伊藤かずえのシーマは現在どうなった?36年間の愛車と27万5333kmの軌跡、日産レストアの全貌

目次

女優・伊藤かずえさんが36年間にわたって乗り続けている日産の初代シーマが、2026年10月、再び大きな注目を集めている。1990年に新車で購入した愛車は、日産による大規模なレストアを経て、現在も現役で走り続けている。その走行距離は、2026年10月27日の報告で27万5333kmに到達した。

【検証資料 1】伊藤かずえシーマの当時の様子・関連報道写真(出典:Yahoo!ニュース)

注目すべきは、単に古い車を長く所有しているという話ではないことだ。2021年には日産自動車とオーテックジャパンが約8か月をかけてレストアを実施。エンジンやドアを取り外し、ボディの腐食修復、全塗装、内装の再現まで行った。費用についても、日産担当者が「当時の新車価格を優に超える」と説明している。なぜメーカーがここまで大規模な修復を行ったのか。そして、レストアから約5年が経過した現在のシーマはどうなっているのか。購入から現在までの経緯、車両の正体、修復内容、維持管理の実態を整理する。

📌 【この記事の重要ポイントまとめ】

  • 36年間のワンオーナー:1990年10月に新車購入した1990年式の日産Y31シーマを、2026年も所有し続けている。
  • 最新走行距離:2026年10月27日のブログ更新で27万5333kmを報告。レストアから約5年が経過しても快調と伝えている。
  • 日産のフルレストア:2021年4月に作業開始。同年12月に完成し、オーテックジャパンなどが復元を担当した。
  • 修復費用:正確な金額は非公表。ただし日産担当者は当時の新車価格約500万円を超えると説明した。
  • 現在の評価:大切に乗り続ける姿勢や、長距離走行を実現した愛車の状態にSNSでも称賛が集まっている。

【2026年10月最新】伊藤かずえのシーマは現在も現役!走行距離27万5333kmの実態

伊藤かずえシーマ

2026年10月31日現在、伊藤かずえさんのシーマは現役で走行を続けている。直近の大きな話題となったのは、10月27日に伊藤さんが自身のブログで公開した愛車の近況だ。

報道された投稿には、走行距離計が275333kmを示す写真が掲載されていた。伊藤さんはレストアから5年が経過したことに触れ、シーマが快調に走っていることを報告。今後も大切に乗り続ける意向を伝えている。

この報告を取り上げた「まいどなニュース」によると、投稿には車両の状態を称賛する声や、今後も乗り続けてほしいという反応が寄せられた。単なる芸能人の愛車紹介ではなく、長期間にわたる適切な整備とメーカーによる復元の成果が伝わるニュースとなった。

2026年8月には27万5000kmを達成

伊藤かずえシーマ

実は、10月の報告に先立ち、2026年8月にも走行距離が話題になっている。

伊藤さんは8月26日、自身のXで「愛車シーマ275000km走行!」と報告。メーターの写真も公開し、27万5000km到達を知らせた。日刊スポーツやORICON NEWSなどもこの投稿を取り上げている。

このとき、購入から20年ほどだと考えた人から走行距離について質問が寄せられたが、伊藤さんは平成2年から乗り続けていることを説明。実際には35年を超える所有歴があることを改めて伝えた。

そして約2か月後の10月27日には、さらに333km増えた275333kmという記録が明らかになった。8月の27万5000kmという節目からも、日常的に走行していることがうかがえる。

レストアから約5年、それでも乗り続けられる理由

伊藤かずえシーマ

2021年のレストアは、外観をきれいにするだけの作業ではなかった。日産は、今後も伊藤さんが長く安全に乗り続けられるよう、車両の状態を細部まで確認し、新品に交換する部分と補修で対応する部分を分けて復元した。

レストア完了時に日産が公表した内容によると、伊藤さんは以前から定期的な点検やメンテナンスを続けており、入庫時点で大きな不具合はなかった。一方、再塗装されていた外装や、外から見えない細かな部品には経年劣化や汚れが確認されていた。

つまり、今回のレストアは故障車を動く状態に戻す緊急修理ではなく、良好な状態を保っていた車両を、さらに長期間使用できるように整える予防的な意味合いも持っていた。

【愛車の正体】1990年式Y31シーマ・FPY31型タイプIIリミテッドとは?

