ハンタウイルスは日本で発生している?2026年クルーズ船事例と国内リスクを徹底解説
2026年、南米を出発したクルーズ船「M/V Hondius」で、ハンタウイルスの一種であるアンデスウイルスによる集団感染が発生した。WHO(世界保健機関)の発表では、感染者は13人、死亡者は3人に上り、国際的な感染症対策の課題として注目を集めた。
では、ハンタウイルスは日本国内でも発生しているのだろうか。厚生労働省と国立健康危機管理研究機構(JIHS)の公表資料によると、ハンタウイルス肺症候群(HPS)の国内患者はこれまで報告されていない。一方、腎症候性出血熱(HFRS)は過去に国内で感染例が確認されている。 この2つを区別することが、日本の感染リスクを正しく理解する出発点になる。
2026年7月2日にはWHOがクルーズ船関連の集団感染の終息を宣言した。日本人乗船者の健康観察も6月22日に終了している。2026年10月31日時点で押さえておきたい国内の発生状況、過去の感染例、アンデスウイルスの人から人への感染、症状、予防策を整理する。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】 - 国内の発生状況: HPSの国内患者報告はなく、HFRSも1998年以降、患者の発生が確認されていない。 - 2026年のクルーズ船事例: アンデスウイルスによる13人の感染と3人の死亡が報告されたが、7月2日にWHOが終息を宣言した。 - 日本国内の感染リスク: HPSを媒介するげっ歯類は国内に生息していないとされ、国内での感染リスクは極めて低い。
【国内発生状況】ハンタウイルスは日本で発生しているのか?

最初に知っておきたいのは、ハンタウイルスという名称が単一のウイルスを指すものではないという点だ。
ハンタウイルスは、ハンタウイルス科オルソハンタウイルス属に分類されるウイルスの総称である。感染するウイルスの種類や地域によって、引き起こされる病気や症状が異なる。
日本の感染状況を考える場合、特に重要なのが次の2つだ。
ハンタウイルス肺症候群(HPS)は国内未報告
ハンタウイルス肺症候群(HPS)は、主に北米・中南米で発生している重篤な感染症である。
感染すると発熱や筋肉痛などの症状が現れ、その後、急速に呼吸不全や循環不全へ進行する場合がある。
厚生労働省が公表しているハンタウイルス肺症候群の情報では、北米や中南米で患者発生が確認されている一方、日本国内ではHPS患者の発生報告はないとされている。
また、国立健康危機管理研究機構の2026年5月22日更新の情報でも、国内の患者発生は報告されていない。
腎症候性出血熱(HFRS)は日本にも過去の感染例がある
一方、腎症候性出血熱(HFRS)は、日本と無関係な感染症ではない。
JIHSによると、日本では1970年代から1980年代にかけて、実験動物のラットに関連した患者発生が報告されている。
その後、国内での患者発生は確認されておらず、JIHSの2026年3月23日更新資料では、1998年以降の患者発生は確認されていないと説明されている。
HFRSは腎臓に影響を及ぼす感染症であり、HPSのように肺を中心に重症化する病気とは臨床像が異なる。
つまり、日本のハンタウイルスについては、次のように整理できる。
- HPS:日本国内で患者発生の報告なし。
- HFRS:過去に実験動物由来の感染例あり。
- HFRSの近年の状況:1998年以降、患者発生は確認されていない。
「日本でハンタウイルスが発生していない」という説明だけでは、過去のHFRS感染例を見落としてしまう。 HPSとHFRSを分けて考えることが重要だ。
【2026年最新情報】クルーズ船M/V Hondiusで何が起きたのか?
