【来杉有朱の正体】読み方と役柄、元地下アイドルという設定
来杉有朱の読み方は、「きすぎ・ありす」です。吉岡里帆が演じたこの人物は、TBSの公式人物紹介で、ライブレストラン「ノクターン」のアルバイト店員として紹介されています。
公式プロフィールに記載されている特徴は、次の3点です。
- 元地下アイドルという経歴を持つ。
- ミステリアスな雰囲気を漂わせる魔性の女性。
- 接客業らしく笑顔を絶やさないものの、目はまったく笑っていない。
この人物紹介だけでも、有朱が一般的な飲食店スタッフとは異なる存在であることが伝わります。
来杉有朱の「正体」は何者なのか?
有朱の正体を理解するうえで大切なのは、彼女が物語の外側からカルテットの人間関係に入り込む、意図的な異物として描かれていることです。
主人公たち4人は、音楽を通じて出会い、軽井沢の別荘で共同生活を送りながら、少しずつ互いの距離を縮めていきます。
一方、有朱はその穏やかな関係に自然に溶け込むタイプではありません。相手の弱みや欲望を見抜き、必要に応じて言葉や態度を使い分けます。
ABEMA TIMESのインタビューで吉岡里帆は、有朱について、男性を誘惑するだけの魔性の女性ではなく、周囲の関係を壊していく破壊的なタイプだと説明しています。
つまり、有朱の正体は、単純な悪女というよりも、孤立と焦燥を抱えながら他人の関係に介入する人物なのです。
元地下アイドルという設定はどこまで明かされている?

元地下アイドルという経歴は、TBSの公式プロフィールに記載されたドラマ内の設定です。
ただし、所属していたアイドルグループの名前や活動期間、具体的な芸能活動の詳細までが公式プロフィールで説明されているわけではありません。
ここで区別したいのは、元地下アイドルなのは吉岡里帆本人ではなく、演じた来杉有朱というキャラクターだということです。
この経歴は、有朱の人間関係や他者からの評価に対する独特の距離感を考える手がかりになります。
華やかさと孤独、愛想のよさと冷淡さ。その相反する要素が、彼女の不気味な魅力につながっています。
【ノクターンでの立ち位置】有朱がカルテットの4人を翻弄する理由

「ノクターン」は、カルテットの4人が定期的に演奏するライブレストランです。
有朱はここでアルバイト店員として働いています。
店では接客を担当しながら、演奏する4人の様子を間近で見る立場にあります。つまり、演奏者ではないものの、彼らの関係性や日常を観察できる位置にいるのです。
この立場が物語の展開に大きく関係します。
有朱が4人の仲のよさを壊したがる理由
ザテレビジョンドラマアカデミー賞の受賞インタビューで、吉岡里帆は有朱の内面について重要な説明をしています。
有朱には、家が貧しいことへのコンプレックスがあり、お金を稼がなければならないという焦りがある一方、本当は素直で、仲間と一緒にいられるような人間に憧れているというのです。
ここが有朱という人物の複雑なところです。
カルテットの4人は、それぞれ過去や秘密を抱え、決して完璧な人間ではありません。それでも一緒に音楽を演奏し、共同生活を続けています。
有朱は、そうした関係を外側から見ています。
自分には簡単に手に入らない仲間意識を持つ4人に対して、憧れと反発が入り混じった感情を抱いているのです。
有朱と主要人物の関係整理
| 人物・場所 | 演者 | 有朱との関係・物語上の役割 |
|---|---|---|
| 来杉有朱 | 吉岡里帆 | ノクターンの店員。物語を揺さぶるキーパーソン |
| 巻真紀 | 松たか子 | カルテットのメンバー。第7話ではバイオリンをめぐって有朱と関わる |
| 世吹すずめ | 満島ひかり | カルテットのメンバー。有朱と同じく、物語の重要な秘密に関わる |
| 家森諭高 | 高橋一生 | カルテットのメンバー。有朱との会話が第7話の展開につながる |
| 別府司 | 松田龍平 | カルテットのメンバー。共同生活を支える存在 |
| 巻幹生 | 宮藤官九郎 | 真紀の夫。有朱との遭遇が第7話の緊迫した事件につながる |
| ノクターン | ― | カルテットが演奏するライブレストラン。有朱の勤務先 |
この関係を押さえておくと、有朱が単なるゲストキャラクターではなく、主要人物の秘密や関係性を浮かび上がらせる存在だったことが分かります。
【第7話の衝撃展開】有朱はなぜ別荘に来たのか?
