群像新人賞第70回2026年版!応募条件・締切・賞金・AI規定を徹底解説
群像新人賞への応募を検討している小説家志望者にとって、2026年は第70回という節目の募集となる。講談社の文芸誌『群像』が主催する群像新人文学賞は、純文学の新しい才能を発掘してきた歴史ある公募文学賞だ。第70回の募集では、400字詰め原稿用紙換算で70枚以上250枚以内の未発表小説を対象としている。
2026年10月31日現在、WEB応募の受付は10月15日24時をもって終了しており、郵送応募は10月31日(土)の当日消印有効で受け付けられている。賞金は当選作50万円、優秀作25万円。選考委員には朝吹真理子、井戸川射子、江南亜美子、奥泉光、藤野可織の5人が名を連ねる。さらに、著作権侵害に該当する生成AIの使用禁止や、Word形式による原稿提出など、応募前に把握しておきたい条件もある。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 応募締切:WEBは2026年10月15日24時で終了。郵送は10月31日当日消印有効。
- 応募条件:自作未発表の小説で、400字詰め原稿用紙換算70~250枚。一人一篇まで。
- 賞金:当選作50万円、優秀作25万円。本誌掲載の原稿料を含む。
- 生成AI:著作権侵害に該当する生成AIの使用は禁止。最終候補作品には使用の有無と方法を確認。
- 選考委員:朝吹真理子、井戸川射子、江南亜美子、奥泉光、藤野可織。
- 結果発表:予選通過作品は2027年5月号、選考結果と受賞作は2027年6月号に掲載予定。
【2026年10月31日時点】群像新人賞第70回の応募締切と募集要項を解説

第70回群像新人文学賞の主催者は講談社、募集媒体は月刊文芸誌『群像』だ。2026年の募集では、郵送とWEBの2種類の応募方法が用意された。ただし、両者の締切日は異なるため、同じ10月末まで応募できると考えてしまうと機会を逃す。
WEB応募は10月15日で受付終了
WEB応募の締切は2026年10月15日(木)24時までだった。専用のWEB投稿フォームに必要事項を入力し、Word形式の原稿ファイルをアップロードする方式である。
したがって、10月31日現在、WEBから新たに第70回へ応募することはできない。郵送応募の締切が別に設定されていることが、今回の募集で特に注意したい点だ。
郵送応募は10月31日当日消印有効
郵送の締切は2026年10月31日(土)当日消印有効。必着ではなく、締切日当日の消印が有効となる。
郵送先は以下のとおり。
〒112-8001
東京都文京区音羽2-12-21
講談社 群像編集部 新人文学賞係
締切日に投函する場合は、郵便局の窓口受付時間やポストの最終集荷時刻に注意したい。消印が10月31日になるかどうかが重要であり、翌日扱いになれば応募条件を満たさない可能性がある。
また、郵送原稿は提出後に返却されない。原稿を保管したい場合は、必ず手元にコピーを残しておく必要がある。
【応募資格と原稿枚数】未発表小説70~250枚の条件とは?