2026年4月〜7月の国際的な感染事例
2026年のハンタウイルス関連ニュースで特に大きな注目を集めたのが、南米を出発したクルーズ船M/V Hondiusで発生した集団感染だ。
今回の原因となったのは、ハンタウイルスの一種であるアンデスウイルス(Andes virus)だった。
WHOやJIHSの公表資料によると、この事例では乗客や乗員を含む13人の感染が報告され、3人が死亡した。通常はげっ歯類から人に感染するハンタウイルスだが、今回の事例では船内で人から人への感染が発生したと考えられている。
発生から終息までの時系列
2026年4月1日:アルゼンチンを出港
クルーズ船はアルゼンチンを出発し、南大西洋を航行する旅程に入った。
最初の患者とされた人物は、南米で屋外活動をした後に乗船したとされる。
2026年4月3日:最初の患者に症状
JIHSの最終報告によると、最初の患者は呼吸器症状を発症した。その後、4月11日に死亡している。
2026年4月21日〜24日:船内で関連症例が発生
4月21日には別の乗船者が症状を発症。最初の患者のパートナーも4月24日に症状を呈し、後に南アフリカのヨハネスブルクで死亡した。
2026年5月2日:WHOに集団感染を通報
英国とオランダからWHOに重症急性呼吸器疾患の集団発生が報告された。同日、患者の検体からハンタウイルスが検出された。
2026年5月5日:アンデスウイルスを確認
JIHSの最終報告では、ゲノム解析によって原因ウイルスがアンデスウイルスと確認されたとしている。
2026年5月10日:テネリフェ島に到着
船には乗客83人、乗員60人、医療従事者4人が乗船していた。このうち乗客の1人が日本人だった。
2026年7月2日:WHOが終息を宣言
接触者全員の健康観察が終了し、新たな関連感染者が確認されなかったことから、WHOは集団感染の終息を宣言した。
最終的な感染者数と死亡者数
13人
感染者(確定12人・疑い1人)3人
死亡者23%
今回の事例の致命率653人
接触者(高リスク317人・低リスク336人)
出典:JIHS 2026年7月3日最終報告、WHO 2026年7月2日発表。
特に重要なのは、13人の感染者が全員M/V Hondiusに乗船していた人々だったことだ。
JIHSの調査では、船内にネズミが侵入していた証拠は確認されていない。最初の患者が南米で感染し、その後、船内で人から人への感染が起きた可能性が示されている。
ただし、感染源や具体的な感染経路の詳細については、疫学的調査の対象となった。
日本人乗船者については、英国に移送された後、健康観察が続けられ、2026年6月22日に観察期間を終了したとJIHSが報告している。
日本人が乗船していたという事実と、日本国内で感染者が発生したという事実は、明確に区別する必要がある。
【関係性を整理】HPS・HFRS・アンデスウイルスの違いとは?
ハンタウイルスを理解するうえで混同しやすいのが、ウイルスの種類と、それによって引き起こされる感染症の関係だ。
ここでは、今回のクルーズ船事例と日本の過去の感染例を関連付けて整理する。
| エンティティ | 主な関係・特徴 | 日本との関係 |
|---|---|---|
| ハンタウイルス | オルソハンタウイルス属の総称 | 過去にHFRSの国内感染例あり |
| HPS | 主に南北アメリカのウイルスが引き起こす肺症候群 | 国内患者報告なし |
| HFRS | 主にユーラシア大陸のウイルスが引き起こす腎症候性出血熱 | 1970〜80年代に実験動物由来の感染例 |
| アンデスウイルス | HPSを引き起こすウイルスの一種 | 国内で患者発生の報告なし |
| オナガコメネズミ | アンデスウイルスの自然宿主 | 日本国内に生息する宿主ではない |
| M/V Hondius | 2026年の集団感染が発生したクルーズ船 | 日本人乗船者1人の健康観察を実施 |
| WHO | 国際的な感染症情報の共有・対策を担う機関 | 2026年7月2日に集団感染の終息を宣言 |
| JIHS | 日本の感染症情報・リスク評価を担う機関 | 2026年7月3日に最終報告を公表 |
この関係から分かるのは、ハンタウイルスという同じ分類に属していても、ウイルスの種類によって感染経路や発生地域が異なるということだ。
特にアンデスウイルスは、人から人への感染が報告されている例外的なウイルスであり、2026年のクルーズ船事例を理解する重要な存在となっている。
【感染経路と初期症状】ネズミから感染する?人から人へもうつる?
