【2026年最新情報】請求期限は2027年3月31日!2032年への延長法案と基本合意書(その3)

目次

2026年のB型肝炎給付金をめぐる動きで、特に重要なのが次の2つです。

1. 2026年1月15日の基本合意書(その3)
2. 2026年10月9日に提出された請求期限延長法案

どちらも、現在の救済制度を利用する人に影響する重要な動きです。

1.2027年3月31日の請求期限は現行法上まだ有効

b型肝炎給付金

2026年10月31日現在、現行制度における給付金の請求期限は2027年3月31日です。

期限までに訴えの提起等を行った場合には、判決が確定した日、または和解・調停が成立した日から1か月を経過する日と、2027年3月31日のいずれか遅い日まで請求できる仕組みになっています。

ここで注意したいのは、訴訟の準備を始めただけでは期限を守ったことにならない点です。

医療記録の収集や感染経路の調査、訴状の作成には時間がかかる場合があります。期限直前になってから動くと、必要な手続きが間に合わない可能性があります。

2.2026年10月9日提出の期限延長法案とは?

厚生労働省は2026年10月9日、特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等の支給に関する特別措置法の一部改正案を国会に提出しました。

最大のポイントは、請求期限を次のように変更する内容です。



現行制度の期限

2027年3月31日





改正法案が成立・施行された場合


延長案の期限

2032年3月31日



2026年10月31日時点では未成立
法案上は公布の日から施行する内容です。

改正案の内容は、請求期限を5年間延長することに加え、給付金支給に必要な資金調達期間などを延長するものです。

3.10月31日時点の国会審議状況

衆議院の公式議案審議経過情報によると、改正法案は次の段階にあります。

- 2026年10月9日:内閣から衆議院に提出
- 2026年10月27日:衆議院厚生労働委員会に付託
- 2026年10月31日:公式審議経過上、委員会審査結果・審議結果・公布年月日は未記載

つまり、2032年3月31日への延長は決定事項ではありません。

法案が提出されたことと、国会で成立して法律として施行されたことは別です。

したがって、申請を考えている人は、延長されることを前提に手続きを先送りしない方が安全です。

4.2026年1月15日締結「基本合意書(その3)」の重要性

2026年のもう一つの大きな動きが、慢性肝炎の再燃・再々燃に関する新しい合意です。

背景にあるのは、2021年4月26日の最高裁判決です。

慢性肝炎がいったん鎮静化した後に再燃した場合、一定の要件を満たせば、最初の発症時ではなく再燃時を20年の除斥期間の起算点として扱うという判断が示されました。

これを踏まえ、2026年1月15日、国と全国B型肝炎訴訟原告団・弁護団との間で基本合意書(その3)が締結されました。

対象となる経過は主に3種類です。

① HBe抗原陰性慢性肝炎が再燃したケース

HBe抗原陽性の慢性肝炎が発症し、セロコンバージョンを経て鎮静化した後、HBe抗原陰性の状態で慢性肝炎が再燃したケースです。

この場合、一定の条件のもとで、HBe抗原陰性慢性肝炎の再燃時を起算点として扱います。

② HBe抗原陽性慢性肝炎が再々燃したケース

最初の慢性肝炎が鎮静化した後、HBe抗原陰性の慢性肝炎が再燃し、さらに鎮静化。その後、再びHBe抗原陽性となって慢性肝炎が再々燃したケースです。

③ HBe抗原陰性慢性肝炎が再々燃したケース

HBe抗原陰性慢性肝炎が再燃した後、担当医が治療を必要としない状態と判断したにもかかわらず、再び慢性肝炎が発症したケースです。

すでに低額の給付金で和解した人にも関係する

基本合意書(その3)で見逃せないのは、すでに20年の除斥期間が経過した慢性肝炎として和解した人にも関係することです。

一定の要件を満たす場合、再度訴訟を提起し、基本合意書(その3)の対象と認められれば、既に受け取った給付金と1,250万円との差額を受け取れる可能性があります。

例えば、以前に300万円を受け取った人が対象となれば、差額950万円が支給対象になる計算です。

ただし、過去に和解した人全員が自動的に対象になるわけではありません。再燃時期やHBe抗原の変化、治療経過などの医学的証拠が必要です。

この改正は、長期間にわたって慢性肝炎を繰り返してきた人にとって、救済の可能性を広げる重要な変更です。

【プロの結論】B型肝炎給付金を申請する前に確認したい5つの判断基準

B型肝炎給付金をめぐる情報を整理すると、受給可能性を判断するうえで大切なのは、病気の有無だけではありません。

感染した時期、感染経路、持続感染の証明、病態、除斥期間という5つの要素が関係しています。

申請を検討する人は、次の基準で状況を整理するとよいでしょう。

申請を検討する価値がある人

- 対象期間に7歳になるまでの集団予防接種等を受けた人
- B型肝炎ウイルスの持続感染が確認されている人
- 母親や父親が集団予防接種による感染者である可能性がある人
- 母子健康手帳や古い医療記録が残っている人
- 病態が進行した人、慢性肝炎が再燃した人
- 感染した家族が亡くなり、相続人として請求を検討している人