伊藤かずえさんの愛車は、日産が1988年に発売した初代シーマの系譜に属する、1990年式のY31型だ。日産ヘリテージコレクションでも、伊藤さんの車両と同じ1990年式のFPY31型グロリア・シーマ、タイプIIリミテッドが紹介されている。

当時のシーマは、国産高級セダンの価値観を大きく変えた車種として知られる。大柄な3ナンバーボディ、V型6気筒DOHCターボエンジン、電子制御エアサスペンションなどを特徴とし、発売当時の好景気も背景に爆発的な人気を獲得した。「シーマ現象」という言葉が生まれたことからも、その存在感の大きさが分かる。

タイプIIリミテッドの主要スペック

日産のヘリテージコレクションに掲載された1990年式タイプIIリミテッドの主要諸元は次のとおりだ。

項目 仕様
車名 日産シーマ
世代 初代Y31型
型式 FPY31型
年式 1990年
グレード タイプIIリミテッド
エンジン VG30DET型
エンジン形式 V型6気筒DOHCターボ
排気量 2960cc
最高出力 255ps/6000rpm
最大トルク 343N・m/3200rpm
全長 4890mm
全幅 1770mm
全高 1380mm
車両重量 1650kg

出典:日産ヘリテージコレクション「グロリア シーマ タイプIIリミテッド」掲載データ。

タイプIIリミテッドは、3.0リッターのVG30DET型ターボエンジンを搭載する上級グレードだ。最高出力255psという数値は、当時の国産高級セダンとしても力強い性能を示している。

現在の車と比較すれば、電子制御や安全装備の面では時代の違いがある。しかし、余裕のある排気量、伸びやかなボディデザイン、当時ならではの内装の質感は、現代の車にはない魅力として評価されている。

伊藤かずえがシーマを選んだ意外な経緯

シーマ購入の背景には、伊藤さんの家族と日産車との長い関係がある。

2021年12月7日のレストア完成お披露目会で、伊藤さんは過去の愛車遍歴について語っている。父親が日産の社員だったこともあり、それまで乗ってきた車は日産車が中心だったという。

自身で初めて購入した車はエクサとローレル。その後、シーマを購入することになった。

興味深いのは、購入時にスカイラインGT-Rも候補に入っていたことだ。伊藤さんはGT-Rに憧れがあり、購入を迷ったものの、当時同じ時期に免許を取得した母親から、マニュアル車では自分が運転できなくなるという理由で反対された。結果としてシーマを選んだと日刊スポーツの取材で明かしている。

この選択が、36年間にわたる愛車生活の始まりとなった。

【36年間の歩み】1990年の購入から2026年までのシーマ年表

伊藤さんとシーマの関係を理解するには、購入からレストア、そして現在までの出来事を時系列で見ると分かりやすい。

年月 出来事 注目ポイント
1990年10月 シーマを新車で購入 ワンオーナー生活が始まる
購入後 10万kmを突破 エンジンを載せ替えた経験もある
2020年10月 30年目の点検がSNSで話題に 日産によるレストアのきっかけ
2021年3月 日産がレストアを正式発表 社内有志によるプロジェクトが始動
2021年4月 車両を日産に預ける 本格的な修復作業が開始
2021年5〜7月 分解・腐食修復・塗装 エンジンや内装なども取り外す
2021年10月 エンジン再搭載など 内装の復元や走行関連の作業
2021年12月7日 レストア完成を発表 NISSAN CROSSINGでお披露目
2026年8月 27万5000kmを達成 伊藤さんがXで報告
2026年10月27日 27万5333kmを報告 レストア後も快調と近況を発信

この年表で重要なのは、レストアが突然決まったものではない点だ。2020年の点検投稿をきっかけに、世間の反響と日産社内の動きが結び付き、メーカーを挙げたプロジェクトへと発展した。

また、2021年のレストア完了後も、伊藤さんは愛車の走行距離や状態を発信してきた。2026年の27万5333kmという記録は、単発のイベントではなく、その後も続いてきたカーライフの延長線上にある。

レストア実現のきっかけは2020年のSNS投稿

日産の公式説明によると、直接のきっかけは2020年10月に伊藤さんが愛車の1年点検についてSNSに投稿したことだった。

30年以上にわたって同じシーマを大切にしていることが広く知られるようになり、SNSやメディアで話題になった。投稿を見た人々からは、日産にレストアを検討してほしいという声が多数寄せられたという。