ハンタウイルスの基本的な感染源は、感染したネズミなどのげっ歯類である。
ただし、ネズミに触れなければ絶対に感染しないというわけではない。排泄物で汚染された環境に入り込むことでも感染する可能性がある。
ネズミの尿・糞・唾液が主な感染源
ハンタウイルスの主な感染経路は次のとおりだ。
1. 粉じんの吸入: 感染したネズミの尿や糞が乾燥し、汚染された粉じんを吸い込む。
2. 直接接触: ネズミの尿や唾液などに触れ、ウイルスが目・鼻・口などから体内に入る。
3. 咬傷: 感染したネズミにかまれる。
4. 食品からの感染: ネズミの排泄物で汚染された食品や飲料水を摂取する。
特に注意したいのが、長期間閉め切った倉庫、物置、納屋、空き家などである。
ネズミの排泄物が残っている場所を不用意に掃除すると、汚染された粉じんが舞い上がり、吸い込む可能性がある。
ハンタウイルスは人から人へ感染するのか?
一般的なハンタウイルスは、人から人へ感染するものではない。
しかし、例外がアンデスウイルスだ。
JIHSによると、アンデスウイルスでは感染者との濃厚接触を通じた人から人への感染が報告されている。
感染経路として考えられているのは、感染者の飛沫を吸い込むことや、直接接触することなどだ。
特に、長時間にわたる近距離での接触が問題となる。一般的な風邪やインフルエンザのように、日常的な接触だけで広範囲に感染が広がる性質とは異なる。
2026年のクルーズ船事例では、この例外的な感染経路が実際に問題となった。
つまり、「ハンタウイルスは人から人へ感染しない」という説明も、「ハンタウイルスは簡単に人から人へ広がる」という説明も、正確ではない。
初期症状と潜伏期間
HPSの潜伏期間は、約1週間から7週間、通常は約2週間とされている。
初期症状は一般的なウイルス感染症と似ており、症状だけで判断するのは難しい。
| 段階 | 主な症状 |
|---|---|
| 初期 | 発熱、頭痛、悪寒 |
| 前駆症状 | 筋肉痛、関節痛、結膜充血 |
| 消化器症状 | 腹痛、下痢、嘔吐 |
| 重症化 | 咳、呼吸困難、低血圧 |
| 重篤な状態 | 呼吸不全、循環不全 |
HPSでは初期症状が現れた後、短期間で呼吸器や循環器の状態が悪化することがある。
特に呼吸困難や血圧低下が現れた場合は、速やかな医療対応が必要になる。
一方、HFRSでは腎臓への影響が中心となり、重症化すると腎不全やショックを起こす場合がある。
【日本国内の感染リスク】2026年の事例で日本に流行する可能性は?
2026年のクルーズ船事例を受けて、日本国内でも感染が広がるのではないかと心配する人は少なくない。
しかし、JIHSの2026年7月3日付最終報告では、米州で流行するハンタウイルスが日本国内で感染を引き起こす可能性は極めて低いと評価されている。
その理由は、ウイルスを媒介するげっ歯類の分布にある。
日本にはHPSを媒介するネズミが生息していない
ハンタウイルスは、種類によって自然宿主となるげっ歯類が異なる。
例えば、北米のHPSに関係するシカネズミや、南米のアンデスウイルスを媒介するオナガコメネズミが知られている。
JIHSは、これらのHPS関連ウイルスを媒介するげっ歯類が日本国内に生息していないと説明している。
そのため、仮に海外からウイルスが持ち込まれたとしても、国内の自然環境で同じ感染サイクルが成立する可能性は低い。
日本人乗船者への対応はどうなった?
