の活動:新連載「不可避」が進行中。『空想の海』の文庫版は2025年11月25日に発売済みで、2026年12月にも読切掲載が予定されている。
【深緑野分の読み方は?プロフィールと作家デビューまでの経歴】

深緑野分は「ふかみどり・のわき」と読む

まず、名前の読み方を確認しておきましょう。
深緑野分(ふかみどり・のわき)と読みます。「野分」は秋に吹く強い風を意味する言葉で、初見では読み方に迷いやすいペンネームです。
1983年、神奈川県生まれ。小説家として活動し、ミステリーを中心に歴史小説、幻想小説、ファンタジーなどを手がけています。
東京創元社の著者紹介や筑摩書房のプロフィールでも、2010年の新人賞佳作入選と2013年のデビューが紹介されています。
2010年の新人賞佳作入選が作家人生の出発点

深緑野分さんの作家としての転機は、2010年の第7回ミステリーズ!新人賞です。
応募作「オーブランの少女」が佳作に入選しました。この作品は、のちに刊行されるデビュー短編集の表題作となります。
2013年10月25日、東京創元社から短編集『オーブランの少女』が刊行され、商業出版でデビューしました。
デビュー作からすでに、異なる時代や場所を舞台にした物語を構成する力が表れています。少女たちをめぐる謎、閉ざされた環境、過去に隠された秘密など、後年の作品にもつながるモチーフが見られます。
新人賞から長編作家へ
2015年には初の長編小説『戦場のコックたち』を発表。第二次世界大戦中のアメリカ軍に所属する若いコック兵を主人公に、戦争と日常の謎を組み合わせた意欲作でした。
同作が直木賞や本屋大賞などの候補となったことで、ミステリー読者だけでなく、一般文芸を読む層にも名前が広がります。
その後は『ベルリンは晴れているか』『この本を盗む者は』『スタッフロール』など、作品ごとに舞台やジャンルを変えながら創作を続けています。
【深緑野分の経歴と受賞歴を年表で整理】
深緑野分さんの評価を理解するには、単に直木賞候補になった回数を見るだけでは不十分です。作品ごとにどのような読者層や文学賞で評価されたのかを確認すると、作家としての広がりが見えてきます。
| 年 | 出来事・作品 | 主な実績・評価 |
|---|---|---|
| 2010年 | 「オーブランの少女」 | 第7回ミステリーズ!新人賞佳作 |
| 2013年 | 『オーブランの少女』 | 短編集刊行、商業出版デビュー |
| 2015年 | 『戦場のコックたち』 | 初長編刊行 |
| 2016年 | 『戦場のコックたち』 | 第154回直木賞候補、本屋大賞第7位、『このミステリーがすごい!』国内編第2位 |
| 2017年 | 作家活動 | 第66回神奈川文化賞・未来賞を受賞 |
| 2018年 | 『ベルリンは晴れているか』 | 長編刊行 |
| 2019年 | 『ベルリンは晴れているか』 | Twitter文学賞国内編第1位、本屋大賞第3位、第160回直木賞候補 |
| 2020年 | 『この本を盗む者は』 | 刊行。翌年の本屋大賞にノミネート |
| 2022年 | 『スタッフロール』 | 第167回直木賞候補 |
| 2023年 | 『空想の海』 | 短編集刊行 |
| 2025年 | 『スタッフロール』『空想の海』 | 両作品の文庫版が刊行 |
| 2026年 | 「不可避」 | 小学館『STORY BOX』で新連載が開始 |
実際に受賞した賞と候補になった賞は違う
ここで押さえたいのは、直木賞などの候補歴と、実際の受賞歴を混同しないことです。
『戦場のコックたち』は第154回直木賞候補、『ベルリンは晴れているか』は第160回直木賞候補、『スタッフロール』は第167回直木賞候補です。いずれも最終的な受賞作ではありません。
一方、2017年には第66回神奈川文化賞・未来賞を受賞。2019年には『ベルリンは晴れているか』が第9回Twitter文学賞国内編で第1位に選ばれています。
つまり、深緑野分さんは直木賞受賞歴によって評価された作家というより、複数の作品で主要文学賞の候補やランキング上位に入り、継続的に注目されてきた作家です。
【深緑野分の代表作5選|作品ごとの魅力と評価】
1. 『オーブランの少女』|デビュー作に表れた幻想とミステリー
2013年刊行のデビュー短編集です。
表題作では、美しい庭園オーブランを舞台に、管理人姉妹の死と、そこに隠された過去が描かれます。かつて庭園に集められた少女たちの存在や、外界から隔絶された環境に潜む秘密が、物語の不穏な雰囲気を形作っています。