第70回の応募対象は、自分が執筆した未発表の小説だ。単純に文字数を満たせば応募できるわけではなく、発表歴や他の新人賞への応募状況にも条件がある。
応募できる作品と対象外になる作品
講談社の公式募集要項では、応募作品について自作未発表の小説に限定している。具体的には、次のような作品は対象外となる。
- 同人雑誌ですでに発表した作品
- 他の新人賞に応募した作品
- インターネット上で公開した作品
- 自作未発表という条件を満たさない作品
特に注意したいのが、個人ブログや小説投稿サイトなどで公開した作品だ。応募前に非公開に変更したとしても、過去に公開した事実がなくなるわけではない。未発表作品として扱えるかどうかを、単なる公開設定の変更だけで判断するのは避けたい。
応募は一人一篇まで。複数の作品を同時に提出することはできない。
原稿枚数は400字詰め換算70~250枚
応募できる作品の分量は、400字詰め原稿用紙換算で70枚以上250枚以内となっている。
これは実際のWordファイルのページ数が70~250ページという意味ではない。400字詰め原稿用紙に換算した枚数であり、応募時には換算枚数を必ず明記する。
文字数に置き換えると、おおむね次の範囲になる。
- 最低枚数:70枚、約28,000字
- 最高枚数:250枚、約100,000字
したがって、短編小説のような極端に短い作品では応募条件を満たせない一方、長編として大きく膨らませすぎても上限を超えてしまう。
作品の構成を考える段階から、70~250枚という範囲を意識しておくことが大切だ。枚数を増やすためだけの描写や、上限に合わせるためだけの不自然な削除は、作品全体の完成度を損なう原因になりかねない。
【郵送とWEB応募を比較】Wordフォーマット・A4縦書きの注意点
第70回では郵送とWEBのどちらでも応募できるが、提出方法に違いがある。特に、原稿のレイアウトやファイル形式は共通条件となっているため、郵送だから自由な形式でよいというわけではない。
| 比較項目 | 郵送応募 | WEB応募 |
|---|---|---|
| 締切 | 2026年10月31日当日消印有効 | 2026年10月15日24時まで |
| 受付状況(10月31日現在) | 締切日当日 | 受付終了 |
| 提出方法 | 原稿を郵送 | 専用フォームからアップロード |
| 原稿形式 | A4判・縦書き | A4判・縦書き |
| レイアウト | 1行40字×36行 | 1行40字×36行 |
| ファイル形式 | 紙の原稿 | Word(.doc/.docx/.docm) |
| 表紙 | 合計2枚を用意 | 1ページ目を表紙にする |
| ページ番号 | 各ページ右下に通し番号 | 各ページ右下に通し番号 |
A4判・縦書き・40字×36行が共通ルール
郵送とWEBのどちらを選ぶ場合も、原稿はA4判、縦書き、1行40字×36行にレイアウトする。
また、各ページの右下には通し番号を付けなければならない。ページ番号の付け忘れや、指定されたレイアウトと異なる書式での提出は避けたい。
講談社は公式募集ページで応募用Wordフォーマットも案内している。書式設定に不安がある場合は、指定フォーマットを利用することで、基本的な体裁を整えやすくなる。
1ページ目の表紙に必要な情報
最初のページは表紙として扱い、次の情報を記載する。
- 作品名
- 400字詰め原稿用紙換算の枚数
- 本名・筆名
- ふりがな
- 生年月日
- 住所
- 電話番号
- メールアドレス
- 職業
- 略歴(出身地、筆歴など)
筆名だけで応募者情報を完結させることはできない。本名と筆名の両方を記載し、連絡先も正確に記入する必要がある。
郵送は表紙を合計2枚用意する
郵送応募には、WEB応募にはない書類上の注意点がある。
公式要項では、表紙と原稿をしっかりと綴じたうえで、表紙をもう1枚、綴じずに原稿に添付するよう指定している。つまり、表紙は合計2枚必要だ。
応募直前には、表紙の枚数、原稿の綴じ方、ページ番号、換算枚数の記載を確認したい。作品の内容以前に、提出形式の不備で応募条件を満たせなくなることは避けるべきだ。
【賞金50万円・生成AI規定】応募者が知っておくべき重要事項
群像新人文学賞の魅力は、受賞による評価だけではない。文芸誌『群像』への掲載という発表の機会と、講談社の文学出版活動につながる可能性があることも大きな特徴だ。
当選作50万円、優秀作25万円
第70回の賞金は以下のとおり。
- 当選作:50万円
- 優秀作:25万円
いずれも本誌掲載の原稿料を含む金額となっている。
また、同じ賞の受賞作品が複数ある場合には、該当する受賞者の人数で賞金を配分する規定がある。したがって、複数の当選作が選ばれた場合でも、必ずしも各作品の受賞者がそれぞれ50万円を受け取るわけではない。
さらに、受賞作の書籍・電子書籍に関する出版権は講談社に帰属する。出版される場合は、講談社所定の印税が支払われる仕組みだ。
生成AIの利用は全面禁止なのか?
