【扇千景の息子は2人】長男・中村鴈治郎と次男・中村扇雀のプロフィール
扇千景と四代目坂田藤十郎の間に生まれた息子は、1959年生まれの長男と1960年生まれの次男の2人です。2人とも幼少期から歌舞伎の舞台に立ち、現在はそれぞれ歌舞伎界で確固たる地位を築いています。
長男:四代目中村鴈治郎(本名・林智太郎)

1959年2月6日生まれ・長男
- 本名:林智太郎(はやし・ともたろう)
- 屋号:成駒家
- 初舞台:1967年11月
- 1995年:五代目中村翫雀を襲名
- 2015年:四代目中村鴈治郎を襲名
長男の中村鴈治郎は、1959年2月6日に東京で生まれました。初舞台は1967年11月の歌舞伎座『紅梅曽我』で、一萬丸を演じ、中村智太郎の名前で出演しています。
その後、1995年1月に大阪・中座で五代目中村翫雀を襲名。2015年1月には大阪松竹座で四代目中村鴈治郎を襲名しました。
襲名披露では『廓文章』の藤屋伊左衛門や『封印切』の亀屋忠兵衛など、上方歌舞伎を代表する役に挑戦しています。これらは、父・坂田藤十郎から受け継いだ上方和事の芸を伝える重要な演目でもあります。
日本俳優協会の公式プロフィールには、日本芸術院賞や2019年度の紫綬褒章などの受賞歴も掲載されています。名跡を受け継ぐだけでなく、上方歌舞伎の伝統を担う俳優として活動を続けています。
次男:三代目中村扇雀(本名・林浩太郎)

1960年12月19日生まれ・次男
- 本名:林浩太郎(はやし・ひろたろう)
- 屋号:成駒家
- 初舞台:1967年11月
- 1983年:慶應義塾大学卒業・舞台復帰
- 1995年:三代目中村扇雀を襲名
次男の中村扇雀は1960年12月19日、東京生まれです。本名は林浩太郎。兄と同じ1967年11月に歌舞伎座で初舞台を踏み、中村浩太郎の名前で出演しました。
興味深いのは、幼少期に一度歌舞伎の舞台から離れていることです。1969年11月の国立劇場出演を最後に、学業を優先するため休業しました。
その後、慶應義塾大学法学部政治学科を卒業し、1983年5月に京都南座で舞台へ復帰。1995年1月には大阪・中座で三代目中村扇雀を襲名しました。
歌舞伎では女方と立役の双方を演じ、幅広い役柄に取り組んでいます。日本芸術院賞を受賞するなど、演技面でも評価を受けています。
中村扇雀の歩みは、幼少期から舞台に立つ歌舞伎俳優であっても、学業を経て自分の意思で芸の道に戻る選択ができることを示す経歴です。
兄弟の本名と芸名を間違えないためのポイント

2人の名前を調べる際に注意したいのが、父親の本名との混同です。
- 父・四代目坂田藤十郎:林宏太郎
- 長男・四代目中村鴈治郎:林智太郎
- 次男・三代目中村扇雀:林浩太郎
いずれも「林」という姓を持ち、名前にも「太郎」が含まれていますが、それぞれ別人です。とくに父親の宏太郎と次男の浩太郎は読み方も似ているため、家系図を確認するときには注意が必要です。
【扇千景の家系図】夫・四代目坂田藤十郎との結婚と家族関係
扇千景の家族を語るうえで欠かせないのが、夫である四代目坂田藤十郎です。2人は1958年に結婚し、62年間にわたる夫婦生活を送りました。
夫は上方歌舞伎の名優・四代目坂田藤十郎
歌舞伎界で特に知られるのが、近松門左衛門の作品『曽根崎心中』のお初役です。1953年に初演し、長年にわたって演じ続けました。2015年には博多座でお初役1400回を達成しています。
1990年に三代目中村鴈治郎、2005年に四代目坂田藤十郎を襲名。1994年には人間国宝に認定され、2009年には文化勲章を受章しました。
2020年11月12日、老衰のため88歳で亡くなりました。上方歌舞伎を代表する名優の一人として、後世に大きな足跡を残しています。
扇千景は女優から政治家へ転身した異色の経歴
扇千景は1933年5月10日、兵庫県神戸市生まれ。本名は林寛子です。1954年に宝塚歌劇団で初舞台を踏み、退団後は映画やテレビで女優として活躍しました。
テレビでは、主婦向けワイドショー『3時のあなた』の司会などを担当。親しみやすい語り口と華やかな存在感で人気を集めました。
1977年には参議院議員選挙で初当選。建設大臣や国土交通大臣などを務め、2004年7月30日には参議院議長に就任しました。女性として初めて参議院議長を務めた人物です。
夫が歌舞伎の舞台に立ち続ける一方、扇千景は政治の世界で長く活動しました。家庭と仕事を両立させた夫婦としても知られています。
扇千景は2023年3月9日に89歳で亡くなりました。夫の死から約2年4か月後のことでした。
夫婦の関係を伝える息子たちの証言
2021年11月に放送されたテレビ朝日系『徹子の部屋』には、長男の中村鴈治郎と次男の中村扇雀が出演しました。
