【日教組の2026年最新活動】働き方改革・教育政策・今後の重点課題
2026年の日教組は、従来の教育政策への提言や教職員の待遇改善に加え、組織の立て直しと学校の働き方改革を重要課題に掲げています。
2026年4月8日に労働政策研究・研修機構(JILPT)が公表した日教組臨時大会の取材記事からも、現在の活動方針を確認できます。
2026年3月の臨時大会で確認された重点課題

日教組は2026年3月18日に臨時大会を開催し、次期機関会議までの重点的な取り組みとして、次の2つを掲げました。
① 組織拡大・強化
組合員の減少に歯止めをかけるため、各地域の教職員組合や支部、学校単位の組織が連携して加入促進に取り組む方針です。
具体的には、2026年4月1日から10日まで「全国声かけ総アクション」を展開し、7月までフォローアップを実施しました。
② 学校の働き方改革
学校現場の長時間労働を改善するため、以下の課題に取り組んでいます。
- 教員の業務削減
- 教職員定数の改善
- 持ち帰り業務を含む正確な勤務時間の記録
- 未払い残業の防止
- 労働安全衛生体制の確立
- 給特法の廃止・抜本的な見直し
特に注目されるのが、教員の業務量を減らすだけでなく、仕事そのものを適切な担当者に移行するという考え方です。
単に教員の仕事を別の職種に押し付けるのではなく、学校全体の業務構造を見直すことを求めています。
日教組の2026年度教育政策と教育運動
日教組は2026年度版の「政策制度要求と提言」第13集を公表しています。
掲げているテーマは「教育福祉(Edufare)社会をめざし社会的対話をすすめよう」です。
主な重点政策には、次のようなものがあります。
| 政策分野 | 2026年度の主なテーマ |
|---|---|
| 子どもの教育 | 学習権の保障、子ども主体の学校改革 |
| 教育内容 | カリキュラム改革、主権者教育 |
| デジタル教育 | デジタル・シティズンシップ教育 |
| 特別支援教育 | インクルーシブ教育の推進 |
| 学校活動 | 部活動の地域移行 |
| 教育財政 | 教育予算・教育環境の充実 |
| 労働政策 | 学校の働き方改革と労働安全衛生 |
| 社会政策 | ジェンダー平等、平和、人権、環境 |
この政策を見ると、日教組が教職員の待遇改善にとどまらず、子どもの教育機会や学校制度全体についても提言していることが分かります。
2026年の組合員数はどうなっている?

組織率の低下は、2026年も大きな課題です。
JILPTが2026年4月に紹介した厚生労働省の「2025年労働組合基礎調査」では、日教組の組合員数は18万7,000人で、前年調査から9,000人減少しました。
日教組は春季の加入促進活動で一定の加入増加があったとしながらも、退会などによる減少を補いきれていない状況を課題として認識しています。
ここで注意したいのは、2025年労働組合基礎調査の組合員数と、文科省の2024年教職員団体調査の加入者数は、調査時点や調査方法が異なることです。
そのため、18万7,000人という数字をそのまま2024年の組織率18.8%に置き換えることはできません。
いずれの調査からも、日教組が組織の維持・拡大に苦戦している実態が読み取れます。
【日教組に加入するメリット・デメリット】教員が知っておきたい判断基準
日教組への加入を検討する教員にとって、最も気になるのは、実際にどのようなメリットがあるのかという点でしょう。
組合への加入は義務ではありません。地方公務員法上も職員団体への加入・非加入は本人の自由です。
日教組に加入する主なメリット
1.労働条件について組織的に交渉できる
教員が個人で教育委員会に待遇改善を求める場合、情報や交渉の機会を確保することが難しい場合があります。
組合に加入すれば、同じ問題を抱える教職員と協力し、勤務時間や休暇、職場環境などについて組織的に改善を求められます。
2.職場のトラブルについて相談できる
職場でのハラスメントや不適切な勤務管理、労働条件に関する問題などについて、組合の相談窓口や担当者に相談できる場合があります。
具体的な相談内容や支援範囲は、地域の組合によって異なります。
3.教育研究や情報交換の機会がある
教育研究集会や学習会を通じて、他校の教員と授業実践や教育課題について情報交換できます。
特に、経験の浅い教員にとっては、学校を越えた人的ネットワークが役立つ場合があります。
4.共済や福利厚生に関する情報を得られる
教職員向けの共済制度や福利厚生について、地域の組合や関連団体を通じて情報を得られる場合があります。
ただし、日教組への加入と各種共済への加入は必ずしも同じではありません。利用資格や条件を個別に確認する必要があります。