日産社内でも、長年自社の車を愛用してくれている伊藤さんに何かできないかという声が上がり、有志によるチームが立ち上がった。こうして、メーカーからの感謝を形にするレストア計画が実現した。

「日産からの感謝の想い」をレストアという形でお応えする取り組みが開始しました。

これは日産が公式に公開したレストアプロジェクトの説明に記された趣旨だ。単なる広告企画ではなく、長年自社製品を使い続けてきたオーナーへの感謝という意味が込められていた。

【日産の2021年レストア】オーテックジャパンが約8か月かけて実施した修復内容

今回のレストアで中心的な役割を担ったのが、日産グループのオーテックジャパンだ。現在の日産モータースポーツ&カスタマイズにつながる同社の技術者が、車両を細部まで分解し、必要な部品の交換と補修を組み合わせて復元した。

作業は2021年4月に始まり、12月7日に完成が発表された。オーテックの公式ニュースでも、約8か月にわたる作業として紹介されている。

1. エンジンやドアを取り外して車体を分解

レストアの初期段階では、ドアミラー、ウインドウガラス、ドア、シートなどを順番に取り外した。さらにエンジンも車体から降ろし、各部品の状態を確認している。

日産が公開した作業記録には、ほぼボディだけになったシーマの姿も掲載されている。普段は見えない部分まで確認できるようにするため、外装だけの修理ではなく車両全体を対象とした作業が行われた。

2. 塗装の下に隠れていた腐食を修復

外装については、以前に再塗装されていた部分を含め、経年劣化の状態を確認した。

特に注目されるのが、塗装の下に隠れていたボディの腐食部分だ。熟練技能者が腐食箇所を修復し、サンドブラスト装置などを使用して長年の汚れを落とした。

その後、塗装ブースで全体の塗装作業を実施。外見を美しくするだけでなく、車体の状態を整えたうえで仕上げている。

3. シートやシートベルトも当時のデザインを再現

今回の修復では、車両のオリジナル性を守ることも大きなテーマだった。

日産担当者はENCOUNTのインタビューで、当時と同じシートがすでに市販されていなかったため、元のタイプに近い形で再現したと説明している。

日産の公式作業記録でも、シートとシートベルトについて、当時の色や柄を忠実に再現したことが紹介されている。

つまり、現代の高級車の内装に交換したわけではない。伊藤さんが30年以上親しんできたシーマの雰囲気を残すことが、レストアの重要な条件だった。

4. エンジン再搭載と走行テスト

取り外されていたエンジンは、約4か月を経て2021年10月に車体へ戻された。足回りの組み付けやマフラーの取り付けも進み、エンジン始動まで作業が進展した。

完成前には栃木で走行テストも実施された。日産担当者によると、専門のテストドライバーが走る、止まる、曲がるといった基本性能を確認し、新車時の基準に照らしてチェックしたという。

最終的には、2021年12月7日に完成を発表。翌8日から22日まで、東京・銀座のNISSAN CROSSINGで完成車両が展示された。

オーテックジャパンだけではなかった復元プロジェクト

このレストアには、オーテックジャパン以外にも複数の企業が協力している。日産の公式発表には、オートリブ、住友電気工業、矢崎総業などの企業名も記載されている。

30年以上前の車両を復元する場合、現在も通常販売されている部品だけでは対応できない。製造終了部品の調達や、当時と同じ状態に戻すための作業方法の確認が必要になる。

オーテックの公式ニュースでも、部品の入手や作業方法の確認に当初の想定以上の時間がかかったと説明されている。今回のプロジェクトは、メーカーと部品供給企業の協力によって成立したものだった。

【レストア費用はいくら?】新車価格500万円を超えた理由とエアサスペンションの真相

伊藤かずえさんのシーマをめぐって、特に関心が高いのがレストア費用だ。

結論からいえば、総額の正確な数字は公表されていない。しかし、2021年12月7日の完成披露会で、日産担当者は当時の新車価格を大幅に上回る規模だったと説明している。