今回の事例では、日本人乗船者1人の存在も注目された。
JIHSの最終報告によると、この人物は船から移動した後、英国で健康観察を受け、6月22日に観察期間を終了している。
また、今回の集団感染では、WHOの主導で33の国・地域にまたがる接触者の追跡が行われた。
高リスク接触者317人、低リスク接触者336人が特定され、全員の健康観察が終了した。WHOは7月2日に終息を宣言している。
国内リスクを判断するときの3つの視点
日本国内でのリスクを考える際は、次の3点を分けて考える必要がある。
- 国内の自然感染: HPSを媒介するげっ歯類が国内に確認されていないため、リスクは極めて低い。
- 海外からの持ち込み: 流行地域への渡航歴や感染者との濃厚接触が重要な判断材料となる。
- 過去のHFRS感染: 日本では実験動物由来の感染例があるため、ハンタウイルス全体を国内と無関係と考えるのは正しくない。
大切なのは、2026年の海外事例を理由に日本国内で大規模流行が起きると考えないことと、海外渡航やげっ歯類との接触に伴う個別のリスクを軽視しないことだ。
【予防方法・消毒対策】日本で日常的にできる感染予防とは?
ハンタウイルス対策の基本は、ネズミとの接触を避け、排泄物による環境汚染を防ぐことだ。
特別な薬やワクチンに頼るのではなく、感染源となるげっ歯類の侵入を防ぐことが重要になる。
ネズミの侵入を防ぐ
家庭や職場でできる対策は次のとおりだ。
- 食品やペットフードは密閉容器に入れる。
- 生ごみを放置しない。
- 壁や配管周辺の隙間を塞ぐ。
- 倉庫や物置を定期的に点検する。
- ネズミの糞や尿、巣材を放置しない。
特に食品の保管は重要だ。ネズミが侵入しやすい場所では、食品や飲料水が排泄物で汚染されないように管理する必要がある。
ネズミの糞や尿を見つけたときの掃除方法
ネズミの糞や尿を発見したとき、最も避けたいのが乾燥した排泄物をそのまま掃き集めたり、掃除機で吸い込んだりすることだ。
米国CDCの清掃ガイドラインでは、汚染された粉じんが空気中に舞い上がることを防ぐため、次のような手順が推奨されている。
1. ゴム製またはプラスチック製の手袋を着用する。
2. 家庭用消毒剤などを排泄物に十分に吹きかける。
3. 製品の表示に従って必要な時間、薬剤を浸透させる。
4. ペーパータオルなどで静かに拭き取る。
5. 使用したペーパータオルを適切に廃棄する。
6. 床や周辺の硬い表面を消毒する。
7. 手袋を外した後も石けんと水で手を洗う。
乾いた糞や尿を直接掃いたり、掃除機で吸い込んだりしないことが重要だ。
ネズミが大量に発生している場所や、広範囲に汚染されている建物では、一般家庭の清掃方法だけで対処せず、専門業者に相談したい。
南米などの流行地域に渡航する場合
アルゼンチンやチリなど、アンデスウイルスの発生が報告されている地域に渡航する場合は、特に注意が必要だ。
- 野生のネズミや死骸に触れない。
- ネズミの糞や尿が残る場所に立ち入らない。
- 汚染された粉じんを吸い込まないようにする。
- 食品や飲料水を適切に保管する。
- 感染者との食器や飲み物の共用を避ける。
- 感染が疑われる人とのキスや性的接触などの濃厚接触を避ける。
これらはJIHSが公表する予防策にも含まれている。
治療法とワクチンはあるのか?
2026年10月時点で、HPSには特異的な治療薬や国内承認ワクチンがない。
治療は症状に応じた対症療法が中心となる。
重症化した場合には、呼吸や循環の状態を管理するための集中的な医療対応が必要になることもある。
JIHSと厚生労働省も、HPSについて特異的な治療法はなく、対症療法が中心であると説明している。
このため、感染が疑われる状況では、自己判断で様子を見るのではなく、早期に医療機関へ相談することが大切だ。
特に南米への渡航歴やネズミとの接触歴があり、発熱や筋肉痛、咳、呼吸困難などが現れた場合は、受診前に医療機関へ電話し、渡航歴と接触歴を伝えるようにしたい。
【プロの結論】日本で本当に警戒すべきハンタウイルスのリスクとは?