短編集には全5編を収録。ヴィクトリア朝ロンドンや昭和初期の女学校など、異なる時代・場所を舞台に少女をめぐる謎が展開します。
後年の大長編とは異なる、短編ならではの凝縮された構成や幻想的な雰囲気を味わえる一冊です。
2. 『戦場のコックたち』|戦争の中に日常の謎を見つける
深緑野分さんの知名度を大きく押し上げた代表作の一つです。2015年8月に刊行された初長編で、1944年のヨーロッパ戦線が舞台となっています。
主人公は19歳のアメリカ軍コック兵ティム。戦場で料理を作り、仲間と生活する彼らは、戦闘だけでなく、身近で起こる不可解な出来事にも遭遇します。
本作の面白さは、戦争という巨大な歴史的状況を背景にしながら、兵士たちの食事や人間関係、何気ない出来事をミステリーの謎として扱っている点です。
銃や戦闘を中心に据えた戦争小説とは異なり、食事を支える人々の視点から戦場の日常を描いています。
評価も高く、『このミステリーがすごい!2016年版』国内編第2位、2016年本屋大賞第7位、第154回直木賞候補などの実績があります。
3. 『ベルリンは晴れているか』|歴史ミステリーの代表作
2018年9月刊行の長編小説です。
舞台は1945年7月、第二次世界大戦に敗れた直後のベルリン。米ソ英仏の4カ国統治下に置かれた街で、ドイツ人少女アウグステが恩人の不審死を知り、その甥に知らせを届けるために旅立ちます。
彼女の旅には陽気な泥棒も同行します。敗戦によって秩序が崩れた街を歩く二人の姿を通して、戦争の記憶、国家間の対立、個人の罪と責任が浮かび上がります。
歴史的背景の密度と、謎を追う物語としての推進力を両立させた作品です。
主な評価は次のとおりです。
- 第9回Twitter文学賞国内編:第1位
- 2019年本屋大賞:第3位
- 『このミステリーがすごい!2019年版』国内編:第2位
- 週刊文春ミステリーベスト10・2018年国内部門:第3位
- 第160回直木賞候補
直木賞候補に加え、読者投票型の文学賞や書店員が選ぶ本屋大賞でも高順位を獲得したことは、作品の幅広い支持を示しています。
4. 『スタッフロール』|映画を作る人々の情熱と葛藤
2022年刊行、第167回直木賞候補作です。
物語の中心にいるのは、戦後ハリウッドで活動する特殊造形師マチルダと、現代のロンドンで働くCGクリエイター、ヴィヴィアンという二人の女性です。
映画の特殊効果をめぐり、アナログ技術からデジタル技術へと制作環境が変化していく中で、二人は自分の仕事の価値や才能、創作者としての誇りと向き合います。
朝日新聞のインタビューでは、深緑さん自身が特殊造形とCGを対立するものではなく、どちらも芸術をより良くするための存在として描きたかったと説明しています。
また、作中のヴィヴィアンについて、作者自身と重なる部分が大きいとも語っています。賞の評価や創作への自信をめぐる葛藤が、作品に現実味を与えています。
映画が好きな人だけでなく、仕事に誇りを持ちながら評価や技術革新に悩んだ経験のある人にも響く作品です。
5. 『空想の海』|ジャンルの幅広さを楽しめる短編集
『空想の海』は2023年5月に刊行された短編集で、2025年11月25日に角川文庫版が発売されました。
文庫版には全11編を収録。ミステリー、児童文学、幻想ホラー、掌編小説など、さまざまなジャンルの物語が並びます。
表題と同名の「海」をはじめ、「空へ昇る」「緑の子どもたち」など、現実から少し離れた設定を使いながら、人間の想像力や関係性を描く作品が収められています。
『この本を盗む者は』のスピンオフ短編「本泥棒を呪う者は」も収録されているため、同作を読んだ人にも楽しみがあります。
長編で見せる緻密な構成とは違う、深緑野分さんの発想力やジャンル横断的な魅力を知るのに適した一冊です。
【深緑野分の作品一覧|刊行順にまとめて紹介】
深緑野分さんの主要な単著を、初刊行年を基準に整理しました。文庫版が発売されている作品についても、最初の刊行年を掲載しています。
- 2013年:『オーブランの少女』 — 新人賞佳作入選作を含むデビュー短編集。
- 2015年:『戦場のコックたち』 — 第二次世界大戦を舞台にした初長編。
- 2016年:『分かれ道ノストラダムス』 — 予言や未来への不安を題材にした長編。
- 2018年:『ベルリンは晴れているか』 — 終戦直後のベルリンを描く歴史ミステリー。
- 2020年:『この本を盗む者は』 — 本の呪いによって物語の世界に変化する街を舞台にしたファンタジー。
- 2021年:『カミサマはそういない』 — 不穏な世界や人間の心理を描いた全7編の短編集。