新車購入価格は約500万円、レストア費用はそれ以上

ENCOUNTが日産担当者に取材した記事によると、伊藤さんはシーマを新車で約500万円で購入したと説明している。

そのうえで、レストア費用について質問された日産担当者は、サプライヤーから提供された部品もあり、総額を単純に換算するのは難しいと説明した。

「当時の新車の価格を優に超えるっていうことしかお伝えできないですね」

これは2021年12月の完成披露会で、日産担当者がENCOUNTの取材に対して答えた内容だ。

重要なのは、500万円を超えたという話と、正確な修復費用が確定しているという話は別だということ。実際には協力企業から提供された部品などもあり、通常の修理見積もりのように単純計算できるものではなかった。

なぜそれほど高額になったのか

高額になった背景には、通常の整備や部分修理とは異なる作業規模がある。

今回のプロジェクトでは、次のような工程が組み合わされていた。

- エンジンやドアなどの大規模な取り外し
- ボディ内部や塗装下の腐食修復
- サンドブラストなどを使用した汚れの除去
- ボディ全体の再塗装
- 生産終了部品の調達
- 当時のシートや内装デザインの再現
- エンジンや足回りの再組み付け
- 完成後の走行テスト

さらに、一般的な修理工場の作業と異なり、メーカー側の技術者が車両のオリジナル性を確認しながら作業を進めていた。

費用を押し上げたのは部品代だけではない。希少な部品を探す時間、専用の修復作業、技術者による確認など、通常の整備とは異なる工程が必要だったことも大きい。

エアサスペンションは故障していたのか?

初代Y31シーマの特徴として知られるのが、電子制御エアサスペンションだ。

日産のヘリテージコレクションでも、初代シーマの技術的特徴の一つとして電子制御エアサスペンションが紹介されている。発売当時の高級セダンとして、乗り心地を重視した先進的な装備だった。

ただし、伊藤さんのシーマについて、エアサスペンションの故障がレストアの直接的な原因だったとする日産の公式説明はない。むしろ日産は、入庫時点で大きな不具合はなかったと発表している。

したがって、初代シーマ全般における経年劣化やエアサスペンションの修理問題と、伊藤さんの車両で実際に行われたレストア作業は区別する必要がある。特定の故障があったかのように扱うのは正確ではない。

一般オーナーも同じレストアを受けられる?

ここで気になるのが、一般のY31シーマオーナーも日産に同様のレストアを依頼できるのかという問題だ。

2021年の完成披露会では、一般ユーザー向けに同様のレストアサービスを展開する可能性についても質問が出た。日産担当者は、対象車種を広げることには課題があり、今後の展開は未定という趣旨の説明をしている。

つまり、伊藤さんのシーマのようなメーカー主導の大規模レストアが、一般向けに同じ条件で提供されていると考えるのは適切ではない。旧車の維持を検討する場合は、対応可能な整備工場、部品調達先、車両の状態を個別に確認する必要がある。

【レストア後の実態とSNSの評判】36年乗り続けるための維持管理とは?

レストアが完了した2021年12月から約5年。2026年10月の時点でも、伊藤さんのシーマは27万5333kmという走行距離を記録している。

この数字が示すのは、メーカーによる一度の大規模修復だけで長期間の使用が保証されるわけではないということだ。日常的な点検やメンテナンスを継続することが、旧車を走らせ続けるうえで欠かせない。

伊藤かずえのシーマに対するSNSの反響

伊藤さんのシーマには、レストア発表時から現在まで、さまざまな反響が寄せられている。

2020年の点検投稿では、30年以上同じ車を大切にしていることが話題になり、日産へのレストア要望が集まった。これがメーカー主導の復元プロジェクトにつながった。

2026年8月の27万5000km達成時には、ORICON NEWSがSNS上の反応を紹介。「大切に乗っている証明」「改めて、天晴れ」といった称賛の声が取り上げられた。

