【2021年12月30日の放送結果】Da-iCEはどのように大賞を受賞したのか
第63回日本レコード大賞の最終審査と音楽発表会は、2021年12月30日午後5時30分から、東京・初台の新国立劇場中劇場で開催された。
新型コロナウイルス感染防止対策のため、前年に続いて無観客での開催となった。総合司会は安住紳一郎と吉岡里帆、アシスタントはTBSアナウンサーの江藤愛が務めた。
番組では、特別国際音楽賞を受賞したBTSの映像出演、特別賞を受賞したAdoのパフォーマンス、YOASOBIのステージなども披露された。
そして、優秀作品賞に選ばれた10組が会場にそろった後、大賞が発表された。受賞したのはDa-iCEの「CITRUS」だった。これがグループにとって初めての日本レコード大賞受賞となった。
この一連の経緯は、日本作曲家協会が公開している第63回の公式開催記録にも掲載されている。
受賞までの重要な時系列

| 時期 | 出来事 | 意味 |
|---|---|---|
| 2011年1月 | Da-iCE結成 | 渋谷のライブ活動からスタート |
| 2020年10月 | 「CITRUS」配信開始 | ドラマ『極主夫道』主題歌 |
| 2020年11月25日 | CD発売 | 21枚目のシングル |
| 2021年4月 | THE FIRST TAKE出演 | 歌唱が再注目される |
| 2021年9月8日 | ストリーミング1億回突破 | Billboard JAPANで確認 |
| 2021年11月18日 | 優秀作品賞10曲発表 | 大賞の審査対象に選出 |
| 2021年12月30日 | 第63回日本レコード大賞 | 「CITRUS」が大賞受賞 |
特に重要なのは、1億回再生突破が11月の候補発表や12月の大賞決定より前だったことだ。受賞後に数字を伸ばしただけの作品ではなく、受賞前からヒットの実績を積み重ねていた。
【歴代受賞曲と比較】2021年のDa-iCEだけが異例だったのか
レコード大賞2021を検証するには、過去と翌年以降の受賞作品を比較することも欠かせない。
日本レコード大賞は、時代によって受賞するアーティストや楽曲の傾向が変化してきた。CDの売上が音楽市場で大きな存在感を持っていた時代と、ストリーミングや動画配信がヒットを左右する時代では、楽曲が広がる経路も違う。
TBSと日本作曲家協会の歴代受賞記録から、2019年以降の大賞を整理すると次のようになる。
| 年 | 大賞受賞曲 | アーティスト |
|---|---|---|
| 2019年 | パプリカ | Foorin |
| 2020年 | 炎 | LiSA |
| 2021年 | CITRUS | Da-iCE |
| 2022年 | Habit | SEKAI NO OWARI |
| 2023年 | ケセラセラ | Mrs. GREEN APPLE |
| 2024年 | ライラック | Mrs. GREEN APPLE |
出典:TBSテレビ、日本作曲家協会の歴代大賞一覧。
2020年のLiSA「炎」と何が違ったのか
2020年の大賞は、LiSAの「炎」だった。映画『劇場版 鬼滅の刃 無限列車編』の主題歌として大きな話題を集め、幅広い世代に知られた楽曲だ。
その翌年に選ばれた「CITRUS」は、同じようにドラマ主題歌としてスタートしたものの、人気の広がり方が異なっていた。
「炎」は映画とアニメの社会的な話題性を背景に、多くの人が作品と楽曲を同時に知る形で広がった。一方、「CITRUS」はドラマでの使用に加えて、THE FIRST TAKEでの歌唱やストリーミングサービスを通じて、徐々にリスナーを増やしていった。
この違いは、必ずしもどちらの楽曲が優れているかという話ではない。ヒットの形成過程が違えば、一般視聴者が感じる知名度や印象も変わるということだ。
Da-iCEの受賞はその後の活動につながった
2021年の受賞は、Da-iCEにとって一度きりの話題ではなかった。
2022年には「スターマイン」が第64回日本レコード大賞の優秀作品賞に選ばれ、同年のMTV Video Music Awards Japanでも「MTV Breakthrough song」を受賞した。
さらに2024年には「I wonder」が第66回日本レコード大賞の優秀作品賞に選出され、同年のNHK紅白歌合戦にも初出場している。
こうした後年の実績を踏まえると、2021年の大賞受賞は、知名度がなかったグループに突然与えられた賞というより、長期的に積み重ねてきた活動とヒット曲が広く認識される転換点だったと捉えられる。
【SNSの反応と評判】視聴者は何に納得できなかったのか
2021年のレコード大賞をめぐるネット上の反応は、主に候補曲の知名度、選考基準、大賞の決定方法という3つの論点に集中していた。