2026年の応募要項で見逃せないのが、生成AIに関する規定である。
公式要項では、著作権侵害に該当する生成AIの使用を禁止している。例として、第三者の著作物をコピーしたり、改変したりするような利用が挙げられている。
一方で、規定の文言は生成AIのあらゆる使用を一律に禁止するというものではない。著作権侵害に該当する利用を禁止対象としている点が重要だ。
ただし、AIを使用した場合の個別の可否を、用途の名称だけで判断することはできない。特に小説本文の生成や既存作品を参照した生成では、著作権上の問題が生じる可能性がある。
さらに、最終候補作品については、AI使用の有無と、使用した場合の具体的な方法を改めて確認すると明記されている。
応募を考える書き手にとっては、次のような管理が現実的だ。
- 小説本文は自分自身の創作として執筆する。
- 第三者の小説や文章をAIに取り込んで模倣・改変する使い方を避ける。
- AIを使用した場合は、利用サービスと用途を記録しておく。
- 最終候補になった場合に説明できるよう、執筆過程や原稿の履歴を保存する。
AI利用規定を「生成AIなら何をしてもよい」という意味に読み替えることも、「一切のAI利用が禁止」と断定することも適切ではない。著作権侵害に該当するかどうかを中心に、公式要項の文言を正確に理解する必要がある。
【選考委員5人を紹介】朝吹真理子・井戸川射子らが第70回を審査
第70回群像新人文学賞の選考委員は、朝吹真理子、井戸川射子、江南亜美子、奥泉光、藤野可織の5人だ。
作家と文芸批評の分野で活動する委員がそろっており、応募者にとっては、自分の作品がどのような読者・批評的視点に向き合うのかを考えるうえでも注目したい顔ぶれである。
第70回の選考委員一覧
- 朝吹真理子:小説家。作品を書くことの孤独や、書き終えた作品を他者に渡すことについて公式メッセージを寄せている。
- 井戸川射子:小説家・詩人。小説における時間や視点、絡まり合う要素について独自の言葉で応募者にメッセージを送っている。
- 江南亜美子:文芸評論家。作品が何を実現しようとしているのかを読み取る姿勢を示している。
- 奥泉光:小説家・批評家。読者を夢中にさせる小説の可能性と、作品がもたらす驚きに言及している。
- 藤野可織:小説家。言葉に新しい名前を与えることと、小説の創造性についてメッセージを寄せている。
公式募集ページには、5人それぞれの応募者向けメッセージが掲載されている。
そこから読み取れるのは、単に文章が整っているだけではなく、作品固有の視点や表現、書き手自身の衝動が重要なテーマになっていることだ。
もちろん、選考委員のメッセージだけから特定の作風が有利だと判断することはできない。特定の作家の文体を模倣するよりも、自分の作品が何を描き、どのような表現によって読者に届けようとしているのかを明確にすることが、執筆上の課題になる。
予選通過と受賞作の発表はいつ?
第70回の発表スケジュールは次のとおり。
- 2027年5月号:予選通過作品を発表予定。
- 2027年6月号:選考結果と受賞作を掲載予定。
受賞作の発表は2027年6月号が予定されている。予選通過作品と最終的な受賞作の発表は別のタイミングとなるため、5月号の掲載情報だけで選考結果が確定したと考えないようにしたい。
【歴代受賞者と代表作】村上春樹・村上龍・阿部和重らを輩出
群像新人文学賞が長く注目されてきた理由の一つは、後に日本文学を代表する作家となる人物を輩出してきた実績にある。
1958年に創設された同賞の公式受賞者履歴には、村上龍、村上春樹、多和田葉子、阿部和重などの名前が並ぶ。
文学史に残る歴代の受賞者
- 第18回:林京子『祭りの場』
- 第19回:村上龍『限りなく透明に近いブルー』
- 第22回:村上春樹『風の歌を聴け』
- 第34回:多和田葉子『かかとを失くして』
- 第37回:阿部和重『アメリカの夜』
- 第58回:乗代雄介『十七八より』
- 第59回:崔実『ジニのパズル』
- 第64回:石沢麻依『貝に続く場所にて』