第7話は2017年2月28日放送。
TBS公式のあらすじでは、すずめが縛られていた理由と、有朱が別荘へ来た理由が明らかになる回として紹介されています。
ここからはストーリーのネタバレを含みます。
有朱が別荘に侵入した目的
第7話で有朱は、カルテットの4人が暮らす別荘へ向かいます。
きっかけとなったのは、家森とのやり取りです。家森から、真紀や別府の楽器には売却価値があることを知り、有朱は別荘にあるバイオリンに目をつけます。
そして、誰もいないと思われる別荘へ侵入し、真紀のバイオリンを持ち出そうとします。
ところが、そこには予想外の人物がいました。
真紀の夫・巻幹生です。
バイオリンをめぐる衝突とベランダからの転落
幹生は有朱がバイオリンを持ち出そうとしていることに気づき、取り返そうとします。
2人はもみ合いになり、その結果、有朱はベランダから転落してしまいます。
この出来事は、視聴者に大きな衝撃を与えました。
幹生は有朱が死んでしまったと思い込みます。帰宅した真紀も状況を知り、夫婦の選択は予想外の方向へ進んでいきます。
さらに、すずめが拘束されていた事情も明らかになります。幹生が自分の犯罪を警察に知らせないよう、すずめを動けない状態にしていたのです。
有朱は本当に死んだのか?
ここが第7話でも特に印象的なポイントです。
有朱は転落後、死亡したと思われますが、実際には気を失っていただけでした。
その後、意識を取り戻し、真紀と幹生が自分を死亡したと思い込んでいる状況を利用して、その場から去っていきます。
この展開によって、有朱のしたたかさが改めて浮き彫りになります。
視聴者が感じた恐怖は、単に転落事故の衝撃だけではありません。命の危機に直面した後でさえ、自分の利益を考えて行動する有朱の人物像にあります。
第7話の本筋は真紀と幹生の夫婦関係にもありますが、有朱の存在が事件をさらに複雑にし、物語の緊張感を高めています。
【吉岡里帆の役作り】「目が笑っていない笑顔」はどう生まれた?
有朱を演じた吉岡里帆の演技で、特に注目されたのが「目が笑っていない」という表情です。
これは視聴者が後から付けた印象だけではありません。
TBS公式サイトの2017年3月11日付現場レポートには、吉岡本人が役作りについて語った内容が掲載されています。
坂元裕二の脚本に書かれていた演技指示
吉岡によると、脚本家の坂元裕二は毎話のト書きに、有朱の「目が笑っていない笑顔」という趣旨の演技指示を書いていたそうです。
吉岡はこの指示を受け、単に口元だけで笑うのではなく、目に感情を乗せないことを意識していました。
難しかったのは、共演者との関係が自然に深まっていくことでした。
撮影現場で相手の話を聞いて楽しくなったり、親しみを感じたりすると、どうしても目に感情が表れてしまいます。
そこで吉岡は、休憩時間にも役柄の距離感を保つことを意識していたと振り返っています。
松たか子や高橋一生が休憩中に楽しそうに過ごしていても、そこに自然に加わりすぎないようにしていたというエピソードも印象的です。
鏡を使った表情の練習
さらに、ザテレビジョンの受賞インタビューでは、目が笑っていない表情を作るために鏡を見ながら練習したことを明かしています。
吉岡が着目したのは、目に感情が宿っていない状態でした。
有朱は目の前で起きている出来事に心から興味を持っていない人物だと捉え、その心理を表情に反映させたのです。
この役作りは、単なる顔の筋肉のコントロールではありません。
相手に関心があるように振る舞いながら、内面では距離を置く。その心理的な状態を表現するための演技だったのです。
役の影響が普段の笑顔にも及んだ
ORICON NEWSの2017年4月のインタビューでは、吉岡は『カルテット』の撮影期間中、別の仕事で笑顔を求められても、なかなか目が笑わなくなってしまったと振り返っています。
役に入り込んでいたため、日常の表情との切り替えにも苦労したようです。
また、UR都市機構のインタビューでは、有朱のような悪役を演じることには大きな負荷があったと語っています。
こうした本人の発言からも、有朱の表情が偶然生まれたものではなく、綿密な役作りによって作られたことが分かります。
【吉岡里帆の名シーンと評判】放送後も語り継がれる理由
有朱が注目された理由は、目が笑っていない表情だけではありません。
吉岡里帆のインタビューやドラマアカデミー賞の評価をたどると、セリフ、人物の複雑さ、カルテットとの対比という複数の要素が支持されていたことが分かります。
名シーン1:すずめへの恋愛レクチャー
吉岡本人がORICON NEWSのインタビューで好きなシーンとして挙げたのが、すずめに恋愛について教える場面です。
有朱は恋愛に対して独特の価値観を持ち、すずめに対しても大胆なアドバイスをします。
印象的なのは、告白と誘惑を区別するような考え方です。
この場面は、有朱の他人との距離の詰め方や、人間関係を自分のペースに持ち込む性格をよく表しています。
吉岡自身も、このシーンについて、単に見せ場として演じるのではなく、物語の中でどんな意味を持つのかを考えながら取り組んだと話しています。
名シーン2:「人生チョロかった」という強烈なセリフ