J-CASTニュースが2021年11月19日に報じた内容からも、候補曲が発表された直後に、SNS上で選考に対する疑問が出ていたことが分かる。
当時の批判的な反応を3つに分類
① 知らない曲が候補に入っているという疑問
視聴者の中には、優秀作品賞の10曲を見ても、普段聴いている音楽やテレビで耳にする楽曲と一致しないと感じた人がいた。
特に、年間を代表するヒット曲を選ぶ賞というイメージが強い人ほど、候補の顔ぶれに違和感を持ちやすかった。
② 話題になった曲が選ばれていないという疑問
優里の「ドライフラワー」など、音楽配信やSNSで話題を集めた楽曲が優秀作品賞に入っていないことも、議論の材料となった。
ここには、音楽配信での人気を重視する人と、作曲や編曲を含めた作品全体の評価を重視する審査側との間に、評価軸の違いがあったと考えられる。
③ 選考基準が分かりにくいという不満
大衆の支持、芸術性、独創性、企画性という公式基準は存在する。しかし、それぞれの評価がどの程度だったのかは公表されていない。
そのため、結果を見ても「なぜこの曲が選ばれたのか」という疑問に具体的な数字で答えにくかった。
SNSの批判はDa-iCEへの否定だったのか
ここは切り分けて考えたい。
当時の報道で紹介された反応の多くは、候補曲や選考制度への疑問だった。Da-iCEの歌唱力や「CITRUS」の楽曲としての魅力を否定する意見と、レコード大賞の選び方に納得できないという意見は、必ずしも同じではない。
実際、Da-iCEは結成から10年にわたりライブ活動を続け、ストリーミングでも1億回再生を達成していた。こうした実績を知っているファンと、テレビ番組で初めてグループを知った視聴者では、受賞に対する受け止め方が異なっても不思議ではない。
また、当時の記事で紹介されたSNSの投稿は、ネット上の反応の一部を切り取ったものだ。投稿の紹介だけで、視聴者全体が受賞に反対していたと判断することはできない。
「不正な受賞だった」という噂は本当なのか
「レコード大賞2021がおかしい」という検索から、選考の不正や裏事情を疑う人もいる。しかし、候補曲への不満と、不正が実際に行われたという事実は別問題だ。
第63回について、日本作曲家協会は主催者、開催日、大賞受賞曲、優秀作品賞10曲、作曲・作詩・編曲者などを公式記録として公表している。
公開されている資料や当時の主要報道からは、Da-iCEの「CITRUS」の受賞が不正に操作されたと裏付ける具体的な証拠は確認できない。
したがって、知名度に関する疑問や選考過程の透明性への批判を、そのまま不正の証拠として扱うのは適切ではない。
【プロの結論】レコード大賞2021は本当におかしかったのか
ここまでの事実を整理すると、2021年の日本レコード大賞には、視聴者が疑問を持つだけの背景があった。一方で、Da-iCEの受賞そのものには、客観的な音楽活動の実績という裏付けも存在している。
編集者の視点から評価すると、問題は大きく3つに分けられる。
1.受賞曲の実績と知名度を混同しない
「CITRUS」は2021年9月にストリーミング累計1億回再生を突破している。これは大賞発表より前の数字であり、受賞後に作られた実績ではない。
テレビでの露出が少ない、アーティストの名前を知らないという理由だけで、楽曲の支持まで否定することはできない。
2.選考基準と視聴者の期待は別のもの
視聴者は、その年に最も流行した曲や最も多く耳にした曲を大賞に期待することがある。しかし、公式基準では、作品の芸術性や独創性、歌唱、年度の代表性なども評価対象となっている。
問題は、そうした評価基準が一般視聴者に十分伝わっているかどうかだ。候補作品の選出理由や最終審査の評価過程が分かりやすく公表されれば、結果に対する納得感も変わるはずだ。
3.2021年の受賞を現在の実績からも検証する
2022年の「スターマイン」、2024年の「I wonder」と、その後もDa-iCEはレコード大賞の優秀作品賞に選ばれている。さらに2024年にはNHK紅白歌合戦にも初出場した。
この後年の活動は、2021年の「CITRUS」が一時的な話題だけで評価されたわけではなく、グループの音楽活動が継続的に発展してきたことを示している。
ただし、後年の成功が2021年の選考過程を自動的に正当化するわけではない。あくまで受賞後の活動を評価する別の材料として見るべきだ。
最終的な評価は、「Da-iCEの受賞は実績のない突然の選出ではなかった。しかし、選考の透明性や視聴者との認識のギャップには改善の余地があった」というものだ。
【レコード大賞2021がおかしいという疑問】よくある質問(FAQ)
Q1:レコード大賞2021の大賞は誰が受賞しましたか?