- 第67回:豊永浩平『月ぬ走いや、馬ぬ走い』
こうした受賞歴を見ると、群像新人文学賞が単に新人作家の登竜門というだけでなく、日本文学に新しい表現を持ち込む書き手を見いだしてきた賞であることが分かる。
第68回・第69回の受賞作にも注目
近年の受賞作にも、次の世代を担う書き手の動きが表れている。
第68回(2025年発表)では、綾木朱美の『アザミ』と駒田隼也の『鳥の夢の場合』が当選作に選ばれた。
続く第69回(2026年発表)では、永田修矢の『骨と鎖』と冬島いのりの『夏蚕の翅』が当選作となった。講談社の発表によると、第69回の応募総数は2,237篇だった。
第69回の選考委員は朝吹真理子、島田雅彦、藤野可織、古川日出男、町田康の5人。第70回では委員構成が変更され、井戸川射子、江南亜美子、奥泉光が加わっている。
こうした歴代の受賞者と作品を読むことは、応募者にとって有益な研究材料になる。ただし、過去の受賞作と似たテーマや文体を選ぶことが、そのまま受賞への近道になるわけではない。
重要なのは、各作品がどのように独自の視点を確立し、既存の小説表現に新しい可能性を提示しているかを読み解くことだ。
群像新人賞に関するよくある質問(FAQ)
Q1:群像新人賞第70回の応募締切はいつですか?
A1:WEB応募は2026年10月15日24時までで、すでに終了しています。郵送応募は2026年10月31日当日消印有効です。2026年10月31日現在、郵送が残された応募方法です。
Q2:応募資格に年齢制限はありますか?
A2:公式要項では未成年者の応募も認められています。ただし、未成年者は必ず保護者の同意を得る必要があります。
Q3:小説の原稿枚数は何枚必要ですか?
A3:400字詰め原稿用紙換算で70枚以上250枚以内です。応募時には換算枚数を明記してください。
Q4:過去にブログやSNSで公開した小説は応募できますか?
A4:公式要項ではネット上で発表した作品を対象外としています。過去に公開した作品を非公開に変更するだけで応募可能になるとは判断できません。
Q5:生成AIを使った小説は応募できますか?
A5:著作権侵害に該当する生成AIの使用は禁止されています。また、最終候補作品についてはAI使用の有無と使用方法を確認するとされています。利用方法を慎重に判断してください。
Q6:受賞結果はいつ発表されますか?
A6:予選通過作品は2027年5月号、選考結果と受賞作は2027年6月号に掲載予定です。
Q7:郵送応募で必要な表紙は何枚ですか?
A7:合計2枚です。1枚は原稿と一緒に綴じ、もう1枚は綴じずに原稿に添付します。
まとめ:第70回群像新人賞は締切・原稿形式・AI規定の確認が重要
第70回群像新人文学賞は、2026年10月31日が郵送応募の最終日となる。WEB応募は10月15日で終了しており、両者の締切を混同しないことが最も重要だ。
応募条件は、自作未発表の小説で400字詰め原稿用紙換算70~250枚、一人一篇。原稿はA4判の縦書きで1行40字×36行とし、ページ番号や表紙の記載事項にも注意する必要がある。
賞金は当選作50万円、優秀作25万円。選考委員は朝吹真理子、井戸川射子、江南亜美子、奥泉光、藤野可織の5人で、2027年5月号に予選通過作品、6月号に最終的な選考結果と受賞作が掲載される予定だ。
また、生成AIについては著作権侵害に該当する利用が禁止され、最終候補作品には使用状況の確認が行われる。執筆の独自性と権利関係を意識することも、応募者に求められる姿勢といえる。
歴代受賞者には村上春樹、村上龍、多和田葉子、阿部和重など、日本文学を代表する作家が名を連ねる。第70回もまた、新しい文学の担い手が登場する機会となる。
応募を目指す書き手は、締切だけでなく、作品の未発表性、原稿枚数、提出形式、生成AI規定まで確認したい。何より大切なのは、既存の作品をなぞるのではなく、自分にしか書けない小説を完成させることだ。
主な根拠資料: 講談社『群像』第70回公式募集要項 、群像新人文学賞公式受賞者履歴 、講談社による第69回受賞発表 。