日教組に加入するデメリット・注意点
一方、加入前に考えておきたい点もあります。
| 注意点 | 具体的な内容 |
|---|---|
| 組合費 | 毎月または定期的な費用負担がある |
| 活動時間 | 会議や研修、集会への参加が必要になる場合がある |
| 政治的な考え方 | 組織の政策方針と個人の考え方が合わない可能性がある |
| 活動内容 | 自分が求める労働相談や待遇改善に十分対応できるとは限らない |
| 成果の不確実性 | 加入しても給与や労働環境の改善が必ず実現するわけではない |
特に重要なのは、組合費と活動内容のバランスです。
全国組織が同じでも、実際の相談対応や組合費、職場での活動内容は、所属する都道府県の教職員組合や支部によって異なります。
日教組への加入が向いている人・慎重に検討したい人
加入を検討する価値がある人
- 労働条件や勤務時間の改善を組織的に求めたい
- 職場のトラブルについて相談できる環境が欲しい
- 他校の教員と教育研究や情報交換をしたい
- 教育政策や学校制度について意見を発信したい
慎重に検討したい人
- 組合費に見合う支援内容を確認できていない
- 組織の政治・教育政策に関する方針に違和感がある
- 集会や会議などの活動に参加する余裕がない
- 個人で必要な労働相談や情報収集ができている
加入を決める前には、所属地域の組合に相談し、組合費、相談体制、活動内容、脱退手続きなどを確認しておくと安心です。
【日教組とはに関するよくある質問(FAQ)】
Q1:日教組とは何の略ですか?
A1:日教組は「日本教職員組合」の略称です。全国の教員や学校職員による労働組合の連合体で、1947年6月8日に結成されました。
Q2:日教組は左翼の団体ですか?
A2:日教組は政党ではありません。ただし、平和主義、憲法、人権、労働者の権利などを重視する政策を掲げており、一般に左派・リベラル寄りと評価されることがあります。個々の組合員の政治思想まで一律に決められるものではありません。
Q3:日教組の組織率は何%ですか?
A3:文部科学省の2024年10月1日現在の調査では18.8%です。加入者数は19万868人で、48年連続の組織率低下となりました。
Q4:日教組と全教は同じ組織ですか?
A4:別の組織です。日教組は日本教職員組合、全教は全日本教職員組合を指します。全教は1989年の日教組分裂を経て、1991年に発足しました。日教組は連合、全教は全労連に加盟しています。
Q5:日教組に加入しないと教員になれませんか?
A5:加入する必要はありません。教職員団体への加入は任意であり、加入していなくても教員として勤務できます。加入・非加入によって本人の職業上の資格が変わるわけではありません。
Q6:2026年の日教組の重点活動は何ですか?
A6:組織の拡大・強化と学校の働き方改革です。教員の長時間労働の是正、業務削減、教職員定数の改善、教育予算の確保、子どもの権利やインクルーシブ教育などにも取り組んでいます。
まとめ:日教組を理解するために押さえたい3つのポイント
日教組とは、1947年に結成された日本教職員組合の略称であり、全国の教員・学校職員の待遇改善や教育政策への提言を行う全国組織です。
2026年現在の日教組を理解するには、次の3つの視点が欠かせません。
第一に、歴史的な背景です。
戦後の教育改革とともに誕生し、文部省との対立、ストライキ、1989年の組織分裂などを経て、現在の組織体制が形成されました。
第二に、組織率と政治活動を分けて考えることです。
2024年の組織率は18.8%まで低下しています。一方、日教組は連合に加盟し、教育政策や労働政策について提言を続けています。政治的な評価だけでなく、具体的な活動や成果を確認することが大切です。
第三に、2026年の学校現場が抱える課題です。
教員不足、長時間労働、教育予算、子どもの権利など、日教組が取り組む課題は学校教育全体に関係しています。組織拡大と働き方改革を重点に掲げた2026年の動きは、今後の日教組の存在意義を左右する重要な局面です。
日教組を単純に「左翼団体」「労働組合」といった一つの言葉だけで評価するのではなく、結成から現在までの歴史、政治的立場、組織率、具体的な教育・労働政策を総合的に見ることが、実態を理解する近道です。
主な参考資料
- 文部科学省「令和6年度 教職員団体への加入状況に関する調査結果」
- 文部科学省『学制百二十年史』
- 日本教職員組合「組織情報」「2026年度政策制度要求と提言」
- 労働政策研究・研修機構「日教組臨時大会」(2026年4月8日)
- 全日本教職員組合「プロフィール」「綱領」
- 大阪市「職員団体の登録等について」(2026年2月18日)
- 広島県教育委員会「職員団体について」