- 2022年:『スタッフロール』 — 映画制作の現場で働く二人の女性を描いた長編。
- 2023年:『空想の海』 — 11編を収録したジャンル横断型の短編集。
このほか、2024年刊行のアンソロジー『料理をつくる人』にも参加しています。こちらは複数作家による作品集であり、深緑さんの単著とは区別しておきたいところです。
また、2026年には『STORY BOX』で新連載「不可避 die unvermeidliche Waffe」が始まりました。単行本の刊行とは別に、雑誌・Web媒体での発表も追っておくと、最新の創作活動を把握できます。
【深緑野分の作風と評判|なぜ文学賞で評価されるのか】
1. 歴史的な舞台を徹底して物語化する
深緑野分さんの特徴としてまず挙げられるのが、歴史的な背景を物語の中心に据える力です。
『戦場のコックたち』では第二次世界大戦中のヨーロッパ、『ベルリンは晴れているか』では敗戦直後のドイツが舞台になります。
歴史的な出来事を単に説明するのではなく、その時代を生きた人間が何を食べ、誰と出会い、どのような選択を迫られたのかという生活の細部にまで視点を向けています。
大きな歴史の流れと、一人の人間の小さな日常を結びつける構成が、作品に奥行きを与えています。
2. ミステリーと人間ドラマを組み合わせる
深緑作品では、謎解きそのものが物語のゴールになるとは限りません。
不可解な事件を追いかける過程で、登場人物の過去や価値観、社会の仕組みが明らかになっていきます。
『戦場のコックたち』では戦場の小さな謎が戦争の現実につながり、『ベルリンは晴れているか』では不審死の調査が敗戦後のドイツ社会を映し出します。
謎を解くことと、人間や社会を理解することが同時に進む点が、一般的な謎解き小説とは異なる魅力です。
3. 作品ごとにジャンルを変える柔軟性
もう一つの特徴は、特定のジャンルにとどまらないことです。
『この本を盗む者は』では物語の世界を冒険するファンタジーを展開し、『カミサマはそういない』では不穏な設定や心理的な恐怖を扱います。『スタッフロール』では映画制作の技術や創作者の仕事に焦点を当てています。
こうした幅広さは、歴史ミステリーを期待する読者には意外に映るかもしれません。しかし、どの作品にも緻密な設定と人物の葛藤を描く姿勢が共通しています。
4. 評判を数字と文学賞から見る
深緑野分さんの評判を判断する際には、主要作品の文学賞やランキングが参考になります。
- 『戦場のコックたち』は『このミステリーがすごい!』国内編第2位。
- 『ベルリンは晴れているか』はTwitter文学賞国内編第1位。
- 『ベルリンは晴れているか』は2019年本屋大賞第3位。
- 『この本を盗む者は』は2021年本屋大賞第10位。
- 『スタッフロール』は直木賞候補。
これらの実績からは、ミステリーとしての完成度だけでなく、幅広い読者に届く物語性も評価されていることが分かります。
一方、作品によってジャンルや雰囲気が大きく異なるため、歴史ミステリーを期待して幻想小説を読むと、印象が違うと感じる可能性もあります。作家名だけで選ぶのではなく、作品ごとの題材を確認することが満足度につながります。
【深緑野分の現在は?2026年の新刊・連載・掲載予定】
2026年の新作連載「不可避」がスタート
2026年の大きな動きは、小学館のWeb文芸誌『STORY BOX』で始まった新連載「不可避 die unvermeidliche Waffe」です。
同作は2026年1月10日配信の『STORY BOX 2月号』で新連載として紹介されました。その後、4月配信の5月号にも掲載されています。
物語はナチスが台頭する時代のドイツを背景とし、兄弟の運命を軸に展開する歴史的な題材を扱っています。
深緑さんは2026年4月2日の自身のnoteでも、数年来温めてきたナチス・ドイツを主題とする長編小説を執筆していることを明かしています。過去の歴史と現在を結びつける創作への関心が、現在の新作にも表れています。
2026年12月には『紙魚の手帖』への読切掲載予定
もう一つの注目情報が、東京創元社の文芸誌『紙魚の手帖 vol.32 DECEMBER 2026』です。
出版社の刊行予定では、2026年12月刊行予定の同号に、雨井湖音さん、紅玉いづきさん、澤田瞳子さん、日向理恵子さん、深緑野分さんによる読切特集「本・読書」が掲載される予定です。
長編連載とは異なる短編で、どのような読書観や物語世界が描かれるのかも注目点です。
2026年の新刊は発売される?