2人は父親の思い出や、夫を亡くした母親の様子について語っています。番組で紹介されたエピソードによれば、藤十郎は扇千景が入院した際に病院で寝泊まりするほど妻を大切にしていたといいます。
また、息子たちは父親について、舞台に対して非常に厳しい人物だったことも振り返りました。父親は言葉だけで教えるのではなく、舞台上の姿を通じて芸を伝える役者だったのです。
この親子の証言からは、家庭内の父親としての姿と、歌舞伎界の大先輩としての姿の両方が伝わってきます。
【家族関係一覧】扇千景から中村壱太郎・中村虎之介へ続く家系図
扇千景の家系は、夫の坂田藤十郎、2人の息子、さらに2人の孫へと続いています。特に注目したいのは、長男の家系と次男の家系の両方から歌舞伎俳優が誕生していることです。
人物同士のつながりを整理すると、次のようになります。
孫・中村壱太郎は長男の息子
1995年1月、大阪・中座の襲名披露興行で初代中村壱太郎を名のり、初舞台を踏みました。
女方としての評価が高く、2007年には16歳で大曲『鏡獅子』を踊りました。2010年には京都南座の『曽根崎心中』でお初役を演じています。
また、2014年には日本舞踊吾妻流の七代目家元を襲名し、吾妻徳陽の名でも活動。歌舞伎だけでなく、日本舞踊や現代演劇、映像作品などにも活動領域を広げています。
2020年には映像公演『ART歌舞伎』を発表。伝統芸能を映像で届ける取り組みにも挑戦しました。
孫・中村虎之介は次男の息子
2001年11月に歌舞伎座の顔見世興行で林虎之介の名で初お目見得。2006年1月には『伽羅先代萩』の千松役で初代中村虎之介を名のり、正式に初舞台を踏みました。
立役と女方の双方に取り組んでいる点が特徴です。歌舞伎俳優名鑑では、若手として舞台出演を重ね、祖父と同じ舞台に立った経験も紹介されています。
2025年には大阪府の芸術文化関連の受賞者としても取り上げられ、新作歌舞伎『千夜一夜譚 荒神之巻』での演技が評価されました。
【2026年最新】中村鴈治郎と中村扇雀の現在・公演スケジュール
2026年11月現在、兄の中村鴈治郎と弟の中村扇雀は、いずれも歌舞伎の舞台で活動を続けています。さらに、次世代の中村壱太郎と中村虎之介も、それぞれの持ち味を生かした舞台に出演しています。
中村鴈治郎の2026年11月の出演情報
吉例顔見世大歌舞伎
- 会場:歌舞伎座
- 期間:11月1日~25日
- 演目:通し狂言『仮名手本忠臣蔵』
- 鴈治郎:高師直(Aプロ)
松竹の公式歌舞伎情報サイト「歌舞伎美人」に掲載された2026年11月の公演情報によると、中村鴈治郎は歌舞伎座の「吉例顔見世大歌舞伎」に出演します。
演目は、赤穂浪士の討ち入りを題材にした名作『仮名手本忠臣蔵』。鴈治郎はAプロの大序・三段目で高師直を演じます。
公演期間は11月1日から25日まで。休演日は9日と17日です。昼の部は午前11時、夜の部は午後4時30分開演となっています。
中村扇雀の2026年公演スケジュール
2026年の主な出演公演
- 1月:新橋演舞場「初春大歌舞伎」
- 2月:歌舞伎座「猿若祭二月大歌舞伎」
- 3月:歌舞伎座「三月大歌舞伎」
- 7月:歌舞伎座「七月大歌舞伎」
- 8月:歌舞伎座「八月納涼歌舞伎」
- 10月:平成中村座「十月大歌舞伎」
中村扇雀の公式サイトに掲載された2026年の公演記録を見ると、年初から歌舞伎座や新橋演舞場、平成中村座など、主要な劇場で出演を重ねています。
特に8月の歌舞伎座「八月納涼歌舞伎」では、『百千鳥沖津白浪~鬼神のお松』に出演。10月の平成中村座「十月大歌舞伎」では、『仮名手本忠臣蔵~九段目』のお石や、『助六曲輪初花桜』の白酒売新兵衛などを演じました。
そして11月の歌舞伎座公演では、Aプロの『仮名手本忠臣蔵』で顔世御前を演じます。長年にわたり培ってきた女方の芸を披露する機会となっています。
2026年は孫世代の活動にも注目
中村壱太郎
マルコス浄瑠璃『金閣寺』
2026年8月29日~9月6日
東京芸術劇場プレイハウス
中村壱太郎は2026年、Bunkamura Produceのマルコス浄瑠璃『金閣寺』に出演しました。邦舞振付には吾妻徳陽(中村壱太郎)の名前も掲載されており、出演者としてだけでなく、日本舞踊の専門性を生かした制作面での参加も確認できます。
三島由紀夫の『金閣寺』を原作とする舞台で、伝統芸能と海外の舞台芸術を組み合わせた企画です。歌舞伎を軸にしながら活動の幅を広げている壱太郎の現在を示す仕事の一つです。
一方、中村虎之介も2026年11月の歌舞伎座「吉例顔見世大歌舞伎」に出演。『仮名手本忠臣蔵』のAプロ「道行」で鷺坂伴内を演じます。
つまり、2026年11月の同じ公演では、兄の鴈治郎、弟の扇雀、そして扇雀の息子である虎之介が舞台を共にしています。親子だけでなく、叔父と甥の世代が同じ歌舞伎公演に出演する姿は、成駒家の芸の継承を感じさせます。
成駒家と成駒屋は同じなのか?