有朱を象徴する言葉として知られるのが、「人生チョロかった」というセリフです。
このセリフは、キャラクターの強気な価値観や、他人を見下すような態度を端的に表しています。
ORICON NEWSのインタビューでは、吉岡が脚本家の坂元裕二に、有朱の好きなセリフを尋ねたエピソードが紹介されています。
坂元は、このセリフを書けたときに手応えを感じたという趣旨の話をしたそうです。
吉岡にとっても、作品を象徴する印象深い言葉になりました。
名シーン3:第7話のベランダ転落
第7話のベランダからの転落は、有朱の存在感が最も強く表れた場面の一つです。
真紀のバイオリンを盗もうとした行動が、幹生との衝突を招きます。
そして、死亡したと思われた有朱が実は生きていたという展開が、視聴者の予想を裏切ります。
この場面では、可愛らしい外見と危険な行動、そして予測できない生命力が一つに結びついています。
有朱というキャラクターを象徴するシーンとして、作品を振り返る際にも外せない場面です。
放送後の評判と受賞歴
有朱の演技は、視聴者の反応だけでなく、賞の結果にも表れています。
第92回ザテレビジョンドラマアカデミー賞では、吉岡里帆が『カルテット』で助演女優賞を受賞しました。
同賞の評価では、有朱のかわいらしい外見の裏に潜む狂気や、カルテットの4人を翻弄する演技が高く評価されています。
また、投票の内訳を見ると、読者票では3位、ザテレビジョン記者票では2位、審査員票では3位でした。総合的な受賞結果だけでなく、異なる立場から評価されていた点も興味深いところです。
吉岡本人も受賞インタビューで、嫌われるような役にもかかわらず、多くの人が投票してくれたことへの喜びを語っています。
さらに、2018年のORICON NEWSのインタビューでは、有朱を演じたことで「目が笑っていない」と今でも言われることがあると振り返りました。
これは、役の印象が俳優本人の認知にも影響するほど強かったことを示しています。
【プロの結論】有朱の魅力は悪女という一言では説明できない
有朱を単純な悪女として理解すると、このキャラクターの面白さを見落としてしまいます。
重要なのは、次の3つの視点です。
1. 表面的な魅力と内面の孤独: 接客業で身につけた笑顔と、仲間を求めながら孤立する心理の対比。
2. 人間関係を壊す役割: 4人が築いてきた安心できる空気を揺さぶり、隠れていた感情や秘密を表面化させる機能。
3. 吉岡里帆の演技技術: 目元のコントロール、会話中の距離感、セリフの意味を理解するための役作り。
特に注目したいのは、有朱自身もまた孤立しているという点です。
4人の関係を壊そうとする彼女は、実は4人のようなつながりを求めていたのかもしれません。
その矛盾があるからこそ、視聴者は有朱を怖いと感じる一方で、どこか人間らしい人物として記憶するのです。
【2026年版FAQ】『カルテット』の吉岡里帆についてよくある質問
Q1:『カルテット』で吉岡里帆が演じた役名は?
A1:来杉有朱(きすぎ・ありす)です。ライブレストラン「ノクターン」で働くアルバイト店員で、元地下アイドルという設定のミステリアスな女性です。
Q2:来杉有朱は元地下アイドルなのですか?
A2:はい。TBSの公式人物紹介にも記載されているドラマ内の設定です。ただし、具体的な所属グループや活動歴までは詳しく紹介されていません。
Q3:来杉有朱は第7話で死んだのですか?
A3:いいえ。別荘のベランダから転落して死亡したと思われますが、実際には気を失っていただけで、その後に意識を取り戻します。
Q4:吉岡里帆の「目が笑っていない」演技はどうやって生まれたのですか?
A4:坂元裕二の脚本にあった演技指示をもとに、鏡を使って表情を練習しました。撮影中も共演者と親しくなりすぎないよう、役柄の心理的距離を意識していたと本人が語っています。
Q5:吉岡里帆は『カルテット』で賞を受賞しましたか?
A5:はい。第92回ザテレビジョンドラマアカデミー賞で助演女優賞を受賞しています。有朱の強烈な存在感と演技が高く評価されました。
まとめ:吉岡里帆の代表的な当たり役となった来杉有朱
2017年のTBSドラマ『カルテット』で吉岡里帆が演じた来杉有朱は、ノクターンのアルバイト店員であり、元地下アイドルという設定を持つ人物です。
読み方は「きすぎ・ありす」。笑顔なのに目が笑っていないという特徴的な表情と、他人の関係を揺さぶる大胆な言動で、作品に独特の緊張感をもたらしました。
第7話では、真紀のバイオリンを盗もうとして別荘に侵入し、幹生との衝突でベランダから転落。死亡したと思われながらも生きていたという展開が、視聴者に大きな印象を残しています。
吉岡里帆自身も、鏡を使った表情の練習や撮影中の心理的な距離感など、細かな工夫を重ねて役を作り上げました。その成果は助演女優賞の受賞や、放送後のインタビューで語られた反響にも表れています。
2026年に改めて『カルテット』を見るなら、注目したいのは有朱の笑顔だけではありません。
なぜ彼女は4人の関係を壊そうとしたのか。そして、なぜ自分自身はその輪の中に入れなかったのか。
この2つを意識して見直すと、来杉有朱というキャラクターの怖さだけでなく、その奥にある孤独や人間的な弱さまで見えてきます。