2026年10月31日時点では、深緑野分さんの新しい単著について、確定した発売日を伴う刊行発表は確認できません。
直近の文庫化作品としては、2025年11月25日発売の『空想の海』があります。また、『スタッフロール』は2025年3月に文春文庫から刊行されています。
したがって、2026年の動向は、単行本の発売日だけで判断するよりも、「不可避」の連載と12月予定の読切掲載を追うことが重要です。
【深緑野分の作品を読む順番|初めての人におすすめのルート】
深緑野分さんの作品には、物語が連続するシリーズとしての必読順はありません。基本的にはどの作品から読んでも楽しめます。
ただし、作品ごとにジャンルや文章の雰囲気が異なるため、読みたい内容に合わせて選ぶと入りやすくなります。
初めて読むならこの順番がおすすめ
第1冊:『戦場のコックたち』
戦争、料理、仲間との日常、ミステリーという複数の要素が組み合わさっており、深緑作品の特徴をつかみやすい一冊です。最初の長編としてもおすすめできます。
第2冊:『ベルリンは晴れているか』
歴史的な背景をより深く味わいたい人におすすめです。前作で感じた人物描写や謎解きの面白さが、より大きな歴史の流れと結びついています。
第3冊:『スタッフロール』
戦争や歴史から離れ、映画制作という仕事の世界へ。特殊造形とCGという異なる技術を通して、創作者の情熱や葛藤を楽しめます。
第4冊:『オーブランの少女』
初期の短編を読み、デビュー時から持っていた幻想性やミステリーの構成力を確かめるのに適しています。
第5冊:『空想の海』
短編を通じて、ジャンルを横断する発想力を楽しめます。長編とは異なる深緑作品の魅力を発見できるでしょう。
好みに合わせて選ぶなら
- 本格的な歴史ミステリーが読みたい:『ベルリンは晴れているか』
- 戦争と日常の謎を楽しみたい:『戦場のコックたち』
- 映画やクリエイターの仕事に興味がある:『スタッフロール』
- 幻想的で不穏な短編が読みたい:『オーブランの少女』
- 本や物語の世界を冒険したい:『この本を盗む者は』
- 多彩なジャンルを少しずつ楽しみたい:『空想の海』
- 人間の心理や暗い世界観に触れたい:『カミサマはそういない』
最初から刊行順に読む必要はありません。自分が関心を持てるテーマから入ることが、深緑野分作品を楽しむ一番の近道です。
【深緑野分に関するよくある質問(FAQ)】
Q1:深緑野分は何と読みますか?
A1:ふかみどり・のわきと読みます。1983年神奈川県生まれの小説家で、2010年に「オーブランの少女」が第7回ミステリーズ!新人賞佳作に入選しました。
Q2:深緑野分の代表作は何ですか?
A2:『戦場のコックたち』『ベルリンは晴れているか』『スタッフロール』が代表作として挙げられます。いずれも直木賞候補となった作品です。幻想的な短編を読みたい場合は『オーブランの少女』もおすすめです。
Q3:深緑野分の2026年の新刊はありますか?
A3:2026年10月31日時点で、確定した単著の発売日は確認できません。一方、小学館の『STORY BOX』で新連載「不可避 die unvermeidliche Waffe」が進行中で、東京創元社の『紙魚の手帖 vol.32』には12月刊行予定の読切掲載情報があります。
Q4:深緑野分は直木賞を受賞していますか?
A4:直木賞の受賞歴はありません。『戦場のコックたち』『ベルリンは晴れているか』『スタッフロール』の3作品が候補となっています。別途、2017年に神奈川文化賞・未来賞を受賞しています。
まとめ:深緑野分は歴史と想像力を横断する作家
深緑野分さんは、2010年の新人賞佳作入選から2013年のデビューを経て、歴史ミステリー、幻想小説、ファンタジー、創作者を描く人間ドラマへと表現の幅を広げてきました。
『戦場のコックたち』で戦争と日常の謎を描き、『ベルリンは晴れているか』で歴史ミステリーの評価を確立。『スタッフロール』では映画制作の技術と芸術をめぐる問題に取り組み、『空想の海』では短編作家としての多彩な発想力を示しています。
2026年は「不可避」の連載が始まり、12月には『紙魚の手帖』への読切掲載も予定されています。長編の新刊発売を待つ読者にとっても、現在進行形の創作活動を追う楽しみがあります。
初めて読むなら『戦場のコックたち』、歴史ミステリーを深く味わうなら『ベルリンは晴れているか』、創作や映画の世界に関心があるなら『スタッフロール』がおすすめです。
文学賞の候補歴だけでは捉えきれない、題材の選び方と物語の構築力。その変化を作品ごとに読み比べることが、深緑野分という作家を理解するうえで最も豊かな読書体験になるはずです。
主な確認資料: 東京創元社・筑摩書房・KADOKAWAの著者および書籍情報、朝日新聞「好書好日」の著者インタビュー、小学館『STORY BOX』の2026年掲載情報、本人のnote、文学賞記録。