【退任後の活動】バッファロー・飛島HD・明治大学で何をしている?

目次

大塚家具を離れた後の大塚氏は、特定の企業の経営トップに専念するのではなく、複数の組織で経営経験を生かす働き方へ移行した。

2026年の公開資料から確認できる活動を、もう少し詳しく見ていこう。

1.バッファローの社外取締役(監査等委員)

大塚久美子現在

では、2023年6月に社外取締役に就任。その後、2024年6月に監査等委員である取締役となった。

2026年6月25日現在の公式役員一覧にも、大塚氏の名前が掲載されている。

バッファローは、パソコン周辺機器やネットワーク関連製品などを展開する企業だ。

大塚氏に期待されるのは、家具販売の専門知識そのものよりも、企業経営、財務、経営企画、組織運営などで培った経験を取締役会や監査等委員会で生かすことだ。

同社の2026年の有価証券報告書でも、大塚氏の大塚家具社長時代の経験や経理・経営企画部門での業務経験が、監査等委員としての専門性に関連づけられている。

2.飛島ホールディングスの社外取締役

大塚久美子現在

2025年6月には、の社外取締役に就任した。

同社は2024年10月1日に設立された持株会社で、建設事業を中心としたグループ経営を担っている。

大塚氏の役割については、同社の社外取締役メッセージにも本人の考えが掲載されている。

注目したいのは、同社が掲げる「New Business Contractor」というグループビジョンだ。

既存の事業領域にとどまらず、外部のパートナーとの共創によって新しい事業を生み出すという方向性である。

大塚氏は、社外取締役として経営陣から独立した客観的な視点を持ち、企業価値向上やガバナンス、意思決定の質の向上に貢献する姿勢を示している。

2026年6月26日現在の取締役スキルマトリックスにも、社外取締役として名前が掲載されている。

3.明治大学でファミリービジネスを教える

大塚久美子現在

教育活動も、2026年の大きな変化の一つだ。

大塚氏は2023年4月から明治大学の特別招聘教授を務め、2026年4月からは兼任講師として活動している。

明治大学ビジネススクールの公式教員一覧では、担当科目として「ファミリービジネス経営実践」が掲載されている。

ファミリービジネスとは、創業家や親族などが所有・経営に深く関わる企業のことだ。

この分野では、一般的な経営戦略だけでなく、次のような問題が重要になる。

- 創業者から後継者への権限移譲
- 親族間の利害調整
- 株式の保有と経営権の関係
- 企業理念と経営改革の両立
- 親族外の経営者や第三者への承継

2014~2015年に自身が経験した経営権争いも、ファミリービジネスを考えるうえで重要な実例になる。

単に過去の騒動を振り返るのではなく、企業の持続性や後継者育成という教育テーマに結びつけている点が特徴だ。

4.Sakura HeritageCraft Initiativeの代表理事

もう一つ、見落とされやすい肩書きが、一般社団法人Sakura HeritageCraft Initiativeの代表理事だ。

大塚氏は2024年3月に代表理事に就任している。

2026年のバッファロー有価証券報告書にも、現在の兼職先として掲載されている。

この肩書きは、コンサルティング会社や上場企業の社外取締役とは異なる活動領域を示すものだ。

ただし、法人の名称や代表理事という役職だけから、個別のプロジェクト、事業規模、具体的な活動実績まで判断することはできない。公開資料で確認できるのは、同法人の代表理事を務めているという点である。

5.2026年10月28日にも事業承継をテーマに講演

2026年の直近の活動として注目したいのが、10月28日に開催された「賢者の選択 アントレプレナーCLUB」の第84回例会だ。

イベントの登壇者紹介には、次の肩書きが記載されている。

- 株式会社クオリア・コンサルティング代表取締役社長
- 明治大学兼任講師
- 大塚久美子氏

講演テーマは「後継者不足時代の事業承継」。

自身の著書をベースに、ファミリービジネスの継続、世代交代に伴う組織の課題、M&Aによる企業文化の承継などを取り上げる内容だった。

大塚家具時代の経験が、現在の講演活動にもつながっていることが分かる。

【著書・対談】大塚家具時代の経験を現在どう発信している?

大塚氏の現在を語るうえで、2025年に出版された著書は欠かせない。


著者:大塚久美子/出版社:集英社新書
発売日:2025年11月17日
全240ページ
自身の事業承継経験を踏まえ、ファミリー企業の葛藤やガバナンス、M&A、経営者のキャリアを論じた著作。


本の内容は大塚家具のお家騒動だけではない

集英社の公式紹介によると、主なテーマは次の5つだ。

1. 「家」と「株式会社」の間に生まれる葛藤
2. ファミリー企業のガバナンス
3. 事業の持続可能性と承継
4. 親族内承継と第三者承継、M&A
5. 個人のキャリアとファミリービジネス

特に注目したいのは、事業承継を単なる経営者の交代として扱っていないことだ。

企業には、株式、経営権、従業員、取引先、顧客、創業者の理念など、さまざまな要素が結びついている。

社長の椅子を次の人に渡せば終わりという問題ではない。

創業者が大切にしてきた価値を残しながら、時代に合わなくなった経営手法をどう変えるか。これが著書を貫く重要なテーマになっている。

2026年には福田淳氏との対談も実現

2026年8月26日と27日には、集英社新書プラスで福田淳氏との対談が前編・後編に分けて公開された。

テーマは「会社は誰のものか」という企業経営の根本的な問いだ。

対談では、2015年のプロキシーファイト(委任状争奪戦)を振り返りながら、株主と経営者の関係、経営者の責任、後継者不足、第三者承継などが話題になった。

大塚氏は株主について、次のように述べている。

本来問われるべきは「株主の質」なんです。

【検証資料 1】大塚久美子現在の当時の様子・関連報道写真(出典:Yahoo!ニュース)