また、10月27日の最新報告についても、まいどなニュースが「すごくきれい」「今後も乗り続けてほしい」といった反応を紹介している。

こうした反響に共通しているのは、単に走行距離が長いことへの驚きだけではない。車を使い捨てにせず、整備を続けながら長く付き合う姿勢そのものが評価されている。

36年間乗り続けるために必要なメンテナンス

伊藤さんのケースで日産担当者が注目していたのは、日頃の丁寧な取り扱いと、定期的にディーラーへ通っていたことだった。

ENCOUNTの取材では、日産担当者が車を長く使うための基本として、異音や違和感があれば早めに販売店へ持ち込み、定期的に専門家の点検を受けることを勧めている。

Y31シーマのような旧車を維持する場合、特に確認したい項目は次のとおりだ。

点検項目 主な確認内容 注意点
エンジン 異音、オイル漏れ、冷却系統 ターボ車特有の整備知識も必要
足回り 異音、振動、車高の変化 経年劣化した部品に注意
エアサスペンション 作動状態、警告表示 故障時の部品調達先を確認
ブレーキ 制動力、パッド、ホース 安全に直結するため優先的に点検
電装系 メーター、スイッチ、配線 生産終了部品の確保が課題
車体 塗装、腐食、下回り 外から見えない部分も確認
内装 シート、内張り、ゴム部品 純正部品の入手性を確認

これらは旧車を維持する際の一般的な点検項目であり、伊藤さんの車両で現在すべての部品に問題があるという意味ではない。

初代シーマの維持費はどれくらい?

伊藤さん個人が現在支払っている年間維持費や、レストア後の累計整備費用は公表されていない。そのため、具体的な年間維持費を断定することはできない。

ただし、1990年式の3リッターターボ車であることを考えれば、現代の一般的なコンパクトカーと同じ感覚で維持費を考えるのは難しい。

維持費を考える際には、次の費用を分けて検討する必要がある。

  • 通常維持費:自動車税、任意保険、燃料代、駐車場代など。
  • 定期整備費:エンジンオイル、ブレーキ、タイヤ、冷却系統などの整備。
  • 経年劣化への対応:ゴム類、ホース、電装部品、足回りなどの交換。
  • 希少部品の調達費:製造終了部品の確保や代替部品の検討。
  • 大規模修復費:腐食修理、全塗装、エンジンや足回りの本格的な整備。

特に問題になりやすいのは、部品の価格だけでなく、そもそも新品部品が入手できるかどうかだ。伊藤さんのレストアでも、生産終了部品の調達と作業方法の確認に時間がかかったことが日産から公表されている。

したがって、初代シーマの中古車購入を検討する人は、車両価格だけで判断せず、整備履歴、部品供給状況、専門知識を持つ整備工場の有無まで確認したい。

レストア後もオリジナルのシーマであり続ける理由

今回のレストアで見逃せないのが、日産が最新技術を追加する方向ではなく、元の車両の魅力を残す方向を選んだことだ。

ENCOUNTのインタビューで日産担当者は、先進技術を新たに搭載するのではなく、当時のシーマに近い状態を再現することを重視したと説明している。

これは旧車の価値を考えるうえで重要なポイントだ。現代の装備を追加すれば便利になる部分はある。しかし、オーナーが愛着を持っているのは、購入した当時から続くデザインや乗り味、内装の雰囲気かもしれない。

伊藤さんのシーマは、単に走行可能な状態へ修理されたのではなく、1990年当時の個性をできるだけ保ちながら、これからも乗れる状態へ整えられた車両なのだ。

【プロの結論】伊藤かずえのシーマが旧車ファンに示した長く乗るための条件

伊藤かずえさんのシーマが特別なのは、27万5333kmという走行距離だけではない。

1990年の新車購入から36年間、同じ車を所有し続け、その途中でメーカーによる本格的なレストアを経験し、2026年になっても実際に走行している。その一連の歩みには、旧車を長く維持するための現実的なヒントがある。

1. 長期所有の基本は故障してから直すことではない

伊藤さんの車両は、日産に預けられた段階で大きな不具合がなかったと説明されている。日頃の点検やメンテナンスを欠かさなかったことが、良好な状態を保つうえで重要だった。

車は故障してから修理すればよいというものではない。小さな異音や振動、液漏れなどの変化を早い段階で把握し、専門家に確認してもらうことが結果的に大きな修理を避けることにつながる。

2. 希少車は部品を確保できるかが将来を左右する

旧車の維持で難しいのは、故障箇所が判明しても交換部品が簡単に手に入らないことだ。

伊藤さんのシーマでも、メーカーが関わる大規模なレストアでさえ、製造終了部品の調達に時間を要した。一般オーナーの場合は、さらに部品の入手先や修理方法を探す必要がある。