受給が難しくなる可能性があるケース

- 一過性の感染歴しか確認できない
- 対象となる集団予防接種等との因果関係が認められない
- 成人後の感染など、別の感染経路が医学的に確認されている
- 必要な証拠を収集できず、救済要件を立証できない

ただし、母子健康手帳がない、母親が亡くなっている、医療記録の一部が廃棄されているといった事情だけで、直ちに対象外になるわけではありません。

申請前に優先したい行動

1. 自分や家族の感染状況を医療機関で確認する。
2. 母子健康手帳、予防接種記録、古いカルテを探す。
3. 母親や父親の感染歴を確認する。
4. 過去に慢性肝炎や肝硬変と診断された時期を整理する。
5. 厚生労働省や専門の弁護士に受給可能性を相談する。

特に2026年10月31日現在は、現行期限まで約5か月しかありません。延長法案の審議状況を確認しながら、必要な証拠を早めに集めることが現実的です。

【B型肝炎給付金】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:B型肝炎ウイルスに感染していれば誰でも給付金を受け取れますか?

A1:いいえ。感染しているだけでは足りません。対象期間の集団予防接種等による感染、または対象者からの母子感染・父子感染など、制度で定められた感染経路と持続感染の要件を満たす必要があります。

Q2:症状がない無症候性持続感染者でも給付金をもらえますか?

A2:はい。対象要件を満たせば、無症候性持続感染者も給付対象です。原則として600万円、20年の除斥期間が経過した特定無症候性持続感染者は50万円です。後者には定期検査費などの政策的支援もあります。

Q3:B型肝炎給付金の請求期限は2032年3月31日に決まったのですか?

A3:2026年10月31日時点では決まっていません。現行期限は2027年3月31日です。2032年3月31日まで延長する改正法案が2026年10月9日に提出され、10月27日に衆議院厚生労働委員会に付託されましたが、成立は確認されていません。

Q4:母親がB型肝炎に感染していた場合、子どもも対象になりますか?

A4:可能性があります。母親が一次感染者の要件を満たし、子ども自身の持続感染と母子感染の関係が認められる必要があります。父子感染や複数世代の感染についても一定の救済枠組みがあります。

Q5:B型肝炎給付金の申請に弁護士は必ず必要ですか?

A5:弁護士への依頼は必須ではありません。本人が自分で訴訟を進めることもできます。ただし、感染経路や医学的証拠の立証には専門知識が必要になるため、経験のある弁護士や弁護団に相談する方法もあります。弁護士費用については給付金の4%相当の訴訟手当金が別途支給される仕組みがあります。

Q6:すでに給付金を受け取った人も追加請求できますか?

A6:病態が進行した場合には、既に受け取った金額との差額を追加給付金として請求できる場合があります。また、2026年1月15日の基本合意書(その3)に該当する慢性肝炎の再燃・再々燃事例では、過去の和解内容を見直せる可能性もあります。


まとめ:B型肝炎給付金は期限・証拠・感染経路の確認が重要

B型肝炎給付金は、過去の集団予防接種等による感染被害を救済する制度です。

対象者は一次感染者だけでなく、一定の母子感染・父子感染による二次感染者や、その相続人にも広がっています。

給付額は病態や除斥期間によって異なり、50万円から最大3,600万円です。無症候性持続感染者も対象になるため、症状がないことだけを理由に諦める必要はありません。

2026年の重要な動きは次の2点です。

- 2026年1月15日:慢性肝炎の再燃・再々燃に関する基本合意書(その3)が締結。
- 2026年10月9日:請求期限を2032年3月31日まで延長する改正法案が国会に提出。

ただし、10月31日時点では延長法案は未成立であり、現行の請求期限は2027年3月31日のままです。

最も避けたいのは、延長法案の成立を期待して証拠収集や相談を後回しにすることです。

自分や家族に対象となる感染歴があるかもしれないと感じたら、まずは医療記録や戸籍、予防接種歴を確認し、厚生労働省の相談窓口や専門の弁護士に問い合わせてください。

制度の対象となる可能性を早い段階で確認することが、適切な救済につながる第一歩です。


主な公的確認資料

- 厚生労働省「B型肝炎訴訟について」
- 厚生労働省「B型肝炎訴訟の手引き」第8版(2026年1月改訂)
- 厚生労働省「基本合意書(その3)について」
- 衆議院「第222回国会・閣法第9号」議案審議経過情報
- e-Gov法令検索「特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等の支給に関する特別措置法」
- 医療情報基盤・診療報酬審査支払機構「給付金等請求」