歌舞伎の家系を調べる際に、間違えやすいのが「成駒家」と「成駒屋」の表記です。
四代目中村鴈治郎の襲名以前、この一門は「成駒屋」を屋号としていました。しかし、2015年1月の襲名を機に、屋号を「成駒家」へ変更しています。
現在の中村鴈治郎、中村扇雀、中村壱太郎、中村虎之介は、いずれも成駒家の一門です。一方、扇千景の夫である四代目坂田藤十郎の屋号は「山城屋」です。
同じ「なりこまや」と読む屋号でも、「家」と「屋」では歌舞伎の系統が異なります。扇千景の家族を調べる際には、この違いを押さえておくと家系の理解が深まります。
【扇千景の息子】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:扇千景の息子は何人いますか? A1:息子は2人です。長男が四代目中村鴈治郎、次男が三代目中村扇雀です。2人とも歌舞伎俳優として活動しています。
Q2:四代目中村鴈治郎と三代目中村扇雀の本名は何ですか? A2:四代目中村鴈治郎の本名は林智太郎、三代目中村扇雀の本名は林浩太郎です。父親の四代目坂田藤十郎の本名は林宏太郎です。
Q3:扇千景の孫は誰ですか? A3:孫は2人で、長男・中村鴈治郎の息子が中村壱太郎、次男・中村扇雀の息子が中村虎之介です。どちらも歌舞伎俳優として舞台に立っています。
Q4:中村鴈治郎と中村扇雀は2026年も活動していますか? A4:はい。2026年11月には2人とも歌舞伎座「吉例顔見世大歌舞伎」に出演しています。鴈治郎は高師直、扇雀は顔世御前を演じます。
Q5:扇千景の夫・坂田藤十郎は現在も存命ですか? A5:四代目坂田藤十郎は2020年11月12日に88歳で亡くなりました。扇千景も2023年3月9日に89歳で亡くなっています。
まとめ:扇千景の息子2人が受け継ぐ歌舞伎の伝統と2026年の現在
扇千景の息子は、長男の四代目中村鴈治郎と次男の三代目中村扇雀の2人です。父親は上方歌舞伎の名優・四代目坂田藤十郎で、夫婦は長年にわたって芸能と政治の世界で活躍しました。
長男の鴈治郎は2015年に大名跡を襲名し、上方歌舞伎の伝統を担う俳優として活躍。次男の扇雀は学業を経て舞台に復帰し、女方・立役の双方で幅広い芸を披露しています。
さらに、長男の息子・中村壱太郎と次男の息子・中村虎之介も歌舞伎俳優として成長しています。2026年には、壱太郎が新しい舞台芸術の企画に参加し、虎之介は歌舞伎座の公演に出演。11月の「吉例顔見世大歌舞伎」では、鴈治郎、扇雀、虎之介が同じ舞台に名を連ねています。
扇千景の家系を理解するうえで大切なのは、単に有名人の親子関係を知ることではありません。父から息子へ、息子から孫へと、芸名や屋号、そして舞台で培われた芸が受け継がれている点です。
夫婦2人が歩んだ時代は幕を閉じましたが、成駒家の一門は2026年も歌舞伎の舞台で活動を続けています。これからの中村鴈治郎、中村扇雀、そして中村壱太郎・中村虎之介の活躍にも注目が集まります。