A1:2021年12月30日に放送された第63回日本レコード大賞で、Da-iCEが楽曲「CITRUS」で大賞を受賞しました。グループにとって初めての大賞受賞でした。
Q2:Da-iCEの「CITRUS」が選ばれた理由は何ですか?
A2:公式に公表されている個別の採点理由はありません。ただし、ドラマ『極主夫道』の主題歌としての実績、THE FIRST TAKEでの歌唱による再注目、2021年9月のストリーミング累計1億回再生突破などが、受賞を理解するうえで重要な背景です。
Q3:2021年の優秀作品賞にはどんな曲が選ばれましたか?
A3:LiSA「明け星」、純烈「君がそばにいるから」、乃木坂46「ごめんねFingers crossed」、Da-iCE「CITRUS」、NiziU「Take a picture」、DA PUMP「Dream on the street」、AKB48「根も葉もRumor」、三浦大知「Backwards」、氷川きよし「Happy!」、Awesome City Club「勿忘」の10曲です。
Q4:レコード大賞は売上や再生回数だけで決まりますか?
A4:いいえ。日本作曲家協会の公式基準では、大衆の支持だけでなく、芸術性、独創性、企画性、優れた歌唱、その年度を代表する作品かどうかなども評価対象です。
Q5:2021年のレコード大賞に不正があったという証拠はありますか?
A5:公開されている第63回の公式記録や主要報道からは、受賞結果が不正に操作されたと裏付ける具体的な証拠は確認できません。選考への批判や疑問と、不正があったという事実認定は分けて考える必要があります。
Q6:Da-iCEは2021年以降もレコード大賞で評価されていますか?
A6:はい。2022年には「スターマイン」、2024年には「I wonder」が優秀作品賞に選ばれています。2024年にはNHK紅白歌合戦にも初出場しました。
まとめ:レコード大賞2021がおかしいと言われた理由と受賞の真相
「レコード大賞2021はおかしい」という声が生まれた背景には、Da-iCEの知名度に対する疑問、優秀作品賞10曲の顔ぶれへの違和感、そして審査過程の分かりにくさがあった。
しかし、受賞曲「CITRUS」は2021年9月にストリーミング累計1億回再生を突破しており、12月の大賞発表より前から確かなヒット実績を持っていた。2020年のリリースからTHE FIRST TAKEでの再注目を経て、約1年かけて支持を広げた作品だった。
また、日本作曲家協会の公式基準は、単なる知名度やCD売上だけでなく、作品の芸術性、独創性、企画性、歌唱力、大衆からの支持を総合的に評価するものとなっている。
2026年現在、当時の出来事を振り返る際に重要なのは、次の3つの判断基準だ。
- 事実として確認できること: Da-iCEの「CITRUS」が正式な候補10曲に選ばれ、2021年12月30日に大賞を受賞したこと。
- 疑問が残ること: 候補曲や最終審査における詳細な評価配分が公開されていないこと。
- 誤解してはいけないこと: 一般的な知名度が低いと感じることと、楽曲の実績がないこと、選考に不正があったことは、それぞれ別の問題であること。
レコード大賞の価値は、受賞者の名前だけで決まるものではない。どの作品が、どのような評価軸で選ばれたのかを視聴者が理解できることも、長く信頼される音楽賞には欠かせない。
2021年のDa-iCEの受賞は、ストリーミング時代におけるヒットの形が変化していたことを象徴する出来事だった。そして、選考基準を分かりやすく示すことが、音楽賞への信頼を高めるうえで今後も問われていく。
主な参考資料
- 公益社団法人日本作曲家協会「日本レコード大賞 実施要項」
- 公益社団法人日本作曲家協会「第63回日本レコード大賞」
- TBSテレビ「輝く!日本レコード大賞」歴代受賞者一覧
- Billboard JAPAN「Da-iCE『CITRUS』自身初のストリーミング累計1億回再生突破」(2021年9月8日)
- ORICON NEWS「Da-iCE『CITRUS』が、自身初となる累積1億回再生突破」(2021年10月13日)
- J-CASTニュース「レコード大賞候補に『知らない曲ばかり』『コレジャナイ感』選考に疑問の声」(2021年11月19日)
- Da-iCE公式プロフィール・ディスコグラフィー