そのため、車を購入する前に、純正部品の供給状況、専門整備工場、代替部品の有無を確認することが欠かせない。

3. レストアは新車に戻すことではなく、車の価値を残すこと

今回の日産の取り組みでは、現代の装備を追加するよりも、当時の状態を再現することが優先された。

旧車のレストアには、見た目を美しくするだけでなく、その車が持つ歴史や設計思想を維持するという側面がある。伊藤さんのシーマが多くの人から評価される理由も、1990年式の車としての個性が残されていることにある。

4. どんな人が旧車の長期所有に向いているのか

伊藤さんの事例を参考にすると、旧車を長く所有することに向いているのは、車の状態をこまめに確認し、必要な整備に時間と費用をかけられる人だ。

一方、購入費用を抑えたい、故障時にすぐ部品が手に入ることを重視したい、日常の移動で絶対的な信頼性を求めたいという人には、製造から数十年が経過した旧車は負担が大きい可能性がある。

旧車の魅力と維持の難しさは表裏一体だ。愛着だけでは解決できない問題があるからこそ、整備環境や部品供給を含めて所有計画を立てる必要がある。

【伊藤かずえのシーマ】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:伊藤かずえさんのシーマは2026年現在、何万km走っていますか?
A1:2026年10月27日のブログ更新で、走行距離27万5333kmが報告されています。伊藤さんはレストアから約5年が経過しても快調に走っていると伝えています。

Q2:伊藤かずえさんのシーマは何年式で、どのグレードですか?
A2:1990年式の初代Y31シーマで、タイプIIリミテッドです。日産ヘリテージコレクションには、1990年式FPY31型の同グレードが掲載されています。

Q3:日産が行ったレストアはいつ完成しましたか?
A3:2021年12月7日に完成が発表されました。4月から約8か月をかけて、オーテックジャパンなどが修復作業を担当しました。

Q4:シーマのレストア費用はいくらでしたか?
A4:正確な総額は公表されていません。日産担当者は、当時の新車価格を優に超えると説明しています。伊藤さんの新車購入価格は約500万円でした。

Q5:レストアの原因はエアサスペンションの故障だったのでしょうか?
A5:そのような公式発表はありません。日産は入庫時に大きな不具合はなかったと説明しています。今回のレストアは、長期所有を支えるために車両全体を点検・復元する取り組みでした。

Q6:伊藤かずえさんはシーマを手放す予定がありますか?
A6:2026年10月27日の報告では、これからも大切に乗り続ける意向を伝えています。少なくとも今回の最新発信からは、所有を継続する姿勢がうかがえます。

Q7:一般の人も伊藤さんと同じように日産でレストアできますか?
A7:伊藤さんのケースはメーカー主導の特別なプロジェクトです。一般向けに同じ条件で実施するサービスが確立されているわけではないため、個別に対応可能な整備工場や専門業者へ相談する必要があります。

まとめ:伊藤かずえのシーマは36年目も走り続ける特別な愛車

伊藤かずえさんのシーマは、1990年10月の新車購入から36年を迎えた2026年も現役だ。2026年10月27日に報告された走行距離は27万5333km。日産による2021年のレストアから約5年が経過しても、快調な状態を保っている。

約8か月にわたるレストアでは、エンジンやドアの取り外し、ボディの腐食修復、全塗装、内装の再現などが行われた。オーテックジャパンをはじめとする複数の企業が協力し、当時の姿を残しながら長く乗れる状態へ復元した。費用は非公表ながら、日産担当者が当時の新車価格約500万円を超えると説明したことも、この作業の規模を物語っている。

そして、このシーマの本当の価値は、メーカーによる大規模なレストアだけでは説明できない。購入から長年にわたって続けてきた点検、日々の丁寧な取り扱い、車を手放さずに大切にしてきた伊藤さんの姿勢があってこそ、現在の走行距離につながっている。

27万kmを超えても走り続ける1990年式のシーマ。今後も走行距離の更新や愛車の近況が発信されるのか、旧車ファンだけでなく、多くの自動車ユーザーが注目している。

36年間変わらない愛車との関係は、車を所有することの意味を改めて考えさせてくれる。新しい車へ買い替えることだけが豊かなカーライフではない。適切な整備を続け、気に入った一台と長く付き合うことにも、確かな価値がある。

主な参考資料:日産自動車公式レストア記録・2021年12月7日付ニュースリリース、日産ヘリテージコレクション、オーテックジャパン公式ニュース、ENCOUNT、日刊スポーツ、ORICON NEWS、まいどなニュース。