2026年のクルーズ船事例は、ハンタウイルスの感染リスクを考えるうえで重要な事例となった。
従来、ハンタウイルスはネズミから人へ感染する病気として理解されてきた。しかし、アンデスウイルスについては、濃厚接触による人から人への感染も起こり得ることが、今回の事例でも示された。
一方、今回の感染者は全員がクルーズ船の乗客・乗員であり、WHOは接触者の追跡を完了したうえで終息を宣言している。
日本についても、HPSを媒介するげっ歯類が国内に生息していないという生態学的な背景があり、JIHSは国内感染の可能性を極めて低いと評価している。
ここから導き出せる判断基準は3つある。
第一に、国内での日常生活に過度な不安を抱く必要はない。 日本国内でHPSの患者発生は報告されておらず、今回のクルーズ船事例が国内流行につながったという状況も確認されていない。
第二に、海外渡航時のげっ歯類対策は軽視できない。 南米の流行地域では、ネズミの排泄物や汚染された粉じんへの接触を避けることが重要になる。
第三に、人から人への感染を一律に否定しないこと。 アンデスウイルスは例外的に濃厚接触による感染が確認されているため、感染者との接触歴がある場合は適切な健康管理が必要になる。
ハンタウイルスをめぐる今後の課題は、早期診断の精度向上、治療法の研究、ワクチン開発、国際的な感染症監視体制の強化だ。
【ハンタウイルス日本】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:ハンタウイルスは2026年現在、日本国内で発生していますか?
A1:ハンタウイルス肺症候群(HPS)の国内患者報告はありません。腎症候性出血熱(HFRS)は1970〜80年代に実験動物由来の感染例がありましたが、1998年以降は患者発生が確認されていません。
Q2:ハンタウイルスは人から人へ感染しますか?
A2:一般的なハンタウイルスでは人から人への感染は確認されていません。ただし、アンデスウイルスは例外で、感染者との濃厚接触による感染が報告されています。2026年のクルーズ船事例でも、人から人への感染が起きたと考えられています。
Q3:ハンタウイルスの初期症状と潜伏期間はどのくらいですか?
A3:HPSでは潜伏期間が約1〜7週間、通常約2週間です。初期症状には発熱、頭痛、悪寒、筋肉痛、関節痛などがあり、重症化すると咳や呼吸困難、呼吸不全、循環不全が現れることがあります。
Q4:日本にいるネズミからHPSに感染する可能性はありますか?
A4:JIHSによると、HPSを引き起こすハンタウイルスを媒介するげっ歯類は日本国内に生息していません。そのため、国内のネズミからHPSに感染する可能性は極めて低いとされています。
Q5:ハンタウイルスにワクチンや特効薬はありますか?
A5:HPSには特異的な治療薬や国内承認ワクチンがありません。治療は対症療法が中心です。感染が疑われる場合は、早期に医療機関へ相談することが重要です。
まとめ:ハンタウイルス日本国内の感染リスクと今後の注意点
2026年のハンタウイルスをめぐる最大のニュースは、M/V Hondiusで発生したアンデスウイルスの集団感染だった。
13人の感染者と3人の死亡者が報告されたものの、WHOは7月2日に終息を宣言。日本人乗船者の健康観察も6月22日に終了している。
日本国内については、HPSの患者発生報告はなく、HFRSも過去の実験動物由来の感染例を最後に長期間確認されていない。
特に重要なのは、HPSを媒介するげっ歯類が国内に生息していないという点だ。現時点で日本国内に大規模な流行が起きる可能性は極めて低い。
ただし、ハンタウイルスそのものが危険性の低いウイルスというわけではない。感染した場合には重症化する可能性があり、特にアンデスウイルスでは人から人への感染も起こり得る。
日本で過度に恐れる必要はないが、海外渡航時のネズミ対策と、感染が疑われる場合の早期受診は欠かせない。
厚生労働省と国立健康危機管理研究機構が公表する最新の感染症情報を確認しながら、国内の実際のリスクに即した対策を続けることが大切だ。