これは、株主であれば誰でも同じ役割を担うわけではなく、長期的に企業を支える株主と短期的な利益を優先する株主では、経営に与える影響が異なるという議論の中での発言だ。

大塚家具の経営権争いを経験した人物だからこそ、企業の所有と経営の関係について、具体的な経験を交えて語れる。

また、2026年3月には伝統建築や手仕事の継承をテーマに、塚原龍雲氏との対談も集英社新書プラスで公開されている。

事業承継という経営上の問題を、伝統産業や文化の継承という広いテーマへ発展させていることも、現在の活動の特徴だ。

【大塚家具時代と現在を比較】経営者として何が変わった?

ここまでの経歴を整理すると、大塚氏の働き方は大きく変化している。

比較項目 大塚家具時代 2026年現在
主な立場 代表取締役社長 複数企業の代表・社外取締役・大学講師
主な仕事 小売事業の経営 経営支援、企業統治、教育
専門領域 家具・インテリア販売 事業承継、ガバナンス、経営戦略
活動範囲 大塚家具を中心とした経営 複数企業・教育・講演・執筆
社会への発信 商品・店舗・ブランド戦略 著書、対談、講義、講演

大きな違いは、一つの会社の業績に直接責任を持つ立場から、複数の組織に経営知識を提供する立場へ変わったことだ。

社長時代は、売上高、利益、顧客獲得、従業員のマネジメントなど、具体的な経営成果が問われた。

現在は、社外取締役としての監督機能、経営者への助言、教育、事業承継の知識の普及など、役割が分散している。

もちろん、社外取締役や講師としての活動が、そのまま企業経営の成功を意味するわけではない。役職の有無と、実際にどのような成果を生み出したかは分けて評価する必要がある。

ただし、経営の現場を経験した人物が、次世代の経営者や企業のガバナンスに関わっている点は、現在のキャリアを理解するうえで重要だ。

ネット上で混同されやすい3つのポイント

大塚久美子氏の現在を調べる際には、次の点を区別しておきたい。

- 現在も大塚家具の社長なのか?
いいえ。2020年12月に退任しており、2022年5月には大塚家具自体もヤマダデンキに吸収合併されている。

- 現在の仕事は家具販売だけなのか?
いいえ。経営コンサルティング、家具関連サービス、企業役員、大学教育、講演・執筆などに広がっている。

- 2015年のお家騒動が現在も続いているのか?
2015年の経営権争いは過去の出来事であり、現在確認できる主な活動は企業経営や事業承継に関するものだ。

こうした区別をすると、過去のニュースだけで現在の大塚氏を判断することは適切ではないと分かる。

【大塚久美子の現在】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:大塚久美子は2026年現在、何の仕事をしていますか?

A1:クオリア・コンサルティングとクオリア・リビング・ソリューションズの代表取締役を務めています。また、バッファローと飛島ホールディングスの社外取締役、明治大学の兼任講師としても活動しています。

Q2:大塚久美子は現在も大塚家具の社長ですか?

A2:いいえ。2020年12月1日付で代表取締役社長を退任しました。その後、大塚家具は2022年5月にヤマダデンキと吸収合併しています。

Q3:大塚久美子は現在、明治大学で何を教えていますか?

A3:明治大学の兼任講師として、ファミリービジネス経営実践を担当しています。創業家と企業の関係、事業承継、企業統治などに関わる分野です。

Q4:大塚久美子の現在の著書は何ですか?

A4:2025年11月17日に集英社新書から発売された『後継者不足時代の事業承継 当事者の視点で考える』です。大塚家具での経営経験を踏まえ、ファミリー企業の事業承継について解説しています。

Q5:大塚久美子は父親の大塚勝久氏と和解したのですか?

A5:父娘の関係について、2026年現在の和解を確定できる公的な発表は確認できません。2015年の経営権争いと、現在の事業活動は分けて考える必要があります。

まとめ:大塚久美子の現在は経営経験を次世代へ伝えるステージ

2026年10月現在の大塚久美子氏は、大塚家具の元社長という過去の肩書きにとどまらず、コンサルティング会社の代表、上場企業の社外取締役、大学の兼任講師として活動している。

特に注目したいのは、2025年の著書『後継者不足時代の事業承継』と、2026年に続いた対談・講演活動だ。2015年のお家騒動を経験した人物が、企業の世代交代やガバナンスというテーマを自らの専門領域として発信している。

大塚家具時代と現在では、仕事の対象も責任の範囲も異なる。かつては一つの家具小売企業の経営を担い、現在は複数の企業や教育機関で経営の知識と経験を生かしている。

今後の活動を見る際には、単に役職の数を評価するのではなく、企業統治への貢献、事業承継に関する教育・発信、実際の経営支援の成果という3つの視点が判断材料になる。

大塚久美子氏の2026年の姿は、創業家の後継者としての経験を、次世代の企業経営にどう生かしていくかという新しいキャリアの段階にある。